|
Joseph Ruben 監督作品、2004 年。
9 歳の息子 Sam (Christopher Kovaleski) を飛行機事故で失った Terry Paretta (Julianne Moore) は、その事故から 14 ヶ月を経ても未だ息子の死から立ち直れずにおり、精神科医の Jack Munce (Gary Sinise) の心理医療を受けていた。ある日、Terry は Sam の写っていた写真が Sam のいない写真にすり変わっていることに気づく。それだけでなく、息子の映っていた録画 tape には何も録画されておらず、sketch book 等からも息子の痕跡は消えていた。夫の Jim (Anthony Edwards) がそれらを奪ったと思い錯乱した Terry だったが、夫や Jack からは「Sam は元から存在していない、全ては Terry の妄想で、見えなくなったのは治療が成功しているから」と諭される。それでも諦め切れない Terry は新聞や知人をあたるが尽く Sam の痕跡は消えている。だが Terry は、同じ飛行機事故で娘を無くした Ash Correll (Dominic West) の元を訪れ、彼の部屋から彼の娘の痕跡を見つける。飛行機事故を何者かが隠蔽しようとしていると察した二人は、事の真相を知るべく調査を始める……。
これは吃驚しましたねぇ。"Flightplan" みたいな記憶喪失ネタの suspense かと思っていたら、実は M. Night Shyamalan 監督の "Signs" を連想させるような supernatural 映画でありました。いやはや、何とも serius な話なのに後半は真顔で見られません、思わず笑いそうになってしまうので。
いや結構丁寧な作りだとは思うのですよ。序盤から、俯瞰から視点を寄せるような演出を何度も見せたりするのも、奴等の視点という印象を植えつける効果があったのだろうし、光と影の contrast を強調したり、ここぞで使われる SFX も効果的でした。しかし、話の筋を思い出すとどうしても B 級映画な印象しか残らない。何だかもったいないね。
detroit techno な人たち、Drexciya の 1999 年作。Tresor の 129 番。
一時は店舗でよく見かける album だったのでのほほんと構えていたら廃盤になってて落ち込んでたりもしましたが何だか再発されたようで何よりであります。長生きしてて良かった良かった。
さて音の方ですが、Drexciya といえば深海 electro、暗い怖い冷たいの深遠 synth に、水魚の足踏みばりのずんちゃっずんちゃっなゆるゆる四つ打ちで身も心もダゴン状態……のはずなのですが、この album では意外と明るめの synth pad が多用されており、Drexciya らしからぬ pop な album となっております。あっれー、Drexciya ってこんなに光の射すところで泳いでたっけ、と言いたくなるほどに外向きで軽やかな音。この人たちならではのずんちゃっな四つ打ちは健在ですが、tr.10 "Funk Release Valve" や tr.19 "Bottom Feeders" では funky な riff も聴かせたりして、何だか新鮮であります。個人的には upper な tr.4 "Running Out of Space" が印象的。でも Drexciya つーとやっぱ侘び寂びだよなーと思う小生ですので、久々に "Harnessed The Storm" や "Grava 4" を聞きなおしたくなる今日この頃でありました。
箱版鉄拳 6 のオン改善ぱっち、11/26 に release されるとの知らせが複数の筋から出ている様子。出ている情報を見る限りでは、キャリバー並みの matching system になりそうですな。にしても、test 含めて一ヶ月で実装できるような内容ではないように思いますので、元々作りこんでたんじゃねーの疑惑は相変わらず残ります。
まぁ、無事に release されれば良いんですけどね。
そういえばセンコロ DUO の箱移植も決定したようですね。アケ版は触ってないどころか見たこともない小生ですが、箱版出たらきっと買ってしまうでしょう。そして観賞用に陳列させて頂くことになるでしょう。あんでふ箱移植されんかなぁ。
Zabadak の 2009 年作。HARV-0013。
"回転劇場" では原点回帰な面を見せた Zabadak ですが、今回の album ではまた guitar めいんの rock 寄りな作品に戻ってきております。しかし近年の Zabadak は力強いね。この album も、完全に自分の居場所を見つけた人の音になってます。inst も歌ものも自然体で美しい。わっち一期の OP を self cover した tr.4 "旅の途中" も収録してますが、吉良版の方が北風旅情を感じさせて個人的には良い感じであります。
坂本真綾の 1st album、1997 年発表作。VICL-60012。
tr.8 "約束はいらない" は TV anime 「天空のエスカフローネ」の OP 曲でありますが、恐らくこの曲が小生の菅野よう子体験の原初にあたるものでしょう。game のさんとらはほいほい買っても anime にはほとんど手を出していなかった小生が、anime の音てのも実は prog rock ばりに凄い変な世界なんじゃねぇか、と思い始めたのも丁度この頃か。小生にとってはちょっとした turning point になる曲だったんだなぁ。
さてこの album ですが、菅野よう子の全曲作曲 & produce による作品となっております。support musician には今堀恒雄 (g)、渡辺等 (b)、佐野康夫 (ds)、浦田恵司 (synth) といったお馴染みの面々が入っており、演奏面での quality は充分。楽曲の方は 80 年代 idol pops を下敷きにしつつ菅野よう子らしい天然の屈折を織り込んだ代物となっております。まぁ、今に比べればベタな pops 展開やらお定まりな arrange も多いのですが、坂本真綾の歌も初々しく若々しいので、これはこれで少女世界らしくてよろしいかと。tr.5 "ポケットを空にして"、tr.10 "風が吹く日" 等は今聴いても名曲ですな。
渡辺貞夫 (as, fl, sn)、菊地雅章 (p, elp)、富樫雅彦 (ds)、村上寛 (ds)、Gary Peacock (b) の面子による 1971 年録音。小生保有は 2007 年の再発 CD、SICP 10040。
Gary Peacock が日本で侘び寂び修行していた頃の album には個人的に惹かれるものがありまして。"Voices" や "銀界" は今でも傑作と思っとります。その Peacock と、めりけんでの修行を終えて帰国したナベサダをくっつけて作った album がこの "Paysages" であります。
free jazz を志向して作られた album らしく、確かに improvisation の展開を楽しめる部分も多いのですが、えれぴや flute が前面を張り、しかも Paysages が仏語で風景を意味するとのことで、どうにも長閑な 70's fusion を連想せざるを得ません。流石に Peacock 作の tr.3 "Space Is Not A Place" では不穏な空気漂う free jazz になってますが、ナベサダ曲はどうも jazz ぽくなくて困る。この人はやっぱ歌う alto 吹きしてる方が似合ってるような気がしますね。Peacock の侘び寂び宇宙 bass も何だか窮屈そうです。drums に rock 色が強いのも特色ですが、こうきっちり演奏されるとやっぱり jazz ぽくない。
という感じで、どうも食い合わせの悪い組み合わせな感じがする album でありました。まぁ、日本滞在時の Peacock 絡み作でも良し悪しがあるってことで。