Noisy Days in May, 2007

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2007.05.11 (Fri)

[movie] Wild at Heart

 David Lynch 監督作品、1990 年。
 ちんぴらの Sailor Ripley (Nicolas Cage) と小娘 Lula Fortune (Laura Dern) は相思相愛の仲だが、Lula の母親 Marietta (Diane Ladd) は娘を守るためには Sailor を排除せねばならないと考えていた。Marietta から差し向けられた黒人の刺客を返り討ちにした Sailor だが殺人罪に問われ服役。22 ヶ月後、保釈で刑務所を出た Sailor は再び Lula と再会し、二人して California に旅立つ。怒り心頭の Marietta は恋人の私立探偵 Johnnie Farragut (Grace Zabriskie) に二人の追跡を依頼するが、Johnnie は Sailor を悪い男とは思ってなく、追跡にも熱心ではない。業を煮やした Marietta は、殺し屋 Marcelles Santos (J.E. Freeman) に Sailor 探しを依頼する……。

 Lynch 作品にしては至極真っ当な直球熱愛映画ですが、直球過ぎてあまり面白うない。へびめたで踊り狂う Nicolas Cage を観るにはいいかも。あまり観たくもないが。
 敵役は癖があってよろしいです。裸の姉ちゃん侍らして悦に入る Mr. Reindeer (William Morgan Sheppard)、足の悪い sadist の Perdita (Isabella Rossellini)、伊達男だが嫌味な笑いを見せる Bobby Peru (Willem Dafoe) 等、思わず笑いが込み上げる変人が揃っております。最後の天使と "Love Me Tender" でおーるおっけーにしてしまう作品でありました。

log modified: 2007/05/19 16:04:42 JST

2007.05.12 (Sat)

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  • Rufige Kru / Malice In Wonderland
  • Battles / Mirrored
  • The Black Dog / Book of Dogma
  • Gerhard Oppitz / Grieg: Complete Solo Piano Music (7CD)
  • 栗本 薫 『永遠への飛翔 (グイン・サーガ 94)』
  • 栗本 薫 『ドールの子 (グイン・サーガ 95)』
[movie] Dragon Head

 飯田譲治監督作品、2003 年。
 修学旅行帰りの新幹線の中で目覚めた高校生の青木テル (妻夫木聡) は、周囲で乗客が皆死んでいることに驚愕する。すさまじい衝撃が新幹線を襲ったことは覚えているがその原因は解らない。何とか這い出して外に出たテルは、自分が新幹線と共に tunnel に閉じ込められていること、高橋ノブオ (山田孝之) と瀬戸アコ (SAYAKA) の二人が生き残っていることを知る。しかしノブオは異常な状況に呑まれてテル達に襲いかかる。ノブオを斥け tunnel を脱出したテルとアコは、外の世界が白い灰で覆われた廃墟と化していることを知る。テルとアコは東京目指して歩き始める……。

 終末映画。とはいえ "On the Beach" のように静かな諦念の中で座して死を待つような紳士淑女的終末観ではなく、困難や悪意にまみれながらも終末世界を生き延びてやるぜ的なお話であります。
 しかし正直面白くない。violence な状況下でありながら、テルは Mad Max にも世紀末救世主にもならず、火山の流弾や hellicopter からの落下を物ともせぬ運の良さのみを武器に生き延び、最後は火山に向かって吠える。まぁ歌まで歌わないだけましか。アコはテルにくっついておるだけの役たたずお嬢さん。この組み合わせでも生き残ってしまうという映画の不思議さよ。
 廃墟の描写は見事なものですが "The Pianist" の容赦なさに比べれば嘘臭いですな。始終すってんすってん転んでいるテル君よ、君に学習能力てのはないのかね。

diary

 vf5、四段に復帰。勝率もじわじわ上昇して 35% に。しかし相変わらず投げ抜けできん。

log modified: 2007/05/13 03:14:53 JST

2007.05.13 (Sun)

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  • Portishead / Portishead
  • Stanley Myers / The Deer Hunter: Original Motion Picture Soundtrack
  • 佐藤 亜紀 『雲雀』
  • 麻耶 雄嵩 『名探偵 木更津悠也』
  • 茂木 健一郎、江村 哲二 『音楽を「考える」』
  • 高橋 葉介 『夢幻紳士 怪奇篇』
[movie] Patton

 Franklin J. Schaffner 監督作品、1970 年。邦題「パットン大戦車軍団」。
 第二次世界大戦期。北アフリカ戦役で米第一機甲軍団を率いることになった George S. Patton Jr. (George C. Scott) は、代々続く軍人一家の末裔で、古の軍史に詳しい生粋の軍人だった。Patton は緩んだ軍規を締め直し、古戦場に佇んで作戦を練り、独軍の Rommel (Karl Michael Vogler) に果敢に戦いを挑んでこれを打ち破る。鉾先を Italy に向けた Patton は、Bernard Law Montgomery (Michael Bates) 率いる英軍と張り合って強行軍を敢行する。だがその際、Patton は野戦病院で砲弾神経症にかかっている青年を臆病者と詰り、病院から前線へ送り返す。これが連合軍司令部に知られて問題となり、彼は指揮官の地位を失う。失意に沈む Patton だったが、Normandy 上陸以降の西欧戦役で米第三軍を指揮することになり、再び快進撃を続けることになる……。

 という感じで Patton 将軍の半生を描いた伝記映画であります。強いめりけんを体現しておるような人だったんですなぁ。しかも強いめりけんを語り戦場で数々の武勲を立てるにも係わらず、歯に衣着せぬ言動や旧時代的な発想が元で、結局時代から取り残されてしまうという人物像を取り上げるとは、Vietnam 戦争へ突き進む当時のめりけんへの逆説的な批判にもなるんではないですかな。終盤、陥落寸前の Berlin で独軍将校が「戦争しか生きる場所のないお前もいずれ死ぬのだ」とか言いながら Patton の写真を焼き捨てる場面とか、ぐっと来ますな。まぁ、素直に観れば tough な軍人による戦意高揚映画になるんでしょうが。
 Patton 役の George C. Scott が熱演。戦車による戦闘場面はどかんばこんばかりで状況がよく解らない撮り方してます。まぁ、戦争映画つーと大抵こんな感じだよなぁ。

log modified: 2007/05/14 01:47:25 JST

2007.05.14 (Mon)

Nick Drake / Bryter Layter

 UK の singer song writer、Nick Drake の 1970 年作。
 Nick Drake と言うと暗くて鬱な singer 印象がありますが、この 2nd album は売れ筋狙いで作っただけあって聴きやすい album になっております。strings との組合せも前作より熟れていて、良くできた室内楽風の雰囲気を醸してます。まぁ、Nick Drake にぬるま湯室内楽なんぞ期待してない core で hard な鬱音楽愛好家の方々には評判悪いのかも知れませんが、これはこれで Nick Drake らしい慎ましやかな美意識を感じられる album です。冒頭と末尾に置かれた instrumental な曲も良好。
 たまに聴くと泣けてきますな……。

笠井 潔 『ヴァンパイヤー戦争 5』
 地を這うような不気味な笑い声とともに、スペシネフの陰気な声が聞こえてくる。
「鉤十字はナチスのシンボルではないぞ。あのオーストリア人には、わしが教えてやったのだ。この象徴図形の魔術的な意味についてもな。アドルフは、わしの忠告に従ったまでじゃ」
 スペシネフは鉤十字のある祭壇にゆっくりと向きなおり、両腕を高々と頭上に差しあげていく。広間には何語とも知れぬ異様な呪文が、低く這うように流れはじめた。
「……アカフ、ガダク、ムグルタン、コムニ、ヨーグ、ヨーグ……」(page 63)

 やたら大袈裟な仕立てといい、臆面もなくびびりまくる九鬼君といい、某暗黒神話体系を意識しとるのは見え見えですなぁ。講談社文庫版で読了。4 巻の続き。
 前巻で九鬼に協力した冴子はスペシネフの召喚した蝕手お化けにちょめちょめされて退場。KGB 職員で九鬼にちょっかい出していた三浦麻紀はキキと一緒に巫女装束。礼部一族は軍事クーデタで政府転覆を図り、そこに米ソの思惑も入り乱れ、九鬼は宝持って国外に逃げとけと言われて嫌な顔をする、の巻。

 色気のある姉ちゃんはさくさく処分。キキはより一層超人化してゾンビ・コマンドも雑魚扱い、更には伝説の大剣を振り回して大立回り。こんなに強いと game balance が心配です。

log modified: 2007/05/15 02:35:07 JST

2007.05.15 (Tue)

System 7 / System 7

 元 Gong の guitarist、Steve Hillage による techno project の 1991 年作。これが 1st album だそうな。Ten Records からの release ですが小生が聴いてるのは日本盤の VJCP-28092。
 Steve Hillage は ambient 系の guitarist らしくて、feedback noise の白玉多用による dreamy な空間演出が随所に現れます。とはいえ、guitar そっちのけの trance 化が進んでいる最近の System 7 に比べれば、electric guitar らしい rock な表現は多め。また vocal を feature する楽曲が多かったり 80's sound を引き摺ってるような hi-fi で安っぽい上物が幅を効かせてたりもするので、fusion meets house な耳障りであります。毒にも薬にもならんがやたらと positive で清涼系な音に仕立ててるあたりは今も昔も System 7 なんですが、System 7 的には最も pop 寄りな album ということになるでしょう。
 現在は Miquette Giraudy と Hillage の band として知られる System 7 ですが、この album では Giraudy は客演という位置付け。guest 大量投入なのは例によって例の如しで、この album にも The Orb の Alex Paterson や、Derrick May、Youth、Paul Oakenfold といった人達が参加してます。豪華なんだか地味なんだか。

log modified: 2007/05/16 02:30:27 JST

2007.05.16 (Wed)

Zabadak / 回転劇場

 Zabadak の 2007 年作。Gargoyle Records 発、HARV-0010。
 "Signal""Wonderful Life" と rock な Zabadak も板に付いてきた感じではありましたが、この新譜はどーよ。tr.1 "回転劇場"、tr.2 "ニュウス" の冒頭 2 曲こそ昨今の流れを汲む electric guitar ぶりばりな rock sound ですが、tr.3 "象と少女" 以降の楽曲は、意識的にかどうかは知りませんが長らく封印してきたと思しき初期 Zabadak 衝動があからさまに戻ってきております。tr.4 "開演" や tr.7 "Hello Hello!" なんかは昔のアレとかアレとか思い当たる節なかったんですか吉良さんと訊いてみたいところですがそこはむぎゅうと抑えて抑えて。特徴的な楽曲もさることながら、waltz だったり canon だったり acoustic guitar だったり accordion だったり irish harp だったりと、初期 Zabadak 的な意匠も随所に現れ、原点回帰というか失われた歴史の再解釈というか、prog 期と guitar rock 期を経て古い封印を解いたかの如き new age な Zabadak になっております。こう来るとは思わんかったわ。それとも小生の認識が甘かったか。
 出てくる timing としてはやや唐突な感もありますが、のれんわけで断絶されたかと思われた初期 Zabadak の歴史が、ここに来て現在の Zabadak と幸福な邂逅を果たしたような印象。お見事な 1 枚。

diary

 vf5、大きな壁にぶちあたっております。せめて一太刀と思いつつ玉砕な日々。

log modified: 2007/05/17 02:33:25 JST

2007.05.17 (Thu)

Silent Poets / 6 Piece Sense at This Moment

 日本の耽美系 dub band、Silent Poets の 1992 年発表 album。1st album だそうな。全 6 曲。File Records の 20SP001D。
 reggae 色が強めで、そこに jazzy な sax や vibe を乗っけて大人な夜の空間演出な趣。piano の minimal な phrase が後の耽美な Poets を思わせる曲もありますが、全体的にはまだ普通な dub になっております。こういう時代もあったんだねぇ……と昔を懐かしみたい人向けな 1 枚でしょう。

diary

 vf5、絶不調。

 虫姫さま 2 ver 1.5、のーぱる、まに 4 boss まで。いやー厳しい厳しいよ。

log modified: 2007/05/18 01:55:11 JST

2007.05.19 (Sat)

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  • The Philharmonia (conducted by Francesco D'Avalos) / Clementi: Complete Orchestral Works (3CD)
  • Bamberger Symphoniker (conducted by Christoph Eschenbach) / Schumann: Symphonies 1-4 (2CD)
  • The New Philharmonia Orchestra (conducted by Otto Klemperer) / Mahler: Das Lied von der Erde
  • The USSR Symphony Orchestra (conducted by Evgeni Svetlanov) / Kalinnikov: Symphonies 1 & 2
[movie] Der Untergang

 Oliver Hirschbiegel 監督作品、2004 年。邦題「ヒトラー 最期の12日間」。
 1945 年 4 月、Berlin。Soviet 軍が次第に Berlin に近付く中、Berlin 退去をかたくなに拒む Adolf Hitler (Bruno Ganz) の姿を、主に Hitler の個人秘書 Traudl Junge (Alexandra Maria Lara) の視点から documentary touch で描いた映画。

 生真面目な映画。舞台は Berlin に固定されており、戦況は大本営の作戦会議でのみ窺い知れる。妄想に固執する Hitler は自分の用兵で戦局を一転させることができると主張するが、絵に描いた餅に過ぎないため報告は次々と Hitler の思惑を裏切る。例えば他の戦場の場面を入れて独逸軍の惨状を描写したりすれば観客の状況把握は容易になるんでしょうが、それを恐らく意図的に排除することで Hitler の妄執を強調する効果が出ております。Traudl や後に Hitler の妻になる Eva Braun (Juliane Koehler)、Joseph Goebbels (Ulrich Matthes) の妻 Magda Goebbels (Corinna Harfouch) といった、女性の視点が多いのもこの手の戦争映画にしては異色か。
 映画が進むにつれ Berlin 市街は荒廃の度を増し物資も困窮する。やがて Hitler は進退窮まって自殺、後を引き継いだ Joseph Goebbels は徹底抗戦を主張するも受け入れられず、Magda Goebbels は子供達を薬で死なせ、夫妻も後を追う。未来のない将校達も酒がばがば煽って自殺。このあたりの描き方も丹念かつ容赦無く、Berlin への砲撃が続く中で Hitler の死体が燃やされる場面も丁寧に描いております。悲壮感漂う中で登場人物が消えていく様は戦争映画というより終末映画の趣。人道的な立場を貫く医師 Ernst-Guenter Schenck (Christian Berkel) の姿と、Soviet 軍の包囲を逃れて子供とちゃりんこで走る Traudl の姿には一抹の光明もあり。
 見終るとどっと疲れる映画でありました。

diary

 vf5、四段から三段に。まだまだですな。

log modified: 2007/05/21 01:14:01 JST

2007.05.20 (Sun)

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  • 高橋 葉介 『我楽多街奇譚』
[movie] The Dirty Dozen

 Robert Aldrich 監督作品、1967 年。邦題「特攻大作戦」。
 1944 年、D-Day 前。米軍のはみだし者 Reisman 少佐 (Lee Marvin) は、Worden 将軍 (Ernest Borgnine) から特殊任務の作戦指揮を依頼される。死刑や長期懲役で服役中の元兵隊 12 人を鍛え上げて、独軍将校の屯する城を強襲するという任務だった。Reisman は作戦成功すれば元兵隊達の懲役を免除するとの約束を取り付けてその任務を受諾する。Reisman の指揮下に置かれる問題児達は、Joseph Wladislaw (Charles Bronson)、Robert Jefferson (Jim Brown)、Victor Franko (John Cassavetes)、Vernon Pinkley (Donald Sutherland) 等、どうにも協調性のない曲者揃い。Reisman は彼らの弛んだ精神を引き締めなおすために特訓を始める……。

 前半はなかなか快調。やくざな面々に協調性を持たせるためあえて嫌われ役に徹する Reisman の男気、その Reisman に反発しながらも次第に結束し、やがて Reisman の意図に気付き彼に付いていく決心を固める The Dirty Dozen の面々。正規軍人の鼻を明かしたりもしてノリノリです。後半は実戦ですが独軍の将校のみならず姉ちゃん方も地下に閉じ込めて一掃。豪快。ただのえんためとして観ると引きますが。The Dirty Dozen の面々も無傷では済まず、撃たれて死ぬ者あり、暴走する者あり、任務のために自ら犠牲になる者あり。遺体には構わず涙も出ない。任務のために命を賭すとはこのことよ。ああ男節。演歌。
 でも流石に 12 人は多すぎか。character の描き分けも上手いとは思えない。Charles Bronson は例によって無表情、Donald Sutherland があまりに若くて泣きそうになる (笑)。

diary

 vf5、三段から四段に。いや相変わらず負け越しですが。

log modified: 2007/05/21 02:49:14 JST

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