Noisy Days in January, 2007

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2007.01.21 (Sun)

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  • Various Artists / Master of the Strings (10 CD)
  • 舞城 王太郎 『九十九十九』
  • 高橋 葉介 『学校怪談 4』
  • 由貴 香織里 『ルードヴィッヒ革命 2』
diary

 copy once な状況なので、今までのようにお気楽に dvd-r にするわけにもいかなくなって試行錯誤中なのです。dvd-vr に対応していれば move 可能なんですが、主環境の RD-X4EX では dvd-ram と dvd-rw でのみ焼き可能で、dvd-r の vr mode での焼き込みは不可だそうな。
 んじゃ dvd-ram に入れればいいやと思ってたんですが、media 読み込んでくれないのですよこれが。drive は一度替えて貰ってますがそれでもこの有り様かよ。仕方ないので cprm 対応の dvd-rw を購入して試してみる。お、上手くいったぽい。
 とはいえ、今度は再生するときのことも考えにゃならんわけで、現状では RD 以外での再生は不可な様子。うーむ。

 vf5、ひっそりと二段に昇段。

[movie] 猫の恩返し

 森田宏幸監督作品、2002 年。
 女子高生ハルは、下校途中で車に弾かれそうになった猫を助ける。その日の夜、猫の国の王様がハルに感謝を述べる。ハルが助けた猫は猫の国の王子だったらしい。翌日、猫からのお礼の品々、即ち猫じゃらしやらマタタビやら鼠やらがどっさりハルの元に届く。更には猫の国に招待され、王子と結婚させられそうになる。大いに困惑したハルだったが、とある声の導きで十字街の猫の事務所に辿り着く。所長の男爵にハルは事情を話し、男爵はハルを助ける約束をするが、そこで猫の国の使者がハルを捕まえて無理矢理に猫の国へと連れ去ってしまう。男爵たちはハルを追って猫の国に入るが……。

 意外に楽しめる女子高生冒険活劇映画。"耳をすませば" の続編的な位置付けらしい。
 思い切りよく現実逃避しておるところがええですな。話はどたばたですが、絵の軽さや character の軽さを考えるとお話も程良く軽くて結構なことです。さらりと観られるお気楽映画でありました。

log modified: 2007/01/22 03:23:13 JST

2007.01.22 (Mon)

Basic Channel / BCD

 minimal techno 界の至宝、Basic Channel の single 集。1995 年発表。
 緩い beat と reverb たっぷりな上物とで延々と延々と反復が続く stoic な音像であります。ここは廃墟か深海か世の終わりか宇宙の彼方か、変わらない風景が永遠へと接続されて抜け出せなくなる音。こういう音は古びませんなぁ。

log modified: 2007/01/23 02:12:28 JST

2007.01.23 (Tue)

Hozan Yamamoto with Masabumi Kikuchi, Gary Peacock & Hiroshi Murakami / Silver World

 山本邦山 (bamboo-flute)、菊地雅章 (p)、Gary Peacock (b)、村上寛 (ds) の 4 人による "銀界" であります。1970 年録音。
 塔盤屋の復刻 series の中の一枚で先日入手。classical music ばかり復刻しておると思いきや、こういう jazz も掘り出してくれるんですな。有り難や有り難や。
 Gary Peacock は日本好きが昂じて一時期日本滞在していたそうですが、これもその頃の一枚であります。bassist 即ち哲学好きかどうかは知りませんが少なくとも Gary Peacock は侘寂すきーなわけで、後に小難しい Keith Jarrett と組むのも解らんではないのです。まぁ哲学家二人の対話では吉本新喜劇にならないのも宜なるかなであります故、小生は Keith の album はろくに持っとりゃせんのです。
 それはさておき本作は尺八の山本邦山が jazz っておる異色な album で、間延びした phrase と芳醇な vibrato で尺八ならではの世界を描いております。尺八が本流なら piano は支流、菊地雅章の piano は清流の飛沫の如き燐きを随所で打ち込んで、幽幻の世界に鮮やかな陰影を描いていきます。Gary Peacock の bass、村上寛の drums も抜群の空気読みで support。確固たる世界観を提示しつつ、一方では掴所のなさも持ち合わせているという水墨画的な sound。こういう音もあるから jazz は面白いんですな。

diary

 残業も飽きたので帰ろうかとしていたらば特許部隊の偉い人にとっ捕まっていろいろ尋問される。新機能のねたが元で外野から攻められるんではないかとの懸念があるそうな。
 まぁ懸念があるのは解りますが小生のお仕事は如何に実装させるかってところなわけで、結論としてはお勤めご苦労さまですぺこり、という落ち。

log modified: 2007/01/24 02:25:12 JST

2007.01.24 (Wed)

Frankie Knuckles / Beyond The Mix

 冬場は house 聴いてまったりしてーとは思っておるのですが最近の house は disco なので敬遠してしまうのですよ。わしゃ disco は性に合わんのじゃよ。disco がなけりゃ house もねーだろという外野の言い分も解りますが性分なのだから仕方がない。同じような理由で d'n'b は聴けるが reggae は駄目な小生であります。
 ということで昔の棚から引っ張り出して聴いております。house 界の godfather、Frankie Knuckles の 1991 年作。
 かの名曲 tr.3 "The Whistle Song" の収録されている album ですが、主軸は vocal house。とはいえ deep すぎず詰め込みすぎずの軽くて安い tracks が揃っていて、良くも悪くも Frankie Knuckles らしい album になってます。こういう庶民向けな作りが長生きの秘訣か。ゆるゆる楽しみましょう。

log modified: 2007/01/25 01:50:47 JST

2007.01.25 (Thu)

Blaze / Blaze Productions

 New Jersey の house producers、Blaze の 1999 年作。過去曲の編集盤。
 久々に聞き直しておるわけですが、思っていたより simple な作りです。前半の vocal house は流石に美味。後半の instrumental な曲とかは作り込みの足りなさが垣間見えたりもしますが、全体的には完成度の高い album ではないでしょうか。まぁ、優等生的とも言えますが。

log modified: 2007/01/26 02:21:08 JST

2007.01.26 (Fri)

Robert McCammon 『The Wolf's Hour』

 Pocket Books 版の paperback で読了。
 第二次大戦時、England 軍の諜報機関に所属する Michael Gallatin は獣人化する能力を持っていた。Nazi が Iron Fist なる極秘計画を進めているとの情報を掴んだ英軍は、Michael にその調査を命じる。France に渡った Michael は幾多の危機を乗り越えつつ Berlin に向かう……。

 Russia 生まれの Michael の回想と、大戦時の活躍とが交互に描かれる仕立てなのですが、どうも読み難いですな。story 的な絡みも無いので、いっそ全体を二部構成にした方が良かったと思うのですが。獣人化も思ったほど story の体勢に影響しておらず、一風変わった spy ものという印象が残る程度。
 とはいえ、McCammon 作品にしては珍しく長編 entertainment に徹している作品で、Ken Follett ばりの戦場 romance を展開してたりもします。McCammon 作ということを忘れるなら、そこそこ楽しめる作品ではないかと思いまする。

log modified: 2007/03/18 15:38:56 JST

2007.01.27 (Sat)

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  • 4hero / Play With The Changes
  • Enitokwa / Floation works 1996-1999
  • George Winston / Winter Into Spring
  • Ketil Bjornstad, David Darling, Terje Rypdal & Jon Christensen / The Sea
  • Shinkichi Mitsumune / truth - TV Animation "Asatte No Houkou" O.S.T.
  • Octave One featuring Random Noise Generation / Off The Grid (DVD)
  • 栗本 薫 『魔宮の攻防 (グイン・サーガ 91)』
  • 栗本 薫 『復活の朝 (グイン・サーガ 92)』
  • 栗本 薫 『熱砂の放浪者 (グイン・サーガ 93)』
[movie] The Remains of the Day

 James Ivory 監督作品、1993 年。邦題「日の名残り」。
 英国、1958 年。Lord Darlington (James Fox) は Nazi に加担したとの評判を被ったまま失意のうちに亡くなり、彼の大きな屋敷は米国の元議員である富豪の Jack Lewis (Christopher Reeve) が買い取った。屋敷付の執事 James Stevens (Anthony Hopkins) は引き続き Lewis に仕えていたが、かつての女中頭で結婚退職した Mary Kenton (Emma Thompson) からの数十年振りの手紙を受け取り、Lewis の許しを得て Mary に会うための旅に出る。Mary は娘に手が掛からなくなって暇が出来たので再び女中として働きたがっており、屋敷の人手不足を懸念していた James も腕の立つ Mary の復職を期待していたのだ。Mary の元へ車を走らせる間、James の胸中に Mary と共に働いていた昔の記憶が甦る……。

 いや参るねこりゃ。退屈で仕方がないよ。それにもどかしくて見てられん。
 自分の意志を殺して主人に使える James は執事の鏡、その心は屋敷と同じく外界に対して閉ざされている。Mary はそんな James にそこはかとなく心を寄せているらしく、James に対して押したり引いたりして反応を伺う。James も Mary を気にしているが、職務を盾にして私心を押し込める。この二人の心理戦を縦軸にしつつ、副執事だった父 William (Peter Vaughan) の死や、Nazi 擁護派の Lord Darlington が次第に旗色悪くなっていく様が描かれ、数十年後に再会した James と Mary の対話に繋がっていきます。
 James の執事職に対する心意気が映画序盤から描かれていて、その心理的葛藤は James 本人の口からは出ずに行動や様子で現れます。客から「顔色が悪いぞ」と言われたり、酒瓶を取り落としたり……。その仕組みが見えると後はどう落ち付けるねんというところにしか興味は無くなるのじゃよ。解りやすい変化がないと drama ぽくないし。しかしこの映画は延々と心理的葛藤の pattern を繰り返すので観ていてしんどい。その手の思わせ振りはいいから先に進めよ、と。ああ、James が屋敷に戻ってきてから、鳩が部屋に潜り込む場面もわざとらしいね。
 徹頭徹尾、意外性を排除した作りは systematic で英国映画らしい端正さがあるとも言えますが、それにしてもお話として面白くなさすぎ。俳優陣は頑張ってたんですけどねぇ。

log modified: 2007/01/28 04:19:58 JST

2007.01.28 (Sun)

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  • Thomas Zehetmair / Ysaye: Sonates pour violon solo
diary

 久々に散髪。「大分短くなりますよ」とか「本当に切っていいんですか」等と言われる。いやいつも通りの注文だったんですが。

[movie] The Man Who Wasn't There

 Joel Coen 監督作品、2001 年。邦題「バーバー」。
 1949 年の米国。寡黙な床屋 Ed Crane (Billy Bob Thornton) は、義理の兄 Frank (Michael Badalucco) の理髪店で雇われて働いていた。妻の Doris (Frances McDormand) は department store で働いていて、上司の Dave (James Gandolfini) と良い仲のようだが Ed は見てみぬ振りをしていた。ある日、理髪店の閉店間際に Creighton Tolliver (Jon Polito) が入ってくる。Ed は Frank を帰らせて Tolliver の髪を切ってやるが、そこで Tolliver は dry cleaning の新事業が融資が集まらず御釈迦になったと愚痴をこぼす。張りのない生活からふと魔が差した Ed は、Dave に不倫をばらされたくなければ金を出すよう匿名の脅迫状を出し、Dave からまんまと 10,000 $ をせしめて Tolliver に融資する。だが Dave は、Tolliver を締めあげて事のあらましを知り、夜中の事務所に Ed を呼びつけて Ed を問い質す。やがて二人は揉み合いになり、Ed はとっさに Dave の首を knife で刺して殺してしまう。翌日、理髪店で働いていた Ed の元を刑事が訪れて Ed は観念するが……。

 散髪したのでこれでも観るかと軽く観始めました、いやはや傑作でしたな。目立たない普通の床屋がちょっと夢見て行動したことから、話は二転三転、周囲も運命ごろごろ変えられて、笑いありトホホありの悲喜劇が繰り広げられるのであります。
 Ed は元々が目立たない男だし、敏腕弁護士 Freddy Riedenschneider (Tony Shalhoub) は不確定性理論まで持ち出して存在しない男が犯人と言い出すし、いざ本当に一人になった Ed は自分が幽霊のようになるのを恐れて能動的に活動し始めるし、とまぁそこかしこに「存在しない男」への暗喩が散りばめられております。story も淡々としているようで起床転転転という感じで飽きさせない。monochrome の映像も、洒落た古い映画の雰囲気と、夢のように不安定で儚い雰囲気とを醸し出しており良好。
 Coen 兄弟の映画というと story が今一つ……という今までの印象を改めるに充分な一作。お見事。

log modified: 2007/01/29 03:11:46 JST

2007.01.29 (Mon)

Andras Schiff / Bach: The English Suites

 Budapest 生まれの演奏家、Andras Schiff (p) による Bach の "The English Suites (BWV.806-811)"。1988 年録音の CD 2 枚組。
 piano での Bach 演奏を集め始めた頃にこの CD を入手したのですが、その当時は繊細かつ生真面目すぎて面白うない演奏と思い、以降 Shiff を見たら避けて通るの日々を送っている小生であります。
 で、久々に聴き直してみてもやはり優等生な作りで耳を素通りしていく印象ですが、これはこれで特に不快でもなく、晴れた日曜の午後三時のようなぬるま湯お気楽な気分へと小生を誘うのです。これはこれで良い演奏かも知れん。まぁ、第 1 番の 2 つめの Courante のように装飾音どぱどぱだと途端に呂律が怪しくなってますが、この辺は真性 Bach 弾きらしい融通の効かなさ故と思って暖かく見守って頂ければと。
 静かな夜には聴きやすい album であります。

log modified: 2007/01/30 02:44:39 JST

2007.01.30 (Tue)

Peter Serkin / Messiaen: Vingt Regards sur l'Enfant Jesus

 Peter Serkin (p) による、Olivier Messiaen 作曲 "Vingt Regards sur l'Enfant Jesus" (邦題「幼子イエズスにそそぐ 20 のまなざし」) の全曲演奏。1973 年録音。
 Beroff 盤の若さ溢れる強烈な演奏に比べると、Peter Serkin の演奏は若干ゆったりしていて丁寧に弾いている印象。とはいえ Tashi の演奏でも鮮烈な piano を聴かせた Peter Serkin なだけに、この演奏でも美しい響きに聴き惚れること暫し。深くはなくとも聴きやすい。Messiaen への入口にするには最適な演奏と言えるのではないですかね。

diary

 仕事場で情報 security 講習。開幕数分で意識が safe mode に突入。外部の input を受け付けないのだから security は万全であります。
 早く寝よう。

log modified: 2007/01/31 03:07:20 JST

2007.01.31 (Wed)

Andras Schiff & Peter Serkin / Music for Two Pianos

 Andras Schiff (p) と Peter Serkin (p) の二人による演奏集。取り上げられるのは Mozart "Fugue in C Minor for Two Pianos"、Max Reger "Variations and Fugue on a Theme of Beethoven for Two Pianos"、Ferruccio Busoni "Fantasia contrappuntistica for Two Pianos"、そして Mozart "Sonata in D Major for Two Pianos"。1997 年録音の ECM 1676/77。
 Schiff は苦手で Serkin は聴ける小生ですが、この二人が一緒に演奏するとどうなるのか、という個人的思考実験を地で行く好企画。しかも取り上げられるのは Bach 以降の対位法探究の成果であります。冒頭の Mozart の Fugue からして既に不穏な雰囲気。軽みが信条の Mozart 曲にして、鋭い低音で互いに遠方から牽制しております。そうそう、この二人の合奏で息が合いまくるなんて展開は端から期待してないのです。正統派の Schiff と異端派の Serkin のめくるめく宗教論争をこそ聴くべし聴くべし。
 だがしかし、ここには大きな見落としがあったのです。即ち、Schiff も Serkin も良い具合に歳取って大人の分別を弁えている、かつ二人とも優等生派という共通点があるじゃないですか。Max Reger の曲では随所に現れる dramatic な曲調に乗せられて、二人の空気読みが絶妙に噛み合う演奏となっております。いや良いのです、良いのですがもひとつ何とか。
 続く Busoni 曲でも耽美な世界に沈溺……と思いきや、曲が進むにつれ tempo は急変、低い和音が轟き高音も forte で豪打され長閑な田園風景は途端に鉄火場と化します。この時ばかりは歳忘れての熱演だったことでしょう。Serkin はまだしも、こんだけ強烈な Schiff の音を聴けるとは思いませんでしたよ。いやはや素晴らしい。
 最後の Mozart はお客様向けの甘い曲。のだめも弾いた曲なのでお好きな方はどうぞな風情。
 という感じで個人的には大いに満足できる作品でありました。

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  • 牧野 修 『月光とアムネジア』
log modified: 2007/02/01 03:13:18 JST

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