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Ronnie Montrose 率いる hard rock band の 3rd。1975 年発表。
作品を重ねる毎に丸くなっていく Montrose。Sammy Hagar が脱退して代わりに Bob James が vocal で加入してますが、Sammy の声に比べればやっぱ迫力ないです。音も全体的にめりけん hard 色が後退し、british blues rock のめりけん解釈みたいな、どうにも行儀の良さが目に付く album になっております。あこぎの arpeggio で緩く始まる tr.2 "All I Need" や、viola も導入して Crimson の ballad ちっくな世界を展開する tr.4 "Whaler"、The Animals の Alan Price の曲を cover した tr.6 "O Lucky Man" では piano が全編 feature されていたりで、major になったはいいが方向性を決めかねている、そんな印象の album に思えます。まぁ中には tr.1 "Matriarch" や tr.9 "Black Train" のような剛球 rock も入ってるので、辛うじてめりけん rock な Montrose の枠は保持したという感じ。
個人的には Ronny の地味渋な guitar が冴える tr.8 "Clown Woman" がツボる album でありました。
Ronnie Montrose 率いる hard rock band の 4th。1976 年発表。
Montrose 名義では最後の album ですが、めりけん hard の保守本流という意味では彼らの中で一番しっくりくる album かもしれません。2nd や 3rd で垣間見えた迷いはそれなりに払拭され、若干 70's psychedelic に毒されつつも基本は blues rock、という如何にもな american style。それでも Mountain 程灰汁が強くなく、GFR 程バカに成りきれない、というところが彼らの不幸な所以か。商業 rock の波に揉まれた挙句、自分の道を見失ったまま迷走した band という印象がありますが、それでも quality の高い album を出してきた点は評価できるでしょう。恐らく彼らの不幸は 1st が出来良すぎたという点にあり、剛球 hard rock は impact は強かれどそれ一辺倒では先行きが昏いとの判断で手を広げたのが結局裏目ったということになるでしょうが、真正 guitar 小僧な Ronnie Montrose にしてみれば、長い solo 取れる blues rock 路線の方が彼の性に合っていたような気もします。この album では last の tr.8 "Merry-Go-Round" が bottom の効いた heavy blues で沁みますね。
めりけんの guitarist、Ronnie Montrose の 1st instrumental album。1978 年発表。
Montrose の 1st が 70's hard rock 史に名を残す傑作であることは衆目一致と思いますが、band 期を経てこの 1st solo まで聴いてくると、むしろ Montrose の 1st こそ突然変異体だったのではないかと思わされたりもします。この solo 作はまず tr.1 "Openers" が映画の opening を思わせる strings の壮大曲、その後は jazz rock あり folk inst. あり演歌 ballad ありの、Jeff Beck の "Blow by Blow" を見習ったかのような soft rock 風味 guitar instarumental album になっております。こういう世界観は strings arrange や piano の比重が色濃くなった後期 Montrose 路線と地続きであり、Ronnie Montrose もまた突進豪腕 guitarist と言うよりは技巧派で大人な guitarist でありたかったということなんでしょう。尤も、そういった個人の趣向性が商業的な成功とは必ずしも結びつかないのが世の理でもありますが。
tr.8 "My Little Mystery" や tr.9 "No Beginning/No End" に窺える緩やかで nostalgic な音像は、彼の繊細な心情を密かに訴えているような気がしないでもない。