Noisy Days in February, 2006

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2006.02.21 (Tue)

Phil Woods & Donald Byrd / The Young Bloods

 Phil Woods (as)、Donald Byrd (tp)、Al Haig (p)、Teddy Kotick (b)、Charlie Persip (ds) による 1956 年録音。全 6 曲の album。
 Phil Woods と言えば小生の中では熱血笛吹き野郎の範疇に分類されておるわけで、この album でも男汁振りまいて hard bop しとるのです。とはいっても当時 25 歳、まだ遠慮があるのか後年ほど熱くなりすぎることもなく、普通に耳に優しい jazz なのです。Donald Byrd も元気に吹いとります。そこそこ名盤。

[news] Therapy?: New album hits April 24th!

 首を鍛えて待っとりますです。

log modified: 2006/02/22 02:07:29 JST

2006.02.22 (Wed)

David Grubbs / Act Five, Scene One

 David Grubbs (eg, synth, comp)、Dan Brown (ds, perc)、Tony Conrad (vln, perc) による trio 演奏、2002 年発表。
 前衛音楽な David Grubbs さんであります。歌なしの instrumental 路線で全 4 曲ですが、1 曲 15 分きっちりだったりします。各曲の頭の方には一応 melody が提示されてそこそこに展開するのですが、途中で飽きちゃった風の終わり方をして、余った時間は環境音だったり単音の音響だったりやる気なさげな beat や noise が場を埋めてます。ambient として聴くには melody が Grubbs 的涙腺緩め系で耳奪われるし、minimal rock として聴くには間の長さが邪魔して集中して聴けないし、avant garde music として聴くには狙いが拡散しっぱなしなのでほえほえ何じゃいこりゃ金返せ、という感想しか持てないのです。
 しかしこの 60 分音響の首謀者としてはこういう音が正に狙い通りってわけでして、15 分毎に特徴的な melody を入れることにより Act Five 即ち第五幕は冒頭に戻して円環的に延々と聴き続けるが良いと Grubbs さんは仰っておるのです。実際、4 曲めの終盤に現れる音響はそのまま 1 曲めの冒頭にも現れていて、loop で聴いてると何処が何処やら解らなくなってくる仕掛になっとると。適当なんだか凝っとるんだか判じ難いのぅ。
 rock 'n' roll stopwatch としては有用と思われますので独学の模擬試験時に使うとよろしいかと思われます。あー、そろそろ勉強しとかんと。

log modified: 2006/02/23 01:13:43 JST

2006.02.23 (Thu)

John Coltrane / Impressions

 John Coltrane (ts, ss) の leader 作、1963 年発表。Village Vanguard の live 録音である tr.1 "India" と tr.3 "Impressions"、studio 録音の tr.2 "Up 'gainst The Wall" と tr.4 "After The Rain" から成る編集盤であります。
 何やっても傑作な頃の Coltrane の Impulse 盤なわけで、Village Vanguard 録音は McCoy Tyner (p)、Jimmy Garrison (b)、Elvin Jones (ds) といったお馴染み Coltrane Quintet な面子に加えて、Eric Dolphy (bcl) も参加しておるので悪かろう筈がないのです。まぁ前衛の二人がたっぷり時間かけて美味しいところを持ってってしまうので rhythm 隊の影が薄い、特に McCoy Tyner は backing の theme ばかり弾かされて欲求不満気味に聞こえなくもないですが、Coltrane と Dolphy に関しては文句無い演奏振りなので充分楽しめます。studio 録音の 2 曲も、動の live 録音分に対して静の演奏で、album の流れとしては最適かと。名盤ですなぁ。

diary

 仕事早めに切り上げて上司な人と月例飲み会。の前に空き時間でガルーダ II、6 面の石まで。3 ぼすで 2 度被弾して意気消沈。同僚な人に見られていると別の意味で緊張するのです。
 飲んで愚痴聞いて帰宅。

log modified: 2006/02/24 01:37:34 JST

2006.02.24 (Fri)

京極 夏彦 『百器徒然袋 雨』
「あまり騒がないでくれよ。雰囲気も大事なんだから」
 中禅寺はそう云って納屋の戸を開け、夜の中に消えた。
 榎木津は鼻歌を唄いながら小窓のところに立ち、窓の外を眺めている。時偶ヒャアとかモオとか妙な声を上げる。
「あのう」
「なあに」
 まるで子供の反応である。(page 171)

 歳取る程に若くなるとはこういうことを言うのです。言わないか。講談社文庫版で読了。榎木津が強姦事件の犯人達に蹴りを入れに行く「鳴釜」、榎木津が壺屋敷に乗り込む「瓶長」、榎木津が山奥の茶寮にヤマアラシを捜しにいく「山颪」の三篇収録。

 お見通し探偵であるところの榎木津は、相手の見た物を自ら見ることができる能力があるものの、証拠固め等という繁雑な手順は全く踏まず、Deus ex machina よろしく事件に乱入して悪者相手にどすんばたん一件落着だわはははは、という役回りであります。でもってありゃ一体なんだったんじゃろという疑問を京極堂がかくかくしかじかと説明して腑に落ちるといった塩梅。
 扱っている事件にはそれぞれ serious な背景があるものの榎木津が仕切ると途端に抱腹絶倒なお話に様変りしてしまうのです。大体、今回は京極堂も榎木津の仕掛に便乗して悪巧みの片棒担ぐのだから始末に終えぬ。京極堂、「鳴釜」では華仙姑の使いこと果心居士を名乗ってわざとらしい儀式を執り行い、「瓶長」ではヤクザと古物商が狼狽える様を背中で笑い、「山颪」では榎木津の従者こと北大路を称して茶寮の高級料理を堪能するのです。実は榎木津より楽しんどるんじゃないですかねこの人。まぁそうは言っても締めるところはしっかり締めてくれる人なので安心して読了できます。
 従来の京極堂ものを mystery に比重を置いたものとすると、こちらは榎木津の仕切りなので、無敵の探偵が悪をやっつける娯楽活劇といった趣です。そういう趣向は『塗仏の宴』でも感じられましたが、榎木津を前面に押し出すことでより一層娯楽に徹した作りに仕上げた、といったところでしょうか。
 難点を挙げるとあまり色気がないってところでしょうかねぇ。敦子嬢も出てきませんし。あ、カマを張り倒した美弥子嬢は剛の者で御座いましたよ。また出ないかのぅ。

log modified: 2006/02/27 01:25:36 JST

2006.02.25 (Sat)

get
  • Leon Russell / (no title)
  • Big Black / Songs About Fucking
  • Elliott Smith / XO
  • Music Inc. / (no title)
  • Frans Brueggen / J. S. Bach: Complete Sonatas & Partita for TransverseFlute
  • Cliff Martinez / Traffic: Original Motion Picture Soundtrack
  • サムライスピリッツ 天下一剣客伝 (PS2)
diary

 ガルーダ II、らすぼす第一形態まで。6 面開幕までノーミスという僥倖に恵まれるも、後が続かなかった……。

 式神 III が稼動しとりましたが人集りが尋常でなかったので遊ばず帰宅。

log modified: 2006/02/27 01:56:38 JST

2006.02.26 (Sun)

get
  • Robert Barto / S. L. Weiss: Sonatas for Lute Volume 1
  • Robert Barto / S. L. Weiss: Sonatas for Lute Volume 4
  • Robert Barto / S. L. Weiss: Lute Sonatas, Volume 6
  • 由貴 香織里 『妖精標本 2』
diary

 ガルーダ II、らすぼす第一形態まで。3 面 1up を二回連続で取り逃して気持ち萎え萎えであります。

 ふと見渡せば式神 III に人が付いてない、ってんで初 play。ふみこで 2-2、玄さんで 3-1 まで。またまた石が壁で壁が石です。

Robert B. Parker 『Perish Twice』
"Aren't you working for me?" Mary Lou said.
"No," I said. "I'm working for me."
"If that is so, how can I trust you?"
"Because I'm trustworthy." (page 38)

 Berkley 版の paperback で読了。
 私立探偵 Sunny Randall ものの 2 作め。Sunny は仲の悪い姉の Elizabeth から、彼女の夫の浮気調査を依頼される。あっさり現場を押さえた Sunny だが、Elizabeth 夫婦の冷えた関係は修復しそうにない。Sunny は友人で therapist の Julie にも相談するが、Julie もまた夫の無関心さに幻滅しきっていた。Sunny は女性開放論者の Mary Lou から身辺警護の依頼を受ける。Mary Lou を付け回す男 Lawrence B. Reeves に釘を刺した Sunny だが、その後に Mary Lou の仕事場で彼女に似た女性が殺され、また Lawrence も自殺する。Sunny が警察に助力するのを良く思わない Mary Lou は Sunny を解雇するものの、Lawrence の自殺に疑念を持った Sunny は独自に調査を始める……。

 Sunny Randall、探偵つーより人生相談姉さんといった方が相応しいような気がしますな。自活できぬ姉の Elizabeth に手を焼いたり、therapist の Julie を逆に therapy してたり。一方の Mary Lou 絡みの殺人事件は芋蔓式に黒社会の人間関係まで縺れていきますが今一つこぢんまりと収束した感じ。mystery というよりは人情探偵ものとして読むべきでしょう。とはいえ Parker の小説なので人情も上滑りで軽い乗りであります。正にらいとのべる。違うか。

[movie] Immortel ad vitam

 Enki Bilal 監督作品、2004 年。邦題「ゴッド・ディーバ」。
 未来の New York。Egypt の pyramid みたいなのが空に突如現れ、そこにいる神々の一人 Horus は下界に降りて完全な女を捜し始める。下界では企業複合体 Eugenic 社が強い影響力を持っており、人工臓器や合成皮膚が日常的に売買されていた。Eugenic 社の医師 Elma Turner (Charlotte Rampling) はある日、若く美しい女 Jill Bioskop (Linda Hardy) を科学実験の素材として譲り受ける。Jill の健全な体に興味を持った Elma は Jill を自由に外出させる。一人暮しを始めた Jill、その前に一人の男が現れる。その男はかつて Eugenic 社に反旗を翻して冷凍睡眠刑に処されていた Alcide Nikopol (Thomas Kretschmann) だった。しかし Nikopol は瀕死のところを Horus に救われ、その見返りとして下界における Horus の宿り場にされていた。Jill と Nikopol / Horus は愛し合うが、Nikopol の蘇生を快く思わない者たちは彼を暗殺しようと追手を差し向ける……。

 あはははは、へぼい。"Final Fantasy" ばりのへぼさです。高級そうな B 級映画で、二度観る価値はないです。

log modified: 2006/02/28 02:05:20 JST

2006.02.27 (Mon)

Zabadak / Trio

 Zabadak の 1997 年 album。吉良知彦、楠均、青木孝明の三人が acoustic guitar 抱えて Zabadak するという一枚。
 simple な音像が melody の美しさを際立たせている album であります。装飾過多な Zabadak の album 群の中では異色の作品てことになるんでしょうが、小生はこれくらい音を抜いてる方が聴きやすくてよろしいです。もしかしたら Zabadak の作品の中では一番良く聴いてる album かもしれん。いや "遠い音楽" も "桜" も忘れてる訳ではないんですが。音が simple な分、吉良知彦の声は存分に楽しめます。この危なっかしい高音が生々しゅうて堪らんのですよ。

diary

 仕事場で避難訓練。ぞろぞろと屋外に脱出して駐車場で我らが旗の元に集って……って、みんなあっちこっち適当に散らばって人数確認もろくにできぬ有り様。てめーら小学生以下じゃ小皿ん中のみじんこ以下じゃ、と消防士の叔父様が吠えておりました。みじんこって偉い方なんですね。

log modified: 2006/02/28 00:31:05 JST

2006.02.28 (Tue)

Slint / Spiderland

 US の post rock band、Slint の 1991 年作。
 guitar が minimal な phrase を紡ぎ、やる気なさげな vocal がぼそぼそ歌い、bass と drums も遠慮がちに地味な play を延々続けるわけです。でもって次第に volume あがって爆音うきゃきゃきゃな音が炸裂し、また何事も無かったかのような minimal に戻って収束、て感じの曲をやらかす人たちです。Mogwai や Tortoise 辺りの音を連想させますが実は逆で Slint の遺伝子を彼らが受け継いでおるということらしい。しかし Slint がその follower らと決定的に違うのはその脱力振りにあるわけで、圧倒的に indies 寄りの侘寂 hardcore なのですよ。jacket の阿呆面遊泳然り、cd label の無地然り、そして音楽の意味なし minimal 然り。どこを取っても安い薄い軽々しい、そしていんちきのように美しい。正に奇跡の一枚であります。
 思い返すに grunge とは虚無の rock でありました。何やっても何かのぱくりにしかならんという行き止まりの閉塞状況で何もやる気が起こらん、しかし焦燥は日に日に堆く降り積もる。仕様がないのぅ適当に鳴らしとくか、ぽろぽろりーん、ぎゅわわわーん。そういう最底辺の衝動で鳴らされた lo-fi な音か grunge な音楽として認知されてしまったと。その意味では Slint てのは正に時代の申し子と言えるような気もします。でもって rock star として奉り上げられる前に早々と解散してしまう、てのもこの人たちらしいあっさり感を醸していてよろしいのです。

森 博嗣 『ナ・バ・テア』
「お願いがある」僕は言った。
「何?」笹倉がきょとんとした顔で振り返る。こういう無防備な彼が、僕は大好きだ。
「帰りは運転させて」
 笹倉は舌を鳴らして、難しい顔になる。予想どおり。
「ゆっくり走るから」
「俺を乗せて?」
「うん、まあ、そりゃ、必然的にそうなるかな」
「堪らんなあ」彼は勢い良く息を吐き出した。(page 110)

 中公文庫版で読了。『スカイ・クロラ』の続編というか前日譚というか、そういう位置付けの小説。
 戦闘機乗りのクサナギが、伝説の撃墜王ティーチャのチームに配属される。ティーチャの技量に尊敬の念を抱いているクサナギだが、使い慣れた戦闘機である散香の新しい機体を得たクサナギも、その卓越した技量により一目置かれる存在になっていく。空を愛する彼女は地上の生活に辟易するが、周囲は彼女にいろいろと期待を掛けているらしい。ティーチャに憧れる新参者の比嘉澤に余計な事を言ったり、次第に時代から取り残されていくティーチャと自分との距離を意識したりしながら、クサナギの日常が続いていく……。

 気持ちの揺れる様を、あえて説明せずに意識の流れとして表現していく、ってのがこの series の特徴ですかね。一人称で淡々と草薙の心象を描く作品であります。
 比嘉澤との別れも痛いところですが、やはり終盤のティーチャとの会話が重いですなぁ。空の純粋さを愛する草薙と、汚れの中で生きる道を選んだティーチャ。この世界での子供と大人の断絶をさらりと表現してます。森博嗣はこういう場面を描かせると上手いですねぇ。全体的に暗めですが良い小説でした。

diary

 不健康診断。眼鏡掛けても視力が 0.7 とか言われて凹みました。心電図のとき胸に貼るぺたぺたがぽろりんぽろりん落ちるのは何とかならんのか。いや小生に水気がないだけかもしれませんが。ふーんだ爺様で悪かったなちくしょうめ。

 ここんとこの残業規制にあやかって来月も程々の数値で残業申請したものの、親方の親方から「忙しくなるから増やして」と言われてしまいました。
 らすぼす倒した後ならいくらでも増やしたるわ、とは流石に言えないのです。

log modified: 2006/03/01 02:31:39 JST

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