Noisy Days in September, 2003

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2003.09.21 (Sun)

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  • Alice in Chains / Dirt
  • Beck / Mutations
  • Kazufumi Kodama / Nazo
  • LFO / Frequencies
[movie] Three Kings

 David O. Russell 監督作品、1999 年。
 舞台は湾岸戦争終結直後の Iraq。投降してきた Iraq 兵のおケツから意味深な地図を見つけた米軍の上級曹長 Troy Barlow (Mark Wahlberg) と、上等兵 Conrad Vig (Spike Jonze) は、二等軍曹 Chief Elgin (Ice Cube) と共に地図の検討に入るが、そこに特殊部隊の少佐 Archie Gates (George Clooney) が介入し、地図には Iraq 軍が Kuwait から奪った金塊の在処を示していると看破する。金持ちになって帰国したい 4 人は、秘密裏に金塊強奪を計画し、金塊が保管されている村へと向かう。しかしその村で、彼らは Sadaam Hussein の政策に反対する反体制派が、Iraq 軍人たちに弾圧されている様を目の当たりにする。何とか大量の金塊を手に入れた 4 人だが、Iraq 軍の兵士が反体制派 leader の妻を射殺するのを見て居ても立っても居られなくなり、遂に発砲、Iraq 兵を撃ち殺してしまう。4 人は村人を連れて車で逃亡しようとするが、Iraq 軍の追撃に合い、Troy が捕まってしまう。反体制派の leader である Amir (Cliff Curtis) らに救われた Archie たちは、Troy の救出を手助けしてくれれば村人たちを Iraq 国外へ脱出させると約束し、協力して Troy の捕まっている Iraq 軍施設を強襲しようとする。その頃、米陸軍では Archie たちの無断行動が Iraq への内政干渉に当たると判断し、部隊を繰り出して Archie たちをとっ捕まえようと動き出していた……。
 湾岸戦争直後のドタバタを描いた humor 溢れる映画……と思って観ると少し違うかも。お笑いな taste は確かにあって、不良軍人 Archie は美人 reporter とお楽しみ中の場面から登場だし、村に向かう間は実弾射撃を楽しんでるし、tank truck のどてっぱらに穴が空くとそこら中 milk びたしになるし、金塊は Louis Vuitton の袋に詰め込むし、捕まった Troy は携帯電話で助けを求めるが、その相手は米国の新妻のところだし、Archie たちが敵地に乗り込むために使う車両は Rolls Royce 等の高級車だし。Conrad のボケも緊張感なくて笑えます。しかしその一方で、戦争に翻弄された Iraq 人民の悲哀も随所に織り込まれていて、特に後半は serious な展開になっていきます。Troy が Iraq 兵に拷問される場面はかなり黒くて応える。「テメェらは石油が欲しいんだろ石油が!」とか言いながら、Troy に CD case 噛ませて石油飲ませようとするし。うええ。笑う場面かも知れないが笑えませんって。終盤、Iraq 国境で村人たちが足止めを食う場面も印象的。米軍上層部、米軍兵士、Iraq 軍、Iraq の村人、それに TV の報道 staff が一堂に会する場面ということで、湾岸戦争という物語の主役たちが象徴的に力を張り合っているという感じがしたなぁ。そして最後に物を言うのは金、というのも、笑うに笑えない話。軍事協定とか国策とかより、現地の兵隊には自分たちの「必要性」の方が real なんだ、ってことかもなぁ。狙いが今一つ散漫な印象はありますが、内蔵に弾が貫通して緑色の血(笑)が滲む映像とか、camera が弾道を追って兵士に次々当たっていく映像とか、Troy の拷問で子供の上に瓦礫が降ってきたり家が爆発したり……といった surreal な映像表現も面白かったので、それなりに楽しんで観られました。
 George Clooney と Mark Wahlberg は目立ちすぎ。しかし George Clooney はこういう不良役だと妙にハマります。つまり同姓から見ると凄くヤな奴に見えるということです(笑)。まぁ、ヤな奴ほど印象には残りやすいもんです。Conrad 役の Spike Jonze はボケ役ながら、独特の存在感がありました。でも Ice Cube は最後までパッとしなかったような。

 何故か戦場で oldies ってのも変な sense だったなぁ。serious なときには Carter Burwell の score が流れてるのだけれど、Iraq 軍施設に乗り込むときに Chicago の "If You Leave Me Now" ってのは……こういうことしてるから B 級ぽく見えちゃうんだよ。

 原題の "Three Kings" とは、Christ の生誕を祝福するために東方からやってきた三人の賢者のことらしい。映画の中でもちらっと触れられたような。でも、どういう意味を込めてこの title にしたのか、今一つ不明なままですねぇ……。

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 今日の式神 II、玄乃丈で 4-1、小夜で 5-1。やり込んでる玄さんは相変わらず不調、なのにテキトーな小夜の方が先に進めるとは……。性能の差か。

 昨日も今日も雨。なので散髪に行く気もしない。耳がすっぽり隠れてしまう前には行っておきたいとは思ってるんですが。

log modified: 2003/09/22 02:47:29 JST

2003.09.22 (Mon)

[movie] 仄暗い水の底から

 中田秀夫監督作品、2001 年。
 離婚調停中の松原淑美 (黒木瞳) が、一人娘の郁子 (菅野莉央) を連れて、とある団地へと引っ越してくる。そこで新しい生活を始めた二人だが、次々と水に纏わる怪奇現象に襲われる羽目となる。淑美は怪奇現象の裏に、2 年前に行方不明になった少女、河合美津子 (小口美澪) の存在を感じ始める……。
 horror です。うひゃあ、小生はこういうの苦手なんですわ。日本の horror と言えば暗い怖いキモいの三大悪寒が特徴。この映画では特に、生きているかのように部屋を浸食し、松原さんの家庭を蝕んでいく水の存在感が怖いです。その反面、赤いバッグだの終盤の抱き付き少女だのはまぁ theory 通りで意外性は無いです。
 お話としては冗長過ぎる感じがします。水の蠢きや登場人物たちの視線とかで細部の怖がらせを表現してるのは上手いと思うんですが、sequence の連なり方が今一つで、見ていて盛り上がりに欠けるというか。最後に泣かせで締めようとするのも何だか取って付けたような印象。いきなり 10 年後はないだろ。そんなこんなであまりお勧めできる映画ではないです。

 怖い場面では鐘の残響みたいな低音が延々と響いて怖さを倍増させてたんですが、やっぱりというか何というか、音楽担当は川井憲次でした。映画版攻殻の得体の知れなさも、この人の音楽あってこそだったんだろうなぁ。

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 仕事行って疲れました。人のあまり出てこない日には宿題がたまるものです。

 今日の式神 II、玄乃丈で 5-1。bomb 節約しないと……と思いつつ、晋さん到達で bomb 使い果たしていたとゆー。精進すべし。

log modified: 2003/09/23 02:17:43 JST

2003.09.23 (Tue)

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  • Monobox / Molecule
  • Johannes Heil / 20.000 Leagues Under The Skin
  • Alexander Kowalski / Response
[movie] Freejack

 Geoff Murphy 監督作品、1992 年。
 若手 F1 racer の Alex Furlong (Emilio Estevez) は、race 中に他の車と接触し、車は看板に激突、爆散する。しかし彼は激突の瞬間に 2009 年へと連れて来られていた。その未来社会では、金持ちが健全な肉体に自らの魂を移植して延命を図ることが出来、Alex は freejack、即ち金持ちの魂を入れる器として連れてこられたのだった。奇跡的に自我を取り戻した Alex は、Victor Vacendak (Mick Jagger) 率いる搬送部隊から辛くも脱出。昔の仲間 Brad Carter (David Johansen) を捜し出した Alex は、かつての恋人 Julie Redlund (Rene Russo) が大企業 McCandless 社の重役に収まっていることを知る。Alex は苦労して Julie と会うが、彼女は Alex を本人と認めず、既に jack された他人だと疑う。しかし Alex が Vacendak に追われていると知った Julie は、ようやく Alex が本人であることを認める。追っ手から逃げ回っているうちに、Alex は事件の黒幕が McCandless 社の社長、Ian McCandless (Anthony Hopkins) であることに気付く……。
 昔、劇場で見たことあるなぁ。あの当時も B 級な印象だったけど、見直しても B 級でした(笑)。sister が銃構える場面にゃ痺れます。ネズミ食ってるおっさんの演説もサイコーです。下町では 2009 年なのに Ministry の曲が流れてます。「こんなゲロ食えって言うのか!?」には笑いました。へなちょこな design の近未来車も何かの冗談としか思えないし。そんなこんなで前半はかなり面白いです。面白がる point がずれてるような気もしますが気のせいです。
 前半は speedy な展開に絡めて、上手く状況説明も盛り込んであったので、快適に見られます。しかし Alex と Julie がラブラブモードに入ってからは失速。でも伏線がじわりと効いてくるので、それはそれで面白い展開。副社長の Mark Michelette (Jonathan Banks) も腹に一物隠し持ってる人物で、こいつと Vacendak と Alex がそれぞれの思惑で動いている。敵の敵は味方、ってこともありで、特に Vacendak の立場が面白い。見終わってしまえば大甘の敵役ってところに落ち着いてしまうのだけれど、これを Mick Jagger にやらせたのは良い配役でしたね。それにしても最後の精神転移装置、ハッタリぶちかましてますが特殊効果無くなった後はただのがらんどうの set で、思わず笑ってしまいました。cheap で最高。Anthony Hopkins も毒のあるところを見せてくれましたし。
 いろいろ貶してるように思われるかも知れませんが、小生には充分楽しめる映画でした。続けて 2 度見ろと言われれば「やだ」と即答できる映画ではありますが、忘れていた話を思い出せて良かったです。

diary

 ようやく散髪。すっきり。

 今日の式神 II、玄乃丈で 4-2。ゆかり嬢の第二段階、未だに上手く越えられない……。

log modified: 2003/09/24 03:08:49 JST

2003.09.24 (Wed)

Alexander Kowalski / Echoes

 遅ればせながら Kanzleramt が気になりだした今日この頃です。detroit techno ちっくなウワモノで hard minimal、ってのが基本的な路線なんだろうな。で、Alexander Kowalski の 2001 年発表作。これが 1st album らしいです。
 いやもぉ、素晴らしい。マジ顔で dark minimal electro してます。でもって音響。鍾乳洞の中で鳴らしたかのような深い reverb が掛かったウワモノが、すこーんっっって鳴り響くと、既に心は KOwalski の暗黒潮流に絡め取られてます。Jeff Mills 風の魔法陣ぐるぐるな螺旋回廊 minimal も入っていて、聴いていると脳髄ぐりぐり弄られてるようで悪酔いしちゃいそう。爽やか吐息な Drexciya って感じか。意味不明なので深く考えないように。
 独特の音色感覚なのでアクは強いんですが、ハマるとなかなか抜け出せません。いやはや、世の中は広い。

森 博嗣 『そして二人だけになった』
 どんなに難しい理論も、それを発想することに比べれば、ただトレースし、理解することは、はるかに容易い。それが、優れた理論であればあるほど、なおさら容易である。
 そういったわけで、天才を演じることは、意外に簡単なことだった。とにかく、とても楽しかった。(page 20)

 全長 4000 meter の海峡大橋を支える、concrete の塊。通称「アンカレイジ」と呼ばれるその巨大な構造物の中には、「バルブ」と呼ばれる閉鎖空間が埋め込まれていた。そこに大橋建設に大きく携わった 6 人の専門家が集い、密かに各々の研究を進めていく予定だった。しかし、program の異常により外界との連絡は途絶え、「バルブ」は完全に密室状態となる。そして、1 人また 1 人と殺人事件が起こる。
 realistic にお話を進めていって、最後にぶち壊してしまうという、豪快な話でした。しかし森作品だけあって仕掛けは周到、最後まで面白く読むことができました。
 古典に倣って Mother Goose の見立てもあったし。なるほどねぇ。

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 今日も今日で残業。早く帰る予定だったんですが、ままならないもんです。

 誰かのお土産で、緑色の玉みたいなお菓子が置かれてたんですが、それを見たムネさんが「"The Rock" って映画でこんなんありませんでしたっけ?」と発言したもんだから、思わず爆笑してしまった。いやほんと、言われてみればアレを連想せずにはいられない形状です。久々に負けたと思いました。お陰であのお菓子、食べられなくなりましたよ。まだ死にたくないし(笑)。

log modified: 2003/09/25 02:51:48 JST

2003.09.25 (Thu)

Alexander Kowalski / Response

 今日も今日で Kowalski。2003 年発表のピチピチ(死語)でウハウハ(死語)な新譜です。相変わらずの Kanzleramt から。
 1st の dark な雰囲気は何処へやら、キレイ系 synth 多用の trance な曲調に shift change してます。地味ぃな jacket からこんな音が飛び出してくるなんて反則ですよ反則。まぁ皆さん騙されてください。
 激 pop で王道で major 感溢れる作りに思考停止して踊り狂う他はない全 10 曲。寡黙で繊細だった少年は、光の射さないオタクな自閉空間を抜け出して、清く正しい大衆路線を歩む決心をしたのでした。tr.6 "Lock me Up" では華麗な歌ものも披露。一気に Slam や Technasia と同じ地点へと躍り出ている。わお。hard minimal な tr.7 "Emtec" ですら、ひ弱な印象は皆無。一音一音が重く、かつ疾走感を煽ってくれるので気分はひたすら高揚、高揚、高揚!です。
 ある意味、1st の "Echoes" よりも若々しくて年相応の音、という印象を受けます。これはこれで正しい進化か。暑い日に聴くとべりぐー。

[news] 式神の城 II サウンドトラック 予約開始

 10 月 15 日発売予定。

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 今日の式神 II、玄乃丈で 4-2。やっぱ波が大きいなぁ。

log modified: 2003/09/26 03:06:01 JST

2003.09.26 (Fri)

[movie] Platoon

 Oliver Stone 監督作品、1986 年。
 1967 年、大学を中退し志願兵として Vietnam へとやってきた Chris Taylor (Charlie Sheen)。金持ちが兵役を免除され、貧乏人が戦地へと駆り出される現実に憤っていた Chris だが、戦場は彼の想像以上に過酷で容赦なかった。彼の配属された小隊は、冷酷非情にして不死身と噂される Bob Barnes 軍曹 (Tom Berenger)が仕切っていた。だが、同じ隊の Elias Grodin 軍曹 (Willem Dafoe) は戦場での無益な殺人を是としない信念の持ち主であり、事あるごとに Barnes と対立していた。一時は Barnes 軍曹の強さに影響を受けた Chris だが、次第に Elias の方に荷担することになる。Barnes 軍曹と Elias の対立は、現地の小村で Barnes が無抵抗の住人を銃殺したことにより決定的となり、小隊は Barnes 派と Elias 派の二つに別れることとなる。そんな折り、前線で単独斥候に出た Elias を、その後を追った Barnes が射殺する。Chris は、Elias が Barnes に殺されたことを確信し、そのやり口に怒りを感じる。そして戦争は激化し、ベトコンの大部隊と Chris らの小隊が激しい戦いを繰り広げることとなる……。
 Barber の "Adagio for strings" が戦場で鳴り響く有名作です。Johnny Depp や Forest Whitaker も出てます。目立たないけど。でもって主演は Charlie Sheen。へええ。以前観たことのある映画でしたが、 Charlie Sheen が主演だったなんてこれっぽっちも覚えてませんでしたよ。この当時、Charlie Sheen は二十歳そこそこ。まだ少年の面影が残る若人ですねぇ。
 まぁ、最前線の兵士達を描いた戦争映画って、どれも似たような印象なので、映像としてはあまり記憶に残らないってのはあります。"Platoon" ではその点、Barber の物悲しい調べや、Elias が死ぬ間際に両手を天に差し伸べる有名な場面、そして二人の軍曹に影響を受けながら、Vietnam の戦場を生き抜く Chris の成長物語、といったところが見所聴き所になってます。そしてベトコンは影のように蠢き、明確な映像としては映し出されない。こういったところ、あくまで米兵の視点で物語ろうとする監督の意思が窺えます。そして、戦場で正気を保つということの悲壮さがよく滲み出ている。それは Elias の「戦場でも人間性を失わないで生きていく」という生き様にも、Barnes の「戦場で生き抜くために非情に徹する」という生き様にも言えることだ。以前観たときは Elias の死に衝撃を受けたものですが、今回見直してみると、Elias の死の後で Barnes が Chris 達に「軍隊は統制がとれてなくてはいかん、Elias のように軍の規律を乱す者は軍により多くの犠牲をもたらすことになる」といった話をするところが印象に残りました。戦場で生き残るということは、軍隊で生き残るということでもある。敵はベトコンだけではなく、軍隊という組織自体にも内在する。そういった theme を解りやすい図式で映像化していたと思います。というわけで、思っていたほど強烈ではなかったけれど良い映画でした。

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 今日の式神 II、玄乃丈で 5-1。最近ポカって死ぬのが多いっす。

log modified: 2003/09/27 03:39:26 JST

2003.09.27 (Sat)

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  • Derrick L. Carter / Squaredancing in a Roundhouse
  • Alton Miller / Stories from Bohemia
  • Tsuneo Imahori / Gungrave O.S.T.
  • Konami / Snatcher
  • Sega / Cyber Troopers Virtual-On Official Sound Data
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 土曜ですが仕事日。久々に背広を着て外へ。
 暑かった……。

 今日の式神 II、玄乃丈で 5-1。晋さん相変わらず厳しいっす。

[movie] The Crimson Rivers

 Mathieu Kassovitz 監督作品、2000 年。
 Alps の山奥で猟奇殺人事件が起こる。死体には拷問の跡があり、その眼球は刳り抜かれていた。伝説的な刑事である Pierre Niemans (Jean Reno) が、事件担当として paris から派遣されてくる。Niemans は被害者が Guernon 大学の関係者だったことに注目し、大学を中心に捜査を開始するが、閉鎖的な Guernon の雰囲気に異様さを感じ取る。そこで死体の第一発見者であり、大学関係者でありながら大学の雰囲気を毛嫌いしている Fanny Ferreira (Nadia Fares) の協力を仰ぎ、死体発見現場の再検証を行うが、そのとき偶然発見した洞窟からは別の死体が発見される。その死体もまた目玉を刳り抜かれていた。
 同じ頃、別の町で墓荒らしと学校の強盗事件を追っていた刑事 Max Kerkerian (Vincent Cassel) は、その二つの事件が十数年前のある少女の死に関係していることを知る。そして墓荒らしの犯人を追って Guernon に赴き、そこで Niemans 刑事と出会う。二人の刑事は、各々で追っていた事件が一つに繋がっていることに気付き、共に捜査することとなるが、そんな二人を嘲笑うように別の死体が発見され、さらに何者かに命を狙われることにもなる……。
 閉鎖的な大学町、続々と起こる猟奇殺人と、その死体に仕込まれた message、過去の少女の死と猟奇殺人との関連性、Nazis、優生学、取り換え子、悪魔……などなど、道具立ては充分。Vincent Cassel の kungfu action あり、銃撃戦あり car action あり、alps での大雪崩もありで、見所も沢山。でもねぇ、まとめきれてない印象が残るなぁ。
 前半の暗い雰囲気は "Se7en" みたいで良い感じなのに、後半で失速。犯行の動機に優生学を絡めてるのは面白い視点だったのに、見終わってみれば火サス並みの「怨恨の線」で片付けてしまっているように見えるし。原作は読んでませんが、映画化にあたってかなり端折ったらしいので、まぁ仕方ないのかも。
 Max が skinheads とやり合う場面で "ready go!" とか "game over" とか、TV game の音と link させてたのは笑えました。こういう遊び心がその場限りの演出ってのも中途半端だと思いますけどね。

log modified: 2003/09/29 01:44:10 JST

2003.09.28 (Sun)

[movie] The Name of the Rose

 Jean-Jacques Annaud 監督作品、1986 年。
 舞台は 1327 年の Italy。William of Baskerville (Sean Connery) とその弟子 Adson von Melk (Christian Slater) が、宗教会議に参加するために Benedict 修道院を訪れる。だが修道院では、若い修道士の不審な死に恐れ戦いていた。修道士の死因を調査するよう修道院長 (Michael Lonsdale) に依頼された William は、若い修道士の死は自殺だと看破するものの、続いて二つ目の死体が発見され、それは明らかに他殺されたものだった。死んだ者達が文書館で働いていたことに注目した William たちは、調査のために文書館を訪れるが、そこで本の数が少なすぎることに疑念を抱く。修道院には異端審問官の Bernardo Gui (F. Murray Abraham) もやって来て、修道院の殺人事件は異端者によるものとして告発を行うが、William は真犯人は別にいると確信し、秘められた文書庫へと潜り込み、ある禁断の本を捜そうとする……。
 原作は未読。つか文庫化はまだですか。ではなくて。
 中世の修道院という謎めいた舞台を上手く映像化している。Sean Connery の monk 姿がサマになっていて point 高いし、修道院の閉鎖的で陰湿な雰囲気、農民の薄汚れた様、それに宗教問答、異端審問と、中世ならではの趣向もふんだんに盛り込まれている。Christian Slater が弟子役だったとはねぇ。以前観たときは気付かなかった……つか、この映画観た後で "Flood" とか "Broken Arrow" とか観たんだっけ。
 謎解き mystery としては orthodox な作りで解りやすいんですが、その犯行手段も動機もまた中世の闇の産物という凝りよう。ただ、お話を映像で語るという点で表現しきれてないように思えるのもまた事実。まぁ、舞台の雰囲気が良いので悪くは無かったです。
 重厚な作品ですが、文芸作品にありがちな自己陶酔的な演出は無いので、一風変わった形の mystery として楽しめます。良い映画でした。

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 不在の時にこそ宅急便は来る。嗚呼。

 今日の式神 II、玄乃丈で 4-2、小夜で 5-1。進歩なし。

log modified: 2003/09/29 03:09:39 JST

2003.09.29 (Mon)

Michiru Ohshima / ICO

 大島ミチル作曲の ICO サントラ、2002 年発売。
 人影のない廃城で、少年と少女が手を取り合って仕掛けを乗り越え影を打ち倒しつつ城を脱出するという game で、小生はまだ clear してません(爆)。時々思い出しては少しずつ先に進んではいますけど。まぁ、のんびり楽しめる低血圧 game なので、これはこれで正しい楽しみ方だと思うのですよ小生は。
 で、この soundtrack では game 中で使われている曲が並んでいるわけですが、これがまた低血圧路線で、melody で語るというよりは音響で語るといった風情。ambient な Zabadak みたいなものか。無国籍風でもありますが、光と影の織りなす淡い色彩の中で、微かな靄が時の詩を歌っているようでもあります。"ICO" という game では「言葉」が注意深く取り除かれているのだけれど、そこには豊かな物語を感じることが出来る。言葉ではない言葉で通い合う心のための伴奏曲。
 まぁ何だ、ぼーっとできる音楽ってことです(笑)。

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 月曜からして忙しいです。飲み会にも参加できず仕事してました。人気のない仕事場って精神的に応える……。

log modified: 2003/09/30 03:26:08 JST

2003.09.30 (Tue)

Rima / This World

 Domu (Dominic Stanton) と Voclov (Enrico Criveliaro) の二人組による 1st album。Jazzanova-Compost Records から発表された 2003 年作。
 Compost 発らしい future jazz で broken beats な track が並んでます。tr.2 "Modern Times" なんてまんま Ian O'brien です。って、ここで keyboard 弾いてるのは Ian O'brien その人だったりして。ゆるゆるとした雰囲気でさりげなく relax させてくれる佳曲です。その後も house や broken beats に乗せて、やや脱力気味で空間の広がりを意識させるような音作りで進んでいきます。作り込みすぎてない、って所が point。
 Jazzanova や Ian O'brien の近作に比べれば取っつきやすくて、聴いていて疲れない。まぁ、手堅く作りすぎていて impact に欠けるのも確かですが、最近残業続きの小生にはこれくらいが丁度良い。翼は空へ、そして宇宙へ……って感じ。tr.13 "Telos" の電子音聴いてると、電車から外眺めていてそのまま宇宙に行ってしまうような、身近な風景と広大な世界とが seamless に繋がってる印象が残ります。こういう身軽さも時には必要ですねぇ。

[news] 「プロギアの嵐」オリジナルサントラ、10/1 予約開始

 で、10/26 発売予定だそうな。

diary

 今朝は電車遅延で会社に遅刻。京急に初めて乗りました。空いてたなぁ。

 今日の式神 II、玄乃丈で 5-1。ゆかり嬢の第二段階、何とか慣れてきた感じ。しかし相変わらず呆けた miss が多い……。

log modified: 2003/10/01 02:32:02 JST

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