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Roman Polanski 監督作品、1988 年。
医者の Richard Walker (Harrison Ford) は学会出席のため妻の Sondra (Betty Buckley) と共に Paris を訪れる。だが Richard が hotel で水浴びている間に妻は失踪。妻が誘拐されたと思った Richard は警察や大使館に掛け合うが真面目に取り合ってくれない。自力で捜査を開始した Richard は、間違って妻のものと取り違えられた suitcase の線から謎の女 Michelle (Emmanuelle Seigner) の元へ辿り着くが、彼女の裏にも大きな組織が絡んでいた……。
Polanski もたまにこういう普通の thriller 撮りますねぇ。"Chinatown" はそこそこ名画でしたがこの "Frantic" はイマイチ感漂う普通の作品。Richard は frantic に妻を追い求め方々でドジ踏むんですが、この手の役を Harrison Ford が演じると真面目なのか演技なのか解らんわ。
男勝りの姉ちゃん役 Emmanuelle Seigner がええ感じでした。
Jean-Philippe Viret (double bass)、Edouard Ferlet (p)、Antoine Banville (ds) の trio による jazz 演奏、2006 年発表。
standart に挑んだ前作の "Autrement Dit" にはえらく失望させられた小生ですが、結局この人達は他人の土俵で勝負するより勝手の知れた original の楽曲を演った方が性に合うってことなんでしょう。ということで全曲 original で固めた studio 録音作です。
三位一体の大音楽伽藍であるところは従来通りの路線ですが、より minimal 志向を強めて曲の解体・拡散が進んだ印象です。それは耳に馴染みやすい phrase が少なくなり音の抽象度が高まったことの現れとも言えるわけで、こう書くと取っ付き難い free jazz なんじゃないのと思われかねんのですが、実はかなり systematic で構造的に均整の取れた solid な音楽だったりします。その趣は、三人の improviser による交響組曲といった様相を呈していると言っていいでしょう。european jazz の懐の深さを思い知らされる album であります。
「おお……貴方様はもしや朱雀様の秘書・律子様ではございませんか?」
置き物のような老人が突然、ひどく丁寧な口調で律子に声をかけてきた。
「えっ……ええ、そうですわ。秘書の律子です」
律子はとっておきの営業スマイルで答えた。
「私は十和助と申します。熊野は平坂村からこうして朱雀様におすがりしに参りました」(page 110)
秘書というより雑用係な役回りなんですけどねぇ律子嬢は。徳間文庫版で読了。前巻の続き。
十四年後、天主家の館で再び連続殺人事件の幕が開く。十和助の依頼で朱雀は再びあの館へ足を踏み入れ、秘書の律子をこき使って事件の核心に迫る……。
mystery というよりはもう伝奇小説ですなぁ。朱雀の手にかかれば難解そうな謎もあっさり解決させられてしまうのですが、あまりにあっさり片付けすぎて story を前進させるための味付けにしかなっとらんかったりします。まぁ、この作家のお話は世界そのものの造型と変容が楽しかったりもしますので、その意味では mystery という枠は小さすぎるんでしょうなぁ。
終盤ではあの怪しい探偵も再登場して朱雀に馬鹿にされます。朱雀の性格じゃ敵が増えるのもむべなるかなであります。
ガルーダ II、縦羽でらすぼす最終形態まで。上手くいかんもんです。
昨年末に keyboard を Buffalo の BKBC-MJ109/BK に買い替えましたが、どうもこいつはいかん様子。まったく入力を受け付けん状態になることがあり、key をどかばき打ちまくってるとそのうち入力が効くようになるんですが、如何せんこの症状が頻発しまくっておるので安心して入力できんのです。大体 'a' 入力して '4' とか出とる時点で変ですって。打鍵感は良いんですが keyboard としての役割は最低限果たしてくれんと困るのです。
ということでいい加減頭にきたので早くも交換です。Filco の FKB108Z/NB を購入して早速使っております。日本語かな表示なし版しか店に置いてなかったんですが、ろーま字入力しかしないので問題なし。元は USB 接続ですが PS/2 変換して KVM に指しても普通に使えます。とりあえずは一安心てとこですかのぅ。
出崎統監督作品、1991 年。TV 映画。
湾岸戦争終結後、財政難に苦しむ世界の首脳陣は、かつて一時代を築いたルパン帝国の財宝が残っているとの研究報告を聞き、それを手中に納めるべく行動を開始する。ルパンは爺さまが元々所有していた Napoleon の辞書を奪い返すべく西欧の classic car race に参戦していたが、ルパンの身柄を確保しようと各国の秘密組織が彼の元に集まってくる。その面々の中には、ルパン捜査の expert として給料上げてもらい張り切っている銭形警部と、彼の partner として新たに配属された木戸千恵子もいるのだった……。
これも地味な作品ですなぁ。悪役に印象が薄いし辞書はお宝の契機に使われてるだけだし……って、前作の悪いところをそのまんま引き継いでおるではないか。とはいえ、slapstick などたばたは相変わらず楽しめるので、まぁそこそこな印象。
electronica な人であるところの Pola が Lyrica と組んで作った album だそうな。んで Lyrica は Pola の別名義だそうな。自作自演的 collaboration か。2005 年発表。
1st album と同様に侘寂 minimal electronica であります。ふわふわした感性のみを拠り所にして瑞々しい電子音が現れては消えていく ambient な安機材 sound であります。心象風景 soundtrack。緩やかに移ろいつつ反復する時間は刹那のようで永遠のようでかつて在ったようで今はもう無いようで、心のどこかで喪失感を味わいつつ今はただ美しい音色に聴き惚れるのであります。
Rotterdam の techno producer、Duplex の 1st album。2006 年発表。
warp の artificial intelligence series や delsin 一派もそうでしたが、europe にはこういう retro future electro 好きがたくさんいらっしゃるんでしょうなぁ。attack の柔らかいふわふわ synth と軽快な四つ打ちで、古き良き detroit techno の香りを濃厚に漂わせておる album であります。10 年前の album と言われても納得してしまうような音で、detroit techno が伝統芸能化していることを体現してるとも言えるでしょう。まぁ、作り手も聞き手もそういうことは承知している上で楽しんでおるわけで、Black Dog や As One の旧譜をたまに引っ張り出して和んでおる小生のような輩には耳に心地良い音楽なのであります。良作。
Cave の STG "鋳薔薇" の original sound track、2006 年発表。作曲担当は細江慎治。対象年齢 15 歳以上の figure が付いてきました。いやそういうのはいいから安くしてよと。
ごすでろりな昨今の風潮を反映しての theatrical hard rock 調の楽曲であります。arrange も 3 曲付いてますが総じて approach を間違っております。歌付けろ歌。仕方ないので心の中で叫びながら聴くとよろしいです。ぼんばー! ぼんばー! ぼんばー! もう一度ちゃんすをくれっ! ってそれ違うし。
小生的には思い入れのない game でしたので CD で聴いてもそれなりですな。