Noisy Days in November, 2005

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2005.11.21 (Mon)

Random Noise Generation / Reign

 最近活発に動いておられる様子の Burden brothers、Octave One 名義作に続く RNG 名義での新譜です。2005 年発表。produced by Octave One って、そこまで手前味噌にせんでも。
 Octave One を陽とすると RNG は陰、という位置付けのようですが、urban black contemporary の skill を身に着けた Burden's に Drexciya ばりの dark electro を生み出せるはずもなく、出て来たのはやはり耳当たりの良い良識派 detroit techno な音であります。まぁ四つ打ち minimal のみならず、exotic な down tempo ものや break beats も披露していて、Octave One 名義作に比べれば実験精神を前に押し出した作風にはなってますが、何処となくおされな雰囲気になっているのは Burden's らしい美意識の現れか。
 detroit techno の中では傍流に甘んじた Kevin Saunderson の試みを現世に甦らせようとしているような勢いもあるような。"Blackwater" なんてモロそのまんまだったし。いや小生、こういうのは嫌いじゃないんすよ。疲れず聴き通せる一枚。

log modified: 2005/11/22 02:51:41 JST

2005.11.22 (Tue)

安部 龍太郎 『彷徨える帝 (下)』
「内裏に政治の実権を取りもどすためだけに、後醍醐帝はこの国を二分する戦乱を起こされたのでしょうか。そうだとしたなら、百年後の今日まで私たちが戦っているのは、あまりに空しいではありませんか」
「それがしはそうは思いませぬ。この国の民はすべて帝に心を寄せているのですから」
「ならば北朝の帝も、同じ帝でしょう。ところが我々はあの方々を敵として戦っています」
「あの方々は幕府の都合で擁立された帝です。真の帝とは申せませぬ」
「北朝の方々が真の帝ではなく、後醍醐帝の志をつがれた方が真の帝だとするなら、そこを分けるものは何なのでしょうか。帝の志とは、この国をどのように変えていくことだったのでしょうか」(page 36)

 角川文庫版で読了。上巻の続き。
 戦いにより視力を失った北畠宗十郎は、面の奪取という目的からもう一歩踏み込んで、後醍醐帝の目指した世界について思い巡らすようになる。清浄尼の導きにより目が見えるようになった宗十郎は、己の出生の秘密を知り、再び戦いの中へ舞い戻る。一方の朝比奈範冬は、幕府の中央集権復活を目論む足利義教の側近として実力を発揮するが、未だに三つの面を揃えられずにいた。そうこうするうちに赤松家の反乱により将軍が暗殺され、さらには徳政令を求める一揆衆が内裏に押し寄せてくる。一連の騒動が南朝方の手引によるものと喝破した範冬は、帝を拉致すべく内裏に攻め入ってきた宗十郎の軍勢を迎え撃つ……。

 帝の能面に操られるように戦乱の嵐が吹き荒れるという趣向はなかなか面白いんですが、史実として見えない部分に理由付けするための道具にしているようにも見えて、どうも納得いかんかったりもします。能面がなけりゃ歴史の暗部を照らす歴史大作と持ち上げることもできますが、半分 fantasy にしてしまってるのでどうも半端で燃焼不足な印象。とはいえ、将軍暗殺から徳政一揆に繋がる展開は、磐石に見えた北朝方が一気に劣勢に立たされるので、thrilling に読み進めることができました。
 北畠宗十郎、朝比奈範冬といった主要人物の活躍も見物ですが、脇役が結構良いです。義教をも籠絡して暗躍する清浄尼、山の民でありながら真っ当な町娘を演じる真矢といった女性陣の、ここぞといったところで心情を吐露する場面が鮮烈。責任に耐えかね疲労困憊する細川持之、己を殺し忠実に宮に仕える南木正盛といった男たちの生き様も上手く描かれてます。筆力は確かな人のようですので、あとは素材の調理方が課題ですかね。

log modified: 2005/11/30 01:58:11 JST

2005.11.23 (Wed)

Ken Follett 『The Key to Rebecca』
"What I want to say, after all that, is: Forget about tonight, don't go, we'll manage without you. But I can't. We need you, and it's terribly important."
"That's okay, I understand."
"But first of all, may I kiss you hello?" (page 285)

 Signet 版の paperback で読了。
 1942 年、英国領 Egypt の Cairo に、Alex Wolff と名乗る男が潜入する。Wolff は Nazi の秘密工作員で、その目的は GHQ の情報を Africa 戦線の独軍指揮官 Rommel に送ることだった。Wolff は古い知り合いの有名な arab の踊り子 Sonja と組み、困難な任務を遂行すべく暗躍する。一方、英軍の情報将校 William Vandam は Wolff の潜入に気が付くが、如何せん Cairo は大都市で、Wolff の居所を掴むのは難しい。Vandam は jewish の若い娘 Elene と協力しつつ、Wolff の足取りを追う……。

 この人の本読むのは初めてです。いや名前は昔から知ってたんですが、Ken Follett と言えば romance 小説、という風評が元で今まで避けておったのですよ。
 んで "The Key to Rebecca" ですが、Wolff に Sonja、Vandam に Elene と、独軍側も英軍側も couple に仕立てていちゃつかせております。うわーお。全く風評通りの Ken Follett です。Wolff は追われる立場ながら Elene 引っかけて date までしております。んなことしとる場合かよ。
 とはいえ流石に腕利きの spy である Wolff、上手いことやらかして Rommel 快進撃を nice assist。Vandam は一度は Wolff をあと一歩まで追い詰めるも Wolff の knife に頬をざっくりやられて逃げられてしまう。Cairo 目指して Rommel の軍が迫る中、逃げる Wolff と追う Vandam の熾烈な戦いが続くのであります。
 基本的に追っかけっこに終止するお話なので中弛みする感はありますが、勢いのある story telling で一気に読ませます。Elene が Vandam に熱を上げていく様も丁寧に描かれていて良好。読み終わってみれば suspenseful な中東 WWII spy action 少女漫画を読んだような趣。面白い読物でした。

log modified: 2005/11/24 02:44:13 JST

2005.11.24 (Thu)

The Allman Brothers Band / An Evening with the Allman Brothers Band: First Set

 Allmans の live 盤、1992 年発表。全 9 曲。
 懲りないおっさん達による甘口 southern blues rock。とはいえ 90 年代 Allmans は Warren Haynes (g) の濃い味 slide を擁するだけあって、昔に比べれば重量感が増してます。live 盤だけに演奏には勢いがあり、この頃の Allmans の充実振りが窺える好盤と言えるでしょう。
 つーても小生は Gov't Mule ばかり聴いてしまうわけですが。まぁ、軽みあってこその Allmans ですので、その意味では彼ららしい一枚であります。

log modified: 2005/11/25 02:43:07 JST

2005.11.25 (Fri)

Tamora Pierce 『Alanna: The First Adventure』
He looked at her with alarm. "Less, ye've got to accept who ye are," he protested. "Ye can be a woman and still be a warrior."
"I hate it!" she yelled, losing her temper. "People will think I'm soft and silly!"
"Ye're hardly soft," he replied sharply. "And th' only time ye're silly is when we talk like this." (page 135)

 Simon Pulse 版の paperback で読了。
 Tortall 国の Trebond 領主には双子の子供がいた。領主は子供のうち、娘の Alanna を修道女に、そして息子の Thom を騎士に仕立てようと二人を送り出すが、二人の意向は全く逆で、Alanna は剣振り回すのが好きな性分、Thom は大人しくて魔術師になるのが夢だった。そこで Alanna の計画により二人は入れ替わり、Alanna は Alan と名を変えて男になりすまし、騎士修行をすべく王宮へ赴く。先輩といざこざを起こしたり仲間が出来たり盗賊と知り合ったりしながら Alanna は騎士修行を続ける……。

 Young Adult 向け女騎士冒険活劇であります。一応 fantasy ということで、Alanna は強大な治癒魔法の力を持っていたり、師匠の Myles の領地で魔法の剣 Lightning を得たり、Black City で古代の神と戦ったりします。まぁ筋の面白さという点では今一つなんですが、王子 Jonathan や盗賊 George といった歳の近い仲間との交流や、Alanna の従者で近衛騎士の Coram や変り者の学者騎士 Myles との関係が丹念に描かれていて良い感じに読めます。
 とはいえ胸がでかくなってきて困ったり、初経に狼狽えたりするところは只の女の子やなぁと。まだ 10 代前半なので romance の雰囲気は殆ど無いですが、続編ではいろいろあるんではないかと推測。ええと、series は 4 部作だそうです。どうやら Jonathan の従兄弟の Duke Roger が王位を狙って裏でこそこそしとる様子なので、今後の展開に期待であります。

log modified: 2005/11/27 14:42:52 JST

2005.11.26 (Sat)

get
  • Nils Petter Molvaer / Er
  • Shifted Phases / The Cosmic Memoirs Of The Late Great Rupert J. Rosinthrope
  • Dave Angel / Classics
  • Oliver Nelson / The Blues and The Abstract Truth
  • Mountain / Nantucket Sleighride
  • U2 / The Joshua Tree
  • Akino Arai / Sora No Uta
[movie] Laputa: Castle in the Sky

 宮崎駿監督作品、1986 年。邦題「天空の城ラピュタ」。
 落ち目の鉱山町で一人暮しをしているパズーは、ある日、空から降ってきた少女を助ける。少女はシータという名で、親から受け継いだ宝石が元で軍隊や海賊に追われる身だと言う。その宝石は飛行石と呼ばれており、古代に高い技術を持ちながら滅亡したラピュタ人が作ったものと言われていた。ラピュタ人はその技術で空に城を浮かべたとの伝説もあり、かつてラピュタを目撃したパズーの父親はその実在を主張したが信じてもらえず、失意の内に死んだのだった。シータを助けるためパズーは奮闘し、やがて二人の道は天空の城ラピュタへと続いていく……。

 いやはや名作。何はなくとも名作。あえて小生が何か言う必要もありますまい。おしまい。

 ついでだからもう少し。
 ドーラ婆さんの衣装室には婆さん若かりし頃の肖像画があったりするんですがこれがまた良いのです。シータを評して「アタシの若い頃にそっくりじゃよ」等と仰る婆さんですがあながち嘘ではないかもしれん。まぁ肖像画は美化して描かれるのが通例なので素直に信じないにこしたことはないのですが。あ、これもどうでもええ話ですな。

 改めて観直してみると、anime ならではの slapstick な演出と、少年少女の夢と冒険と roman 溢れる成長物語とが上手いこと絡み合っていてやはり良好であります。ドーラ一家が車で機関車を追う場面やロボットが一体で軍の拠点を半壊させる場面なんかは anime ならではの大袈裟な仕立てが楽しい。ポム爺さんが廃鉱で飛行石について語る件や木の根に覆われたラピュタ城の造型には sense of wonder が溢れております。少年は己の無力さに打ちのめされたりしつつもそれを克服し、父の声に導かれて夢を果たす。少女は自分に課せられた運命に慄きながら、大人の欲望を目の当りにしたり御先祖の願いに思い巡らせたりして遂には自分の為すべきことを見出す。そして個々の出来事が、互いに相手を思いやり助けようとすることから生じている。絆です絆地獄ですよこれは。ちと癒し系入ってますが。
 人が落ちたり焼かれたりで結構死んでるように思いますがあんまし生々しくないのは cartoon だからか。パズーの頬を銃弾が掠めたときには血が滲み出ますが、こういう記号でパズーを子供から男へ切替えるってのも心憎い演出です。うむうむ、歳取っても楽しめる良作。

log modified: 2005/11/28 02:52:49 JST

2005.11.27 (Sun)

diary

 占拠。違う。選挙で投票。
 結果は知りません (爆)。

 初ガルーダ II。3 面道中まで。
 数回やって 3 面 boss まで。今回は気合い入ってますなぁ EVAC Industry も。縦穴なんて夢のまた夢じゃよ。まぁ今回は週末しゅーたーでのんびりやっていこうかと。

[movie] Farewell, My Lovely

 Dick Richards 監督作品、1975 年。邦題「さらば愛しき女よ」。
 LA の探偵 Philip Marlowe (Robert Mitchum) は、ある日大男の Moose Malloy (Jack O'Halloran) に声を掛けられる。銀行強盗の罪で刑務所に入れられていた Malloy は丁度出所してきたところで、かつての恋人 Velma を捜し出してほしいと Marlowe に依頼する。何者かに命を狙われている様子の Malloy は Marlowe に前金を渡すと姿をくらましてしまう。Marlowe は Velma の消息を追い、彼女が精神を病んで廃人になっていることを突き止めるが、Malloy は Marlowe の捜し出した女を別人だと言う。Velma の居所を知られたくないとの何者かの意志を感じた Marlowe は、事件に深入りしていく過程で、街の権力者の若妻 Helen Grayle (Charlotte Rampling) と出会う……。

 いやーつまらん。Chandler の story って、関係なさそうな出来事が Marlowe の回りで起こって、実はそれらが関係していて最後は吃驚、な pattern が多いんですが、個々の episode の繋がりがいまいち掴みにくいので何だか都合良すぎるように思ってしまうわけです。この映画はその原作の都合良すぎる展開をそのまま映像化しておる様子で、それはそれで原作に忠実なんでしょうが映画としてはつまんねーの一言に集約して問題ありますまい。Mitchum の眠そうな顔も孤独な騎士というよりは疲れ顔の人生踏み外し男みたいで全く冴えてません。あ、若かりし頃の Sylvester Stallone がちょい役で出てます。まぁこの人はいてもいなくてもよろしい。
 唯一特筆すべきは Helen Grayle 役の Charlotte Rampling、かっちょええ美人若妻を演じております。ああいう足には蹴られてみたいぞ。

log modified: 2005/11/29 02:36:27 JST

2005.11.28 (Mon)

Nils Petter Molvaer / Er

 Norway の不思議系 trumpet player、Nils Petter Molvaer の 2005 年作品。solo 名義の studio 録音としては 4th album になります。
 club music 側からは歪な jazz と言われ、jazz 屋からはこれ techno でしょと言われ、北欧ですから不器用ですからと言って通ってしまうのが NPM 的 dandyism なのです。Molvaer の trumpet は Jan Garbarek や Terie Rypdal といった ECM 系極寒 jazz の系譜に連なる抽象的な音像を描いてますが、例によって electric な sound effect が全編で絡み合っており、畢竟 NPM sound としか形容できそうにない不可思議な世界が目の前に広がっていくのであります。なーんだ今までと同じじゃんかよーって全くその通りですのでその筋の人は安心して下さい。
 しかし前作 "NP3" もそうでしたが beat の比重がかなり高くなっていて、"Solid Ether" の頃の ambient な NPM が好きだった小生にはちと五月蝿すぎるのじゃよ。どうせ踊れない beat に印象薄い phrase 乗せてくるんだったら、もいっちょ突き抜けて無音の noise まで踏み込んでほしいのぅと思うわけです。次は侘寂大盛りでよろしくです。

log modified: 2005/11/29 02:04:52 JST

2005.11.29 (Tue)

Mountain / Nantucket Sleighride

 小生には珍しい、じゃけ買いな一枚。USA の hardrock band、Mountain の 1971 年作品。
 蓋を開けて吃驚、Cream の仕掛人こと Felix Pappalardi が bass & vocal で参加しております。音の方も Cream 的な psychedelic かつ scale のでかい rock を展開してますが、Cream に比べれば melody line のはっきりした曲が多いので素直に聞けます。でもって blues 基盤と言うよりは R&B や soul の影響が色濃いのも特徴か。まぁ、Leslie West の豪快な guitar が突っ走ってくると Grand Funk Railroad 直系の炎天下 american hardrock になってしまうわけですが、能天気一直線ではない微妙な陰影を感じられる点が個性的でもあります。掘出物の逸品と言えるでしょう。

diary

 会社の研修日。実装屋さんの品質管理についてのものだったので小生の業務と直接被るところではないんですが、まぁこういう知識も必要だわなと。

log modified: 2005/11/30 02:05:39 JST

2005.11.30 (Wed)

Shifted Phases / The Cosmic Memoirs Of The Late Great Rupert J. Rosinthrope

 Drexciya の変名 project、Shifted Phases の 2002 年作。Tresor からの release。
 cheap な beat と深海音響から成る dark electro 路線、即ち Drexciya そのまんま。つか tr.11 "Flux" って Drexciya 名義でも出してたような気がしないでもない。
 しかしあれですな、際立った phrase や奇抜な音ネタがあるわけでもないのに、聴いた途端に Drexciya やんと解ってしまうほどの強烈な記名性がこの音にはあるわけです。そして海なんか大嫌いと言いながらも深淵に蠕く有象無象の声無き声に夜な夜な耳を側立て、ふと鏡を見れば顎は後退し目は偏平になり鰓だの鰭だのが出来ている。うっひゃー。
 ということで、Drexciya 版いんすますの影 soundtrack と思って聴くと楽しめます。tr.7 "Lonely Journey Of the Comet Bopp" の仄かな哀愁が美味。

get
  • Robert McCammon 『Mystery Walk』
  • Robert McCammon 『Swan Song』
  • Robert McCammon 『The Wolf's Hour』
  • Robert McCammon 『Gone South』
  • Tamora Pierce 『In the Hand of the Goddess』
  • Tamora Pierce 『The Woman Who Rides Like a Man』
  • Tamora Pierce 『Lioness Rampant』
  • Jack Ketchum 『The Girl Next Door』
  • Elizabeth Moon 『Trading In Danger』
  • Patricia Briggs 『When Demons Walk』
diary

 大量に来てますが実は二回分配送なのでありました。ほっとくと消えてそうな McCammon 本は手に入るだけ確保。"Stinger" と "They Thirst" は再版されんのか。

log modified: 2005/12/01 00:51:48 JST

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