Noisy Days in January, 2006

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2006.01.11 (Wed)

Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra / Out To Lunch

 ONJO による、"Eric Dolphy / Out To Lunch!" の全曲 cover album。びっくりまーくを付けないのは先人への respect 故かのぅ。2005 年発表。
 大所帯で爆裂する ONJO 盤は Dolphy 盤に比べれば遥かに free jazz してるわけで、theme の提示や vibraphone の響きは確かに "Out To Lunch!" してるんですが、全編を覆う sinewave に導かれるように大友の guitar がのたうちまわり glitch noise が突き刺さっていくのを聴いていると、やっぱ ONJO の演奏だよなぁと思うのです。
 混沌の最果てに静寂があるという発想からもう一歩踏み込み、混沌と静寂とが同じ位相で共存しうるとの発想に至り、ではその混沌とも静寂ともつかぬまったいらな地平はいずこにありやとあっちこっちでもがいてのたうって彷徨っているのが今の ONJO ではないかと。明確な形を為さない終着点を渇望し突進するその姿は晩年の Eric Dolphy と共鳴する……かどうかはさておき、大友良英が Eric Dolphy を取り上げるのは妙に納得できることなのであります。

[news] Guitarist Derek Bailey, Free-Form Innovator Dies

 今ごろ知りました。享年 75 歳とのこと。free improvisation の極北をひた走った人でしたねぇ。
 ご冥福をお祈りいたします。

log modified: 2006/01/12 01:37:59 JST

2006.01.12 (Thu)

Akino Arai / Sora no Uta

 新居昭乃の音楽活動 20 周年記念 best album、2005 年発表。
 大半が既に発表済の track なので新味はないですし古今の曲が混在しているので album としてもあまりまとまりはない、というか小生は album 単位で聴く人なので、こういう best 盤を聴くと original album の方を聴き直したくなって困ってしまうのじゃよ。まぁ、流石に良い曲揃えているので初心者向けにはよいかと。

diary

 仕事場の昼礼当番で適当な話をする必要があったため適当な話をしときました。適当ですまん。

 今週は忙しいので荷の受け取りは日曜日になります。まぁ急ぐものでもないので良いんですが。新年早々こんな調子でどうするよ。

log modified: 2006/01/13 02:13:37 JST

2006.01.13 (Fri)

笹本 祐一 『ARIEL (16)』
「デモノバー!」
 ハウザーは、デスクの向こう側で状況の推移を冷静に観察していた参謀副官に声を上げた。
「なぜこうなる! おれは今どこでなにをしているのだ!?」
「艦長、お気を確かに」(page 140)

 ソノラマ文庫版で読了。
 火星空域に展開している帝国軍第三艦隊が艦隊開放日の開催を布告する。こんな辺境星域でオープンフリートするのは帝国内外に敵の存在を認知させ、予備兵力を掻き集める行為に等しい。帝国の都合で侵略星域が焦土と化してはたまらんと、ハウザーは戦争抑止のために動くが、そのために彼の苦手とするシンシア姉ちゃんをオルクスに呼び寄せることになってしまう。一方地球では、オープンフリートの話を聞き付けた岸田博士が、ARIEL を宇宙に飛ばして宇宙人と交渉しようと画策する……。

 第三艦隊ねたが続いてます。関係各位との調整に奔走するハウザーには悲哀が漂ってますな。セイバーと焼酎飲み交わし戦争談話するところはなかなか絵になる一幕。
 世界各地でほぼ同時に行われる rocket 打ち上げ mission の描写は流石に念入りで、rocket 好きな作者の嗜好が如実に現れてます。まぁ、お話しとしては準備回といったところで地道に布石を置いている印象です。

log modified: 2006/01/15 23:59:58 JST

2006.01.14 (Sat)

diary

 会社行事で座りっぱなしだったり酒飲んだり。こういうのは気を遣うから疲れますな。

log modified: 2006/01/15 13:42:50 JST

2006.01.15 (Sun)

get
  • Terry Brooks 『The Elfstones of Shannara』
  • Terry Brooks 『The Wishsong of Shannara』
  • Terry Brooks 『First King of Shannara』
  • Elizabeth Moon 『Marque and Reprisal』
  • Barb & J.C. Hendee 『Dhampir』
  • Barb & J.C. Hendee 『Thief of Lives』
diary

 ガルーダ II、6 面らすぼす前の石まで。何とか石の最終形態まで持ってったものの、ばりや足らんかったわ。

 "Smells Like Teen Spirit" と言えば Nirvana の名曲ですが、Tori Amos が cover しておったとは知らなかった。piano 弾き語りで女の情念声なのでひたすら怖いがええ曲です。

 radio で聴いた Michael Hedges の "Aerial Boundaries" が結構ええ感じであります。1984 年作品だそうですが、guitar で minimal な展開は今の耳にも新鮮な趣き。Windham Hill も、こういう作品出すから侮れんのじゃよ。

[movie] Dog Day Afternoon

 Sidney Lumet 監督作品、1975 年。邦題「狼たちの午後」。
 1972 年夏の New Youk。閉店際の銀行に三人組の強盗が押し入るが、強盗の一人は怖じ気付いて逃亡。首謀者の Sonny Wortzik (Al Pacino) とその仲間 Sal (John Cazale) は、支店長の Mulvaney (Sully Boyar) を脅して計画を続行し、金庫の金の少なさにげんなりする。小金を集めたり帳簿を燃やしたりしてぐずぐずしているうちに銀行は警察に取り囲まれ、二人は逃げる機会を逸する。市警の Moretti (Charles Durning) や FBI の Sheldon (James Broderick) は Sonny に人質開放を迫る。TV 局は Sonny の素性を洗い、彼が Vietnam 戦争の帰還兵であることや男の結婚相手がいることをまくしたてたため、銀行周辺は見物人や運動家でごった返すことに。やがて Sonny は海外へ高飛びするため警察と交渉するが……。

 "Swordfish" の冒頭で John Travolta が講釈垂れておったのがこの作品であります。てなもんで今更ですが観ました。
 実話が元になっているそうですが、お話としては今一つ面白くない。Vietnam 帰還兵で職がないのじゃよ、という話なら乱暴さんが充分語ってくれますし、犯罪者と TV 局の関係を強調するなら "Mad City" のようにあからさまなもんも存在するので、そういうのに比べればこの映画は何が言いたいのか解らんのですな。Sonny らの強盗も多分に衝動的な犯行なので、警察に囲まれてからは人質と一緒に籠って幕引きの仕方を延々考えるばかり。まぁその間に、Sonny が金絡みの人間関係に疲弊し精神的に追い詰められていることとか gay への風当たりの強さとか強盗たちと人質たちとの交流が描かれて社会派映画っぽい展開にもなっていくので、この頃のめりけんの一断面を垣間見ることはできます。とはいえ entertainment としても社会派としても半端な印象には違いないんですが。
 面白かったのは、強盗に入られた後の行員の行動が強盗たちにやたらと協力的で、金はやるからさっさと終わらせて帰ってくれよという雰囲気が滲みでておるところですな。警察が取り囲んだときも強盗たちにむかって愚図愚図しとるからじゃボケと言ってくれます。わお、図太い。その後も TV 局の取材を受けてはしゃいだり rifle 回して儀杖兵ごっこに興じたりと緊張感皆無。この辺は Sonny の人柄の影響もあるのかのぅ。
 Al Pacino は流石に若いんですが、半ば狂人の域に踏み込んだ Sonny Wortzik を熱演しております。相棒の Sal 役 John Cazale も芒洋とした顔ながら何しでかすか解らぬ雰囲気を醸し出しておって好印象。警察側の役者もええ味出してました。

 あ、この映画は冒頭以外に音楽がないってのも特徴です。その分、細かい雑音や騒音を拾っているので臨場感は充分。最後の空港の場面、jet の轟音がやけに印象的でありました。

log modified: 2006/01/15 23:55:38 JST

2006.01.16 (Mon)

Kei Haneoka / Pani Poni Dash! Original Soundtrack Album Gakuen Festival

 羽岡佳が音楽担当した TV animation "ぱにぽにだっしゅ!" の soundtrack であります。2005 年発表。
 全音楽ふぁん必聴などといふ文句を見掛ける度に眉につばつばする小生は音楽ふぁんの風上にも置けぬ只の音盤収集屋もしくは音響享楽乞食に過ぎぬわけですがそれにつけてもこの album は全音楽ふぁん必聴です。あふりかのあふろへあ氏も北極の熊五郎もひまらやの拝辞さんも紐育のじゃまいかんも成層圏外のとれっきーも号泣必至、呵責無きぱくり魂炸裂の大ネタ詰合せ福袋状態なのです。listener の音楽教養が試される現代の踏み絵的な一枚と言えるでしょう。うひゃあ。つか一枚で収めるのは無理過ぎ。

diary

 ささやかな肥やし? 戦士にそのようなものは不要である。

 ふぃぎゅあはいらないので千円分安くして下さい。

log modified: 2006/01/17 01:45:49 JST

2006.01.17 (Tue)

Robert Plant and the Strange Sensation / Mighty Rearranger

 ex-Led Zeppelin の vocalist、Robert Plant の The Strange Sensation 名義作、2005 年発表の album。国内盤で bonus track が 1 曲追加されて全 13 曲。
 2005 年後半は Zeppelin ばかり聴いてた小生ですが、Robert Plant の現時点での最新作であるこの album は、しわしわ親父と化した Robert Plant の中に未だに Zeppelin 魂が燃えさかっておることを再確認できる作品になっております。electric と acoustic の垣根を飄飄と乗り越え、見掛けの伝統的な装いとは裏腹に常人にはなかなか真似できぬ exotic な groove を醸し出す The Strange Sensation の演奏。こういう粘っこい arrange でこそ Robert Plant の husky な声も似合うってもんです。ぺーぷらの頃よりも音の重心が低く安定していて、Plant 的にはかなり居心地の良い band になってるんではないでしょうかね。この人もやっとこさ腰を据えて自分の音楽性を深化させる方向で進み始めたようです。
 それにしても思うのは、Zeppelin てのは rock の mainstream に位置する band ではないよなぁ、ってことだったり。例えば Paul Weller が UK rock の首領として若手から熱い視線を送られているような、そういう位置に Robert Plant は立ってはいないのですよ。blues や world music を飲み込みつつ、それをそのままの形では吐き出さず、Zeppelin の filter を通した変異体として表現する。それは醤油拉麺を注文したら味噌拉麺が来たかの如き青天の霹靂なわけですが、喰って旨ければそれはそれで結果往来なのです。しかし世の中は醤油を基準に回っていくため、醤油に満足できぬ Robert Plant は味噌まみれになりつつ果敢な冒険を続けていくことになるのであります。頑張れ味噌拉麺。小生は塩拉麺も好きだぞ。

log modified: 2006/01/18 02:10:43 JST

2006.01.18 (Wed)

栗本 薫 『疑惑の月蝕 (グイン・サーガ 77)』
「お前は、まだ、石の都の女か。――お前は前に、ついてこいといったとき、それは出来ぬ、無理にさらえばのどをつくといって拒んだ。――いまならどうする。俺とともに来い、といったら、お前は、来るか。女」
「はい……」
 疲れはてたように、リギアは目をとじたままつぶやいた。スカールの胸が、リギアの涙に濡れた。
「もう……涙などかれて、出なくなったかと思ったのに、まだ……涙があるんですのね……」(page 108)

 あーはいはい (爆)。早川文庫版で読了。
 ルーナの森で激突中のパロ国王軍とナリス軍、その最中をナリス自害の報が駆け巡り、誰も彼もがびっくら仰天する。皆信じられん顔で呆ける中、ヨナたんは淡々とナリスの仮葬儀を整える。ナリス救援のため参戦した草原風雲児スカールは、ナリスが死んだと知らされて、じゃ俺帰るわと言ったものの、スカールをナリス亡き後の頭目に仕立てたいヨナたんの説得に絆されて、帰り道が一緒だからという理由でナリス軍と行動を共にする。ゴーラではイシュトがパロ攻めよっかなぁと仄めかしてカメロンを慌てさせる。ケイロニアではナリス自害の報に動転したマリウスが立場を弁えずにパロ目指して出奔、グインはこりゃまいったねと弱り顔、の巻。

 ナリスママはあっさり解放されて自宅へ帰りましたとさ。反逆者の眷族は一族郎党皆殺し、って時代ではないようです。ふーん。
 ヴァレリウス君はやっとこさ中原に戻ってきたようです。ナリス不在の穴を埋めてくれますかねぇ。

get
  • Shinji Hosoe / Under Defeat
  • Akino Arai / Palme Songs
log modified: 2006/01/19 01:27:43 JST

2006.01.19 (Thu)

Yoko Kanno & Hisaaki Hogari / Genesis of Aquarion Original Sound Track 2

 TV animation 「創聖のアクエリオン」の OST、第二弾。音楽担当は菅野よう子と保刈久明。2005 年発表。
 前作同様に菅野人脈 & Warsaw Phil の壮大音楽絵巻であります。experimental な装飾は若干減ったような気もしますが、それでも tr.2 のような strings arrange と band sound とどらんべの交錯する曲を聴いておるとやっぱ面白いのぅと思うわけで。
 重そうな theme を扱っても何故か明るく突き抜けてしまうのが河森監督作品の特徴ですが、positive な色彩に溢れるこの音楽もまた Aquarion らしくてよろしいです。

log modified: 2006/01/20 02:05:22 JST

2006.01.20 (Fri)

[movie] A Tree of Palme

 なかむらたかし監督作品、2001 年。邦題「パルムの樹」。
 荒れたアルカナの地、巨木クルップの根元に老学者フォーがひっそりと住んでいた。フォーはかつて、病弱な妻シアンを慰めるために木の人形パルムを作ったが、シアンが死んでからというものパルムは殆ど反応しなくなっていた。ある日、フォーの家に地底の女コーラムが現れてフォーにトートの卵を渡し、それを地底の国タマスへ届けてほしいと言う。木偶人形同然のパルムは何故かコーラムには反応する。だが間もなく、コーラムを追う三人の地底人がフォーの家に押しかける。抵抗したフォーは男の一人に刺され重傷を負う。地底人達はそこにコーラムがおらず、トートの卵もないと知り家を去る。だが卵はフォーが隠し持っていた。フォーは卵をパルムの中に装着し、タマスへ行けと言い残して絶命する。パルムはやがて自ら動きだし、タマス目指して旅を始める……。

 話が解りにくい、可愛い顔して grotesque な描写多すぎ、パルムもコーラムも身勝手過ぎ、という感じで万人向けの作品ではないのですが何となく感動大作ぽい雰囲気で締め括るので、どう評価してよいものやら。
 パルムはシアン亡き後は抜殻同然だったのを、ポポとの出会いにより本格的に再生、ポポと解り合うには人間になるしかないと思い込んで旅の一行巻き込んで強引な地底行きを敢行する。コーラムは幼い頃から父親に認められなかったため、父の愛を得るために苛酷な旅を続けていた。欠けたものを埋め合せようとする、この二つの物語が相互補完しつつ絡み合っていけばよかったんでしょうが、上手くいかなかった様子。パルムがどんどん自己中心的な暴力亭主と化し、ポポもパルムに同情してからは逆にパルムを焚き付け事態を悪化させたりと、意表突きすぎな展開も唖然とさせてくれます。こういう人格、anime 作品にしては随分生々しくてむしろ新鮮だったり。
 お話としてはアレですが作画は良かったです。

log modified: 2006/01/23 01:27:27 JST

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