Noisy Days in October, 2005

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2005.10.21 (Fri)

George Pelecanos 『Drama City』
"You ought to quit them cigarettes," said Lorenzo.
"Hard to quit everything at once," said Rachel. (page 288)

 Warner Books 版の paperback で読了。
 麻薬売りが元で刑務所に入っていた Lorenzo Brown は、仮釈放後に Washington D.C. に戻り、The Humane Society で犬を不当な暴力から守る仕事に就いた。彼の昔の知り合いは、Lorenzo が堅気の生活をしていることに対して複雑な心境だった。Lorenzo の保護観察官 Rachel Lopez は、実は大酒飲みで、そんな自分を嫌っていた。やがて街で gang の抗争が起こり、Lorenzo の心を過去が締めつける。Rachel もまた、暴力に巻き込まれる……。

 血生臭い事も起こりますが物語は比較的淡々と進みます。しかし淡々としすぎて今一つ盛り上がらん。初めて読む作家さんだったんですが、他の作品から入った方が良かったのかも知れんのぅ。

log modified: 2005/10/24 01:50:26 JST

2005.10.22 (Sat)

get
  • The Boats / We Made It for You
  • Jeff Mills / Contact Special
  • Heiko Laux / Spread
  • Ken Follett 『The Key to Rebecca』
  • Isaac Asimov 『The Cave of Steel』
diary

 土曜の夜に出歩いてたんですがやたらと人が少ない。平日より人が居ない。タワレコもがらがら。一体何事ですかテロですか外出禁止令ですかでもそんな news あったっけと訝しく思いつつ帰宅。
 あー、野球か。全然知らなんだ。

log modified: 2007/04/20 00:54:43 JST

2005.10.23 (Sun)

[movie] 鉄男 II: Body Hammer

 塚本晋也監督作品、1992 年。
 谷口明生 (田口トモロヲ) は妻のカナ (叶岡伸) と一人の息子を持つ平凡な家庭人。ある日、息子が二人組の男達に誘拐される。谷口は男の一人に銃で腹を撃たれへろへろになりながら二人組を追い、命の危機に見舞われながらも何とか息子を取り戻す。だがその日から谷口は体内の異物感に苦しみ始める。二人組は再び息子を誘拐し、二人組への殺意に支配された谷口は体から生えた銃器で男達を撃つが、誤って息子を手に掛けてしまう。失意に打ちひしがれた谷口を男達が誘拐。谷口は製鉄所に設置された肉体美軍団の秘密基地で電気椅子に括られ、headgear を噛ませられ殺意を増幅させられる。肉体美な連中は人間兵器の人体実験として谷口を利用しようとしていたのだ。しかし谷口の metamorphose は予想を遥かに上回っており、追手を蹴散らして谷口は逃亡する。やがて谷口は肉体美軍団の人体実験とは関係なしに金属化現象を起こしていることが解る。谷口と肉体美軍団の長、通称やつ (塚本晋也) とは過去の因縁に決着を付けるべく互いに相争う……。

 あれの続編。流石に前回よりは金掛かってそうです。color だし、一応 story らしきものもあります。しかし前作に漲っていた得体の知れぬ energy と tension はやや後退。全体的には普通の B 級映画の趣。というか前作のちん○ん drill が強烈過ぎた。
 救いがあるのかないのか解からんが終り方はすっきりしていて良好でありました。

diary

 散髪。前髪は眉毛掛かるくらいで、と言ったら「そんなに短くすんの?」と言われた。いやだから今までが長すぎたんですよ。

log modified: 2005/10/25 02:12:45 JST

2005.10.24 (Mon)

You've Got Foetus On Your Breath / Ache

 Foetus の 1982 年発表 album。
 流石に古い album なので音が安い感は否めませんが、いかにも Foetus な絶叫指数高めの歌い上げと junk な beat、でもって jazz で minimal で punk な音塊が混然一体となって驀進する様はやはり Foetus なのです。音が痩せてるからかどうかは知りませんが、方々に noise 撒き散らしながらも pop な枠組はしっかり維持している点にこの人の音楽愛が滲みでております。名作。

log modified: 2005/10/25 02:36:53 JST

2005.10.25 (Tue)

The Boats / We Made It for You

 The Boats の 2nd album、2005 年発表。
 Budd & Eno の "The Plateaux of Mirror" を electronica 的に解釈するとこうなるか、といった風情の piano 主体 minimal ambient であります。風景に溶けこむような柔らかい sound collage ですが、無心で聴いていると思わずほろほろと涙してしまう侘び寂び月見酒な音なのですよ。秋ですなぁ。秋ですよ。

log modified: 2005/10/26 02:05:17 JST

2005.10.26 (Wed)

Yasuhisa Watanabe / Senko No Ronde Sound Tracks

 SF 対戦弾幕 action shooting game 旋光の輪舞の soundtarcks で、2005 年発表。作曲は Yack.氏。
 少女愛音楽です。純情な方は overdose にお気を付け下さい。世慣れた叔父様は頬ずりしながら聴いて下さい。女性の方は男性の妄想する少女幻想を脳裏に描きながら聴いて頂ければよろしいかと。
 robot と少女と宇宙は妄想世界内で違和感なく共存しているのです。闇を裂く流星雨も極彩色の花火も、天上の音楽に包まれると儚く美しい刹那の夢へ移り変わってゆくのです。嗚呼 Hallelujah、Hallelujah。

 まぁ何つか小生この game やった事なくて申し訳ないだって STG に見えへんもの。あー台空いとるなーと思いつつ素通りして達人王に coin 入れたりしてしまうわけです。それで 2 面 boss が越せなくて台を蹴りかけて思い留まったりするわけです。それはこの際どうでもよろしい。
 曲の方は midi sequencer のおまけ sample 曲みたいなものやら danceable な fusion やら様々ですが、全体的には近年の Yack. 氏らしい煌びやかで pop な仕上りとなっております。Border Down の時よりも曲想の自由度は高めですので部屋でほえほえしながら聴くのも一興でしょう。ほえほえ。

森 博嗣 『朽ちる散る落ちる』
「えっと、もっと工作員みたいな。英語でいったら、エイジェント」
「エイジェント」紫子が繰り返す。「カッコええな、それ」
「要員って感じね。うーん、運動家、扇動家、どんなイデオロギィなのかは、全然知らないけどさ」
「イデオロギィ?」紫子が繰り返す。「それも、カッコええわぁ」
「じゃあ、エントロピィは?」
「それは、なんか間抜けな感じ」
「どういう基準なの?」
「フィジカル・グラフィティなんて、むっちゃカッコええやん」
「じゃあ、ポポン・エスは?」(page 270)

 Page 先生も紫子さんに褒められて御満悦でしょう。講談社文庫版で読了。
 『六人の超音波科学者』の後日譚。土井超音波研究所の地下から死体発見。紅子は数学者の小田原に唆され、周防教授から有人衛星の宇宙密室殺人について聞き知る。へっ君誘拐疑惑で紅子は狼狽え、練無は素直と何故かデートし、保呂草は各務亜樹良と謎の女に振り回され、紫子の豪速球が唸りをあげる。そして根来機千瑛の最強伝説に新たな一頁が付け加わるのであった。
 とりあえずはちゃんと mystery になってますのでその点は御安心頂いてよろしいでしょう。しかし一言いわせて下さい。そんなややこしい死に方せんといて。

log modified: 2005/10/27 01:50:44 JST

2005.10.27 (Thu)

Cream / Live Cream Volume II

 Cream の 1968 年 live 盤。
 こうやって聴いてみると、Cream て壊れとるのぅというのがよく解ります。定型の riff でさえ rhythm と合ってなかったり、break 後の入り方もてんでバラバラだったりする。しかしそれを単純に下手や手抜きやと斬り捨てられない凄味も音の端々から伝わってきて、結局此奴等は自分の出す音に限りない自信と確信を抱いておるからそう聴こえるのであろうと推察されるわけです。どいつもこいつも一歩も引かず他に迎合せず、それでいて高みを目指す視線は揺るがない。そうして出てきた音は、不和の中に秩序があり、破綻を含みながらも枠に収まらぬ高揚を得るに至った psychedelic blues rock 一大絵巻を虚空に描き出すのであります。
 tr.2 "White Room"、tr.5 "Sunshine of Your Love" といった強力な楽曲を含む全 6 曲。最後の tr.6 "Steppin' Out" の chaos な音像に悶絶必至。凄い band やったんやなぁ。

log modified: 2005/10/28 01:50:39 JST

2005.10.28 (Fri)

Clive Barker 『Abarat』
"Good-bye, Dad. I gotta go."
"Go?" he replied. "Where the hell are you ever going to go? You're going nowhere. Nowhere."
Candy smiled to herself.
And smiling, she opened her eyes. (page 428)

 Harpercollins Publishers 版の paperback で読了。
 田舎町の Chickentown で退屈な日々を送っていた少女 Candy Quackenbush は、ある日異世界 Abarat に紛れ込んでしまう。Abarat は時と島とか結び付いた群島世界で、そこには奇怪な容貌の住人が居た。Candy は様々な人物に助けられながら旅を続けるが、the island of Midnight の権力者 Christopher Carrion は、彼女と彼女が持つ鍵を手に入れるべく追手を差し向けるのだった……。

 Clive Barker による子供向け fantasy。全 4 部作の予定らしい。
 fantasy とはいえ Barker ですから、変な生き物てんこもりであります。Candy もとっ捕まったり逃げたり仲間を得たりはぐれたりと大変な目に。ということでそれなりに面白い展開なんですが、いかんせん Candy の造型が普通過ぎるし、捕まったり逃げたりばかりで話が広がっていかん。こんな調子で今後も続くようだと息切れするんじゃないかと思いますな。

log modified: 2005/10/29 17:37:04 JST

2005.10.29 (Sat)

get
  • 船戸 与一 『蝶舞う館』
  • Jack Higgins 『The Graveyard Shift』
京極 夏彦 『百鬼夜行 陰』
 杉浦隆夫は箪笥に仕舞ってある妻の着物を凡て処分することにした。
 もう妻が戻ることもあるまいし、仕立て直して再利用することも考え難かったから、殆ど躊躇うこともなかった。
 ただ、袖匣を開けると云う行為自体には大層抵抗があって、杉浦はその刹那、恐怖のあまり指先の力が抜けて、取っ手の金具をかたかたと鳴らしてしまったのだった。(page 11)

 ここだけ読むと漱石みたいですなぁ。相当前に読了、講談社文庫版。10 の短篇から成る作品集。
 長篇に出てきた登場人物達の、事が起こる前の姿を描いた作品ばかりです。彼らは物に憑かれ混迷にはまり、もがき苦しみ問題解決せずに終わる。不安定な状態のまま回復せず物語が投げ出されるように終わると後には怪異が残る。もちろん回復しないと思うのは彼らのその後を知る読者だけで、事の中心に居る本人達は歪な世界に踏み込みつつもその世界を受け入れ安定させようと奮闘している。その様は哀れでもあり滑稽でもあるが、読後に背筋が少し冷える。
 久々に怪奇小説らしい怪奇小説を読んだ、という気分にさせられた一作。

diary

 近場の本屋で bargain sale をやっとるとの噂を聞きつけ、いそいそと外出。って、やってねえじゃん。ああちゃうちゃう、あれ今月の頭やった (爆)。あんとき買った本で積んでるのはあと一冊か。まぁそのうち片付けます。

log modified: 2005/10/30 02:28:19 JST

2005.10.30 (Sun)

get
  • 栗本 薫 『魔の聖域 (グイン・サーガ 76)』
  • 栗本 薫 『疑惑の月蝕 (グイン・サーガ 77)』
  • 栗本 薫 『ルノリアの奇跡 (グイン・サーガ 78)』
  • 栗本 薫 『ルアーの角笛 (グイン・サーガ 79)』
  • 栗本 薫 『ヤーンの翼 (グイン・サーガ 80)』
  • Jack Higgins 『Hell Is Always Today』
Jack Higgins 『The Graveyard Shift』
Craig appeared at his elbow and bowed ironically. "She isn't feeling too well. You'll have to wait till tomorrow, copper."
"Tomorrow's already here." Nick shook his head. "You want to get with it, Craig. You're slipping." (page 245)

 Berkley 版の paperback で読了。
 強盗の罪で刑務所に入っていた Ben Garvald は、刑期を務め終え出所した。彼の元妻 Bella は既に地元の権力者 Harry Faulkner と再婚していたが、Garvald は Bella の元に押し掛けるような手紙を送っていたらしい。Bella の妹 Jean からその話を聞いた Grant 警視は、Garvald が騒動を起こす前に犯罪の芽を摘むべく、一仕事終えたばかりの若き刑事 Nick Miller に Garvald の行方を追うよう命じる。Miller は僅かな手掛かりから Garvald の後を追うが、やがてかつての強盗事件や Faulkner の手下達の動きも加わり、事件は複雑な様相を呈し始める。その日は Miller にとって長い夜になりそうだった……。

 Higgins 読むのは『The Eagle Has Landed』以来です。小生が初めて読み切った洋書でしたからねぇ、えらく苦労した覚えがあります……あれ、Dick の『Blade Runner』が先だったっけ。大昔のことなので記憶が定かでない様子。まぁいいや。
 で、『The Graveyard Shift』は Higgins が Harry Patterson 名義で 1965 年に発表した長篇であります。graveyard というと墓地のことですが、graveyard shift となると深夜勤務の意味を持つらしい。墓守の仕事つーたらそりゃ深夜でしょうからねぇ。納得。
 Higgins の作品と言うと第二次大戦とか国際謀略とか Nazi の残党とかを連想するもんですが、この Nick Miller ものは至極真っ当な警察小説で、Nazi の残党とかは出てこないようです。その辺が Harry Patterson 名義にした理由だったりもするんでしょうなぁ。
 でもって内容の方はちゃんと面白い。Nick Miller て人は柔道茶帯で空手の達人で piano も弾けて頭も良いが、やや協調性に欠け、危険な所でも身一つで飛び込んでいくという典型的な一匹狼型の兄ちゃんであります。捜査の途中で Jean と良い仲になったりするとこからして見た目もええんでしょうなぁ。しかし流石に Higgins、主役だけでなく脇役の描き方も上手い。渦中の人物 Ben Garvald は退役軍人で強面で人の噂では悪人なんですが、婦人には gentle で分別も備えた男。その Garvald と過去に付き合いがあったことで捜査線上に現れた American の jazz pianist にして脱ヤク中志望の Chuck Lazer は、Miller と演奏競演したことから Miller を気に入り勝手に彼の助手に収まる。身勝手な野郎ですが憎めんのですな、こういう人は。
 序盤は Miller の地道な捜査や、Faulkner や彼の手下 Fred Manton らの裏会談やらで緩やかに進んでいきますが、中盤辺りからは Miller の打々発止や car chase があったり、男同士の会話から微妙な関係の中にも信頼を築いている様を見せつけたり、終盤にはどんでん返しも織り込まれてたりして楽しめます。まぁ終盤ばたばたしすぎという感じがしないでもないですが、思っていた以上によく出来た小説でありました。

log modified: 2005/10/31 02:28:36 JST

2005.10.31 (Mon)

Heiko Laux / Spread

 見送るつもりだったんですが恐い顔で睨まれたので買ってしまいました。Kanzleramt の番長 Heiko Laux の 2005 年作。Tresor や Kurbel や自身の Kanzleramt から発表した single を集めた album。
 発表年代は 1996 〜 2004 までで幅があり、他 label の音も混じっているので統一感は今一つですが、硬い kick と清洌な synth で detroit techno 寄り hard minimal を展開するという視点に揺るぎはない。結局、どこから release してもこの人らしい音作りになっていて、その印象はそのまま Kanzleramt の label color にもなる。minimal 冬の時代でもこの人が健在なら大丈夫なのであります。あーでも Offshore Funk の 1 作めみたいな歪な異種格闘戦もどかどかやって欲しいもんです。

diary

 "すぺーすいんべーだー" という Tobe Hooper の映画が昔ありましたが、あれの原題は "Invaders from Mars" で、50 年代の同名映画の remake だったそうです。へええ知らんかった。

log modified: 2005/11/01 01:27:06 JST

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