Noisy Days in November, 2005

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2005.11.11 (Fri)

Robert McCammon 『Boy's Life』
"Well," Dad said, "all I can say is, there're stranger things on this earth than we can ever figure out if we had a hundred lifetimes. I thank God the both of you are all right, and that nobody drowned in the flood. Now: what's for dinner?" (page 109)

 Pocket Books 版の paperback で読了。『少年時代』という邦題で訳書も出てます。
 1964 年、Alabama 州の小さな町 Zephyr。11 歳の Cory Mackenson は、寒い春の朝に父親の牛乳配達人 Tom にくっついて truck で移動中に、Saxon 湖に車が飛び込むのを目撃する。父はすぐ湖に飛び込んで運転手の救助に向かったが、中の運転手は裸で、手錠をかけられ首に wire も引っかけられている状態だったため救助できなかった。町の住人は誰もいなくなっておらず死体も上がらなかったため、事件はうやむやになってしまうが、それ以後父は夜ごと聞こえる死人の声にうなされるようになる。Cory は映画を観て怯えたり大雨で避難したり Beach Boys に熱狂したり過激な神父に邪悪の影を見たり目玉付き自転車を乗り回したりいじめっこと喧嘩したり怪しい大人の取引現場を目撃したり short story contest で入賞したりして魔法がかった少年時代の生活を楽しむが、やがて Saxon 湖事件の手掛かりを見付けていき、その犯人に肉薄していく……。

 McCammon つーと『奴らは渇いている』しか読んだことのなかった小生ですが、あの本に関しては馬鹿みたいに面白かったという印象があるのですよ。あの聖水は最高でしたな。作者自身は失敗作と思っているらしく、再版の offer も以前断ったそうですが、なんつーもったいないことをしとるねんと思っているのは小生だけではない、はずである多分おそらく perhaps。まぁ、それ以後 McCammon 本を読んでない小生が偉そうに言えることではないんですが。
 で、久々に挑戦の McCammon 本は少年の頃を nostalgia たっぷり盛りこんで語る青春物語なのでした。まーた King ぱくりかよと眉を顰める方もおられるかも知れませんがこいつはちと違っていて、McCammon による Ray Bradbury 解釈とでも言えそうな作品になってます。伝説の怪物あり、超常現象あり、謎の夢も見れば不死動物やら恐竜も出てくる。しかしその一方で冷静な現実認識もあって、暴力や黒人差別や失業や第二次大戦の残滓もある。現実と幻想が seamless に繋がっている世界、子供から大人へと成長する過程で誰もが通るその世界を、McCammon は上手いこと捕まえて表現してます。
 Saxon 湖事件が通奏低音になってますが、全体の構成は連作短編のような趣で、Cory の目から見た 1 年間の様々な出来事が語られてます。個々の事件はそれぞれ印象的で、この人は短篇も上手いんやろなぁと思わされます。特に泣きの episode が秀逸で、Cory が夢の中で Mrs. Neville の助言を受ける場面とか、親友の Davy Ray に物語を語って聴かせる場面とか、べたべたに感傷的でその辺のたくりながら泣きそうになりましたよ。いやぁ McCammon、こんなに書ける人だったとは。最後の後日譚はこの長編にしてはあっさりしてますが、それが大人の視点というものなんでしょうなぁ。
 いやはや傑作。かつて子供だった人は読んで涙してくだされ。

log modified: 2005/11/13 03:21:03 JST

2005.11.12 (Sat)

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  • 島田 荘司 『魔神の遊戯』
[movie] The Gauntlet

 Clint Eastwood 監督作品、1977 年。
 Phoenix 署の市警 Ben Shockley (Clint Eastwood) は、上司の Blakelock (William Prince) に呼び出され、裁判の証人 Gus Mally (Sondra Locke) を Vegas から Phoenix まで連れてくるよう命令される。市警の自分が何故そんな仕事をしなければならないのか、内心訝しく思いながらも Shockley は Vegas に赴くが、いざ対面した Mally は Phoenix に行くまでに殺されると主張し、Shockley を当惑させる。Shockley は Mally を連れて車で空港に行こうとするが、乗換用の車が爆破されたり、一時的に避難した Mally の家が警官隊からの銃撃を浴びたりし、何時の間にやら Shockley と Mally は警官殺しで指名手配の身になっていた。Mally に証言されたくない何者かが Shockley らの行く手を阻んでいるらしい。Shockley は自らの警官の誇りにかけて Mally を Phoenix に送り届けようとする……。

 昔観た時も酷い映画やと思いましたが、いざ観直してみてもやっぱ酷い映画ですなぁ。story は至って平板、Mally を Phoenix に送ろうとする、すると邪魔が入る、危機を乗り越えて旅を再開、また邪魔が入る、以下繰り返し。まぁそれは良いんですが、個々の episode がブツ切れで、終盤に向かって盛り上げるような趣向が殆ど感じられません。個々の episode の出来が良ければ total でまとまらなくても良い映画になるんでしょうが、個々のお話がまたしょぼい。何せ逃げるか切れるかの二者択一ですからねぇ。深みや味わいなんて最初から放棄してるようなもんです。
 そして登場人物は馬鹿ばかりであります。Ben Shockley は同じ手に何度も引っかかる学習能力皆無の警官。Gus Mally は一人ですたこら逃げりゃいいものを Shockley にのこのこくっついていく馬鹿の世話女房的存在。二人を追う警官達も過激というか馬鹿というか、人質監禁してると聞いて Mally 宅を包囲したは良いが、さんざん銃弾ぶち込んで家は倒壊。人質もろともぶっとばすおつもりか。bike で逃げる二人を警察の helicopter が追う。散々追っかけっこした挙げ句、helicopter は鉄塔の wire に引っかかって自滅。馬鹿である。そして終盤の bus で Phoenix に乗り込む場面、密談で Blakelock が「人目に付かない highway で bus なんぞぶっとばしゃええじゃないか」とまともそうなことをのたまいますが、地方検事 Feyderspiel (Michael Cavanaugh) が「それだと media がうるさいんすよ、それよか市庁舎の前を立入禁止にして警官隊並べて蜂の巣にした方が安全かつ確実すよ」といったことを言って二人ともニヤーリ。そんなわけあるかー!
 他にも「へりっちは何で Shockley の居場所知ってんの?」とか「そんな angle から撃つでない馬鹿者が! つかわざわざあそこで狙うより移動させてから密殺した方が良かろうが!」とか、まぁとにかく敵も味方も馬鹿ばかりで無理矢理感溢れるお話なのです。いろいろ文句付けられるから楽しいとも言えますが、巡りあって幸せな映画とはとても言えませんなぁ。

 と散々貶した後で何ですが、馬鹿に徹したという意味で潔い作品です。監督も考えたに違いない、観客が求めるのは銃弾どばどば爆発どかん、ならテメェらの欲しい物を存分にくれてやろうじゃねぇか。男は馬鹿に見えようとも己の信念を貫く姿が美しいのだ、そんな男にくっつける女はつんでれでなければならないのだ、そうともこれこそ hard-boiled entertainment の理想形なのだ、云々。いや発想は間違っておらぬ、というか CG 時代になって銃弾どばどば爆発どかん中身すかすかで大当たりな映画が量産されたことを考えると、銃弾ばぶるの先鞭を付けた映画として後の映画史研究家から絶賛されたりするかもしれん。つまりこういうことか。早すぎたんだ、腐ってやがると。
 とはいえ小生はこの頃の Sondra Locke のでっかいおめめに胸きゅんなので傑作と言わせていただきます。

diary

 初あんでふ。2 面で終局。
 他の G.rev 系 STG 同様、弾喰らったときの爽快感が希薄ですなぁ。まだ詰んでない状態で「はい負けっす、また来てねっす」と言われているようで悔しいのです。

log modified: 2005/11/13 23:28:44 JST

2005.11.13 (Sun)

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  • Garth Nix 『The Abhorsen Trilogy』
  • Tamora Pierce 『Alanna: The First Adventure』
  • Ursula K. Le Guin 『The Other Wind』
  • James Crumley 『The Final Country』
  • Robert B. Parker 『Family Honor』
[movie] The Italian Job

 F. Gary Gray 監督作品、2003 年。邦題「ミニミニ大作戦」。
 Venice で Charlie Croker (Mark Wahlberg) を leader とする窃盗団が 35 million dollars の金塊の山を奪うという大仕事を成功させる。仲間達は雪山の上で成功を祝うが、仲間の一人 Steve (Edward Norton) の裏切りにより Charlie の師匠 John Bridger (Donald Sutherland) は射殺、Charlie 達は車もろとも橋から凍てついた川に飛び込み水没する。だが彼らは生きていた。1 年後、Los Angeles。John の娘で金庫破りの名手 Stella (Charlize Theron) の元に Charlie が現れ、Steve の居場所が解ったことを伝える。Steve は自宅を堅牢な security system で固め、Venice で奪った金塊を独り占めしていた。Charlie は生き残った仲間達、即ち computer に詳しい Lyle (Seth Green)、爆発物の専門家 Left Ear (Mos Def)、凄腕運転手 Handsome Rob (Jason Statham) と組んで、Steve の金塊を奪い返そうと計画しており、Stella の金庫破りとしての腕前を見込んで話を持ちかけてきたのだ。Stella はその話に乗り、かくして Charlie 率いる窃盗団と Steve との戦いが始まる……。

 普通に良くできたお話で、裏 "Ocean's Eleven" といった趣。配役や仕掛けはあの映画に比べりゃ小振りですが、登場人物の数はこれくらい少ない方がええです。
 しかし普通という枠を抜け出る程のものは無く、tune up された Mini Cooper もあまり活躍の場を与えられていないので、ちと不完全燃焼な出来。泥棒物は目標設定してからの中弛みをいかに凌ぐかってところが腕の見せ所やと思いますが、その辺の配慮はあまり為されなかった様子。まぁ、こんなもんか。Jason Statham は "Le Transporteur" な運転手役で定着しそうな勢いですな。

 ちなみに次作 "The Brazilian Job" が 2006 年公開予定とのこと。そういうところまで "Ocean's Eleven" を真似んでもええのに。邦題どうすんのかねぇ。

log modified: 2005/11/14 01:24:23 JST

2005.11.14 (Mon)

John Coltrane with The Red Garland Trio / Traneing In

 John Coltrane (ts)、Red Garland (p)、Paul Chambers (b)、Art Taylor (ds) の面々による 1957 年録音。全 5 曲の album。
 blues と ballad を配分して、派手過ぎず地味過ぎず、されど如何にも Coltrane な歌心ある太い blow を楽しめる一枚であります。Red Garland は女房役としてはやや迫力に欠けてますが頑張ってる方じゃないでしょうかね。でもって Paul Chambers の bass はやっぱりやたらと音がでかく感じてしまうのです。
 tr.5 "Soft Lights and Sweet Music" は soft でも sweet でもなく剛球一直線な展開ですが、こういう熱い Coltrane もまた良いですな。

log modified: 2005/11/15 02:06:40 JST

2005.11.15 (Tue)

Jeremy Ellis / The Lotus Blooms

 Ayro こと Jeremy Ellis の本人名義作、2005 年発表。
 例によって crossover で broken beats で fusion な音なのです。Ayro 名義での 1st はもっと mechanical な音だったと思いますが、今回は若干生音志向で黒くて粘っこい funkness が渦巻いております。
 Jazzanova や KJM や Ian O'brien が好きそうな音、と言えば解る人には解っちゃう音だとは思うんですが、この Jeremy Ellis や John Arnold や Amp Fiddler ら、即ち detroit 組の音ってのは、どーも只の club jazz 路線とは異なる位相におるような気がします。この人らのねばねば funk groove を聴いていると、昔の soul や R&B を参照したくなるんですな。その触感は Moodymann や Theo Parrish の音にも共通するもので、表に出てくる音がどれほど昨今の風潮に合わせたものであっても、根っこに蟠るねばねばでどろどろの funkness は、浮世の fashion 何処吹く風の、ウン十年煮込みつづけている何物かだったりするような。極東の島国でのほほんと CD だけ聴いておるような小生には安易に飲み込めぬ、深淵の voodoo chile がここにはあるってことか。
 聴いてると「若僧め間合いが遠いわ」と延々言われてるようで楽しいんだがむかつくという心憎い一枚と言っておきましょう。

log modified: 2005/11/16 02:17:43 JST

2005.11.16 (Wed)

Jan Garbarek / Visible World

 Jan Garbarek (ss、ts、他) を中心とした ensemble による演奏。1995 年録音。
 北欧 jazz と言えば Jan Garbarek。聴いてると気温が下がります。真夜中の静けさの底で雪の降り積もる音を聴いているような印象なのです。
 牧歌的な theme で始まりつつ、何処か輪郭のぼやけた風景を描いていく Jan Garbarek の sax。優しさと冷たさが違和感なく同居するこの人の音はやっぱ独特の味があります。しかし歳取って甘味が増してるんではないですかな。

安部 龍太郎 『彷徨える帝 (上)』
 谷底から吹き上げてくる早春の風に吹かれながら、北畠宗十郎は目を半眼にして呼吸を整えた。
 剣の修行に入る前の一刻をこうして過ごし、雑念をふり払うのが日課だが、今朝はどうしても丹田に気を集めることが出来なかった。
 山を下りて戦場に立つ日が近いという予感がある。その思いに胸がざわめき、心はあらぬ方をさまよっていた。(page 26)

 角川文庫版で読了。
 室町時代中期、南朝方は劣勢を覆すべく、後醍醐帝の呪いが込められていると言われる三つの能面を集めようとしていた。その面を見たものは否応なしに北朝への反逆を志すと言われていた。面を求め旅を続ける北畠宗十郎、その前に北朝方の朝比奈範冬が立ち塞がる。北朝もまた、面を集めることで南朝方を封殺せんと動いていたのだ。かくして能面を巡る熾烈な暗闘が始まる……。

 風呂敷でかそうな仕立てですが、二人の剣士の戦いが中心で、求めるものはいわくつきの能面、ってことで歴史小説というよりは剣豪小説という方が良さそうな作品であります。上巻では一本取られた宗十郎、巻き返せるかのぅ。

log modified: 2005/11/17 02:23:39 JST

2005.11.17 (Thu)

Silent Poets / To Come...

 Silent Poets、1999 年発表の album。
 世界で最も美しい dub album。何度聴いても言葉を失います。

 久々の new album は 11/30 発売予定とのこと。どういう音になるのかのぅ。

log modified: 2005/11/18 02:37:55 JST

2005.11.18 (Fri)

[movie] Total Recall

 Paul Verhoeven 監督作品、1990 年。
 未来の地球。Douglas Quaid (Arnold Schwarzenegger) は美人の嫁さん Lori (Sharon Stone) と幸せに暮らしていたが、夜毎に火星の夢を見て、いつしか火星への移住を望むようになっていた。だが火星は治安が悪いため、Lori は強硬に反対していた。通勤途中で Quaid は、記憶を売る会社の存在を知り、火星の諜報員として活躍する記憶を売ってもらおうとするが、装置との相性が悪く、Quaid は元の自分のままで帰路に付く。その後、何故か Quaid は友人に襲われ、嫁さんは Quaid の監視役だったと告白され、武装した謎の男達に付け狙われることになる。その過程で Quaid は、自分がかつて火星の諜報員 Hauser だったことを知らされる。Hauser は火星の独裁者 Cohaagen (Ronny Cox) を倒すべく活動していたが、志半ばで捕まり Quaid の記憶を植え付けられたらしい。火星に飛んだ Quaid は、Hauser の残した手掛かりから反乱分子の一人 Melina (Rachel Ticotin) に接近する……。

 Verhoeven にしては真っ当な娯楽映画。P.K. Dick の短篇が原作で、現実認識に揺さぶりを掛ける仕掛けもちらほら見られますが、豪快に爆走する Douglas Quaid はうじうじ悩まずとにかく行動する男なので、出来上がってみれば直球の娯楽大作にしかならんかったと。まぁ、鼻から発信器取り出す場面とか目玉飛び出しそうな場面とか、そりゃありえんだろ〜でも夢だからいっかぁ〜といったお気楽ノリを生むためには Dick 的装飾も必要だったということですかな。小生は大昔に劇場で観たこともありますが、あんときは館内大笑い状態だったなぁ。
 顔割れおばさんや robot taxi や三つボイン姉ちゃん等、小技も良い具合に効いてます。追手筆頭 Richter (Michael Ironside) が昇降機で腕ちょんぱされる場面は流石に Verhoeven 映画らしい観せ方で、直後の「Party で会おうぜ!」にまた笑ってしまうのです。最後の大仕掛けも荒唐無稽極まったもので、ここまでやりゃあ笑うしかない。傑作。

log modified: 2005/11/20 23:23:01 JST

2005.11.19 (Sat)

get
  • Various Artists / Psalms of Planets Eureka seveN Original Soundtrack 1
  • Terrace / Interesting Times
  • Random Noise Generation / Reign
  • The Hidden (DVD)
  • A Clockwork Orange (DVD)
[movie] Clash of the Titans

 Desmond Davis 監督作品、1981 年。邦題「タイタンの戦い」。
 天界の神 Zeus (Laurence Olivier) と Argos の王女との間に生まれた Perseus (Harry Hamlin) は、不義の子として母親諸共に流刑に処されるも、Zeus の計らいで生き長らえ、逞しい青年に成長する。同じく神々の血を継ぐ Calibos (Neil McCarthy) は、その才能を悪行に費したため Zeus により化物の姿に変えられる。Calibos の母 Thetis (Maggie Smith) は、Calibos と対照的に健やかな Perseus を妬み、彼を東方 Joppa へ送り辛酸を舐めさせようとする。Joppa の円形闘技場で目覚めた Perseus は、そこで出会った詩人 Ammon (Burgess Meredith) の世話になる。Phoenicia の街に赴いた Perseus は、美しい王女 Andromeda (Judi Bowker) が求婚者に謎々を出し、正しい答えを返さなかった場合は火刑に処していることを知る。Andromeda はかつての婚約者 Calibos に呪いを掛けられており、Calibos 以外の者の手が届かないようにされていたのだ。Pegasus を手懐けた Perseus は、Calibos の手から王女を救うべく立ち上がる……。

 おおーこりゃ大昔に観たことあるぞい。大海獣 Kraken は巨大半魚人みたいで烏賊ぽくないなぁとか、Perseus は思ってたよりむさ苦しそうな兄ちゃんやなぁとか、Medusa は今観てもおっかねーなぁとか思いながら観ました。
 それにしても Zeus の親馬鹿振りはどうよ。Thetis には「お主が甘やかすから息子が馬鹿になるのだ」と言い放ち Calibos をあっさり化物にしておきつつ、Perseus には神具を 3 つも与え、そのうちの一つである姿消しの兜を Perseus が無くしたと知るや「じゃあ代わりをやろう」。遠方から Phoenicia に戻る途中で Perseus が往き倒れると、こっそり体力回復させたりも。あんたの方がよっぽど甘やかしとるわい! まぁ神々の気紛れに茶々入れても詮無いことよ。
 story は希臘神話を下敷にした芋蔓式 heroic fantasy で、最後は白馬の騎士が姉ちゃん助けてめでたしめでたし。Ray Harryhausen による昔ながらの特撮に懐かしさを感じたりも。1981 年作ってことですが、小生はもっと昔の映画かと思ってましたよ。まぁ、観て損はない映画であります。

log modified: 2005/11/21 00:30:26 JST

2005.11.20 (Sun)

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  • 森 博嗣 『赤緑黒白』
[movie] The Lady Vanishes

 Alfred Hitchcock 監督作品、1938 年。邦題「バルカン超特急」。
 欧州横断列車が雪崩の影響で 1 日止まり、宿は途端に満員に。女友達のところに遊びに来ていた若い女性 Iris Matilda Henderson (Margaret Lockwood) もその宿に泊まっていて、上の階で騒音を立てる Gilbert Redman (Michael Redgrave) に迷惑していた。翌日、列車に乗り込もうとしていた Iris は荷を忘れた音楽教師の老婦人 Miss Froy (Dame May Whitty) を助けようとしたところで上から何物かを頭に落とされへろへろになる。列車に乗った後、Miss Froy にいろいろ面倒を看てもらい、彼女の勧めで一眠りした Iris だったが、目が醒めてみると目の前に座っていた Miss Froy は影も形もなく、同席している他の乗客は Iris が元々一人で乗っていたと主張する。Miss Froy を捜して列車の中を歩き回る Iris。脳外科医の Dr. Hartz (Paul Lukas) は彼女が頭を打ったために幻覚を見たのだと主張するが、Gilbert は Iris の気を引きたい一心で彼女に協力する。やがて Iris と Gilbert は Miss Froy が何者かに拉致されたと確信する……。

 あーこれも昔観たことあるかも。途中まではこれっぽっちも思い出せなかったんですが、最後の銃撃戦でやっとこさ記憶が戻りましたよ。最近物忘れが激しくていかんわい。
 お話の方は Hitchcock お得意の humor mystery 路線で、Miss Froy 捜しが主軸のはずなんですが全然関係無いところで笑ってしまい main dish の存在を忘れてしまうといった趣。貨物車で Gilbert と magician が乱闘する場面で、兎がこわごわ様子見してるだけで笑えます。眠り薬を飲んでも運動してたら眠らないと Gilbert に言われ、律義に器械体操している Iris の姿にもはらわた三回転半です。こうやって細部で笑っておるから話忘れるんだよな。まぁ観て楽しめる映画ではあります。
 Margaret Lockwood は可愛い顔しておきゃんな小娘を熱演しております。おきゃんてのも死語ですが古い映画だからそう言わせてくれ。個人的には high heel の sister がええ感じでありました。

diary

 靴新調。仕事用の革靴は 1 年で履き潰してしまうんだよな。まぁ仕事自体は別に足使う訳ではないんですが、行き帰りで結構歩くからすぐに靴底が擦り減ってしまうわけで。
 年々、靴の size が小さくなってるような気がする。

log modified: 2005/11/22 02:24:17 JST

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