Noisy Days in February, 2005

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2005.02.11 (Fri)

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  • Underground Resistance / UR Presents Galaxy 2 Galaxy
  • The Other People Place / The Other People Place
diary

 仕事。本来休日の筈ですが、mail では仕事依頼が続々と送られてきます。休日くらい自分の仕事をさせてほしい……。

[movie] Mobile Suit Gundam I

 富野喜幸総監督作品、1981 年。
 宇宙世紀 0079 年、space colony のサイド 3 はジオン公国を名乗って地球連邦からの独立を宣言し、戦争に突入する。サイド 7 に住む少年アムロ・レイも戦争に巻き込まれるが、連邦軍が極秘に開発していた人型兵器ガンダムに乗り込み戦果を挙げたため、連邦の新造艦ホワイトベースと共に戦場へと駆り出される。赤い彗星と呼び恐れられるジオンのエース、シャア・アズナブルの追撃をかわして地球に降下するホワイトベース。しかし降り立った地は、ジオンの支配者であるザビ家の一人、若きガルマ・ザビが治めるジオン公国領だった……。

 三部作の第一部。ガルマ逝ってよし。一対多の戦闘なのに性急すぎるし密集しすぎだし。あれで将来を嘱望された軍人と言われてもねぇ。

[movie] Mobile Suit Gundam II

 富野喜幸総監督作品、1981 年。
 ガルマの仇討ちを命ぜられたジオンの猛者ランバ・ラルは、執拗にホワイトベースを追撃する。アムロの精神は戦いに次ぐ戦いで疲労しきっていたが、何とかラルの猛攻を凌ぎきる。連邦軍司令部の置かれているジャブローを目指すホワイトベース。その後を、密かにシャアが追っていた……。

 三部作の第二部。女殺しの冨野 (嘘) の本領発揮、マチルダがミハルがハモンがさくさく死にます。リュウの特攻、ウッディ大尉のマチルダ後追いも拝めます。「避けたら独房入りだぞ!」に笑った。

[movie] Mobile Suit Gundam III

 富野喜幸総監督作品、1982 年。
 再びホワイトベースは宇宙へ出て、独立陽動部隊として孤独な戦いを強いられる。戦争に中立の立場をとるサイド 6 で、アムロはララァと出会う。ララァはジオンの言う人類の革新、ニュータイプと目される女性だった。シャアの子飼いの部下であるララァとアムロはやがて戦場で出会う。連邦軍はジオン最大の拠点の一つであるソロモンの攻略戦を敢行、それを成功させる。ジオンの宇宙要塞ア・バオア・クーの元に戦力を集中させる連邦軍、そこへジオンの公王デギン・ザビが自ら出向いて和平の申し入れをするが、総帥ギレン・ザビは父親もろとも連邦の主力艦隊をソーラー・システムで一掃する。連邦の残存部隊がア・バオア・クーに総攻撃を仕掛ける中、アムロは新型兵器ジオングを駆るシャアと熾烈な戦いを繰り広げる……。

 三部作の第三部。これは公開当時、劇場で観た……らしいが記憶にない。ニュータイプとして本格的に覚醒したアムロを見て、アムロの世話焼きをしていたフラウ・ボゥの心が離れていく……ってのがなかなかに痛い。
 ちなみにマ・クベの死に様は描かれてません。シャリア・ブルも出てこなかったな。

 という感じで 7 時間で一年戦争を振り返ってみました。新吹き込み版ではなくて昔のんです、念のため。
 TV 版も昔まとめて観た覚えがありますが、劇場版も主要な episode は一通り押さえているので手軽で良いですね。
 こうして見直してみて、初代 Gundam てのは road movie だったんだなぁと思ったり。そりゃまぁ robot anime で政治色も強くて「キャスバル兄さぁん!」と兄の背を追う三頭身セイラさんに激萌えするってのが初代の特徴ではありますが、戦場から戦場へと小突き回されるホワイトベースとその乗組員達の遍歴をひたすら追い続けるという泥臭い展開に、この頃の anime らしい冗長さ……もとい、麻薬的な面白さが宿っているように思える。戦争を描きながらも、政治一辺倒ではない人間味を持たせているところも秀逸で、恋人を得るために戦功を焦るガルマ、ランバ・ラルの復讐のためにホワイトベースへ特攻するハモン、愛する者を守るため戦うと言い放つララァ等、軍人失格な面々が必死になって戦うので、ついつい見入ってしまうわけです。こういう人達のために軍事費を捻出しなきゃならないジオンの民も大変ですな。
 で、遍歴を経て登場人物が成長していく……てのがこの手のお話の常套なのですが、成長しとるようには見えんのですな。アムロは最後まで自分探しの旅で迷いまくるし、始めのうちは背伸び艦長だったブライトは話が進むにつれ只の突撃君に成り下がるし、セイラとシャアは会うたび「もうやめて兄さん!」「お前こそ軍を抜けろ!」の応酬を繰り返すばかり。そんな感じで人間としてはあまり前進しないまでも、ニュータイプ能力は解りやすく開花させていくアムロに乾杯です。マチルダさんとの出会いは彼を強くしなかったが、ララァとの出会いは彼を強くした。何だかな、ニュータイプという概念はグダグダで終わりそうな戦闘遍歴話を意味深に収斂させるための方便みたいな使われ方をしているようにも思えます。まぁ、良いんですけどね。
 キシリア・ザビとシャアの関係は、種運命におけるタリア・グラディス艦長とデュランダル議長の関係と対になってるんですなぁ、と今更ながら気付いた次第。

log modified: 2005/02/13 03:03:34 JST

2005.02.12 (Sat)

[movie] Mobile Suit Gundam Wing: Endless Waltz

 青木康直監督作品、1998 年。
 戦争終結の 1 年後の AC 196 年、平和維持のための武装解除が世界中で進む中、カトルとデュオは自分達の使ったガンダムを処分するため、ガンダムを乗せた無人貨物船を太陽へと飛ばした。だがその直後、リリーナ・ドーリアン外務次官が何者かに誘拐される。監禁先でリリーナが出会ったのは、先の戦争で討たれたトレーズ・クシュリナーダの遺児、マリーメイアだった。マリーメイアはバートン財団の後ろ盾を得て、軍事力による地球の支配を目論んでいた。マリーメイアの一派は地球圏統一国家に宣戦布告する。ヒイロとデュオは無謀を承知でリリーナ救出のためマリーメイアの居る colony に攻め入り、統一国家の火消し部隊に所属するノインらもそれに助力するが、かつての戦友トロワとウーフェイに行く手を阻まれる。攻めあぐねるデュオらの為に、カトルは一度廃棄したガンダムを持ち帰るため飛び立つ……。

 ついでに観ちまえという感じでまた Gundam です。とはいえ小生、Wing は登場人物が平和平和と五月蠅いので嫌いなんですが。いやそれ以前に内容忘れてるんですが。スパロボにも興味ないので記憶は劣化する一方じゃよ。
 この劇場版もやっぱり平和が平和がと言いまくっております。どうも「平和の為に武器取って戦え!」て論調には同意しかねますなぁ。まぁ、戦う目的が解りやすいという利点があるのは認めますが。ゼクスも宇宙では降下部隊をざくざく切り刻んでるのに地上戦では「兵士を殺さないように戦ってるんですねー」と感心されたりするし。リリーナさまも大衆アジって「平和は勝ち取るものなのです」と言い放つし。どうにも都合良すぎ。あんたらは平和テロ屋か。
 とはいえ作画は見事。動きのある robot anime としては一流の出来でしょう。しかしそれでもその動きの良さを雑魚のやられっぷりと爆発でしか表現できてないところに冗長さを感じてしまいます。ウーフェイ vs ヒイロみたいな矛と盾対決がもっと描かれていればなぁ……と思ってしまう小生はやっぱり G が一番性に合ってるんでしょう。ガンダムファイトの次回開催を心待ちにしております。

 映画終盤、ガンダムは今度こそ廃棄処分されていきますが、トールギスは処分されたのであろーか。まぁ、怖いかみさんが目を光らせているうちは悪用されんだろう、ということか。

diary

 今日もたゆまず vf4ft。最近は下 P ガードして下段投げ、てのを意識してやってます。

log modified: 2005/02/14 01:13:57 JST

2005.02.13 (Sun)

[movie] Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl

 Gore Verbinski 監督作品、2003 年。
 Carib 海を海賊が荒らし回っていた時代。総督 Weatherby Swann (Jonathan Pryce) の娘 Elizabeth (Keira Knightley) は港を襲った Black Pearl 号の海賊達に連れ去られてしまう。海賊の目的は Elizabeth の持つ金貨だった。その金貨には呪いが掛けられており、それを持った者は不死の身体となる代わりに、感覚が麻痺して快楽を得られなくなるのだ。Black Pearl 号の船長 Barbossa (Geoffrey Rush) は、呪いを解くには全ての金貨を元の棺に戻し、血の贖いをする必要があると考えていた。Elizabeth に恋心を抱く鍛冶職人の弟子 Will Turner (Orlando Bloom) は、即刻 Elizabeth を取り戻すべきだと海軍に乗り込むが、相手にされない。Will は牢屋にぶち込まれている海賊の Jack Sparrow (Johnny Depp) を解放し、二人で海軍の船を奪って Black Pearl 号を追う……。

 ごめん途中で寝た(爆)。Jerry Bruckheimer 製作ということで娯楽に徹した作りではありますが、如何せん普通すぎるんだよな。story も特に捻りなく進んで行くし、危機に陥っても危なっかしさが感じられない。唯一目が覚めたのは Jack が Barbossa にぶすりと一突きされた場面。金貨くすねたのはそのためだったのか!と。いや違うんですけどね。
 Jonny Depp の怪演のお陰で何とか観られる映画になってます。CG の骸骨君も良かった。後は……まぁ、こいつと五十歩百歩といったところか。
 音楽は "Backdraft" ちっくで勢いはありました。

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 某国家試験に internet で願書提出。コンビニ決済てのはお手軽で良いですなぁ。

 他は、一日 TV を観て過ごす。何にもやる気無し。燃え尽き状態ぽいのぅ。

log modified: 2005/02/14 02:43:28 JST

2005.02.14 (Mon)

Dexter Gordon / The Tower of Power!

 Dexter Gordon (ts) の leader album、1969 年録音。他の面子は James Moody (ts)、Barry Harris (p)、Buster Williams (b)、Albert Heath (ds)。
 Gordon の sax は何時の時代もええ感じに聴けます。この人は若い時代がなかったんじゃないかと思えるくらい剛胆な吹き方をするのが特徴で、この album でも親父な power 全開で男の jazz を見せつけます。rhythm 隊も安定した groove で好印象。70 年代間近の録音とは思えない保守本流の modern jazz。自分の style に絶対の自信があったんだろうなぁと。良盤。

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 磯が C。

 BA3、5 度目の clear。そして再び殿堂入り。金ばかり貯まっていく……。

[movie] Mulholland Drive

 David Lynch 監督作品、2001 年。
 Hollywood に程近い山道の Mulholland Drive で、真夜中に車の正面衝突事故が発生する。奇跡的に唯一生き残った女 (Laura Elena Harring) は、山を下り、空き家に身を潜める。だがそこは女優志望の Betty Elms (Naomi Watts) の叔母が住む家で、叔母が仕事で家を空けている間、Betty はその家を借りることになっていた。Betty に見付かってしまった女はとりあえず Rita と名乗ったものの、実は記憶喪失にかかっていた。Rita を叔母の知り合いと勘違いした Betty は、女優修行を続けながら Rita の過去を探る手伝いをする。様々な事件を経て、二人はやがて肉体関係を持つが、Rita の手引きで Club Silencio の出し物を鑑賞し、その後 Rita が青い箱を開けることで、もう一つの物語、即ち新人女優 Diane Selwyn (Naomi Watts) と Camilla Rhodes (Laura Elena Harring) の物語が始まる……。

 青い箱を開けるまでは一風変わった suspense として見ていたんですが、箱開けてからは……うをお何じゃこりゃ訳解らんあれぇこのねーちゃんはさっきアレでこっちのねーちゃんはアレであのおばちゃんも出てたし鍵もあるしということはああああの爺さまと婆さまは冒頭で……ということはつまりアレがああなってこうなってそういうことなのかっ! と、目の前の錯乱映像を追いかけながら頭の中では別 task が必死になって前半物語の再構成 & 再解釈に奔走するという、脳味噌フル稼働で見ないと話から振り落とされること必至の巧妙な映画でした。映画界のケムマキケムゾウとの風評は聞いてましたが、David Lynch ってこういう作風だったのか。小生は Lynch 映画つーと "Dune" しか観たことなかったからなぁ。
 青い箱を開けるまでの前半と、開けた後の後半とは、相互参照しているような対照性に組み込まれている。一見妄想的な編集で幻惑させられる後半部は、その虚勢とは裏腹に現実の木霊であり怨念と欲望が渦巻いている。一見まともな編集で時系列に沿って進んでいく前半部は、その出来過ぎた進み具合と時折挿入される Adam Kesher 監督の理不尽な episode によって妄想世界との印象が強められる。そして両編に共通する、Betty / Diane の Rita / Camilla への愛情独占欲が、この歪んだ love story の中で強烈な輝きを放っている。青い箱を転回点として繰り広げられる、喪失と奪還の夢物語。一見無意味な episode のように見える cowboy の話や間抜けな殺し屋の話さえ、全体を俯瞰してみれば在るべき場所に意味を持って置かれていることが解ってくる。何とも巧緻で入り組んだ世界ですなぁ。まぁ、小生もまだ読み切れてはいないと思いますが、こういう映画の見せ方もあるのか、と感心しきりでありました。他の Lynch 作品も観てみたいもんです。民放でやってくれんかのぅ。

log modified: 2005/02/24 01:33:26 JST

2005.02.15 (Tue)

Oliver Ho / The Soft Machine

 Oliver Ho の 3rd album、2004 年発表。
 Oliver Ho と言えば tribal で hard minimal。今作でも基本的な姿勢はそのままで、良くも悪くも Oliver Ho という brand を確立した感がありますなぁ。個人的には前作の "Universal" が強烈だったんですが、相変わらずの粘っこいズンドコで新機軸も無いので安定して楽しめます。
 もう何というかね、minimal なんだけど深いというか symmetric に配置された種種雑多な音が渦巻きながら空間を歪曲させていくようなどろどろした迫力があるわけです。detroit 経由で africa から飛び立った人喰い人種が火星の土煙巻き上げながら踊り狂っているような迫力。Oliver Ho という皮を被った宇宙人による異世界音楽。夢の果てまで導いて下さい。

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 眠いっすやばいっす。ろくに仕事も進まないし。雨が降ると調子狂うな。

log modified: 2005/02/16 02:42:14 JST

2005.02.16 (Wed)

Laurent Garnier / Unreasonable Behaviour

 French techno と言えばこの人、Laurent Garnier の 2000 年作。
 今聴き直してもやっぱ格好ええです。dark な雰囲気の中にも仄かな光明の射す、闇と光の synthesis。Drexciya ほど深みに填り込まず、UR ほど soulful に仕上げるでもなく、Laurent Garnier は世界の倦怠を暗い drone と humane な arrange で描き出す。ただ踊らせるだけでなく、不安という人間的な感情を全編通して変奏することで、機能的な techno album とは趣を異にする奥深さを獲得した album と言えるでしょう。tr.2 "City Sphere"、tr.4 "The Sound of The Big Babou"、tr.7 "The Man with The Red Face" といった名曲も収録。ということで個人的には彼の最高傑作と思ってます。

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 会社の役職定義 hearing で人事な人と面談。つか相手は小生のお師匠さまの一人であります。開口一番「はみぃってあのはみぃとは思わなかったよ」と。勝手に殺さないでくださいよ師匠(爆)。
 予定 30 分のところを調子に乗って 1 時間近く喋りまくってしまいました。とはいえ役職定義だの人事評価だのには興味がないので実のある会話だったかどうかは疑問。すいませんね師匠、愚痴ばっか言ってしまって。

 でもって今日は定時退社日ですが結局帰宅したらば日付が変わってました。これが定時退社ってことになるんだろうか。微妙。

log modified: 2005/02/17 02:54:32 JST

2005.02.17 (Thu)

Laurent Garnier / Shot in the Dark

 Garnier 先生の軌跡を振り返る週間てことで。1994 年発表の 1st。
 若さに任せて detroit techno follower しきっていた頃の Garnier です。hard techno 路線で疾走感は充分。でもまぁ、今の耳で聞くと低音弱めの Kanzleramt ってとこですかな(暴言)。tr.7 "Geometric World" の微妙な acid 感がええ感じです。あと tr.11 "Track for Mike" も有名ですな。

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 飴舐めすぎのガム噛みすぎで下痢気味なり。

log modified: 2005/02/18 02:40:53 JST

2005.02.18 (Fri)

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 小生より後に入ってきた同僚が、小生より先に去っていきました。結局、温泉の話しかしなかったな。

[movie] Tirez sur le pianiste

 Francois Truffaut 監督作品、1960 年。邦題「ピアニストを撃て」。
 場末の酒場での piano 弾きを生業とする Charlie (Charles Aznavour) の元に、兄の Chico が押し掛けてくる。泥棒の Chico は盗んだ金を横領したため、一緒に仕事をした Ernest (Daniel Boulanger) と Momo (Claude Mansard) に追われていた。Chico を好いていない Charlie だが、兄の頼みを聞き入れて逃がすのを手伝い、そのために Ernest 達に付け狙われる。Charlie は waitress の Lena (Marie Dubois) と共に Ernest 達から逃げ、二人はやがて愛し合う。Charlie はかつて有名な pianist、Edouard Saroyan として知られていた男だったが、妻 Theresa (Nicole Berger) は夫の出世のために興行師に身体を売ったことへの罪悪感に耐えられなくなり自殺、Edouard Saroyan は過去を捨てて市井でひっそり生きる道を選んだのだった。Charlie と Lena は二人で人生をやり直そうとしたが、Charlie が面倒を見ていた末弟の Fido (Richard Kanayan) が Ernest 達に誘拐され、また Charlie と Lena の居場所を Ernest 達に教えた酒場の店主 Plyne (Serge Davri) を Charlie が殺してしまったことから、Charlie は兄たちのいる隠れ家へ実を潜める……。

 脱力映画ですな。
 suspense ぽい仕立てですが緊張感は皆無で、冒頭の追われている Chico の描写からしてお間抜けと饒舌が炸裂してます。Charlie は臆病で piano に現実逃避する男だし、Ernest と Momo は Charlie と Lena を捕まえたは良いが女談議に花咲かせるし。唯一目が覚めるのは終盤の銃撃戦ですが、そこでの劇的な一幕も、何事もなかったかのように一介の piano 弾きに戻る Charlie の姿を見ては幻のように思えてくる。これじゃー女達も浮かばれますまい。弱り顔の Charles Aznavour、あんたが一番の悪人や!
 Truffaut の映画を観るのは多分初めてなんですが、自然体で外してくる人なんですかね。脱力な会話と微妙に笑いを誘う展開に油断していると、さくっと人が死ぬ。で、人が死んでるのに劇中の人物はお仕事的に後処理してたり。何というか独特の空気感で、映画の中だけで通用する嘘の世界を見ているようです。そりゃ映画なんだから当たり前か。しかし、そういう雰囲気を前景化させてしまうってのは問題あると思うんですが……それも含めて映画らしい映画と言えるのかも。

log modified: 2005/02/20 03:39:43 JST

2005.02.19 (Sat)

[movie] Lara Croft Tomb Raider: The Cradle of Life

 Jan de Bont 監督作品、2003 年。邦題「トゥームレイダー 2」。
 Tomb Raider として名を馳せる Lara Croft (Angelina Jolie) の次なる標的は、Alexander 大王が封じたとされる Pandora の箱。Alexander の残した月の神殿から、箱の所在を示すとされる黄金の珠を手に入れた Lara だが、謎の一団の襲撃により珠を奪われてしまう。珠を奪ったのが香港の傭兵集団と知った Lara は、その組織に詳しい Terry Sheridan (Gerard Butler) に協力を求める。Terry と Lara はかつて恋人同士だった。やがて Lara は、事件の黒幕が生物兵器の第一人者である Jonathan Reiss (Ciaran Hinds) であり、彼が Pandora の箱に収められた疫病を用いて世界を支配しようとしていることを知り、彼より先に箱を見つけて封印しようと活動する……。

 ごめん途中で寝た(爆)。先週の "Pirates of the Caribbean" も寝られる一作でしたが、それに輪を掛けて寝られる作品でした。小生は酷い映画でも最後まで観ようと心がけてるわけですが、禁を犯して観るのやめようかと自問を繰り返した映画ってのも久々です。ちなみに実際に途中で観るのをやめた映画としては "Speed 2" という代物があります。あれは耐えられんかったな。よくよく考えてみると "Speed 2" も "Tomb Raider 2" も Jan de Bont 監督作品です。肌が合わないとはこういうことか。
 前作は Lara の超人振りを迷わずひたすら描き込む痛快作だったわけですが、この続編は元カレ Terry との関係を大きく取り上げていて、そのせいか前作より real 志向の action movie になってます。つまり普通になっておってそこがいかん。Lara Croft を格好良く見せようという姿勢は殆ど感じられず、でもって Lara の窮地を Terry が救うというラブラブ路線への色目が鬱陶しくまとわりつくので、観ていて辛い。Lara を守られ役に据えた時点でこの映画は失敗ですな。黒幕の Reiss も存在感稀薄だし。
 誉め所は人間 glider くらいか。あれは笑えて良いです。あとは Lara の儀仗兵格闘が見物でした。

log modified: 2005/02/20 04:49:13 JST

2005.02.20 (Sun)

[movie] Magnolia

 Paul Thomas Anderson 監督作品、1999 年。
 L.A. 郊外を舞台にした、とある一日の群像劇。女にモテるための四十八手の指南役として有名な Frank T.J. Mackey (Tom Cruise)、彼は例によってモテない男達を相手に seminar を開いてご機嫌だったが、休憩時間に interview で自分の出生について問い質され、途端に口を閉ざす。余命幾ばくもない富豪の Earl Partridge (Jason Robards) は、看護人の Phil Parma (Philip Seymour Hoffman) に、行方不明の息子を捜して欲しいと頼む。その息子とは Frank T.J. Mackey らしく、Phil は Frank と連絡を取るため骨を折る。Earl の若い妻 Linda (Julianne Moore) は元々 Earl の財産目当てで結婚したものの、長く暮らしているうちに Earl を深く愛してしまい、今では彼が死ぬのが耐えられず精神衰弱状態。Earl の production が製作している長寿 TV quiz show "What Do Kids Know?" の司会者 Jimmy Gator (Philip Baker Hall) は自分が癌に冒されていると知り、死ぬ前に娘の Claudia (Melora Walters) との不和を正そうと試みるが、ヤク中で乱れた生活を送る Claudia は自宅に押し掛けた父を大声で罵り、ろくに話もしないで追い出す。バツイチで新たな女性との巡り会いを夢見る純情警官 Jim Kurring (John C. Reilly) は、騒音の通報を受けて Claudia の元を訪れ、彼女に一目惚れする。元天才 quiz 少年の Donnie Smith (William H. Macy) は、雷に打たれたために天才から只の阿呆になったと考えている。Donnie はとある bartender を密かに愛していたが、彼から愛されるには歯の矯正手術が必要と思い込んでいた。しかし長年務めた会社を首になった Donnie は思い詰める。現役天才 quiz 少年の Stanley Spector (Jeremy Blackman) は、"What Do Kids Know?" で連勝を重ねており、跳ね上がった賞金総額のために親から過剰な期待を掛けられていた。しかし彼の望みは普通の子供として扱ってもらうこと、そして番組を抜け出して用を足すこと。たった一日のうちに人生の重要な出来事を体験していく登場人物たち、その日の終わりに彼らが体験したのは、ありえないようでいて、実際にありうるような事件だった……。

 とりあえず最後にカエルが降ってくる話です。ネタバレ? 知るか。カエルが無くてもこの映画は美しい。カエルがあるとなお素晴らしい。
 全編を裏から統制する Aimee Mann の歌が最高です。思わず CD 買ってしまいました。liner notes では監督自ら「僕はエイミー・マンの音楽を脚本化する作業に取りかかった」と言ってます。納得。
 幸福とは言い難い人生を送っている登場人物たち。彼らは過去に捕らわれ、自分の犯した罪に苦しみ、何とか現状から抜け出そうとあがいている。その苦しむ様を時間を掛けて描き込んでいるので、観ていて段々心苦しくなってくるのは確かです。しかし無骨なモテナイ君こと Jim の positive な姿勢が上手く効いてきます。Claudia に「君には嘘を付かない」と宣言する Jim の存在は、嘘と堕落と悔恨にまみれた人生を送る他の登場人物たちに対する鏡として作用している。そして何より timing が良い。例えば過去を隠し父への憎しみから歪んだ成功者となった Frank は、その父を目の当たりにして罵詈雑言を浴びせかけるが、言葉とは裏腹にその目には涙が宿っており、それを聞く Earl は死にかけていてもうその言葉が届いているかどうかも解らない。例えば自ら死期を悟った Jimmy Gator は妻に自分の犯した罪を打ち明けるが、娘に対して行った仕打ちについては記憶が曖昧だと誤魔化してしまい、妻に愛想を尽かされて去られてしまう。告白が全て許されるわけではないが、Jim の Claudia に対する告白は、その無垢さ故に Claudia の曇った心に光を射し込む。三十路過ぎてこの pureness、観ているこっちが赤面ものですが、これもまたありうることか。
 カエルで話を収束させようってのはちと強引ですし、思っていたほど互いの話が繋がらなかった印象があるので、映画の出来としては散漫な方でしょう。にしても、子供、若者、中年、老人と、人生の節目に生きる人々を対象にして、それぞれの人生の重要な断面を切り取り表現した映画ということで、見応えは充分でした。Tom Cruise の汚れ役も拝めますし。なかなか似合ってましたぞ。

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  • Various Artists / Magnolia: music from the motion picture
  • Clifford Brown All Stars / Jam Session
  • Clifford Brown All Stars / Jams 2
  • Dexter Gordon / Gettin' Around
  • Dexter Gordon / Daddy Plays The Horn
  • Eric Dolphy / The Eric Dolphy Memorial Album
  • Roland Kirk / Rip, Rig, And Panic
  • Andy Partridge & Harold Budd / Through The Hill
  • John Tejada / Logic Memory Center
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 液晶 OA filter を衝動買い。やっぱり綺麗で目に優しいのが良いです。

log modified: 2005/02/21 03:19:21 JST

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