Noisy Days in August, 2004

- second 10 days of month -

top / latest diary
topics all / music / book / movie / comp

上旬 / 中旬 / 下旬

<< < 2004/08 > >>
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
Ganerated by nDiary version 0.9.4

2004.08.11 (Wed)

Group / Before Turning Off the Light

 傑作 "Record" から 3 年も経つのか。Group の 2nd album、2004 年発売。
 3 年経っても Group は Group、相変わらずの sentimental minimal groove 一本槍突撃状態なのです。2 本の guitar と soprano sax と trumpet、それに drums と bass の編成は jazz っぽいんですが、音はむしろ techno を連想させます。minimal な phrase を多層状に展開しながら、緩やかな変化が大波小波を繰り返す。微妙な timing のずれやもたりも相変わらずで、演奏が上手いのか下手なのかよく解らないんですが、不確定な揺らぎもまたこの group の妙味になっていて、ただでさえ sentimental な曲に、より一層の情感をもたらしています。下手こそ叙情の上手なれ。
 放課後に見た夕焼けが恋しくなったらこれ聴きましょう。

ベニー松山 『司星者セイン 輝きを戴く者』
「お前の剣は口を利くのか。ふふん、しかし、なまくらだな」(page 183)

 集英社スーパーダッシュ文庫版で読了。
 魔女アグナスが大陸を征するべく挙兵して 15 年、その勢力はなおも拡大しつつあった。辺境にかつての魔導王ジノンが遺した財宝があるとの噂を聞き付けた女盗賊リリィは、密かに宝の在処を探っていたが、アグナス配下の軍隊もその財宝を狙って辺境に進出していた。アグナスの兵に見つかり命を狙われたリリィだが、喋る剣を操る謎の青年フォウに助けられ、また光輝を戴く少年セインとも出会う……といったお話。
 まだ開幕編ということで、背景世界の説明や人物紹介で頁が埋まってしまった感じ。始めからこんなに押し込んだら後々ネタが続かなくなるんじゃないかと心配になりますが、スーパーダッシュ文庫でも手加減無しのベニ松節全開なので、それなりに充足できる読み物でした。
 早めに続巻読まないと内容忘れそうで怖い……。

diary

 通勤電車が込まないと思っていたら、世間的には今が盆休みなんだよなぁ。
 座るとつい眠ってしまう今日この頃。

log modified: 2004/08/12 02:14:26 JST

2004.08.12 (Thu)

Sans Soleil / Sans Soleil

 Transmat から release された、Sans Soleil の 1st。2004 年発表。
 The Detroit Escalator Co. を連想させるような私小説風 ambient techno ……と思ったら、Sans Soleil こと Michael Trommer はそっちにも一枚噛んでいた様子。もっとも、音の方は Sans Soleil の方が開放的で風通し良さそうですが、毒味もその分だけ薄くて、心地よい音響に聞き惚れていたら album 一枚終わってしまう感じ。それはそれで物足りなくもあるけれど、この手の音に多くを求めてはいかんのでしょう。
 夏の暑い日に、エアコン効かせて涼みながら聴くと良好。

diary

 仕事場の自販機では real gold & calpis という奇妙な飲み物が売られていて、予想通りの奇天烈な味で楽しめるわけですが、最近はコンビニで「抹茶とカルピス」なるものも売られている様子。で、calpis 好きな小生は早速買って飲んでみたわけです。
 これはこれで超絶的に美味しくない(爆)。calpis + α な飲み物に当たりなし、とは良く言ったものである。つか小生しか言わないか。

log modified: 2004/08/13 02:42:27 JST

2004.08.13 (Fri)

[movie] Poltergeist

 Tobe Hooper 監督作品、1982 年。
 郊外の新興開発地で一軒家を持つ Steve Freeling (Craig T. Nelson) は、妻の Diane (JoBeth Williams)、長女 Dana (Dominique Dunne)、長男 Robbie (Oliver Robins)、5 歳の末娘 Carol Anne (Heather O'Rourke) と共に何不自由ない生活を送っていた。しかしある日、Carol Anne が放送終了後の white noise しか写っていない TV に向かって話し始める。そして日を追うに連れ、家の中では家具が勝手に動いたりする怪異現象が起こっていく。そして竜巻が家を襲った日に、庭の木が Robbie を奪おうと襲いかかり、それを助けるために家を飛び出した Steve たちの隙を付いて、Carol Anne が姿を消す。Carol Anne を探す夫婦、その耳に届いた Carol Anne の声は、TV の white noise の合間から聞こえてくるのだった。警察もマスコミも当てにならないと考えた Steve は、怪異現象の専門家 Lesh 博士 (Beatrice Straight) に助けを求める……。

 13 日の金曜日なので horror でも見ようと思って選んだ映画ですが、そこここで思わず笑ってしまう horror でした。怪異を目の当たりにしたお母さんは椅子が動くのを見て飛び跳ねるし、子供部屋を開けたら物がひゅんひゅん飛び交いながらも LP はちゃんと音鳴らしてるし、次元の穴に綱を投げたら別の穴から出てくるし、お母さんは poltergeist に引っ張られて部屋を下から上までごろごろ転がってるし、作りかけの pool からは骸骨がわらわら沸いて出るし。怖いというよりうひゃあな感じ。でもって Spielberg が噛んでるだけあって解りやすい。Poltergeist 現象が起こる理由もそれとなく仄めかしていて、単なる理不尽世界に終わらせないところも古典的でよろしい。まぁ、その律儀さが今になってみれば笑える仕掛けにしか見えないという点が勿体なくもある。結局のところ、最後に頼れるのは家族、ってところも Spielberg 色ですかね。
 音楽は Jerry Goldsmith。聖歌メロと strings を駆使した王道 horror な音楽でした。

George R.R. Martin 『A Storm of Swords 1: Steel and Snow』

 読了。

diary

 今日も仕事。で、明日からは盆休み。まぁ、食って飲んで寝る日々になることでしょう。

log modified: 2004/08/15 01:46:35 JST

2004.08.14 (Sat)

[movie] The Mexican

 Gore Verbinski 監督作品、2001 年。
 Jerry (Brad Pitt) と Samantha (Julia Roberts) は同棲生活を送っていたが、二人の気持ちはすれ違ってばかり。ある日、Jerry は組織の上役 Bernie Nayman (Bob Balaban) から、Mexico に行って一丁の銃を持ち帰ってこいと言われる。その銃は The Mexican と呼ばれる因縁付きの銃らしい。組織から足を洗えない Jerry に愛想を尽かした Samantha は遂に家出、単身 Las Vegas を目指す。Jerry は Mexico に渡り、首尾良く銃を入手したが、組織の boss の身内である Beck (David Krumholtz) は祭りの合間に事故で死に、銃も車と一緒に何者かに奪われてしまう。一方の Samantha は、Vegas に向かう途中で組織の hitman に拉致される。自ら Leroy と名乗るその男 (James Gandolfini) は、Jerry が銃を持ち帰るまでの担保として Samantha に目を付けた様子。Jerry も Samantha も、波乱尽くめの旅を続けることになる……。

 銃を motif にした波瀾万丈物語としては "Lock, Stock and Two Smoking Barrels" という秀作があって、様々な筋と因縁があっちこっちで結びつくという展開にも似たような印象がありますが、出演者が豪勢な割には薄味に思えるんだよな、"The Mexican" の方は。Brad Pitt は軽薄なチンピラ、Julia Roberts は我の強い姉さん役ということで、お互いに臨まれている持ち味は出していた様子ですが、お話の方はどうにも空回りしている様子。隠れ boss の Margolese として Gene Hackman まで出てくるのに、この人も "Knockin' On Heaven's Door" の Rutger Hauer みたいな存在感は無かったしなぁ。脚本が不完全燃焼だと役者も空回りせざるを得ない、ってことですか。
 自称 Leroy な人の存在はなかなか貴重でした。愛だ恋だの世界には一番疎そうなおっさんですが、実は一番よく解ってる人。髭面の天使てのはどうにも笑える形容ですが、Samantha との sex 談議とか、愛についての引っかけ問答とか、含蓄のある場面もちらほら。Jerry と撃ち合う場面には涙。銃向けられていることを知りつつ、ぐすりと笑ってから撃たれるなんて格好付けすぎだよぅ。
 まぁそんなこんなで全体的には踏み込みの甘い映画でした。

diary

 久々に式神 II。玄乃丈で 5-1 まで。まぁ、適当。

 帰省準備で au.net 接続設定。説明通りにやれば楽にできました。

 そういうわけで明日から一週間ほど不在ですのでよろしく。

log modified: 2004/08/15 02:37:39 JST

2004.08.15 (Sun)

diary

 10 時起床。荷物まとめて 11 時過ぎには外出、土産物とか買ってのんびり時間を潰して、14 時に新幹線に乗り込み移動。15 時には特急に乗り換え、それから 3 時間ほど揺られて 18 時過ぎに目的地へ到着。
 つまりは帰省したわけですが、こっちの方は涼しくていいですねぇ。

log modified: 2004/08/16 21:22:12 JST

2004.08.16 (Mon)

Guitar Wolf / Wolf Rock!

 1993 年に発表された Guitar Wolf の 1st ですが、小生が持ってるのは再版された CD 盤。
 この CD 買った頃に早速自室の audio set で聴いてみたんですが、音は割れまくりだわ stereo になってるかどうか解らんわ bonus track の "Gloria" は最高だわでうれしいやら悲しいやら状態に陥りました。で、後から別の CD を聞いてみたところ speaker から変な noise が出てくる。何じゃこりゃと思って調べてみると、amp がいかれていた。
 まぁそういうわけで、轟音聞くときには audio set を傷めないように気をつけましょう、という教訓を Guitar Wolf は教えてくれたわけです。有難う Guitar Wolf。くそ。あいや嘘。最高。

diary

 ガンの手術で入院している祖母の元を見舞う。
 3 年振りくらいに顔を見たのだけれど、めっきり老け込んでいて驚きました。まぁ、手術したからってのもあるんだろうけど。会うたびに体が縮んでいるように思えてしまう。
 とはいえ、思っていたよりは元気そうで何より。

 お袋が PC に慣れてない様子なのでいろいろ指導。
 何も知らない人に PC の操作を教えることの難しさを改めて意識させられる。file や folder といった概念の理解、名前の変更、上書き保存に別名保存、file 移動や copy や削除……といった、基本的な file 操作についてなかなか理解してもらえなくて。で、PC の manual にはその手の基本操作について記載されているので、それを base にして指導しているのですが、そこに書かれている例題はこなせても、それを上手く応用する力が付いていかない。例えば file を削除する際に、「練習1.txt」を削除するのは例題どおりにできるとしても、「ほげ.vsd」のように file 名が変わるだけで早くも前後不覚状態に陥ってしまう模様。はいはい、練習してくださいね。
 ついでに家計簿を excel で作成。お袋が今まで使っていた家計簿の note にあわせて、ほぼ忠実に PC 上で再現。作成 10 分、test に 10 分てとこでかなりインチキな作りですが、まぁお袋くらいなら騙せるだろう(爆)。しばらく触ってもらった限りでは特に不満はなさそう。とはいえ、ここでも excel の sheet の概念やら cell の概念やらでいろいろと問答が。大人にモノ教えるのは大変だ……。

[movie] Seven Years in Tibet

 Jean-Jacques Annaud 監督作品、1997 年。
 第二次大戦前、有名な登山家の Heinrich Harrer (Brad Pitt) は、Peter Aufschnaiter (David Thewlis) らと共に himalaya 山脈を制覇するべく山登りを続けていた。しかし戦争が始まり、Harrer らは india を植民地にしていた England 軍に捕まり、収容所送りにされる。苦難の末に収容所を脱走した Harrer と Aufschnaiter は、Tibet 経由で中国へ抜けようと考え、Tibet に潜入する。だが二人はそこで手厚い持て成しを受け、また Aufschnaiter は生涯の伴侶と、Harrer はまだ幼さの残る若い Dalai Lama (Jamyang Jamtsho Wangchuk) と出会う……。

 Jean-Jacques Annaud の映画というと大袈裟で舞台に凝るという印象があるのだけれど、この映画ではその持ち味が裏目に出ている気がしますな。
 登山家 Harrer は旅先で最愛の妻からの離婚届を受け取り、息子へ宛てて手紙を書けば息子から「テメーは父親じゃねぇよ」と冷たくあしらわれたりする。そんな中で出会った Dalai Lama に Harrer は息子の面影を投影しようとする……らしいのだが、息子が Dalai Lama つーのはちと無理矢理すぎやしないかねぇ。Brad Pitt も若すぎて、家族愛を求めて苦悩するパパのようには見えないし。で、内面の交流があまり伺えないままに中国の Tibet 侵攻が絡んで、Harrer は Dalai Lama の晴れ姿を見届けてから Tibet を去る、と。むぅ、もう少し山場を作ってほしいところ。
 一見嫌な奴っぽく描かれている Aufschnaiter 役の David Thewlis、ちょび髭に騙されますが良い役者です。

log modified: 2004/08/22 21:28:34 JST

2004.08.17 (Tue)

Paul Rodgers / Muddy Water Blues - A Tribute to Muddy Waters

 元 Free の Paul Rodgers が、豪華な guest guitarist を招いて作った blues album。1993 年発表。
 ええと、豪華ってのはつまり、Buddy Guy、Trevor Rabin、Brian Setzer、Jeff Beck、Steve Miller、David Gilmour、Slash、Gary Moore、Brian May、Neal Schon、Richie Sambora てな人たちが参加してるからなんですねぇ。え、最初の人以外は major じゃない? そんなことはないですよう多分。
 音の方は予想に違わぬ hard rock 調の blues で、汗だくで暑苦しく声を張り上げていそうな Paul Rodgers の姿が目に浮かぶよう。これはこれで悪くないです。

diary

 起きて飯食って酒飲んで寝る。
 あとはお袋に PC 指導。相変わらず基本のキを延々と。どうにも飲み込みが悪いように思うのだけれど、小生の教え方にも問題があるのであろうか……と不安になる。
 あー、だから file 選択するときに icon 動かしちゃだめだってば。

[movie] A Few Good Men

 Rob Reiner 監督作品、1992 年。
 Cuba の米海軍基地で、とある海兵隊員が就寝中に同僚に襲われて死ぬという事件が起こる。内部調査官の JoAnne Galloway 少佐 (Demi Moore) は、この事件の裏には Code Red と呼ばれる軍内部の暴力的制裁が関係していると考え、自ら被告の弁護を申し出るが、事件の担当には大学出たてで法廷経験のない Daniel Kaffee 中尉 (Tom Cruise) が選ばれる。事を示談で収める術に長けている Kaffee は、検察側の Jack Ross 大尉 (Kevin Bacon) や、Cuba の海軍基地の最高指揮官 Jessup 大佐 (Jack Nicholson) の話を聞いて、殺人罪を認めたうえで罪の軽減を図ろうとする。しかし被告の Dawson 兵長 (Wolfgang Bodison) から真相を聞かされた Kaffee は、彼らを無実として弁護することを決心する。そして法廷では、Code Red の責任を誰が負うべきか、という点が争点となる……。

 地味な法廷もの。決定的な自白の引き出し方が理詰めではないし、Code Red の責任の所在が争点になるってのも今ひとつ解り辛かったりして、見終わっても今ひとつ catharsis がない映画でした。
 この頃の Tom Cruise はまだ若造で通りますな。

log modified: 2004/08/22 21:29:14 JST

2004.08.18 (Wed)

Fleetwood Mac / Blues Jam at Chess vol.1

 1969 年作品。Fleetwood Mac の面々が、chicago blues の中心地である chess の studio に籠もって、Willie Dixon や Otis Spann らと blues を演奏するという企画もの。
 Fleetwood Mac 組、非力だし味も薄いしであまり褒めどころはないんですが、ひたむきな姿勢が良いです。歌なしで jam ってる方が何だか楽しそう。

get
  • Naruyoshi Kikuchi / Degustation A Jazz
  • Yoko Ueno / Puzzle
  • Van Morrison / ..It's Too Late To Stop Now...
  • U2 / Rattle and Hum
diary

 街のほうをぶらぶらと。
 あー、どっかケツイ置いてくれ。手が震えてたまらんのじゃよ。

船戸 与一 『降臨の群れ』
「アッラーのために戦えるかね?」
「もちろんです。しかし……」
「何だね?」
「お、おれは人を殺したことはないし、銃の扱いかたも知らない」
「そんなことはどうでもいい。アッラーは人それぞれにそれぞれの役割をお与えになった。その役割を果してくれるだけでいい」
「何なんです、おれの役割って?」(page 67)

 集英社の hardcover 版で読了。
 9.11 後、米軍の Iraq 介入が時間の問題となっている頃の Indonesia が舞台。海老の養殖技術指導者として長年働いている日本人老人、笹沢浩平。殺せ殺せという何者かの声に毎晩魘されるイスラム教徒、シャキブ・サスチオン。イスラム教徒との内戦に進んで参加したプロテスタントの若者、サイラス・ディサフ。金儲けと家系の存続を第一と考え、汚れた仕事も躊躇いなく遂行するカトリックの華人、ロバート・コファン。この四人の視点を軸にしながら、アンボン島でのイスラム教徒とプロテスタントの勢力争いの顛末が描かれる。そこに、Indonesia 情報部や CIA、武器商人に不良軍人、破壊のみを目的とする terrorist 等の思惑も入り混じり、混沌とした状況に。断食月の直前に大規模な抗争が起こると噂され、それに呼応するように武器弾薬の密売交渉が繰り広げられ、更には旧日本軍の隠し武器まで……。といった、何というか最近の船戸な展開なのでした。気分は Indonesia 版『蝦夷地別件』で。
 いやまぁそれなりに面白いです。決して交じり合わない二つの勢力、その間で怨讐が幾重にも層を成し、逃れようのない結末へと物語が突き進む。登場人物は次々に死んでいき、傍観者という役回りを与えられた者も歯車から開放されることはない。とまぁ、この辺りの描き方はいつもの船戸節ですが、今回は内戦を正面から描いた作品ということで、その意味では新機軸と言えるんではないでしょうか。
 それにしても最近の船戸小説、老人の描き方に容赦がなくなってきたと感じるのは小生だけでしょうか……。

log modified: 2004/08/20 00:17:56 JST

2004.08.19 (Thu)

Gary Moore / Blues for Greeny

 Gary Moore による Peter Green 歌集、1995 年発表。
 初期の Fleetwood Mac で guitar を弾いていたのが Peter Green で、若い頃の Gary Moore にとっては idol 的な存在だったらしい。時は流れて、Gary Moore は泣きメロ hardrock guitarist から blues guitarist へと転身し、一方の Peter Green は隠居生活。で、心の師匠の功績を世に知らしめようと弟子が布教活動してみたらば、こういうずぶずぶな white blues album になってしまった、と。この後、Peter Green も一時的に復活したそうなんですが、その後も継続して活動してるんだろうか。
 まぁ Gary Moore の play は上手いです。歌は普通か。いや全曲 instrumental でも良かったんではないの。tr.7 "The Supernatural" なんて激泣き必至ですぞ。

get
  • 梅原 克文 『二重螺旋の悪魔 (上)』
  • 梅原 克文 『二重螺旋の悪魔 (下)』
[movie] Kafka

 Steven Soderbergh 監督作品、1991 年。邦題「カフカ 迷宮の悪夢」。
 保険会社に勤める Franz Kafka (Jeremy Irons) は、昼は実直に働き、夜は自分のために小説を書くという生活を続けていた。ある日、彼の仕事場の同僚が失踪する。その謎を追い始めた Kafka は、同僚の恋人 Gabriela (Theresa Russell) の手引きで反政府主義者たちと関わることになる。それで Kafka 自身も命を狙われることになるが、何とか難を逃れる。やがて Kafka は、事件の裏側に「城」と呼ばれる巨大機構が存在することを知り、単身そこに乗り込んでいくが……。

 Kafka を素材にした不条理幻想怪奇映画。Kafka 的な motif、即ち城やら審判やら組織やら双子の助手やら密殺やら書類やらを取り込み、更に人体改造や眼球描写で際物映画の系譜にも敬意を払い、Kafka 本人には「私が戻ってこなかったら、私の書いたものは全て燃やしてほしい」と言わせたり、父親との確執と和解を手紙で表現させたりして、Kafka の世界観を何とか映像化しようと腐心しています。全体的に monochrome の映像で仕立てているのも良い感じで、闇に乗じて蠢く者たちの存在をじわじわと感じさせたりして。ただ、動きの大きい場面だと展開が解り辛くなってしまうのが残念。うちの TV がボロだから、ってのも理由ではありますが……。
 それにしても、Kafka 的な装いに凝りまくったがために story は半ば投遣りになってしまっているのは良いのか悪いのか。潔いとも言えるし手抜きとも言えるし。まぁ、擬古的な映像と Kafka らしい堂々巡りの不安感を楽しむ映画と思えば、あまり悪い印象はないです。

diary

 古本屋を 2 軒ハシゴするも、目当ての本は見つからず。うーむおかしい。一時期は大 best seller になった本らしいのだが。
 代わりに『グイン・サーガ』がやたらと揃っている店があったりしましたが、ここで買っちゃうと後々辛いので諦めました。まぁ、今すぐ必要なものではないし。

log modified: 2004/08/22 23:48:23 JST

2004.08.20 (Fri)

diary

 盆休み終了で大阪に戻る。
 数日前の豪雨の影響で、JR の新居浜 〜 川之江間は運休。新居浜からは代行バスが川之江駅まで走ってくれたので移動に問題は無かったのだけれど、時間が遅れてしまったため指定席取っていた便には乗れなくて、自由席の車両でのんびり戻ってきました。盆休みも少し遅かったので車両はガラガラ……というわけでもなくて座席が全て埋まるくらいには混雑してました。まぁ、戻ってくるのが最優先事項、ってことで。
 戻ってきてから早速 VF4FT で遊んだり。地元じゃ誰もやってなかったなぁ……。

[movie] Delicatessen

 Marc Caro & Jean-Pierre Jeunet 監督作品、1991 年。
 核戦争後の世界が舞台。食糧難の時代にも関わらず、肉屋を営んでいる Clapet (Jean-Claude Dreyfus)。彼の元に一人の青年、Louison (Dominique Pinon) が訪れる。Louison は元々道化師を生業としていたが、相棒に去られてからは失業中で、apartment 経営者でもある Clapet の修理工募集広告につられてやってきたのである。建物の最上階で住み込みの仕事を始めた Louison は、同じ建物の住人で、美しいが天然ボケな若い女性 Julie (Marie-Laure Dougnac) と懇意になるが、Julie は Clapet の娘でもあり、親子の仲はあまり上手くいっていなかった。そうこうするうちに Clapet は新しい肉を手に入れるため Louison に目を付け、Julie は Louison を助けるために地底人と呼ばれる resistance 達と取引をするが……。

 これまた奇想天外映画。Jean-Pierre Jeunet の監督作品としては第一作らしい。ええと、この人は "Amelie" や "Alien 4" の監督として有名ですが、"Delicatessen" とは "The City of Lost Children" との近似性を指摘する方が雰囲気掴みやすいでしょう。如何にも世紀末然とした荒廃した風景、ボロ道具ばかりの家財、下水道を這いずり回る地底人達、そして元道化師の Louison の職歴を生かした活動に、Julie のボケと Clapet のにへら笑い……。悪趣味満載でありながら筋の通った世界観を表現していて、独特の味わいがあります。
 設定上は核戦争後、ってことらしいのですが、TV はボロだし家具も bike も車も年代物だし、ということで雰囲気は第二次大戦直後の貧乏時代としてしまっても問題なさそうです。実は steam punk 好きなんじゃないか、この監督さん。
 お話としては、"Lost Children" に比べると散漫な印象。apartment の住人の part も比較的多めに挿入していたりするからそう思えるのかも知れない。とはいえ、あちこちに遊びを仕込んでいるところが Jeunet 監督作品らしくて良好。bed の spring が断続的に軋むと、それに併せて布団を叩く音や cello の弓弾きや天井ペンキ塗りの雑音が相互に和していくところ、あれは見事な一発ネタでした。Louison と Julie が風呂場に追い詰められたとき、Louison が Julie の服を脱がす場面も上手い。こうやって、細かいところで笑いと涙の波状攻撃を仕掛けつつ、最後は童話的に締めくくる。
 見終わってみると変な短篇映画を見たような印象が残るのですが実は 100 分映画という、時間感覚を微妙に狂わされる作品なのでした。

log modified: 2004/08/23 00:53:36 JST

上旬 / 中旬 / 下旬