Noisy Days in February, 2004

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2004.02.21 (Sat)

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  • S.S.H / Lost Child Original Sound Track from S.S.H Side-B
  • compilation / Famicom 20th Anniversary Arrange Sound Tracks
  • Video System / Sonic Wings Special (PS2)
  • Atlus / Gunbird 1 & 2 (PS2)
  • Arion (DVD)
[comp] display manager を kdm から wdm に変更する

 momonga の display manager(*1) は長らく wdm だったんですが、先日 KDE 関係のパケジを突っ込んだからか、kdm が出るようになってしまいました。
 kdm だと環境変数 LANG を設定してくれないらしく、man すると英語になってます。これはちと不便なので、wdm に戻そうと思った次第。

 X の dm 選択は /etc/X11/prefdm がやってるらしく、その記述からして /etc/sysconfig/desktop に


DISPLAYMANAGER=WDM

 と書いておけばいいらしい。

 reboot して確認。wdm になっていれば OK。

 gdm や xdm にする場合も、上記の wdm のところを書き換えるだけで変えられそうです。試してませんけどね。

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 秋葉のヤマギワソフト館火災は痛い出来事でありました。
 秋葉の中では輸入 CD を多く取り扱ってるところでしたからねぇ。Derrick L. Carter の album とか Aardvarck の album とか、あそこで買ったんだよな……などと、立入禁止の店舗跡でふと思ったり。

 今日のケツイ、1-5 縦穴入り口まで。まぁこんなもんか。

[movie] Dead or Alive Final

 三池崇史監督作品、2001 年。
 西暦 2346 年の横浜は、崩壊した旧世界の過ちから逃れ、限られた土地と資源を有効活用するため、子供を産めなくする薬の服用が義務づけられていた。その施策を強引なやり方で推し進める市長の Woo (Richard Chen)。しかし、愛や未来を信じて生き抜こうとする革命家 Fon (Terence Yin) は、市長に囚われた仲間を救出するため市長を誘拐しようと画策する。ひょんなことから Fon らに荷担することになる Ryo (哀川翔)。だが、市長誘拐計画は失敗し、Fon たちはバスを奪って逃走。そこにたまたま乗っていたのは、市長の腹心刑事である Honda (竹内力) の息子だった……。

 どう見ても香港にしか見えませんが横浜だそうです。まぁ 2346 年だし。"Blade Runner" の広告船を思わせる title の出し方にいきなり仰け反る。でもって replicant もいらしゃるし、麺も啜ってます。麺は余計か。
 オール香港ロケで、wire & kung-fu action ですか。まぁ香港ロケはともかく、kung-fu action の方は最後に大きな見せ場がある以外は淡泊な出来。お話としても、"DOA 1" の否応なしに終末へと突き進む勢いや、"DOA 2" でのほんわか友情道連れ路線に比べると、軽く流れていく感じ。Ryo と Honda が最後に戦う理由が解らないまま、適当に結末へと向かっていくのであります。あ、対決に赴く二人の歩みと共に、過去の clip 流してる場面は美しかったです。"G 線上のアリア" で涙腺ゆるゆるですよ。で、こういう美しい場面を見せた後で、あの最低のオチに突っ込んでいくわけだ。とほー。
 まぁ、三作目は流石に辛いよね、ということで。

*1: linux の X 起動 Login 画面で出るアレ。
log modified: 2004/03/29 01:04:22 JST

2004.02.22 (Sun)

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  • The Rotating Assembly / Natural Aspirations
  • Mazaruni / The Jungle Dub Experience
  • Eivind Aarset / Electronique Noire
  • Paul Weller / Heliocentric
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 最近暑いのぅ。ゲセンで汗だくになりながらケツイやると辛さも 5 倍ゲットでウハウハですよ旦那! って書いてたら、くしゃみが 2 連発。へくしゅ。
 季節の変わり目ですので、くれぐれも体調管理には気を付けましょう……。

 今日のケツイ、1-5 縦穴抜けたあたりまで。
 やはりというか何というか、ワイバーン連隊 〜 コラルマンタ連隊 〜 ナイトメアの流れで bomb 撃ち尽くしてしまうなぁ。そこを抜けても、ランドマスター群 & ザコ多数地帯で切り返せないし。どう場所取りしていけばいいのやら。まぁ、それを考えるのも楽しみの内ですけどね。

[movie] Days of Heaven

 Terrence Malick 監督作品、1978 年。
 20 世紀始めの米国。貧しい青年の Bill (Richard Gere) は、工場で雇い主を殴り倒して逃げ出す。彼は妹の Linda (Linda Manz)、恋人の Abby (Brooke Adams) と共に住み慣れた Chicago を離れる。旅の間、Bill は Abby を妹と偽って世間の目をごまかす。旅の途中、Bill らは農園での麦の刈り入れの仕事を得る。仕事はきつく、収入も少ない。しかし、農園の主である Chuck (Sam Shepard) は Abby に心奪われ、彼女を農園に引き留めようとする。Abby は身内と一緒なら農園に残ると答え、Bill、Abby、Linda、Chuck の四人は甘く幸福な日々を過ごす。Bill は Chuck の命があと 1 年しか持たないことを知っており、Chuck の死後は再び Abby を手に入れられると思っていた。しかし Chuck は壮健で、Abby との結婚も済ませ、幸福の絶頂にある。我慢しきれなくなった Bill は密かに Abby と口づけを交わすが、それを Chuck が知ることになり……。

 と、粗筋書いてると只の三角関係な melodrama に思われるかも知れませんが、全くもってその通りです。Richard Gere は例によってへなへな笑ってます。Sam Shepard は例によって苛ついてます。二人に挟まれた Brooke Adams は……えいこら、テメェがはっきりしねぇから悲劇になるんだよ!
 げふげふ、失礼。まぁそうは言っても、Terrence Malick 監督作品だけあって、雄大な自然の描写が仄かに登場人物の心境を写し取っていたりもします。穏やかな金色の麦畑で愛を囁く Chuck。4 人の平和な日々は春の日差しと共に。そして夫婦が破綻するとき、農園は燃えさかる炎で覆い尽くされる……。自然の力に抗えない人間の卑小さを、淡々とした語り口で紡いだ作品です。
 まぁ、映像美と Ennio Morricone の端正な音楽に酔うのが、この映画の楽しみ方なんでしょうね。

log modified: 2004/03/16 02:16:26 JST

2004.02.23 (Mon)

Photek / Modus Operandi

 今日も drum 'n' bass 聞き直しで。Photek、1997 年発表の 1st。
 余分なものをぎりぎりまで殺ぎ落とし、緻密に programming された beat が重い存在感を持って耳を圧迫する、そういう音。月夜に煌めく剣の輝きのように、drums は鋭い切り込みを絶えず繰り返し、全体を覆う dark な雰囲気が、震えを誘う冷たい空気感を伝えている。
 drum 'n' bass は骨組みである……という点にひたすら拘り、その究極的な essence を手中に収めようと苦闘した記録が、この Photek の album だと言ってもいいと思います。ここに甘い melody を期待してはいけない。ここに踊り易さや聞き易さを求めるのも間違っている。ここにある form は限りなく骨格のみに近い細身の身体であり、そこから発散される硬質な緊張感は紛れもなく求道者のそれである。余剰物を廃した作りに徹することで、この作品は一種異様な美しさを獲得している。これも drum 'n' bass の極みの一つと言えるでしょうなぁ。
 もっとも、1st でこの禁欲の極地へと辿り着いてしまった Photek は、Photek 名義作での緊張感に耐えきれなくなってしまったのか、次第にゆるゆるな hard house 路線へ向かってしまうわけですが、それはまた別の話ということで。

 tr.9 "KJZ" って、"Kirk Degiorgio's Jazz" の略だったのか……てゆか、Photek と Kirk Degiorgio に接点があったということに改めて吃驚した今日この頃。

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 新しい仕事場に行き、いきなり SECOM のお世話になりかけたというのは内緒です(爆)。入り方解らなくて。
 PC 立ち上げようとしていきなり error ぽい message が出てきたときも冷や汗もんでしたが、Dell パソの「仕様」と言われてまた吃驚。まぁ、ちゃんと立ち上がったからいいけど。

 今日のケツイ、1-5 のエヴァッカニアまで。2 度目のラスボス対戦ですが、辿り着いた頃にはもう満身創痍、でもって小生の苦手な後方からの弾ってことで即死。弾幕薄くても苦手なものは苦手。くそぅ、場数踏んで慣れるしかないか……。

 あとは RD-X4 の software update とかやってたらもう寝る時間です。でわ。

log modified: 2004/02/24 03:16:39 JST

2004.02.24 (Tue)

Roni Size Reprazent / New Forms

 今日もまったり drum 'n' bass。Roni Size とその仲間たちの 1997 年作。
 この人たち、Bristol 出身なんですな。Bristol と言うと、The Pop Group やら Massive Attack やら Portishead やら、とにかく強烈に dubby で、どこか人を突き放したような緊張感が漲る sound が特徴、って印象があります。この Roni Size 一派の 1st もまた、Bristol らしい一枚。
 まーとにかく速い速い。ひたすら畳みかける drum 'n' bass と、一直線で迷いのない stoic な構築美に貫かれた album。ねーちゃんの歌を大きく feature してたり管楽器を随所に挟み込んだりもしてますが、jazz や soul の印象は稀薄で、どちらかというと rock な作りに仕上がってます。聴いてて疲れること必定。でもって 2 枚組で腹一杯というかむしろ疲れて眠くなります(爆)。昔も今も、こういう音は苦手よのぅ。印象に残る phrase もないし、97 年当時、何であんなに騒がれたのか未だに解りません。いやまぁ、なりふり構わず突進しまくるその音に格好良さを感じないと言うと嘘になりますが、それにしても Bristol 産らしい暗さがひしひしと感じられて、どうにも一歩引いて聴いてしまいます。
 傑作ではないけれど強烈な作品。寝起きのリポ D みたいな album と評しておきましょう。

diary

 仕事が増えててげっそり。

 今日のケツイ、1-5 虎さんまで。3 面、5 面共に 1up 取り逃して無念至極。

清涼院 流水 『カーニバル 三輪の層』
「とんち少女――仮説として、そのとんち推理がすこぶる魅力的であるのは認めよう。が、お前は、具体的なトリックを推理しておるのか?」
「いやん。魔王さまったら。それは、まだですの。まあ、一体は、爆発物の一種が用いられたんじゃないかしらん……とは考えてますけれど」(page 204)

 『二輪の草』の続き。
 JDC や DOLL の面々が尽力しているにも関わらず、Billion Killer の大事件も、世界規模での大量死も止まる気配はない。大阪城は消失し、Pisa の斜塔は倒れ、赤道は文字通り血の色に染まる。フラウ・D に言い寄られる氷姫宮幽弥に明日はあるのか、龍宮乙姫は龍宮城に旅立ったのか、飛行機嫌いの天城漂馬は海を越えて自分の偽物をぶん殴れるのか? 様々な謎を孕みつつ、物語は非情にも進んでいき、anagram が得意なあの男は飛行機事故で命を落とし、究極のメタ探偵であるあの男は刺客の手によって暗殺される……。

 お祭り騒ぎも佳境に入り、金太郎飴な展開になってまいりました。これでようやく犯罪五輪も上半期が終了。下半期もこんな調子なんだろうか……。

log modified: 2004/03/10 01:08:49 JST

2004.02.25 (Wed)

4hero / Two Pages

 今日も drum 'n' bass で。4hero の 1998 年作。2 枚組。

 珍しく 2 枚目から聴いてみましたが、うーむ、今ひとつ。abstract な beat で d'n'b の新境地を切り開く……って思惑があったかどうかは知りませんが、とにかく変てこです。曲の途中でぶった切って終わる track とかもあるし。好き勝手やらかしてます。でも、どれだけはっちゃけても 4hero らしい非力さと奥ゆかしさがあるところが微妙に可笑しい。

 で、disc 1 へ。何度聴いても美しい album です。
 ひたすら鋭く dark な音へと突き進んでいた drum 'n' bass 界ですが、その流れに逆流するかのように、暖かみのある strings や人力 drums などを取り込んで、一大 jazz soul 絵巻として仕立て上げたのがこの "Two Pages" です。drum 'n' bass を digital 世代の落とし子として片づけるのではなく、血と肉の通った organic な音楽として再生させるという試み。Reprazent は、その誕生時からして既に drum 'n' bass の先鋭化が煮詰まっていることを明らかにしていましたが、4hero の試みはそういった drum 'n' bass の閉塞的な状況を一旦解体するものだったように思います。しかし、そうやって出てきたこの album は、drum 'n' bass という概念をも切り崩し解体させてしまい、scene の内側にいる artist の drum 'n' bass 離れを促進させるという効果も生みだしてしまう。それを 4hero の罪と言ってはいけない。遅かれ早かれ、その日はやってくることになっていたのだから。
 それにしても、detroit techno を roots とする 4hero の辿り着いた先がこのような生楽器主体の soulful な世界だとは……。機械と宇宙と人間が、一つの世界で混じり合い互いに共鳴する。新しく、また懐かしい音を響かせながら、今なお輝きを失わない稀有な作品と言えるでしょう。

diary

 朝から眠いっす。定時過ぎるともっと眠いっす。

 今日のケツイ、1-5 縦穴抜けた辺りまで。虎さんはあまり怖くなくなりましたが、やはりその後の道中が厳しいなぁ。でもまぁ、頑張ります。頑張りますよ。

log modified: 2004/02/26 03:15:47 JST

2004.02.26 (Thu)

LTJ Bukem / Journey Inwards

 今日も今日で drum 'n' bass で。Good Looking Records の首領、LTJ Bukem の 2000 年作。またもや 2 枚組。
 LTJ Bukem は drum 'n' bass の originator の一人と言われる人で、futuristic な synth strings と先鋭的な drum 'n' bass を掛け合わせて、壮大な ambient d'n'b を展開した "Logical Progression" series の生みの親として有名です。その一方で、acoustic な暖かさと electronics とを融合させ、90 年代の bossa nova を追求するような試みである "Earth" series も展開したりして、人と環境に優しい drum 'n' bass 推進委員会というものがあったら間違いなくその主催者に収まるであろうという eco drum 'n' basser であります。
 で、2000 年になってようやくこの 1st solo album を発表したのですが、ここで展開される音は "Logical Progression" とも "Earth" とも微妙に距離を置いた音作りになってます。その色は、古き良き soul への回帰。Fender Rhodes を大きく feature し、70 年代 fusion の厚ぼったい宇宙感覚を現世に甦らせようという試み。勿論、rhythm が d'n'b な track も多く収録されてますが、あくまで視点は懐古主義、従って drum 'n' bass だけに拘らず、down tempo ものあり、house 調ありの自由奔放振りを発揮。originator として scene を牽引しなくては……なんて気負いは殆ど感じられない、とても relax した雰囲気の track がずらりと並んでます。いやはや、楽しんで作ったんだろうなぁ。自分の好きな音楽を追求したその姿勢からは、大御所らしからぬ微笑ましさをも感じ取れます。
 drum 'n' bass の album としては薄味ですが、何せ 2000 年に発表した album です。計算高い Bukem のこと、こういう album を jungle 真っ盛りの 1995 年辺りに出しても良い感触が得られないってことは承知していたでしょう。dance scene における drum 'n' bass の衰退、compost 一派を始めとする crossover 勢の台頭、といった情勢と link するように、この album で聴かれる drum 'n' bass は、roots music によって脱構築化されている。これもまた、時代を写し取った album と言えるでしょうなぁ。

[news] "Psyvariar2 Original Soundtrack Plus" 2004.3.24 out

 game の方は全然やってません(爆)。

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 今日も残業で何より。何よりじゃねぇってば。

 今日のケツイ、1-4 のシンデレラアンバーまで。手癖で弾避けして、適当に被弾。集中力が足りてない様子。

log modified: 2004/02/27 03:11:39 JST

2004.02.27 (Fri)

diary

 今日のケツイ、1-5 縦穴抜けた辺りまで。進展なし。

[movie] Arcadia of My Youth

 勝間田具治監督作品、1982 年。邦題「わが青春のアルカディア」。
 Illumidas に占領された地球に、敗残兵として若き Harlock が戻ってくる。自由を奪われた Harlock は酒場でトチローと初めて出会い意気投合する。Harlock とトチローとの間には、先祖の代から続く堅い友情の絆があった。自由に往きたいと望む二人は、Illumidas が Tokarga 星を滅ぼそうとしていると聞き、Tokarga を救うため立ち上がる。Harlock は、トチローが長年かけて作り上げた最高の船、Arcadia 号の舵を取り、再び戦いの中に身を投じる……。

 松本零士らしい演歌 taste 全開なお話です。Harlock が右目を失う場面や、Emeraldas が顔に傷を負う場面など、trivia な話もあったりしてへぇーな感じ。しかしお話的には盛り上がりに欠ける作品でした。
 恋人からの贈り物が髑髏の旗ってのは悪趣味だと思うんですが、まぁ仕方ないですな。Harlock の話なんだし。

log modified: 2004/02/29 03:31:39 JST

2004.02.28 (Sat)

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  • Yotoko / Wet Ink
  • Amp Fiddler / Waltz of a Ghetto Fly
  • Underworld / Beaucoup Fish
  • As One / in with their arps, and moogs, and jazz and things
  • Osunlade / Paradigm
  • Dave Ellesmere / Angry Young Computer
  • Funk D'Void / Technoir
  • Jori Hulkkonen / When No One is Watching We are Invisible
  • Otomo Yoshihide / Cathode
diary

 買いすぎた。

 今日のケツイ、1-5 のエヴァッカニアまで。三度目の対戦ってことで、少しは落ち着いて……られません。何とか始めの攻撃はかわせましたが、第一形態を崩せぬまま game over。まぁいいか。この調子で練習練習。

[movie] Europa

 Lars von Trier 監督作品、1991 年。
 第二次大戦直後。米国に亡命していた Leopold Kessler (Jean-Marc Barr) が独逸に戻ってくる。彼には祖国の役に立ちたいという夢があった。叔父 (Ernst-Hugo Jaregard) の計らいで鉄道車掌の見習いとして働き始めた Leo だが、どういう風の吹き回しか、鉄道会社の社長令嬢である Katharina Hartmann (Barbara Sukowa) に気に入られ、食事会に誘われたりする。そして、Leo は米国情報部の Harris 大佐 (Eddie Constantine) から諜報活動に荷担するよう依頼される。だが、Harris 大佐らが追っている「人狼 (Werewolf)」の残党もまた、Leo を利用しようと近づいてくるのだった……。

 冒頭、rail の上を走る映像と共に、催眠術にでもかけるような narration が被ります。で、1 から 10 まで数えられるとそこはもう Europa。この導入、芝居がかっていて良好。monochrome の映像も、人物と背景を合成して漫画的な説明を表現したりする効果も、この映画の夢幻的な感覚に繋がっていきます。しかしこの幻想的な映像世界は、残酷なまでに現実なのであった。"Jacob's Ladder" や "Brazil" は夢に生きる物語でしたが、"Europa" はそれらの作品と微妙に重なり世界を構築しつつ、夢の終焉をも描ききってしまう。narration まで使って Leo の心情に視聴者を引きずり込みながら、見事にどん底へと突き落とすその姿勢、天晴れなり。
 Leo が巻き込まれる騒動は、多分に第二次大戦直後という状況が影響していますが、そこに主張や思想性はあまり感じられません。何故か事件に巻き込まれる Leo。そして実際のところ、Leo はひたすら利用されるだけであり、Leo は馬鹿正直に依頼されたことを成し遂げていくだけ。「優しすぎる」ことが罪になることもある。で、ブチ切れて自分を主張し始めると途端に地獄行き。いい人ぶってると不幸になる……って映画ということで。

log modified: 2004/03/01 02:10:03 JST

2004.02.29 (Sun)

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  • 酒見 賢一 『陋巷に在り 11 顔の巻』
[misc] ケツイ 絆地獄たち 設置店情報

 2ch ケツイ板より。
 まだ戦える。

diary

 というわけで今日のケツイ、1-5 縦穴抜ける辺りまで。
 撃たれる前に倒す、いや解っているんだ解っているんだがしかし前に出られないっ!

[movie] Hilary and Jackie

 Anand Tucker 監督作品、1998 年。邦題「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」。
 幼い頃から音楽家として育てられた姉の Hilary (Rachel Griffiths) と妹の Jackie (Emily Watson) の du Pre 姉妹。始めのうちこそ注目されたのは flute 奏者の Hilary だったが、姉への対抗心から cello の才能を開花させた Jackie は、contest で優勝したのを機に pro の演奏家として世界を飛び回る。一方、有名になった妹に引け目を感じて音楽家として失意に沈んだ Hilary は、音楽学校の知り合い Kiffer Finzi (David Morrissey) と結婚し、平凡だが幸せな家庭を持つ。演奏旅行で心身共に疲れ切った Jackie はそんな姉を羨み、自らも若手音楽家の Daniel Barenboim (James Frain) と電撃結婚する。しかしその結婚生活も際限ない演奏旅行の中で破綻していき、遂に Jackie は全てを放り出して姉の家に押し掛ける。しかも、Jackie は「Kiffer と寝たい」と Hilary に相談する……。

 哀しくも残酷なお話。Hilary と Jackie、一方は慎ましい平凡な家庭を営み、一方は天才 cellist として名を馳せる。しかし、互いに相手を意識し羨み物事を共有しようとする。だが時を経て、Hilary は大人になり、Jackie はそれを姉の裏切りと感じる。Jackie と Kiffer が仲良く遊んでいる場面で、Hilary は寂しげな表情を見せる。しかし三角関係にも終焉は訪れ、Jackie は Hilary 一家の元を去るが、彼女の cellist としての寿命は難病により次第に尽きていく。
 天才と称されても、その内面には孤独な少女がいる。少女は cello を憎むが、cello 無しでの自分に価値が無いことも知っている。天賦の才能が、身に余るほどの賞賛が、人にとって仇成すこともある。そして cello が引けなくなってもなお、少女は音楽家として生きたいと願う。Jackie が drum を叩く場面、2 度出てきますが、後の方の場面は哀れさに涙を誘われます。そして病の末期、Daniel や Hilary に身体を押さえられながらも、Jackie は右手を前に突き出しながら身体を痙攣させている。そう、これは cello の弓弾きの姿勢。
 姉の Hilary は、妹が華々しく活躍しなければ著名な音楽家として成功していたかも知れない。しかしそうはならなかった。だから彼女は一人の女として幸福になる道を選んだ。Hilary は Jackie を救えない。Jackie の音楽家としての苦悩を知りながら、それでも女としての幸せは自分の力で見つけるしかないと Hilary には解っている。家庭を守るために Jackie に家を出ていくよう宣言する Hilary。それが、母と少女の違い。
 悲劇的な人生を歩んだ天才音楽家と、その支えであり敵でもあった姉。その生き様は醜悪で、ただただ哀しい。

 Daniel と Jackie が Kinks の "You Really Got Me" を楽しげに演奏する場面、あの場面でさえ、今にして思えば哀しい場面としてしか思い出せない……。

log modified: 2004/03/02 03:26:19 JST

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