Noisy Days in December, 2003

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2003.12.21 (Sun)

diary

 休日ですが宿題やってました(爆)。こう見えても忙しいのよ。

 今日のケツイ、1-5 道中まで。未だに琥珀姫の最終形態は bomb 無しでは越せない……。

log modified: 2003/12/22 17:09:26 JST

2003.12.22 (Mon)

[movie] Henry V

 Kenneth Branagh 監督作品、1989 年。
 中世西欧が舞台。若き England の王 Henry V (Kenneth Branagh) は、自分の French 領土継承権を認めない French に対して宣戦布告し、進軍を始める。旅の途中、裏切り者を処刑したり、かつての仲間を窃盗罪で処刑したり。少数精鋭で屈強を誇る英兵は快進撃を続けるが、長旅で次第に士気が衰えていく。そこに仏の大軍が接近中との報が。一兵卒に変装して士気の低下を知った Henry V は、決戦を前にして自分達に神の加護があると力説し、士気の向上に成功する。そして Agincourt での壮絶な戦いが始まる……。

 narration のおっさんがかなり説教臭くて辟易します。役者の会話も流石に芝居がかっていて大袈裟。原作は William Shakespeare の戯曲だからそれもやむを得ないか。Kenneth Branagh は無骨な武人というには babyface すぎって感じもしますが、本人は主演でやりたかったんだろうし、良いんじゃないでしょうか。中世ぽい雰囲気はそこはかとなく出てました。まぁ、そこそこの出来。

diary

 有給休暇日。ですが、仕事場の飲み会にはちゃっかり出席。某氏がアニメ見まくりだったり、某氏から「フルメタル極道」の話を振られたり、某氏が森川美穂の CD collector だったり……と、何だか変な情報ばかり集まってきました。つーかキミたち変(爆)。

 帰りがけに飲み会残党と Out Run 2 試乗会。小生は見てるヒトで。そのスジの人からは「前作と微妙に似ているっ!」との comment あり。小生返すに「きゃらげー?」。

 で、へろへろな状態で今日のケツイは 1-4 道中まで。つか平均で 1-3 という体たらく。飲み過ぎってことです。

log modified: 2003/12/23 01:52:03 JST

2003.12.23 (Tue)

[comp] LG Super Multi DVD Writer GSA-4040B を取り付ける

 以前購入してたんですが、PC にはまだ乗せてなかったんですわ。で、休日を利用して取り付けてみました。取り付け作業自体は順調に完了。

 linux を boot させて、dmesg。ちゃんと認識されてるっぽい。

 とはいえ、今のままでは write できないので、grub の起動 option に追記。


title Momonga Linux (hda7 2.4.22-22m) with DVD-RW/DVD-RAM
      root (hd0,6)
      kernel /boot/vmlinuz-2.4.22-22m root=/dev/hda7 noapic acpi=off hdc=ide-scsi 5
      initrd /boot/initrd-2.4.22-22m.img

 reboot。"cdrecord -scanbus" で、認識されてるのを確認。/dev/cdrom も /dev/scd0 への link に自動的に変更されてるし。最近の kudzu は優秀ですな……。

 DVD-RAM での書き込みは可能。iso 作らなくても書けるって楽で良いです。DVD-RW での書き込みはまだやってません。その辺はこれから挑戦ということで。

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  • Maaya Sakamoto / Shonen Alice
  • Date Course Pentagon Royal Garden / Structure et Force
diary

 アリスを alphabet で書こうとして、Alice なのか Arisu なのかで悩んだり。素直に片仮名で書きゃ問題解決ですが。まぁ、詰まらん拘りです。
 official site の file name とか、CD Japan の表記を見ると、Alice の方が良さそうではあります。

 今日のケツイ、1-4 boss まで。昨日に引き続き調子悪いのぅ。気を抜くと 1-2 で全滅とか平気でやらかしてしまうし。着火用の雑魚に体当たりしてる場合じゃねぇつーの。安全第一を心がけますか……。

 そういや X'mas 間近、ですか。ゲーセンの店員、コンビニの店員はサンタ衣装。飲み屋に行くと頼みもしないのに champagne が振る舞われてたし。年の瀬って感じがしますなぁ。
 そして今日見た映画もサンタな映画だったというオチで。

[movie] Reindeer Games

 John Frankenheimer 監督作品、2000 年。
 あと 3 日で刑務所から出られる Rudy Duncan (Ben Affleck) と Nick Cassidy (James Frain)。Nick は出所後、文通で知り合った Ashley (Charlize Theron) と幸せな時間を過ごすのだと Rudy に言いふらす。しかし Nick は、昼食時の喧嘩騒ぎに巻き込まれ、腹に knife を突き立てられて死ぬ。Rudy は出所したが、刑務所の門前で Nick の姿を探す Ashley を見かけて魔が差してしまい、自分が Nick だと言って Ashley と良い仲になる。丁度 X'mas 間近、Nick は X'mas になったら本当の事を打ち明けようと決心したが、買い物から motel に戻ってきたときに数人の暴漢に襲われる。暴漢たちの boss は Gabriel (Gary Sinise)。彼は Ashley の兄で、Nick が元 casino 警備員だったことに目を付け、Nick を利用して casino の金を強奪しようと企てていた。最初は人違いだと言い募っていた Rudy だが、命の危険を感じて結局嘘を突き通す羽目に陥る。そして、casino 襲撃作戦は着々と進んでいく……。

 ちょっと良い思いをしようとして他人になりすましたことが原因で、悲惨な目に遭わされるというお話。着眼点は悪くないですが、お話自体が何だかみみっちいので、B 級映画と言って間違いないでしょう。悪役らしい悪役の Gary Sinise、天使と悪女を演じ分けた Charlize Theron は良い活躍ぶり。翻って Ben Affleck は主役とするにはあまりに顔が面白すぎ(爆)。付いてない平凡な青年役、と考えれば良い casting とも思えるんですが、印象には残らないなぁ。
 映画終盤のどんでん返しは面白かったですが、一度見れば充分という程度の面白さしかありません。隠し金庫からの X'mas present は大爆笑。そしてサンタの死体がごろごろと……。はは、やっぱこりゃお笑い映画だわ。オチの付け方もサンタらしいし、title はトナカイだし。どこまで serious で、どこまで black humor なのか。こういう微妙さが映画自体の印象も希薄にさせてしまってるのは否めないけれど、まぁ、X'mas 向けだからいいじゃないですか。って、どういうまとめ方してるんだか……。

log modified: 2003/12/24 02:54:33 JST

2003.12.24 (Wed)

Z-Project / Battle Gear III The Edge

 はい皆さん今日は X'mas Eve ですが小生に X'mas song の review なんて期待するだけ無駄無駄無駄。つか持ってねぇよそんなの。わしゃタツローもワムも嫌いなんじゃ。
 というわけで今年の X'mas song はこれで行きましょ。ZTTL-0059。ばとぎさんさん虎、2003 年発表。
 今時珍しいくらい metal でう。Zuntata label らしからぬ metal でう。それもそのはず作曲は Rare Drugcell 氏。つまり metal 職人な人なのですね。
 思えば ID の euro beat は頭悪そうで嫌いだった。metal はもっと頭悪いと思われそうだが低音がいいですよ低音が。melody よりも beat を強調した楽曲構成もべりぐー。two bass drum でどたばたどたばた、guitar は riff ばしばし決めて solo も盛り上がるけど自己陶酔的ではなくてあくまで speed 感重視の前のめりつんのめり系。jacket はダサダサですが Edge 強調の心意気は伝わります。drive game なんて小生の好みではないんですが speedy で metal とくれば走りたくなるのも世の常人の常。嗚呼、業だよ業。免許持ってるけど車なんて 10 年近く乗ってないぞ。
 まぁ何だ、良い album です。いくら小生が激音に飢えてるからといってそれだけで誉めてるわけじゃーないのですよ。実際のところ、超絶 guitarist の instrumental album とかで speedy なものってあまり思いつかないんですが、game という鋳型の中で速さを意識した曲作りをされると、みょ〜に熱い音になっちまうわけで。Paul Gilbert も guest で 3 曲参加してますが、こりゃ本当に bonus track としか聞こえませんな。まぁ、そんだけ曲が強烈だってことです。そんなこんなで最近へびろて中。いや、脱 metal を目指す小生としてはいかんいかんと思ってたりもするんですが……。

diary

 某建設中の駅ビル、各階の照明を調整して X'mas tree みたいにしてたな。
 こういうことが出来るのも今年限りでしょうが……。

 よそ見をしていて人とぶつかったとき。
「よそ見してんじゃねーよ!」
「お前もな!」
 などと口答えしては社会的動物として失格なのかもしれません。いや、ふと思っただけ。

 今日のケツイ、1-5 道中まで。寅さんは近くて遠い存在です。即ち憧れの存在、乗り越えるべき壁。オレの名を刻め!とは畏れ多くて言えないのです。

log modified: 2003/12/25 03:04:26 JST

2003.12.25 (Thu)

Buffalo Daughter / Pshychic

 某 Music Magazine の best album 2003、japanese rock の top はこの人たちでありました。まぁ MM らしい折衷主義の賜物とはいえ、BD が top つーのには何だか違和感あるすよ。「今年を代表する 1 枚」なんて考えるからいかんのだとは思いますが。
 Buffalo Daughter、2003 年発表の多分 4th album。今回の企ては Neu! の真似っこ、"E2-E4" を BD でやらかしましょ、であります。即ち反復反復反復。陶酔型へろへろ vocal、digital な構造なのに生音主体。全 5 曲のうち 4 曲は 7 分を越える大作。でもって反復反復反復。この人力反復欲求に german rock の狂気を垣間見るのは小生だけではありますまい。曲、長いしな。
 前作 "I" は意識的に歌ものを取り込んだらしいですが、"Pshychic" は "I" よりは遙かに風通しの良い album になってます。いい加減で自由で開放的。うむ、やはり BD はいい加減が好い加減です。どこにも向かわない音がひたすら心地よく響き渡る。主張なき主張、rock なんて何処吹く風の anti rock。なので、聞き終わった後もふわふわした印象しか残らない。故に Buffalo Daughter らしい album とも言えるわけで。一世を風靡した jam band 有象無象や rave 〜 trance のシーンと重なるようで重ならないその佇まいは、BD の孤立、及び「だからどーした」感を余計に際だたせる結果となった様子であります。そして音楽は続いていく。いけいけ永続音楽劇場。

diary

 仕事中は辛かった。瞼が重い重い。眼精疲労ですか。ケツイのやりすぎですか。
 「目がホリデー」? いや定期的に窓の外を眺めてるだけでも効果はあると思うんですけどね。

 今日のケツイ、1-5 道中まで。初めてトラファルガを越えるも、縦穴で弾幕に押し潰されました。score は伸びず 6300 万点なり。

log modified: 2003/12/26 01:38:15 JST

2003.12.26 (Fri)

get
  • Konami / Policenauts (PS2)
  • SNK Playmore / The King of Fighters 2001 (PS2)
  • 清涼院 流水 『カーニバル 一輪の花』
  • 清涼院 流水 『カーニバル 二輪の草』
  • 清涼院 流水 『カーニバル 三輪の層』
  • ベニー松山 『隣り合わせの灰と青春』
diary

 仕事納めの日。午前中は仕事、午後は大掃除、それから納会。
 納会では酒も出るんですが、仕事場で飲む酒は……ま、普通ですね。いつも飲む時間帯ではない(当たり前だ)からか、日頃の疲れが出たのか、どうも酩酊するのが早くて調子が狂う。強者な方々は二次会で飲み直しとかやらかした様子ですが、小生はふらふらだったので二つのお誘いを断って帰路に就きましたとさ。

 その足でケツイやりに行くのは我ながら病んでると思うぞ(爆)。本日は 1-5 道中まで。黄金バットで安定して潰されております。南無。

log modified: 2003/12/28 02:22:00 JST

2003.12.27 (Sat)

[movie] 東京物語

 小津安二郎監督作品、1953 年。
 尾道で暮らす平山周吉 (笠智衆 ) と妻のとみ (東山千栄子) の老夫婦は、東京で働く息子や娘の様子を見るため、わざわざ東京まで出向く。そこで数日滞在し、東京の風物を見歩いたり、熱海に温泉旅行へ行ったり、古い知り合いと酒を飲んだりする。そして尾道へ戻るのだが、そこでとみが危篤になり、息子や娘も尾道に駆けつける……。

 小津映画って今まで見たことなかったんだよな。というわけで見てみました。いやぁ、退屈でしたね。途中で寝かけましたよ。東山千栄子の達磨顔には催眠効果がありそうです。映画も淡々と進んで行くし。なんかひっかからんなぁ……と思いながら見てました。
 しかし見終わってみると、妙に心の中に引っかかってるものがあったりもします。そうですね、周吉ととみの老夫婦、「幸せ」とか「来てよかった」と言った台詞をさりげなく口にしますが、そこに滲む諦念というか老境の達観というか、ある種、どう転がっても変わらない現実を受け入れている様が美しいです。長男の幸一や、長女の志げの老夫婦に向ける眼差しは、始めのうちは歓待、そのうち邪険になっているように見える。その息子たちを窘めるでもなく、ただ控えめに感謝の声を発し続ける親の心境の奥深さよ。次男は戦争で亡くなっているのだが、その妻だった紀子の身の上を心配する老夫妻も見事なら、実の息子たちよりも親身になって老夫妻の面倒を見る紀子も立派なもんです。平凡な日常の中にも、平凡な親子関係の中にも、様々な損得勘定や欲得の思惑がある。ありふれた状況の中に潜む毒が、否応なしに我々の日々の在り方と繋がってしまう。だから、老夫婦の満足している姿がよけいに切なく見えるのである。
 映画でありながら普通。しかし普通の情景を、美しく切り取ることは難しい。その視線の卓抜さが、小津映画の面白いところなのかも知れないなぁ。まぁ、他の映画見てないから偉そうなことは言えないんですけどね。

diary

 今日は一日部屋でごろごろ。東京で雪が降ったのって本当ですか? 窓開けなかったから、外の情景なんて知らないよ……。

 RD-X4、録画中は入力切り替えできないのか。ふむ、配線の組み方を考える必要があるかな……。

log modified: 2003/12/28 03:31:21 JST

2003.12.28 (Sun)

get
  • Sadao Watanabe / Jazz & Bossa
  • Matthew Shipp / Equilibrium
  • Orbital / Snivilisation
  • 船戸 与一 『三都物語』
[movie] Dead Or Alive 犯罪者

 三池崇史監督作品、1999 年。
 新宿歌舞伎町で、中国 mafia の boss と、ホモのヤクザが立て続けに殺されるという事件が起こる。刑事の城島 (哀川翔) は、これらの事件が繋がっていると睨み、捜査を開始する。その一方で、城島は重病の娘を救うために 2000 万の金が必要だと妻から聞かされ、それを用立てるために新宿のヤクザである桜井組の組長青木 (石橋蓮司) から金を借りたりもする。やがて城島は新興暴力団の本上龍一に辿り着く。龍一は、中国 mafia からの麻薬流通網を桜井組から奪おうと画策していた。抗争の中で互いに親しい者を失っていく龍一と城島。やがて二人は差し向かいで対決することになる……。

 人から勧められて見た映画です。酒の席でしたが「脳味噌破壊された」と岩ぴょんが申しておりましたが、はは、こりゃ何というか過剰で B 級で思わず笑ってしまう映画でありました。
 冒頭の香港 noir パクリから笑えます。中国 mafia の boss を麺から割り出すってのも面白い、つか洒落か? 冒頭で弾けすぎたのか中盤は中弛み。暴力団 vs 警察のお話らしく、両者の動きを追っかけてくれます。龍一と弟の冬二の関係や、城島と家族や部下の井上との関係なども、冗長な感じで説明してます。でもって終盤 30 分で大掃除。あの人もあの人も死んでいき、どかどかと捨てられます。銃弾飛び交う中でも、手が唐揚げで困ってしまったりと笑わせるとこは笑わせてます。最後は大人数で盛り上げるのかと思いきや、渋い一騎打ちの図式で。でもって最後に開かされる驚異の真実。
 奴らは人間じゃなかったのである!

 まぁ何だ、少年ジャンプ的拡大主義みたいなもんですな。映画も立派に漫画化したなぁ、と。しかし、最後だけアレな展開にするくらいなら途中からやっとけよ、と思わなくもない。まぁ、last での落差を印象づけるためにそれまでの stereotype な物語があったと考えれば、この映画も成功してると言えるんじゃないですかね。
 「署長は笛を吹いてるだけです」って、ホントに吹いてたところに座布団一枚。その一方で城島はくそ真面目な話を持ってきてるし。こういう、巫山戯てるのか真面目なのか掴めない雰囲気には独特の悪趣味さを感じます。まぁ、面白かったです。脳味噌は破壊されなかったと思いますけどね。破壊されたい方はこちらをご覧ください。

diary

 今日のケツイ、1-4 boss まで。琥珀姫に負けたと言うよりはファミスタに負けたという感じです。うぅ、やりにくい配置だな……。

 明日は実家に帰る予定ですので、online での日記更新は暫くお休みします。いろいろ録画予約しとかなきゃ。

log modified: 2003/12/29 00:44:41 JST

2003.12.29 (Mon)

diary

 9 時頃に目覚ましで起床。菓子パン頬張りつつ「ギルガメッシュ」と「鉄腕アトム」観る。MP-XP3210 に winamp5 放り込んで、昨日干してた洗濯物を取り込んで(乾ききってなかったが)、録画予約の最終確認して、適当に荷造りして外出。
 昼過ぎに新幹線に乗り込み、20 時半頃に実家に到着。お土産渡したり魚食ったりで何やかや。帰省するたびに「痩せこけた」とか「顔色悪い」とか言われますが、そりゃ久々に顔見たからそう思うんじゃないかと推測。まぁ、昔に比べれば不健康そうに見えるってのは自覚してますが、自分的には普通の体調なので特に問題は無いのです。

船戸 与一 『三都物語』
 しかし、はっきりしていることがひとつだけある。それは慰めなんか何の意味も持たないということだ。どうにもならなくなったら、どれだけ努力しようと絶対にどうにもならない。そんな人生もあるのだ。あたしはもしかしたらその証言者として光一を呼んだのかも知れない。ふとそんな気がした。けど、野球一筋で生き、輝かしい経歴に恵まれ、まっとうに生きて来た光一にはそんなことすら理解はできないだろう。そう考えたとき、はっきりしたことがひとつある。光一はこれまで魂の悲鳴というものを聞いたことがないのだ。人間が声をあげずにそんなものを発するとは想像すらできないにちがいない。(page 56)

 読了。ちなみに新潮社から出た hardcover 本です。
 日本の横浜、台湾の台中、韓国の光州。この三都市を舞台として、プロ野球に関わる者たちの生き様を描いた連作中篇集となってます。計 5 話収録。
 船戸と sports という組み合わせは今までにも『炎 流れる彼方』や『蝕みの果実』などがあるので新機軸というわけではないんですが、運命に成すすべもなく弄ばれ、救いのない結末に突進していくという、最近の船戸小説らしい展開はこの小説でも健在でした。破局を迎える登場人物たちには前もって予兆が与えられていたり、大陸や日本の裏社会側の思惑、戦争や内戦の傷跡が生み出した軋轢、プロ野球界内部の生き残り戦争などのどす黒い側面も、物語の中で自然に溶け込んでいて、円熟味のある小説って感じがします。第三話「落ちた柿の実」で、老スカウトの昔気質な遣り方を身内・外部の両方から切り崩し、それを庭先の柿の実に象徴させる……なんて手法を見せられたら、文句の付けようが無いです。連作中篇なので、かつて新人だった選手が後の話で活躍してたりしてるのも面白いし。
 長い船戸作品に慣れている身としては分量的に物足りないと思ったりもしますが、面白かったです。実家に帰るまでの間に読み切ってしまいました。

log modified: 2004/01/05 00:54:22 JST

2003.12.30 (Tue)

[movie] Mia aioniotita kai mia mera

 Theo Angelopoulos 監督作品、1998 年。邦題「永遠と一日」。
 孤独な老作家の Alexandre (Bruno Ganz) は余命幾許もない体と宣告されている。身辺整理して、周囲には「明日には旅立つ」と言う。娘からは海辺の家を売ると知らされる。途中で希臘に違法滞在していると思しき少年 (Achileas Skevis) と出会う。人買いによって売り飛ばされそうになっていた少年を Alexandre は救い、それが縁で二人は共に行動することになる。Alexandre は先立たれた妻 Anna (Isabelle Renauld) のことを思い出したり、昔の記憶を辿りながら、旅立ちの時間を待ち続ける……。

 大したことの起こらない、ゆるゆるした映画です。こういうのも road movie と呼んでいいんでしょうかね……。
 「明日の時間の長さは?」と Alexandre が問うと、Anna は「永遠と一日よ」と答える。そして、始まりも終わりも海の風景。話の内容よりも、詩的な image の断片が印象的な映画でした。

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  • ドストエフスキー 『地下室の手記』
  • 光瀬 龍 『寛永無明剣』
  • 島崎 譲 『覇王伝説 驍』(少年マガジンコミックス版 1 〜 10 巻)
diary

 実家では電子レンジを最近買い換えたそうで、古い電子レンジの廃棄処分に付き合わされました。一人で持ち上げられるかと思ってましたが、見た目以上に重かった……。
 車に乗せて、市の廃品処理場まで移動。処理場に入る前と後での車の重量差で料金を割り出すらしい。へえぇ。電子レンジ 1 個と、段ボール 1 箱分の小物を処分して、約 1000 円ってとこでした。

 街に出て、大学時代の知り合いである通称ねり氏とばったり。

ねり 「薄田さん(当時・仮名)が結婚されたそうですよ」
はみ 「えっ?」
ねり 「相手はあのころころした人だそうですよ」
はみ 「えええっ??」
ねり 「もう大分前の話ですけどねっ」
はみ 「うそうそうそまじまじまじ???」

 といった会話が展開されたそうです。
 こないだの某チャベ様女連れの話といい、今回の件といい、年末になって鼻血ものの大ネタがどっかんどっかん降ってきたって感じです。
 いや素晴らしい。世の中ちゃんと動いてるよ。

 ケツイ置いてないなー。
 espgaluda は見かけますけどね。思わず 1 play、レバー硬っ。2 面 boss で 2 miss とかやらかしてしまい、tension 低いながらもアリスクローン地帯まで粘って力尽きました。

 『驍』って、もう 10 年以上前の漫画になるんですなぁ。全然最近のものかと思い込んでいましたが、どうやら小生の漫画観は 10 年前から止まっているらしい(爆)。
 漫画って普段読まないからなぁ。いや安永さんの新刊が出たら買いますよ多分。つか『火星人刑事』はちゃんと完結したんでしょうか……。

log modified: 2004/01/05 01:29:04 JST

2003.12.31 (Wed)

The Mad Capsule Market's / Mix-ism

 japanese hardcore band としてはもう古参の部類に入ってしまうんでしょうね。The Mad Capsule Market's の 1994 年作。
 小生は最近のマドカプって聴いてないので解らないんですが、少なくともこの頃のマドカプはえらく解りやすい hardcore なわけで。ある意味、visual 系と hardcore と melo-core の交差点に居た人たちと言ってよかったのではないかと。でもってマドカプらしい pop な曲も多いし。
 でも、こうやって改めて聴きなおしてみると、この人たちは昔から beat の組み方には拘りがあったんだと解るわけです。1 つの曲の中でも起伏があって緩急があって、どこか捩れた展開を含んでいる。後に degital rock 路線に shift していくマドカプですが、その予兆は既にこの時期から現れていたと考えることも可能でしょう。まぁ、そのプログレな楽曲構成と、death 声じゃない vocal が、マドカプを軽量級と思わせる所以となってたりもするんでしょうが、そうは言っても痛快で筋の通った album ではあるわけです。まぁ、若い人向けってことで。
 tr.8 "オルゴヲル" や、tr.16 "黄色いピエロ" での意表を突く叙情的な arrange も面白い。こういう曲が書けるから長く続けられるのかも知れませんねぇ。

[movie] 大人の見る絵本 生まれてはみたけれど

 小津安二郎監督作品、1932 年。
 無声映画。引っ越してきたばかりの吉井家の長男と次男が、学校で親分格に伸し上がったり、上司にぺこぺこしているサラリーマンの親に反発したりする様が描かれてます。でも締めは家族の和解なんだよな。
 如何せん昔の映画なので、今の目で見るとひたすら古いという印象が残ります。雀の卵が子供たちの力の象徴になってるのも時代を感じさせるしなぁ。しかし、ここで取り上げられている吉井一家は核家族だし、家では偉そうな顔しているのに会社では上司の機嫌をとっている親の姿を見て幻滅したりするところは、現代社会でも通じるところがあります。子供の視点からそれを批判的に見るってのがこの映画の面白みになってます。
 まぁ、そこそこ面白かったです。

diary

 2003 年最後の一日であります。だからといって別に何がどうってことはないんですが。

 Inoki Bom-Ba-Ye 見ました。今年は燃えないなー。最後の藤田はよく頑張ってました。もっとぱこぱこ殴られたりするのかと思ってましたが、組み付いてしまえぱプロレスラーの方が有利になるんでしょう。まぁ、自分の有利な style に持ってった者勝ち、ってことで。

log modified: 2004/01/05 01:02:49 JST

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