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日本の rock band、人間椅子の 2009 年作。CD 2 枚組みの best 盤。
小生が人間椅子を知ったのは何時頃であろうか。高校の頃、真面目にめたらーだった頃には既に知っていたような気がしますが、当時は黒サバをぬる metal と認識していた時期ですので、当然人間椅子も興味の対象外でありました。その頃から幾星霜、黒サバも普通に聴けるようになった小生は人間椅子も普通に聴けるようになってしまいました。あな恐ろしや。年月の経過は実に恐ろしい。しかし実に恐ろしいのは人間椅子が未だに活動していることであります。Ozzy 期の Blach Sabbath は 70 年代に終わっており、Dio 期も終わってるどころか Dio 亡くなっちゃったし、Ian Gillan 期や Glenn Hughes 期を経て再び Ozzy 舞い戻って album 作っちゃったりしてますが、本家がそんなに紆余曲折している間も人間椅子は和嶋慎治 (g, vo) と鈴木研一 (b, vo) の original member を軸にしつつ、津軽節とめたるの融合を目論む 3 piece band という stance を崩さず 20 年以上の活動を成し遂げておるわけで、この偏執狂的な metal 馬鹿一代な姿勢にはただただ平伏する外はありませぬ。
人間椅子が Black Sabbath に傾倒しておることは彼らを知る人には今更言うことないことでありますが、その特徴として黒サバほど blues 寄りではなく、riff 一発のめたる節に津軽節に文芸路線という、よく解らんながら実は感度良好な mixing が正に人間椅子なわけです。hardcore な cd1tr.10 "ダイナマイト" みたいな曲もあれば、doom metal な cd2tr.4 "幽霊列車" みたいな曲もある、でもってどの曲も日本語だからこその演歌なタメとノリがある、そういう日本人な rock の姿を人間椅子には見ることができます。どんくさいけど metal、その形骸から逃れられないことの制限と愉悦、その体現こそ即ち人間椅子、という図式でよろしいか。20 年振りに聴いた人間椅子は日本語 rock の極北でありました。
ゆらゆら帝国の major 1st album、1998 年発表。
ゆらゆら帝国は結成 1989 年、解散 2010 年の rock band であります。小生との接点はほとんどなくて、ニコ動の「ゆらゆら帝国のゲゲゲ」が小生のマイリスに入ってるくらいのものしかございません。まぁ小生は 1 期鬼太郎は見てませんけどね、あの動画は良いものですキシリア様に献上しても問題ない level ですな。そういや憂歌団は復活するそうですなまた頑張って頂きたいものですって何の話だっけ。まぁあれだ、小生の個人史では日本語 rock な band と鬼太郎は何かと縁があるって話でよろしいでしょうか。
で、ゆらゆら帝国の 1998 年作。1998 年といえば bubble も終わって小生は会社に潜り込んでヒイヒイ言ってた頃であります。ゆら帝といえば虚無 rock、この album でも tr.2 "昆虫ロック" や tr.5 "発光体" のような 若人の衝動ぶちまけ系 rock number はありますが、全体の tone は psychedelic rock というか酩酊系のふらふら rock で、中身はからっぽの文字通りなゆらゆら rock であります。ゆら帝にとって空虚さは座右の友、tr.10 "Evil Car" のどこへも行かない虚ろな響きにひたすら酩酊するのみであります。