|
Woody Allen 監督作品、2000 年。邦題「おいしい生活」。
さえない亭主の Ray (Woody Allen) は、囚人仲間とつるんで銀行強盗を企てる。だが camouflage で作った cookie 屋が大繁盛、女房の Frenchy (Tracey Ullman) は cookie 屋で大儲けして大企業の celeb に成り上がる。Frenchy は celeb らしい教養を得ようと駆けずり回るが……。
貧乏生活から成金になりまた貧乏生活戻るという Woody Allen らしい因果応報な物語。いろいろと揺れ動く展開はありますが最後は元鞘に収まるあたり、やっぱ王道映画ですな。Woody Allen はそのへん解ってらっしゃる。安心して見られる映画でありました。
UK の blues rock band、Free の 2nd album。1969 年発表。
Free と言えば地味渋 blues rock、なわけですが、1st の "Tons of Sobs" に続くこの album でも地味渋一直線で、simple な riff の応酬に終始して派手さが全くない、up tempo な曲もない、boogie woogie で踊れる曲もない、でもって全編にわだかまるのは Sabbath 程ではないにせよ地べた這いずり系の情念 rock なわけで、何でまた orthodox な rock であるところの Free がこんなに地味渋なのよと思わざるをえない不思議な album となっております。今聴いてみれば、意外と folk rock の影響も色濃かったりもして。folk が simple に rock を伝えるならば、blues だって simple さの中で自己主張したっていいじゃない、というのがこの頃の Free の主張なのかも知れません。かくいう小生も Free といえば 1st と 2nd が彼ららしさの現れであろうと思ってたりします。tr.4 "Trouble On Double Time" なんて、Trent Reznor が好きそうな dark な blues だし。いやはや、いろいろと考えさせられる album であります。
detroit techno な人、Jeff Mills の 2002 年作。全 8 tracks。
十年一日な赴きの Jeff Mills さんですがこの album でもその姿勢は変わらず。tr.1 は 10 分以上の大作かと思えば 3 曲くらいの mix track。hard minimal が基調ながらも ambient な浮遊感と変拍子な上物で宇宙遊泳 soundtrack を聴かせてくれます。宇宙遊泳はいいがこれが soul な音かと言われると首肯しかねる、そういう音。one & only という視点では Drexciya と並んで唯一無二な音であることは間違いなし。もう飽きるまでやってください。