Noisy Days in February, 2013

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2013.02.11 (Mon)

[movie] Sweet and Lowdown

 Woody Allen 監督作品、1999 年。邦題「ギター弾きの恋」。
 1930 年代、jazz guitarist の Emmet Ray (Sean Penn) は、guitar の腕前は大いに評価されていたものの、自堕落な生活と大言壮語が元で貧乏生活から抜け出せないでいた。ある日彼は言葉を喋れない洗濯所勤務の女性 Hattie (Samantha Morton) と知り合う。Emmet の音に魅せられた Hattie は Emmet と付き合うようになり、天才を自負する Emmet は自分の器に Hattie は相応しくないと思いつつも悪い気分ではなく Emmet に贈り物をしたりするようになる。だがいよいよ経済的に追い詰められた Emmet は、Hattie と別れて上流階級ぽい女性の Blanche (Uma Thurman) と電撃結婚する……。

 Woody Allen や Nat Hentoff (!) が歴史上の人物 Emmet Ray について語る documentary touch な scene を挟みつつ、Emmet Ray が自堕落遍歴を続ける様が描かれる映画であります。Emmet Ray という jazz musician は架空の存在らしいですが、それをもっともらしく語るのがこの映画の面白さ。Woody Allen はともかく、guitar 雑誌の編集者とか Nat Hentoff まで真顔で語ってるあたり、めりけんのホラ話伝承術はこういう映画にも受け継がれておるようです。大言壮語しまくりながらも Django Reinhardt の才能には及ばぬと自覚する Emmet の屈折心理も、今やすっかり腹黒役が身に付いた Sean Penn が演ずるのは自然な雰囲気で結構でありました。
 それにしても Godard 映画の後に Woody Allen 映画を見ると、昔ながらの映画手法、opening の monotone な進行とかざらついた映像に黒ぽち入れたりする手法とか、何時もながらの展開に安心することしきりというか、映画を映像として捉える者と物語る手法として捉える者との違いが明確に浮かび上がって面白いです。文学で言えば言葉遊びが過ぎて magic realism に到達してしまう系統と、えんためな物語展開に即して昔ながらの叙事的な手法を使い続ける派閥の対比みたいな。結果としてみればどちらも映画ではあるにせよ、その至る地点の何と遠いことよ。その点、Woody Allen 映画は「語る映画」の生き残りとして大いに頑張って頂きたいところであります。
 この映画の終盤では、人生のやり直しを図ろうとした Emmet が Hattie の元を再び訪れるも、その時は既に失われていることが示唆され、それが元で Emmet は初めて自分の感情表現を手に入れるという様が描かれます。切なさもまた人を強くする、それがその人にとって良いことか悪いことかは別として。笑いとほろ苦さを残して終わっていくのもまた Woody Allen 映画らしいです。

log modified: 2013/02/12 03:06:35 JST

2013.02.12 (Tue)

Eivind Aarset / Dream Logic

 Norwegian guitarist の Eivind Aarset の 2012 年作。ECM からの release。Jan Bang (sampler, programmer) との duo 作品。
 かつての盟友 Nils Petter Molvaer は ECM debut 組でしたが今は ECM を去って好き勝手やらかしてますが基本的には金太郎飴な状況。一方 Eivind Aarset は Jazzland から constant に album release してましたが、初期のへびめたな音への未練が薄れてきたところで遂に ECM からの release と相成りました。ううむ何という輪廻の巡りよ。でもまぁこういう流れは解らんでもないですね、ECM は ambient な guitar って好きですもんね、Ralph Towner とか Terje Rypdal とか。
 さて ECM 1作目となったこの album ですが、へびめた封印で幽玄の feedback noise な guitar を延々と紡ぐ ambient な album になっております。beat や上物もそれなりに乗ってますが音像は端的に言えば horror 映画の soundtrack 風。track 単位の個性はあってなきが如し。でもそれで良いんです、ambient に徹した Eivind Aarset の guitar 万華鏡を只管堪能する、そういう album になっております。単音に縛られない、うにょうにょした音像ってのは、明確な melody を示さない分だけ音響の海の広がりを感じさせます。ある意味、guitar 小僧が彼岸の果てで観る光景なのかも知れません。

log modified: 2013/02/13 02:04:49 JST

2013.02.13 (Wed)

Reef / Replenish

 UK の funk rock band、Reef の 1st album、1995 年発表。
 Reef は元々 Free respect 組で、Free の逆読みからその band 名も付けられたそうな。どう考えても Free はこんなに funk じゃねーよと。何せ tr.1 "Feed me" からしていきなりの 5 拍子 blues。本家 Free は個人的には田舎者の blues な印象でしたが、Reef は riff 命で funk 命な姿勢で debut 当時から突き進んでいるのでありました。小生も realtime で彼らの音は浴びてるわけdすが、彼らが Free のモノマネな印象はさらさらなくて、blusy な funk band な印象しかないわけです。黒鴉のような真正 blues rock をやらかすでもなく、でも一本筋の通った funk をやらかした Reef は、やっっぱ良い band だったと思うことしきりであります。

log modified: 2013/02/14 02:30:51 JST

2013.02.14 (Thu)

The Jeff Healey Band / Hell To Pay

 盲目の blues guitarist、Jeff Healey 率いる band の 2nd album。1990 年発表。
 膝置き style で blues feeling に溢れた演奏をする Jeff Healey さんですが、この album では blues というよりは rock 寄りです。白眉は tr.7 "While My Guitar Gently Weeps" で、作曲者 George Harrison に ELO の Jeff Lynne も参加という何この pressure 掛かりまくりな布陣、でもって Jeff Healey の堂々たる泣き guitar がやっぱり美味しいという仕立て。大物ですねこの人は。
 全体的に荒削りですが深夜 truck の運ちゃんが聴いて tension 上がる系の rock number は山盛りです。下手に新機軸狙うよりは、こうして地道に my 路線を突きつけていく方が、この人らしい気はしますね。MTV 時代の大衆受け派手派手路線と、70's な blues rock 時代の折衷 style な 90's rock。この時代の rock はまだ健康的であったと再認識できる album であります。

diary

 今週は体温が安定せず、36 度と 37 度を行ったりきたり。うーむ何でしょうねこれ。喉が痛いわけでもなく咳も出ませんが水洟は出まくっており悪寒も押し寄せたり引いたり。とりあえず飲めば万事解決するということは解りました。

 今日は St. Valentine's day とのことで、職場の淑女な方々から差し入れを頂きました。毎度ありがとうございます。手作り choko pound cake とか作るの相当めんどいような気もしますがそこで妥協しない女子力は尊敬に値します。願わくばその熱意を仕事にも反映して頂ければ……って貰っといて尊大ですねすいません
 そういや今日は帰りしなに apart とか mansion の前で手持ち無沙汰している女子を何人か見かけましたが、そうか彼氏に手渡し系か。ご苦労様でございます。その努力が報われることを小生は切に願っております。小生はふぇみにんな人格ですので努力してる女子は応援しますよいやマジで。
 ちなみに職場では男子からも choko 頂きましたが小生にその気はありませんのであしからず。つか糖分取りすぎると老化が早まるらしいですよ。あと酒の飲みすぎで白髪が増えるとか何とか。小生も milk 一択にすべきでしょうか、いやそれはない (断言)。白髪なんていくらでも増えれば良いのです、それが自然の摂理なら仕方あるまい、世の中の美酒を味わえずに死ぬ方が人生の損失とは思わないかね?

log modified: 2013/02/15 02:38:47 JST

2013.02.18 (Mon)

Taste / Taste

 Ireland の blues rock band、Taste の 1969 年作 1st album。
 Rory Gallagher (g, vo) の在籍していた band として知られる Taste ですが、band 名義とは家 Rory Gallagher が中心で動いていたのは間違いないようで、manager にこき使われたり member change もあったりでどたばたした末の 1st album なようです。でもまぁ Rory の album って大抵どたばたしながら release されますね。人気あるのに金はない、という典型的使われ系 guitarist だった Rory の、しかし昔から improvisation ぶりばりな guitar solo に命懸けな Rory Gallagher の若き肖像は Taste の 1st album にもしっかり刻まれているのでありました。3 piece band という布陣は Jimi のそれや Cream を連想させつつ、軸足は既存の band よりも濃厚に blues 寄り、結局いつもの Rory Gallagher、単なる blues rock 馬鹿一代なのでありました。いや勿論濃厚な 60's rock の雰囲気もあり、勢い重視な展開は hard drivin で大いに結構なんですが、同時だいの Jimi や Cream や Free や Zepp のように riff 一発で百万長者、な track を輩出できなかったことが彼らの後の評価に暗い影を落としているような気もします。いい band なんですけどねぇ。
 基本 3 〜 4 分の compact な track ですが、tr.3 "Sugar Mama" や tr. 8 "Catfish" のような 7 〜 8 分の long track もあり。いやとにかく格好良い。Richard McCracken (b) と John Wilson (ds) の rhythm 隊も良い仕事してます。白い黒人達の気炎が轟轟と立ち上る世界であります。

[comp] cinachu

 こんなのあったんすね。知りませんでした。

log modified: 2013/02/19 03:20:37 JST

2013.02.20 (Wed)

Miles Davis / Miles Davis and Horns

 Miles Davis (tp) の 1951 年録音と 1953 録音の寄せ集め盤。1951 年 session の tr.1 〜 4、及び tr.9 には John Lewis (p)、Bennie Green (tb)、Sonny Rollins (ts)、Percy Heath (b)、Roy Haynes (ds) が参加、1953 年録音の tr.5 〜 8 には John Lewis (p)、Zoot Sims (ts)、Leonard Gaskin (b)、Kenny Clarke (ds)、Al Cohn (ts) らが参加。
 まだ初々しいですねこの頃の Miles は。後のすかしっ屁 sound に開眼する前ってのもあるでしょうが、普通の jazz な趣です。Sonny Rollins も Zoot Sims も大人しい限りです。まぁ、こういう普通に踊れる jazz を Miles がやってるということに新鮮な驚きがある、そういう album ではあります。大体 John Lewis のせい、なのは推して知るべし。若き Miles には出来すぎた兄貴分ですからねぇ。Miles は激動に呑まれて強くなる type、John Lewis は出てきた時には既に地場固まってる type、ということで、こうして出来上がったものも普通によく出来た jazz album でしたとさ。

log modified: 2013/02/21 02:28:26 JST

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