Noisy Days in December, 2012

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2012.12.11 (Tue)

Pearl Jam / Yield

 めりけんの alternative rock band、Pearl Jam の 5th album、1998 年発表。
 release された当時はそれほど聴き込んだ覚えはなく、というか rock 全般にあまり興味が持てず、どらんべから techno とか house とか聴き始めた頃ではなかったかと記憶しております。PJ もこれ以前は "Vitalogy" や "No Code" で内向きの作品を出してたので、また暗い怖いの鬱系だったらどうしようなんて思ってたりもしましたが、"Yield" は意外と聴き易くてちょっと吃驚したような。jacket も従来より爽やか系ですし。
 久方振りに聴き直してみてもやっぱり肩の力が抜けてるというか全体的に伸びやかな印象で、Kurt 自殺後の自閉症 mode を越えて、めりけん rock の看板という周囲の期待もおいといて、自分たちらしい音を求めた結果がこんな感じの真面目すぎない rock album として結実した、てな感じがあります。member 全員作曲出来て、そのくせ音で出してみれば作曲者の個性云々以前に PJ の音としか聴こえなくなっているという、rock band としてはかなり理想形な有り様を呈しているのが Pearl Jam という band なのですが、この album はそんな彼らが迷走期を経て息を吹き返した、その道標のような album と言えるんではないでしょうか。
 世間的には tr.4 "Given To Fly"、tr.7 "Do The Evolution" が代表曲と言われる album ですが、acoustic guitar で三拍子でのほほんとした雰囲気の tr.10 "Low Light" とか、掴みの speed number である tr.1 "Brain of J." 等、佳曲が揃ってます。90 年代 rock の隠れ名盤でしょう。

log modified: 2012/12/12 02:06:29 JST

2012.12.12 (Wed)

Leslie West / Unusual Suspects

 Mountain の frontman、Leslie West の solo album、2011 年発表。
 70 年代のめりけん轟音 blues rock を牽引した Mountain ですが、紆余曲折あったものの未だ顕在、でもって Leslie West も constant に album を release しています。でもこの人の場合、Mountain でも solo album でも方向性はほぼ同じで、重低音 guitar ざくざく言わせる blues rock を毎度展開してくれるわけです。まぁ作品によって blues 寄りだったり rock 寄りだったりというのはあるけれど。とかく解り易い人なのです。めりけん魂とはつまりそういうこと。
 今回は rock 寄りな一枚で、guest に Steve Lukather、Slash、Billy F. Gibbons、Joe Bonamassa、Zakk Wylde といった相性良さげな guitarists を迎えての hard rock 大会となっております。guest を交えても御大は自然体で泣き guitar をかまし、呼ばれた方々は好き勝手やらかしつつ全体の tone は合わせる、つまりは和気藹々たる情景。Leslie West も今や 60 過ぎの爺さんですからね、後輩が御老体に喧嘩吹っかけるわけにもいかんでしょう、ということで全体的に無難な作り。ではありますが、Leslie は未だに声出てるし melody は嫋やかだしで、その活力は未だ衰えず。枯れないオジサンの底力が垣間見える album になっております。
 全体的に勢いのある album ですが、その中で異彩を放つのが tr.6 "Legend"。piano 伴奏で始まる緩やかな ballad ですが、歳取った rock star の悲哀と生き様が表現された感涙ものの number となっております。是非とも歌詞を追って涙して頂ければと思います。

log modified: 2012/12/13 01:53:53 JST

2012.12.13 (Thu)

Woodman / Alaska audio research Arcticsoul Audio Vol.1

 Woodman の 1999 年作。360°Records より。
 音響で noise で electro な Woodman の Alaska 探査盤。例えば Autechre を理詰めの編集とろにかと位置づけるなら、Woodman の佇まいは天然のほほん系とろにかとでも言うべきか。通常は暗い怖いキモいで凝り固まるとろにか音像が、Woodman の手に掛かればゆるふわ peaceful 音響に変わってしまうこの不思議。後の "Pisin Jazz" に比べれば暗黒音響には違いないですが、それでもやっぱり適当で緩い音像なのであります。小生は Alaska には行ったことないですが、Alaska の音風景ってこんなに緩くていいんだろうか。四つ打ちの tr.12 "x Inside Box" がいい感じに和み系で結構。
 最近は Woodman の風評も聞いてませんが、元気にやっておられると良いですな。

log modified: 2012/12/14 02:32:46 JST

2012.12.16 (Sun)

[movie] The Social Network

 David Fincher 監督作品、2010 年。
 2003 年の冬、Harvard 大の学生 Mark Zuckerberg (Jesse Eisenberg) は彼女の Erica Albright (Rooney Mara) と口論して振られる。寮に戻った Mark は blog で Erica をこき下ろし、友人の Eduardo Saverin (Andrew Garfield) と共に大学の学生年鑑を hack して、女子をランク付けする web service を立ち上げる。それがあまりに好評で、大学の server は一夜持たずに down、Mark は教授達と大学女子から危険視される存在になる。Mark の才能に目を付けた Cameron と Tyler の Winklevoss 兄弟 (Armie Hammer) と Divya Narendra (Max Minghella) は、Harvard Connection という SNS の立ち上げに Mark を引き入れようとする。それに Yes と答えた Mark だったが、彼はその idea を Eduardo の資金を得て自らの web service として公開する。Mark はその service を the Facebook と名付けていた……。

 めりけん発の SNS、facebook の成り立ちと成長、そして Saverin や Winklevoss 兄弟から訴えられる顛末を描いた映画であります。Napster 創設者の Sean Parker (Justin Timberlake) が Mephistopheles よろしく Mark を魅了する過程が面白い。Sean は山師ぽく描かれているので堅実派の Eduardo が反発するのも解らんではないですが。成長期の企業故の緩さと混乱が垣間見える映画ではありますが、あまり dramatic な展開はないので、えんためとして観る分には不向き。
 でも最近の David Fincher 監督作品は、こういう documentary touch な作品でじわじわ世界を作っていく系が多いので、その意味では上手くまとめた映画なんではないですかね。
 音楽は Trent Reznor と Atticus Ross が担当。おたく映画に Trent Reznor が音付けるとは、最適な配役でありました。

log modified: 2012/12/17 03:02:08 JST

2012.12.17 (Mon)

Clutch / Robot Hive Exodus

 めりけんの stoner rock band、Clutch の 2005 年作。
 NFS PS の某 tas 動画観てたらば、Clutch の "Power Player" が BGM で流れておったので少々吃驚したのですよ。でも意外と race ものと Clutch って合いますね。blues 寄りとはいえ根っこは hardcore と stoner なわけで、突き詰めれば hardcor punk に roots を持つ band なので、そういう所感になるのも解らんではないですが。でも、そういう毛色で japanese の耳に触れる機会があるにせよ Clutch の知名度は相変わらず低いままなので、日本における blues rock の需要度は相変わらず低いということになりましょうか。まぁ小生は気にせず聴いてるわけですが。
 でもってこの 2005 年作。いつも通りの Clutch 節でとにかく安定磐石、この band に関しては変化とか新機軸とか全く期待してないわけですが、その意味では全く期待を裏切らない stoner rock を展開してくれてます。その変わらぬ佇まいは AC/DC 並みと言っても良いでしょう。hook の効いた曲も無いのであまり目立つ要素もないっちゃないですが、それでも堂々たる佇まいであることに代わりなし。ど blues な tr.13 "Gravel Road" も重低音の中に溶け込む彼らの立ち位置はしっかりしたもので、こういう band なら揺るがず続くのも解らなくはないです。めりけん rock の屋台骨を支えるにふさわしい band と言えるでしょう。

log modified: 2012/12/18 02:32:02 JST

2012.12.18 (Tue)

Various Artists / Sublime Adolescence

 Sublime Records の compilation album、1995 年発表。
 その時代、小生はまだ青く、Sublime もまた青かった。思春期の時代は若さ故の勢いと過ちと悔恨を残しつつ、しかしその時代にしか残し得ぬ未成熟な美しさがあった。めたる漬けで日々を凄し、alternative rock や noise に足を踏み入れていた小生が何故この album を手にしたかは今にして思えば全く不明なわけで、銀天街 more music に鎮座していた青い箱に小生が手を伸ばしたときの心境は思い出せませんが、しかしこれが小生の techno 入り口であったことは明白なのであります。それにしても青箱は大きすぎですよね。置き場に困ること甚だしい。
 設立 3 年目にしての compilation ということで、当時看板張ってた面子による楽曲持ち寄りな album になっております。tr.1 Co-Fusion "Torn Open" の快活な breakbeats でまずは露払い。続くは Dan Curtin に Max Brennan の techno 保守本流節。Dego 別名偽の tr.4 を経て、tr.5 には今は亡き Rei Harakami 師匠の "rho2" で涙腺崩壊、tr.6 に Prism こと Susumu Yokota、tr.7 に Why Sheep、tr.8 は Okihide と techno 職人の技が並び、tr.9 SK8 は Tsutchie の別名偽 track が。SHAKKAZOMBIE も album 出ませんねー。終盤にはサワサキヨシヒロのどらんべな tr.10 と Flare a.k.a. Ken Ishii の tr.11 で締め。当時の Sublime の総力戦な布陣による compilation で、どの track も余力があるというか、作り込まれてない雰囲気を称えている。それが青さであり、それが可能性。完成しないというその姿が既に美しい、そういう未成熟な美しさを切り取ったような album と言えるでしょう。
 今の Sublime は何だか停滞気味ですが、かつての冒険心を再燃させて頂きたいとは思っております。

log modified: 2012/12/19 03:11:32 JST

2012.12.19 (Wed)

Vienna Philharmonic Orchestra (conducted by Karl Boehm) / Overtures & Preludes

 Vienna Philharmonic Orchestra 演奏、Karl Boehm 指揮による、Wagner の前奏曲・序曲臭。1981 年録音。
 今日の帰宅中にとある phrase を思い出したものの何の曲か思い出せず暫く悶々としたのですが、数分後にはこの CD の存在を思いだし聴き直して納得。tr.1 "Die Meistersinger von Nrnberg" の phrase でした。昔は車の CM でも使われてましたね。最近は TV 観ないので CM で何の曲が使われてるのか知らんのですが。Wagner が使われるならそりゃ高級車なんでしょうよ。
 この CD は恐ろしいことに小生が厨房の頃に購入したもので、Meistersinger もあれば Lohengrin の三幕前奏曲とか Tanhaeuser 序曲とかも収録しており、Valkyries を覗けば Wagner の pop な代表曲が把握出来るお手頃な作品になっております。でも固くて生真面目すぎるんですよね Boehm の指揮作は。良くも悪くもそつがない、安定感はあるが面白みもない、まぁそれが Boehm らしい楽典との接し方なのでしょう。

log modified: 2012/12/20 02:30:02 JST

2012.12.20 (Thu)

Saeko Suzuki & Tomisiro / Rinne no Lagrange Season 2 Original Soundtrack

 TV anime 「輪廻のラグランジェ Season 2」の original soundtrack。2012 年発表。
 佐藤竜雄が総監督を務めた series ではありますが、同時期に監督として携わった「モーレツ宇宙海賊」に比べれば竜雄色が薄めというか、やっぱ robot anime な趣向が学園 vs 宇宙な舞台観にそぐわなかった印象があるのですよ。つーても国政とジャージ部が繋がっておるという点は流石の竜雄節な気がしなくもないですが。
 でもって season 2 の OST。前半日常系、後半戦闘系という構図は OST1 と同じですが、ambient な音響系の音像が多いという点は season 1 との差別化で意識的にやってたことでしょう。本編ではあまり意識しませんでしたが、とろにか系との親和性も高し。でもこの album の白眉は tr. 14 "Flower in Green" でしょうな。正統派の vocal house でかなりメロ立ちしてます。tr.32 には "ジャージ部魂" も入ってます。あにめ OST では近年ぱっとしたものが出てきてない印象ですが、こういう新機軸は大いに歓迎したいものであります。

log modified: 2012/12/21 02:14:48 JST

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