Noisy Days in April, 2011

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2011.04.21 (Thu)

The Black Crowes / The Southern Harmony And Musical Companion

 めりけんの southern rock band、The Black Crowes の 2nd album。1992 年発表。
 黒鴉といえばこの album、と仰る方も多かろう 2nd album であります。かく言う小生も黒鴉で 1 枚選ぶならこれですね。tr.1 "Sting Me"、tr.2 "Remedy"、tr.3 "Thorn in My Pride"、tr.6 "Hotel Illness" と、彼らの代表曲として挙げられる track が多いってのもその理由ですが、前作ではまだ直球 hard rock な面影があった黒鴉、この 2nd では band の持ち味である粘着性高めの暗黒南部な泥臭 rockin' groove が全面開花、Chris Robinson の音程外しまくりで逆に soulful な歌い上げに繋がってしまう vocal も、just なシバキを微妙に外してヨレた rhythm を繰り出す Steve Gorman の drums も、サビで否が応にも持ち上げにかかる姉ちゃんズの gospel chorus も、HR な重圧はそのままながら様式美とは無縁の湿原音響を轟かす Rich Robinson と Marc Ford の twin guitar も、時折挟まれる piano や ele-p も、全てが loose で groovy な泥濘に埋もれていつぞや世界は脳内お花畑でアヘアヘな極彩色に染められてしまうという、正に 90 年代の南部 flower children な album になっておるのでありました。
 Bon Jovi が清水の高台から飛び降りるような面持ちで飛び込んだ 90 年代 roots rock への風潮に、遺伝子 level で適応してしまったのが黒鴉のトンデモな個性でありました。まぁ、逆にそれが彼らの限界というか枷にもなってしまい、後々の行き詰まり感に繋がってしまう訳ですが、この 2nd はまだ彼らの pop 志向と南部 rock 魂が幸福な balance で手を取り合っていた時期ですので、その意味でも貴重な timing に生まれた傑作と言うことができるでしょう。
 今回聞き直してみて、Chris Robinson の singer としての発想力の凄まじさに、改めて心打たれた所存であります。からおけに黒鴉の曲が登録されていても小生には歌える自信がないわ。いや音程が合わんとかそういう level の話ではなく、曲のツボを押さえた上でいかに外して際どい groove を生み出すか、そういう発想が rock 的というより jazz 的な飛躍から生まれているのがこの人の声なのですよ。生まれながらの soul 野郎の歌唱としか言えない。こういう singer が出てくるところがめりけんの底力と言うか、method 至上の発想では出てこない野生の歌手なのでありましょう。恐るべし黒鴉。

log modified: 2011/04/21 14:04:16 JST

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