Noisy Days in April, 2008

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2008.04.11 (Fri)

Newworldaquarium / The Dead Bears

 Newworldaquarium の 2007 年作。delsin から。
 これまた detroit techno の europe 解釈な album でありますが、清涼感ある白玉と minimal な展開で groove 地獄に引き込んでいく類のものであります。聴きやすいので疲れたときにはこれくらいが丁度良いですな。

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 いつの間にやら xbox arcade で斑鳩の配信が始まってますな。小生苦手の treasure 製 stg ですが、ゆるゆると遊ばせていただきます。

log modified: 2008/04/11 20:20:11 JST

2008.04.12 (Sat)

[movie] Ultraviolet

 Kurt Wimmer 監督作品、2006 年。
 近未来、細菌兵器の汚染により Hemophages と呼ばれる感染者が増加する。Hemophages になった者は超人的な能力を持つが、人間はその力を恐れ、Hemophages は隔離・排除されるようになる。その世界を牛耳る巨大製薬会社で、Hemophages を根絶やしにする最終兵器が作られるが、Hemophage の戦士 Violet (Milla Jovovich) はその兵器を盗み出すことに成功する。だが、兵器の正体は 9 歳の子供 Six (Cameron Bright) だった。製薬会社の長 Daxus (Nick Chinlund) は Violet から Six を奪い返すべく部隊を送り込むが、かつて幼い息子を殺された過去を持つ Violet は、Six を守ろうと決意する……。

 全編これ Milla Jovovich 礼賛な映画で、CG も駆使して色替えしたり、武器振り回してあちょーあちょーしたりします。しかし CG 使いすぎだったり Violet 強すぎだったりお話がぺなぺなだったりでどうにも燃えん。こういう映画観ると "Kill Bill" は傑作やったなぁと思いますな。

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 実家の父が退院したとのこと。

log modified: 2008/04/14 03:20:20 JST

2008.04.13 (Sun)

[movie] Fantastic Voyage

 Richard Fleischer 監督作品、1966 年。邦題「ミクロの決死圏」。
 物質縮小学の研究は東西両陣営で進められていたが、縮小化はできても持続時間の限界があり、研究は頭打ちになっていた。そんな中、Jan Benes (Jean Del Val) 教授はその持続問題を解決する方法を見出したという。だが Benes 教授は米国に亡命してきたところを敵国の spy に襲撃され、脳出血で倒れる。教授を救うためには細菌並に縮小した潜航艇で脳内に潜り込み患部を治療しなくてはならない。呼び出しを喰らった情報部員の Grant (Stephen Boyd) は、脳外科医の Duval (Arthur Kennedy) とその助手 Cora (Raquel Welch)、循環器の専門医 Michaels (Donald Pleasence)、海軍大佐 Owens (William Redfield) と共に潜航艇に乗り込むことになる。Grant の仕事は外部との通信だが、spy 容疑のかかっている Duval の監視も含まれていた。縮小化されて Benes の体内に入り込んだ潜航艇は、幾多の苦難に見舞われる……。

 質量保存の法則が云々とか人体での酸素補給は大きさ合わないんじゃないのとか縮小化したものが体内に残ってたら時間切れで体突き破ってこないのとか、その辺のツッコミどころは沢山あるでしょうが、着眼点の見事さで名作ですな。
 年代物の特殊映像効果とハッタリ充分な現代音楽で物々しい雰囲気を醸してたり、spy の妨害工作にもめげず任務遂行のため知恵を絞ったりと、仕立てもお話も熱意が感じられる作りになってます。今観ても楽しめる一作でありました。

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 PC はとりあえず復旧したものの、X 起動中に落ちたり firefox が落ちたりでどうも安定せず。
 しかし memory を旧 PC のものと取り替えたら快調に。DDR400 ですが。古いのぅ。

log modified: 2008/04/14 03:24:35 JST

2008.04.14 (Mon)

Richie Sambora / Stranger In This Town

 Bon Jovi の guitarist、Richie Sambora が 1990 年に発表した solo album。
 blues 大好き少年であった Richie が solo で趣味に走りまくった album。なので相応に地味ではありますが、80's AOR な聴きやすさと Richie の普通に上手い歌唱のおかげで、居酒屋の BGM に似合いそうな気安く和める album になっております。歳取るとこういう album に点が甘くなるからいかん。和み自重で。

log modified: 2008/04/15 03:01:34 JST

2008.04.15 (Tue)

James Ruskin / Dash

 何と James Ruskin の新譜であります。"Into Submission" 以来となる Tresor からの 3rd album。2008 年発表。
 metalic な質感の hard minimal を作らせたら右に出る者なしであった James Ruskin でありますが、歳取ったからか長い空白期間故か、この新譜では性急さを抑え、緩めだが腰の座った beat と白玉 synth を feature した、大人向け正当派 techno を展開しております。って、こんなに丸くなっちゃってどうしたの一体、と若干の驚きを禁じ得ぬ作り。前のめりつんのめりだけでは生き残れん、ということでしょうか。
 とはいえこの人の個性を下支えしている acid な taste は未だ健在なので、かつて minimal に毒され抜け出せない廃人窟の住人に処方すれば効果覿面でありましょう。この調子で Tresor には地道に頑張って頂きたいと思うのであります。

log modified: 2008/04/16 03:02:16 JST

2008.04.16 (Wed)

Pharoah Sanders / Message From Home

 押入れから発掘。Pharoah Sanders (ts, ss, etc) の 1996 年作。produce は Bill Laswell。POCJ-9530。
 小生の Pharoah Sanders 体験はこの辺から始まってますので、どうも club jazz な人という印象が拭えないのですよ。free 期の Coltrane band で一躍名を知られるようになった人なのにね。Bill Laswell が produce しただけあって広い空間を意識させる音作りになっており、あまり jazz ぽくはないのですが、Pharoah の soulful な blow は存分に楽しめる作りとなっております。これまた疲れた時に聴くと沁みますなぁ。

log modified: 2008/04/17 03:16:09 JST

2008.04.17 (Thu)

Anderson Bruford Wakeman Howe / Anderson Bruford Wakeman Howe

 Yes 分裂中の 1989 年に発表された ABWH の 1st album にして last album。Arista の A32D-83。
 80 年代 Yes の pop 路線に嫌気が差した Jon Anderson が本家を離脱し、昔の Yes っぽさを求めてかつての仲間を召喚して冒険に旅立つの巻でありますが、出来上がってみれば Jon の solo album に Yes ぽい arrange が凝らされているといった風情の new age な音なのでありました。そもそも 80 年代 Yes の pop 寄せは Jon の極楽気象が呼び込んだものではなかったか。してみれば本家より ABWH の方がやたら positive に聞こえるのも道理かと。
 昔の面子を揃えたとはいえ 70 年代 Yes の緊張感には遠く及ばない happy prog rock でありますので、いざ聴き直してもあまり印象には残りません。まぁ、"Union" への踏み台に使われたと考えればこれはこれで外せない album ではあります。

log modified: 2008/04/18 02:49:14 JST

2008.04.19 (Sat)

[movie] Casino Royale

 Martin Campbell 監督作品、2006 年。邦題「007 / カジノ・ロワイヤル」。
 二人の裏切り者を処理して 00 の称号を得た MI-6 の秘密工作員 James Bond (Daniel Craig) は、犯罪組織の資金源を探るうちに大物投資家の Le Chiffre (Mads Mikkelsen) に目を付ける。Le Chiffre は、世界中の闇金運用を裏の生業としていた。Le Chiffre の仕掛けにより新型旅客機の爆破計画が進められるが、いち早くそれを察知した Bond の活躍により爆破計画は未遂に終わる。その爆破計画で大儲けするはずだった Le Chiffre は逆に多額の負債を抱え、それを巻き返すべく Montenegro の Casino Royale で一攫千金を画策する。Bond は財務省の調査員 Vesper Lynd (Eva Green) や仏諜報部の Mathis (Giancarlo Giannini) の助力を得つつ、Casino Royale で Le Chiffre を負かすよう命じられる……。

 今回 theme を歌ったのは元 Soundgarden にして元 Audio Slave の Chris Cornell ってことで、この人の声がまさか正調英国 action movie で聞けるとは思いませんでしたねぇ。出世したものです。いや出世っていうのかこの場合。
 小生は 007 というと Pierce Brosnan の印象があるので、お話の方も荒唐無稽の似非お子様向け娯楽映画を期待してしまうのですが、今回は大人な James Bond 像を狙ったらしく、Daniel Craig は格好良く suite を着こなす伊達男として描かれております。これはこれで悪くないのですが全体的に地味な印象はありますなぁ。終盤であっさり MI-6 に mail で辞表を出すところは思わず笑ってしまい、M (Judi Dench) から電話で「辞表の件は後にして」と軽くいなされるところでまた笑ってしまう訳ですが、笑い所はその辺りのみで、主眼は如何に Daniel Craig をかっちょよく撮るかに掛かっておるようです。しかし、しかし何か足りん、足りんのだ。やはり Bond にはアホみたいな stant してほしいのです、漢浪漫な Bond なら Michael Mann に撮ってもらえばええのです。ああでもそれだと銃一発で Bond 死んじゃいそうだな。
 恐らく昔ながらの James Bond 好きな方には受けるでしょうが、小生には似非大人向けすかしっぺ映画としか思えず。残念であります。

筒井 康隆 『わたしのグランパ』

 先日読了。文春文庫版。
 五代珠子が中学生のとき、刑務所に入れられていた祖父の五代謙三が出所して珠子の家族と暮らし始める。「ゴダケン」の通り名で親しまれる祖父は、顔の広さと持ち前の侠気で、珠子の周囲で起こる様々な事件を解決していくが、それはやがて新興やくざとの諍いを招くことになる……。

 筒井康隆の juvenile 小説でありますが、どうも型にはまると筒井節は抑えめになるようで、話が明後日の方向へすっ飛んでいくあの感覚はこの小説では味わえませぬ。その分、処世に長けた爺様と、その血を継ぐ一本気な少女の交友物語として綺麗にまとめた印象。おっと、若干マリみてな趣向もあるので、そういうところで juvenile ぽさも強調か。ゴダケンもしたたかなら筒康もしたたかであります。

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 XBLA 版の斑鳩、continue しまくってやっとこさ all。rank a なんて夢のまた夢だわさ。

log modified: 2008/05/01 04:20:15 JST

2008.04.20 (Sun)

[movie] The Straight Story

 David Lynch 監督作品、1999 年。
 Iowa 州 Laurens に住む 73 歳の Alvin Straight (Richard Farnsworth) は、娘の Rosie (Sissy Spacek) と二人で慎ましく暮らしていたが、寄る年波には勝てず、視力は落ち足腰も弱り、杖二本付かないと歩けない老人だった。ある日、Alvin は Wisconsin 州の Mt.Zion に住む兄 Lyle (Harry Dean Stanton) が脳卒中で倒れたとの知らせを受ける。Alvin は 10 年前に兄と口喧嘩して以来、ほぼ絶縁状態だったが、その知らせを聞いて兄の元へ駆けつけようと志す。Mt. Zion は数百 km 先、免許を持たない Alvin は車での移動はできない。そこで Alvin は常用している芝刈り機に荷台をくっつけて旅に出る……。

 David Lynch にしてこのド直球振りはどーよ。爺様が兄貴に会うため旅をするという road movie であります。旅の途中で家出娘と飯食ったり急な坂を滑降して車ぶっ壊したりと色々ありますが、困った時には心ある人々に助けられ、また人生経験の豊かさ故の機転もあって、爺様の一人旅ながらもどこか安心して観ていられる映画になっております。
 爺様の夜語りは説教臭くもありますが、自分の半生を見つめなおし、若かりし頃の過ちを悔い、改めて家族や肉親への愛情を再確認するという、人生の晩秋が滲む趣向になっております。Lynch らしからぬ直球映画ながらも心に沁みる一品でありました。

[comp] urxvt

 現在常用している mlterm も悪くないのですが、fluxbox で窓最大化したときに背景透過が上手く適用されず、小窓背景時の画像を tile してしまうという不具合が昔からあるのですよ。窓を動かせば直るんですが最大化した上で動かすてのも気持ち悪いし鬱陶しい。
 ということで、今更ですが代替案を検討したところ、urxvt で何とかなりそうじゃわいと。
 とりあえず以下の option で起動させるといい感じでありました。


$ urxvt -ip +sb -fg white -bg black -bc -tint dimgray -fade 20 \
-fn "[codeset=JISX0208]x:-*-*-medium-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*" \
-fb "[codeset=JISX0208]x:-*-*-bold-r-normal--14-*-*-*-*-*-*-*" \
-fi "[codeset=JISX0208]x:-*-*-medium-i-normal--14-*-*-*-*-*-*-*" \
-fbi "[codeset=JISX0208]x:-*-*-medium-i-normal--14-*-*-*-*-*-*-*"

 解説すると、ip で背景透過、sb で scroll bar (off)、fg で foreground color、bg で background color、bc で blinking cursor (on)、tint で背景との色混ぜ、fade で losing focus 時の fade、fn と fb と fi と fbi はそれぞれ normal font、bold font、italic font、bold italic font の指定であります。詳しくは urxvt の help 参照。
 urxvt であれば窓最大化しても真面目に背景透過するので mlterm よりいい感じに使えます。とはいえ ui の総合力では right click & ctrl で menu 呼び出せる mlterm の方が上手ですが。まぁ、日記書く時には窓最大化することが多い小生ですので、urxvt は今後も使えそうな雰囲気であります。

町田 康 『パンク侍、斬られて候』

 角川文庫版で先日読了。
 ひたすら腹を振ることで解脱に至る、というのが近年勢力を拡大する腹ふり党の教義であるらしい。黒和藩に流れてきた牢人の掛十之進は、腹ふり党の恐ろしさを家老の内藤帯刀に訴え自らを売り込む。藩内の勢力争いで一歩抜きん出たい内藤は掛を利用して政敵の大浦主膳を追い落とそうと画策する。掛はその超人的剣技と舌先三寸で押し寄せる試練を捌いていく……。

 町田康といえば小生は glory との album "どうにかなる" を思い出します。日本語の rock であれだけ言葉が刺さってくるものも珍しい。とぼけているようで実は死と隣り合わせなギリギリ感が怖ろしい album でありました。聴き直したいが CD は誰かに貸したまま戻ってきてないような気がします。持ってった貴方に倖いラッキー。
 さて小説としては初の町田康体験でありますが、言葉の暴力に長けた町田康の小説でありますから、やはりここでもぐりぐりと読者の内腑を抉る言葉攻めが繰り出されているのでありました。掛十之進の遍歴を軸に据えつつ話は脱線を繰り返し、アホ人間への扱き下ろしやダメ人間のダメさ加減が延々と綴られます。この人の制限解除ぶりは尋常ではなく、頁を開けばバカだアホだのと軽々しく口に出されており、世が世であれば速攻有害図書指定でありましょう。しかしこのアホバカ論議も喧嘩論法に則った正当性があるものだから妙に納得させられたりもして非常に危険。こりゃ迂闊に読んで影響受ける人多そうですな。
 で、話の方は腹ふり党本体は既に壊滅とかで、嫌でも腹ふり党に襲われねば顔が立たない内藤は似非腹ふり党の騒動を画策。それが火遊び程度で収まれば良かったものの本格的に活性化してしまい藩が危機に陥る、といった塩梅。個性的な character があちこちでどたばたしておる内に黒和藩 & 猿軍団と腹ふり党の合戦に雪崩込む。この辺りの展開も適当だか神懸っているのだか解らないが面白いから良しとしましょう。最後はお約束のように punk is dead で締め。
 小説でも町田康は町田康でありました。ああ有難や。時代小説もっと書いてください。

log modified: 2008/04/21 08:16:04 JST

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