Noisy Days in August, 2007

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2007.08.21 (Tue)

Clifford Brown & Max Roach / Study In Brown

 Clifford Brown (tp)、Max Roach (ds)、Harold Land (ts)、George Morrow (b)、Richie Powell (p) の面々による 1955 年録音作。小生保有は邦盤 PHCE-4164。
 Brown は 26 歳で世を去り、Roach は 83 歳まで生きた。結構差がありますな……。とはいえこの album を吹き込んだ頃は Roach も三十路そこそこで、他の面子は 20 台なので、若さ溌剌な hard bop になっております。やっぱ勢いあってこその Brown & Roach だよなぁ。
 tr.9 "Take The A Train" での humorous な arrange が印象的な album であります。この人達の演奏はどこを取っても高品質なので、買って損しない系なのです。

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 通勤途中で靴の底がぺろりんと剥がれてしまいました。靴も連日の暑さにやられてしまったか。ということで久々に新調。履き心地はまだ違和感ありますが、まぁそのうち慣れるでしょう……。

log modified: 2007/08/22 01:27:39 JST

2007.08.22 (Wed)

Osunlade / Paradigm

 そういや夏だというのに house を聴いておらんわい、ということで New York の house producer、Osunlade の 2001 年作、Soul Jazz Records の SJR CD52。
 Yoruba の伝統に根ざした音楽を追究する Osunlade でありますが、この album では african tribal 風味は薄めで、大人の夜の house な雰囲気を醸しております。とはいえ african な声ねたは全編に木霊しており、それが素直な四つ打ちと simple な装飾の
元でゆらりと立ち上がってくるのを聴いていると、開放的な気分になったりもします。
 modern な仕立てと伝統の息吹を上手く blend した音ながら、わざとらしさを感じさせない匠の音楽であります。

log modified: 2007/08/23 01:40:11 JST

2007.08.23 (Thu)

Yoko Kanno / Darker Than Black Original Soundtrack

 TV animation 「Darker Than Black 黒の契約者」の original soundtrack。2007 年発表。音楽担当は菅野よう子。全 20 曲。Aniplex の SVWC 7478。
 今回は電子音も strings も控えめで、生音主体の jazz 路線。菅野作品にしてはあまり軸のぶれてない作品、逆に言うと派手すぎず地味すぎずの普通に堅実な音であります。まぁ DTB という作品自体があまり anime 的に冒険してない作りなので、こういう音の方が合ってるんでしょうなぁ。OP と ED はこの際聴かなかったことにして良いでせう。
 Bones & 菅野よう子というと「Wolf's Rain」もありましたが、あの音も個人的には高評価だったり。この組合せの音が肌に合うってことかいな。

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 会社のあれで飲み会。あまり飲まず。

log modified: 2007/08/24 02:57:09 JST

2007.08.24 (Fri)

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 今日も飲み会。某 project の露払いも兼ねて。つーても小生は既に途中離脱しておるのですが。なんだかんだで縁のある project なのですよ。

 その後、某氏の bmIIDX を観賞。よくまぁあんなに手が動くものです。感心。とはいえ酔ってるからか乱調気味でしたが。

log modified: 2007/08/27 03:03:45 JST

2007.08.25 (Sat)

get
  • Laurent Garnier, Bugge Wesseltoft, Philippe Nadaud & Benjamin Rippert / Public Outburst
  • I'm Not A Gun / Our Lives on Wednesdays
[movie] Videodrome

 David Cronenberg 監督作品、1983 年。
 性と暴力の映像で有名な Cable TV 局の Civic TV、その若き社長 Max Renn (James Woods) は、技士 Harlan (Peter Dvorsky) が衛星放送から捉えた映像に興味を持つ。Videodrome と呼ばれるその映像には、とても演技とは思えない拷問の場面が映し出されていた。Max の情婦で radio DJ の Nicki Brand (Deborah Harry) は、Max の部屋で Videodrome を目にしてから SM 的な挙動に走るようになり、果ては Videodrome に出演するため Max の静止を振り切って映像の撮影された Pittsburgh に旅立っていく。Max は映像の製作者が TV の暴力性に警鐘を鳴らしている教授 Brian O'Blivion (Jack Creley) であるとの情報を得て、教授に面会を申し込むが、教授の娘 Bianca (Sonja Smits) に断られる。その後、O'Blivion 教授から Videodrome についての tape が Max の元に送られてくるが、それを観てからというもの、Max は自分の体が変容したり、TV や video tape が生々しく動くといった現象を目の当りにするようになる……。

 いかにもな感じの David Cronenberg 節であります。video tape はビクビク動くわ、Max の腹には割れ目が出来て銃飲み込んじゃうわ、TV に頭埋めてアヘアヘするわで微妙な笑いが込み上げてきます。
 現実と幻覚の境界がふにゃになる映画はそれなりにありますが、Cronenberg の場合は有機物と無機物の融合や、肉体性・暴力性の強調といったところに特色があります。今作はそれに加えて、media の中で生きる存在の不死性や、そこに惹かれ同化を熱望する人間の grotesque さを描き出しております。後の "eXistenZ" の方が現在との繋がりは強いでしょうが、これはこれで見事な作品であります。

diary

 飲み会。松坂牛が美味しゅうございました。

log modified: 2007/08/27 02:52:34 JST

2007.08.26 (Sun)

get
  • Pola / Chiendent
  • Yuji Nomi / TV Animation Bokurano Original Soundtrack
  • Sviatoslav Richter / J.S. Bach: The Well-Tempered Clavier (4CD)
  • The USSR Symphony Orchestra (conducted by Evgeni Svetlanov) / Glazunov: Complete Symphonies (6CD)
[movie] 蜘蛛巣城

 黒澤明監督作品、1957 年。
 戦国時代。謀反の軍勢が優勢との知らせに蜘蛛巣城の面々は籠城を覚悟するが、やがて一の砦の鷲津武時 (三船敏郎) と二の砦の三木義明 (千秋実) が敵を打ち破ったとの知らせが入る。鷲津武時と三木義明は城に戻る途中、謎の老婆から鷲津武時が後に蜘蛛巣城の城主となり、三木義明の息子がその次に城主になることを予言される。城に戻った二人は武勲を讃えられる。己が領地に戻った鷲津武時は、妻の浅茅 (山田五十鈴) から三木義明が城主に予言の事を話せば鷲津武時自身が殺されるであろう、それを斥けるには城主を殺さねばならぬと唆される。鷲津が躊躇っているうちに城主が軍勢を引き連れて鷲津の舘を訪れる。城主の言では鷲津の舘を拠点にして反抗勢力を叩くとのことであったが、浅茅はそれを鷲津を油断させるための虚言と主張する。遂に鷲津は城主を暗殺し、三木に真実を伏せたまま蜘蛛巣城の城主に収まるが……。

 こりゃ Macbeth ですね。つーても小生には Roman Polanski 版の "Macbeth" の方が強烈だったので、黒澤版は特に感慨もなし。霧の中で無駄にうろちょろしすぎ、鷲津が心理的に追い詰められる様があまり描かれてなくて最後が急転直下すぎ、音楽は効果音的でわざとらしい、でもって台詞は聞き取り辛くて観ていて疲れる、という感じであまり良い印象はないですなぁ。
 黒澤映画は肌に合わんということが再確認できた一作でありました。

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 vf5、二段から三段に。たまにはこういう日もありーの。

log modified: 2007/08/27 03:33:16 JST

2007.08.27 (Mon)

Sadao Watanabe / Jazz & Bossa

 渡辺貞夫 (as, fl)、菊地雅章 (p)、萩原栄治郎 (b)、富樫雅彦 (ds)、中牟礼貞則 (g)、宮田英夫 (cabasa) の面々による 1966 年録音作。
 錚々たる面子ですが音の方は普通に雰囲気ものな jazz。姉ちゃんを口説くのに使う BGM、てのがこの session の目的だったに違いない。個人的にはまったく引っかかってこない作品であります。

log modified: 2007/08/28 02:35:23 JST

2007.08.28 (Tue)

Paul Bley / Solo in Mondsee

 Paul Bley の solo piano 演奏。2001 年録音、2007 年発売。ECM の 1786 版ですが、小生保有は日本盤の UCCE-1090。
 Paul Bley の solo piano と言えば "Open, To Love" が有名ですが、ありゃあ今でも小生には解らん音だったりするのです。Keith Jarret や George Winston はまだ聴きやすいですが、あれは仕立が pop だという意味で、逆に言えば jazz ぽくない。その点、Paul Bley や Thelonious Monk の solo piano は jazz ぽいものの、その分、抽象的な音像や free improvisation により全体像が見え辛くなってしまうのです。
 個々の部分を取ってみれば甘美な Paul Bley 節に思わずとろけてしまうわけですが、全体では相変わらず輪郭のはっきりしない音が並んでおります。正座して一心に聴けばまた印象変わるかも知れませぬ。

log modified: 2007/08/29 01:55:12 JST

2007.08.29 (Wed)

Kou Hayashi & Daisuke Nagata / Karous Original Soundtrack - Spring Rain

 Milestone Inc. による縦 STG、Karous の Original Soundtrack。2007 年発表。
 いや実は一度だけやったことあるですよ Karous。人目を忍びつつ easy mode で。正直言って何が起こっているのか解りませんでした。以降触らず仕舞い。coloring は暗いのに演出は pop という辺りがどうもね。
 しかし音の方は相変わらず良好であります。今回は d'n'b 仕立て。game のどらんべと言うと、めろと rhythm を如何に両立させるかという点に腐心するのが従来の pattern 即ち罠なわけで、rhythm の歌わぬ半端な奇形がどんぱか生まれることになるのです。そこであえて metalheadz 的なごりごり d'n'b と効果音的な音響ふりかけで勝負かけてるところが乙な点であります。tr.1 "sky was blue, sky was blue..." の分裂症的な世界観からして既にトンデモな領域に突入しております。tr.4 "1000 clouds" や tr.5 "one thing reality" といった stage 曲も不穏な空気を捕まえていて昔ながらの d'n'b な趣。ううむ解ってらっしゃる。
 それに引き換え remix tracks は前述の罠にはまりこんでいる好例で失望甚だしい。むしろ無くして安くしてくれよと。

log modified: 2007/08/30 02:55:41 JST

2007.08.30 (Thu)

The Cinematic Orchestra / Ma Fleur

 Jason Swinscoe を中心とする jazz unit、The Cinematic Orchestra の 2007 年作。
Ninja Tune の ZENCD122 ですが、小生保有は Beat Records の邦盤 BRC-170。
 氏ね夫は昔からその筋では評判高くて、小生も視聴台でほえほえと聴いてたりもしたのですが、dance beat に色目使っておるのがうざくて購入には至っておらんかったのです。しかしこの新譜はなかなかよろしいですよ。架空映画の soundtrack を想定して音付けしたそうで、確かに音は映画音楽風であります。てゆかこりゃあれですよ、半野喜弘の追っかけ。ということで、半野さんの生音主体な劇伴に馴染んでいる諸兄であれば経穴をぐりぐり突かれてアヘアヘ喘ぐこと必定の album となっております。
 tr.1 "To Build a Home" 冒頭の和音進行からして泣かせにかかるその意気や良。vocal track も随所に配置、展開は minimal で音付けも simple、生音主体で nostalgic な世界へずぶずぶと。手裏剣ちょっぱーな breakbeats をほいほい放る Ninja Tune も、たまにこういう侘寂な禅 album を忍ばせてくるから油断できんですな。
 秋の夜長にどぞ。

海猫沢 めろん 『零式』

 早川文庫版で先日読了。
 歴史改変な世界観を下敷にした特攻少女小説。帝国との大戦に敗れ、その支配下で越えられぬ壁に覆われ鎖国状態にさせられた皇義神國は、半世紀を経て過激な右翼とやさぐれ貧民の徘徊する国になっていた。時代遅れの原始駆動機・鋼舞を駆り、衝動の赴くままに無軌道な生活を送っていた少女の朔夜は、天子と瓜ふたつの小娘・夏月と出会ったことで、やがて壁を越えるための速さを求めることになる。一方、最大右翼の大零翼賛会は、帝国に反旗を翻すため、大戦時代の生き残りである忌三に特攻を命じる……。

 勢いに任せて原始駆動な飛行機やら bike やらで青春小説しちまいましたな趣であります。軍国やら過去のしがらみやら、いろいろ突っ込みすぎて話はいまいち面白うないのですが、勢いとハッタリで突き進んでいくその姿勢は大いに結構。しかしどことなく古めかしい印象が残るのは、自由を渇望するという theme が、壁の存在が明確であった時代を連想させるからかのぅ。
 豪速球を放れる作家さんなことはよく解りましたので次は変化球でお願いします。

log modified: 2007/08/31 03:04:33 JST

2007.08.31 (Fri)

神林 長平 『敵は海賊・正義の眼』
「これは、もう、なんてことだ」とほとんど意味のない言葉しか出せない。「なにをやっているんだ、どうしてこんなことをやらなくてはならんのだ」(page 284)

 同感ですね。早川文庫版で先日読了。
 タイタンに生息するメドゥーサスの保護活動をしているゲラン・モーチャイの元に海賊のヨウメイが現れ、「てめむかつく」とか言って自艦カーリー・ドゥルガーにメドゥーサスを絶滅させて去る。活動から身を引き日々寝太郎のモーチャイだったが、彼は海賊たちをぶち殺し正義を成すという夢を見ていた。一方、海賊課の元には海賊が何者かにぶち殺されているという知らせが届く……。

 series 7 作め。つーても 10 年振りの新作とのことで今までのことはすっかり忘れている小生であります。
 正義の名の元に人殺しを楽しむ hero の是非を問う、というお話なので、やはり観念的な問答が延々と。いつもながらの神林調ではありますが敵海もそのノリでやられると辛いですな。ラテル、アプロ、ラジェンドラの三連星は既に漫才要員としか見られとらんし。まぁ、今回に限ったことではないので特に惜しむ必要もありませんが。
 300 頁で終わる点は評価に値するであります。

log modified: 2007/09/01 15:37:23 JST

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