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本多猪四郎監督作品、1969 年。
海底探査艇で海流調査を行っていた物理学者の田代健 (宝田明)、地質学者の Jules Masson (岡田真澄)、記者の Perry Lawton (Richard Jaeckel) の team は、海底火山に巻き込まれて消息不明になるが、所属不明の潜水艦 alpha 号に救助される。alpha 号の艦長 Craig McKenzie (Joseph Cotten) は、自分達が緯度 0 に基地を持ち、悪の科学者
Malic (Cesar Romero) と戦いを続けていると言う。緯度 0 へ亡命しようとしていた岡田博士 (中村哲) とその娘が Malic に誘拐されたと知った McKenzie は、alpha 号に乗り込み Malic の手から岡田博士を救出するべく戦いに出るが……。
昔ながらの特撮もの。正義と悪の対決話であります。
お話は大して面白くもなく、特撮も時代を感じさせるもの。Malic 博士の尋常でないワハハ振りが見所と言えるでしょうか。本拠地に McKenzie 達が迫りつつあるのに生体実験に熱中しまくる Malic 博士は素敵ですなぁ。
Richard Fleischer 監督作品、1954 年。邦題「海底二万哩」。
19 世紀半ば。船が怪物に襲われ沈没するという事件が続発する。高名な自然科学者 Pierre Arronax (Paul Lukas) と助手 Conseil (Peter Lorre) は米国政府から怪物調査の依頼を受けて軍艦に乗り込み、外海をくまなく探すも、目的の怪物は現れない。だが調査を諦めかけたある日、海上で轟沈する船を発見。そして海中を高速で突き進む怪物に軍艦の艦艇を破られる。海に投げ出された Arronax と Conseil は漂流の後、浮上中の潜水艦に辿り着く。Nautilus 号と呼ばれるその潜水艦は高度な技術で作られており、艦長の Nemo (James Mason) を始めとする乗組員達は陸とは無縁の生活を送っているらしい。Nautilus 号に救助された Arronax と Conseil、それに銛打ちの名手 Ned Land (Kirk Douglas) の三人は、Nautilus 号の様々な冒険を目の当りにする……。
海洋冒険特撮映画。
これは何度か観たことある筈ですが、どうも印象薄いんですよ。最後があっさりしすぎてるからかのぅ。
お話的には Nemo の孤独な戦争が描かれてますが最後まであまり盛り上がらない感じ。あの島潰しただけでは解決にならんでしょうが。せめて次代に托すくらいの気概がないとねぇ。
視覚的には巨大烏賊との死闘が見物か。膃肭臍の芸達者振りも素晴らしい。Kirk Douglas が若僧役で出てますが、やはり信用ならぬ不敵な役回りで、昔からこういう役柄なのねと納得。
UK の techno な unit、Plaid の 1997 年作。Warp 54 ですが日本盤なので SRCS 8458。
Plaid と言えば The Black Dog 脱退組による unit であります。本家 BD より変化球の度合が高いというか、四つ打ち techno と言うよりは electronica な音処理が主体。そこはかとなく安い音色にトホホな哀愁を感じたりもしますが、そこも含めて detroit techno な感性と breakbeats 黎明期のやんちゃさとが歪にしかし分かち難く融合した作品なのでありました。
tr.6 "Extork" は Nicolette の vocal を feature して Portishead 的泥沼を演出し、tr.8 "Fer" ではベタな sine wave で UK 版 Rei Harakami な趣。tr.10 "Rakimou" では Mara Carlyle の清楚な歌声と弦楽の室内楽で techno 越えを果たしたかと思えば、tr.12 "Seph" では哀愁 minimal phrase と breakbeats で electronica への揺り戻しも忘れない。
解放的な listening techno なので普通の人にも聴き易いかと。
George Miller 監督作品、1979 年。
腕利きの警官 Max (Mel Gibson) は、警官殺しで逃走中の通称 Nightrider (Vincent Gil) を車で追い、Nightrider は事故って死ぬ。Nightrider の暴走族仲間達は彼の死に憤慨し、街中での暴力を escalate させていく。Max の妻 Jessie (Joanne Samuel) は夫の身を案じる。そんな中、Max の同僚 Jim Goose (Steve Bisley) が暴走族の手にかかり殺される。Max は警察署長の Fifi Macaffee (Roger Ward) に辞表を出すが、Max を引き留めたい Fifi は、Max に長期休暇を与える。妻子と共に旅に出た Max だったが、旅先にも暴走族が現れる……。
で、妻子を失った男が復讐の鬼と化すってえ話です。映画ではありふれた話ですなぁ。前半ももたもたしておるし、話の締め方もあっけない。長閑な風景と暴力の mismatch さを楽しむ映画か。
音楽担当は Brian May。つーても Queen の人ではなくて同姓同名別人であります。なかなか本格的な orchestration でした。
George Miller 監督作品、1981 年。
二大国の戦争により世界は荒廃し、gasoline を持つ者が強者として君臨する世の中になっていた。流れ者の Max (Mel Gibson) は旅の途中で The Gyro Captain (Bruce Spence) から製油所の存在を知り、そこの様子を窺いに行く。製油所は要塞化しており、また暴走族がその製油所を狙っていた。製油所から何人かが車で飛び出し、暴走族が彼らを追い詰め叩きのめす様を遠目で窺った Max は、暴走族が離れた隙に負傷した製油所の男を抱えて製油所に乗り込む。製油所の中では、製油所を離れて新天地を目指す計画が立てられていたが、その計画に不可欠な oil tanker が無いため、それを調達すべく所外に人を放ったのだった。旅の途中で乗り手が死んだ oil tanker を目にしていた Max は、自分の車の gasoline を分けてくれるなら oil tanker を手配すると製油所の面々に約束し、愛犬と共に製油所を離れるが……。
前作とはうってかわって殺伐荒涼世紀末映画になっております。"Mad Max" つーとやっぱこの image ですな。砂漠で石油で世紀末、荒廃した近未来情景というか只の砂漠、筋骨隆々な賊の面々、頼りなさげな製油所の面々、一匹狼な割にはあちこちで抜けた醜態を晒す Max。でもって話の最初と最後の爺さま語りで世紀末救世主伝説の出来上がりでござい。うおお、お手軽、素晴らしい。
相変わらず action scene が冗長ですがむしろそれしか見所が無い。早回しで観るとそれなりに面白い映画でありました。
George Miller & George Ogilvie 監督作品、1985 年。
荒野の流れ者 Max (Mel Gibson) は飛行機乗りの親子 Jedediah the Pilot (Bruce Spence) と Jedediah Jr. (Adam Cockburn) に自分の駱駝を奪われる。取り戻すべく Bartertown に入った Max は、度胸の良さを街の首領 Aunty Entity (Tina Turner) に気に入られ、彼女から街の energy 工場の主である小人 The Master (Angelo Rossitto) とその守護人 The Blaster (Paul Larsson) に制裁を加えるよう依頼される。The Master の増長振りが Aunty には気に入らず、The Blaster を倒せば The Master は Aunty の言いなりになるだろうというのが Aunty の目論見だった。申し出を受けた Max は energy 工場で悶着を起こし、Max と The Blaster は「二人入って出るのは一人」の殺人闘技場、Thunderdome で決着を付けることになる……。
でもこの Thunderdome 決闘て、意外とあっさり終わっちゃうんだよな。決闘もお互い bungee jumping しながら取っ組み合いするってものなので観ていて何だか微笑ましかったり。何とか雑技団とか Kaleidostar の世界か。
んで Bartertown を追放された Max は野たれ死にしかけたところを子供の国の姉ちゃん Savannah Nix (Helen Buday) に救われるのです。Savannah 達は Max を救世主 Captain Walker と勘違いし、言い伝え通りに新天地へ旅立てると思い込んだりする。わお、宗教。三作めともなると宗教に手を出したくなるのも筋か。んで一匹狼なはずの Max が、この子供の国な面々と共に Bartertown に喧嘩売るってんだから、気分はすっかり怒りのアフガンですよ。Mad Max のくせに時代を先取りしてますな。まぁ、終盤は前作と同じようなノリなので正直観ていて飽きますが。
Tina Turner がえらく楽しそうに演技しております。堂に入った女王様振りにほれぼれ。
音楽担当は前作までの Brian May に代わって Maurice Jarre。percussive な音を強調して不穏な空気を演出しておりました。しかし OP と ED の Tina 歌唱で映画の色決められちゃってます。
ということで Mad Max 三部作の連続観賞でしたが、続けて観たから何がどうなるわけでもなく、いやむしろよくこの調子で三作も続けたなというのが本音。