Noisy Days in November, 2006

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2006.11.11 (Sat)

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  • New York Philharmonic (conducted by Leonard Bernstein) / Holst: The Planets
  • Walter Klien / Walter Klien plays Brahms (5 CDs)
diary

 実家の親父が先日手術したとのことで、お袋は病院に泊り込みらしい。術後の経過は順調だそうな。

 小生は昼まで寝て外出して飲み行って帰宅。
 PS3 な方々はお疲れさまでした。

[movie] Guarding Tess

 Hugh Wilson 監督作品、1994 年。邦題「不機嫌な赤いバラ」。
 Secret Service agent の Doug Chesnic (Nicolas Cage) は、我儘な元大統領夫人 Tess Carlisle (Shirley MacLaine) の警護任務を 3 年勤めあげ、ようやく Washington に戻ってくるが、Tess の根回しにより再び Tess の警護に付かされてしまう。偏屈な Tess の相手はもうこりごりな Doug は、今度は我儘に付き合わず規律通りに仕事しようとして Tess と対立。Tess は Tess で、まるで Doug に嫌がらせをするように Golf に行ったり Opera 観賞に行ったり、Doug の目を盗んで逃げ出したり。喧嘩ばかりしている二人だが、Tess は Doug を自分の息子のように思っており、Doug もまた老いた元大統領夫人の孤独さを理解していく。そうこうするうちに、Tess が何者かに誘拐されるという事件が起こる……。

 我儘婆様と召使のどたばた劇、てのも Hollywood の御手芸ですかな。"Driving Miss Daisy" は名画でしたねぇ。
 でもってこの映画ですが、老いてなお cute な Shirley MacLaine と、弱り顔な駄目男 Nicolas Cage の競演てことで配役はよろしいですが、story の方はほのぼの comedy といった風情で、話の吸引力はいまひとつ。毒のない映画なのでそういうのが好みな方はどうぞ。

log modified: 2006/11/12 02:19:39 JST

2006.11.12 (Sun)

[movie] RahXephon: Pluralitas Concentio

 出渕裕総監督、京田知己監督作品、2003 年。邦題「ラーゼフォン 多元変奏曲」。
 西暦 2012 年の東京。高校生の美嶋遙と神名綾人は両思いの仲だった。年の瀬に帰省で東京を離れた遙だが、その直後に東京が木星のような球状の絶対障壁で覆われてしまう。一方の障壁内では、東京以外の世界は死滅したと考えられており、綾人達は普通の日常を過ごしていた。三年後、東京は何者かに攻撃を受ける。綾人は紫東遙と名乗る成人の女性に導かれ、巨人 RahXephon を駆って障壁の外へ出る。紫東遙の話では、MU と呼ばれる異次元の存在が東京に障壁を作り、障壁の中では時間の進みが遅くなっているのだという。そして、綾人は世界を在るべき姿へ戻すための調律師の一人なのだと。外の世界が健在だと知った綾人は、かつて離れ離れになった美嶋遙の居る世界を守るために MU と戦うことを決心する……。

 いやはや、すっかり love story 仕立てになってしまいましたなぁ。TV 版 remix に劇場用 cut を足した構成ですが、久遠は寝てばかりだし、Mulian 化で記憶が薄れていくといった新要素もありで、TV 版とは区別して考えた方が良さそうですな。まぁ、朝比奈の episode はほぼ丸々入ってますので、それだけでも観る価値はあるかと。
 しっかしなぁ、love story するのに何ででっかいのが要るのか解らんわけよ。でもって Mulian の世になるにせよ人の世になるにせよ世界 reset なわけで彼らは何のために戦っておったのかも解らん。まぁそれを言っちゃあ井出の力とおんなじよ、と言えなくもないでしょうがあっちは世界漂白できるだけの mysterious さがでっかいのんに宿っておったからそれなりに納得できるものの、こっちの方は love story なのにでっかいのんが世界漂白してしもうて残る者には望み通りの過去を与えてお終いですぜ、大体 noise の多い過去世の情報しかないのにその中から望み通りの過去を得ても調律師から見れば塵みたいな物しか出てこんのではないか、ああそうか、だから調律師になった綾人はおばさん (失礼) に自分の人形与えてポイ捨てしたのねと一人納得。
 と、何だかけちょん 2 倍でごめんなさいなのですが、きっとこの作品に煮えきらない感想を抱いた赤根和樹があの傑作「noein」を作ることになったのであろうと勝手に推測するのであります。そういや「noein」の主人公もハルカでしたな……。
 橋本一子の音楽は針振り切ってて最高でした。

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 某所で vf5 公式大会。小生は未熟者なので観戦のみ。ああいう人達に勝てる気はしませんな。

log modified: 2006/11/13 02:32:27 JST

2006.11.13 (Mon)

Glen Wilson / Buxtehude: Harpsichord Works

 Glen Wilson (harp) による Buxtehude の harpsichord 曲集。Naxos の 8.557413 番。
 Dieterich Buxtehude (1637-1707) は Denmark 生まれの音楽家で、Bach のお師匠さんと言われている人であります。主に organ 曲が有名で、華やかさよりも重厚さ、軽妙さよりも豪快さに力点の置かれた展開が特徴であります。Bach の鼻から牛乳も Buxtehude 師匠あってこそと言えるのであります。鼻からコーヒーと牛乳はスパルタカスだったっけ。そういう話は置いといて。
 organ 曲ほど有名ではないにせよ、Buxtehude には harpsichord の楽曲も幾つかあって、この album には "La Capricciosa" (BuxWV 250) という 32 の変奏曲集が収められております。一説では Bach の "Goldberg Variations" にも影響を与えたとか。まぁ、Goldberg ほどきっちり作りこまれてる感じではないですが。
 あと、"Suite in G minor" (BuxWV 241) の組曲は Buxtehude にしてはしみじみ聴かせる佳曲であります。
 Glen Wilson の演奏は情が若干強い部分もありますが概ね真面目な弾き方ですので聴きやすいです。なかなかの良盤。

log modified: 2006/11/14 02:19:26 JST

2006.11.14 (Tue)

Japanese Synchro System / The Elaboration

 Calm や Organ Language として有名な FARR と、The Blue Harb の一員 Boss The MC こと Ill-Bosstino の二人による、Japanese Synchro System 名義作。2006 年発表。
 うーむ、こりゃまた微妙な音ですなぁ。FARR の track は音数多くても音が外に開けているってところに特色があると思ってるんですが、今回の相方は声な人なので、音は自然と絞られてしまうわけで。organic な世界観は相変わらず感じさせるものの、どうにも小粒な印象が拭えないのです。声ねたも新機軸には違いないですが、Silent Poets の成熟の後ではやはり薄味でどうも熟れてないような印象。
 個々の曲を丁寧に作ってあるのは好感が持てますが、予想以上の化学反応は起こらなかったということですかねぇ……。

log modified: 2006/11/15 01:55:37 JST

2006.11.15 (Wed)

Bebo Ferra & Paolino Dalla Porta / Aria

 Bebo Ferra (classical & acoustic guitar) と Paolino Dalla Porta (double bass) の二重奏 jazz album、2004 年録音の 2006 年発売。obliqsound より。
 何の予備知識も無しに店頭で jacket を見て「何だよ鴎じゃんかよ RTF かよふーん」と物々言いながら通り過ぎようとしましたが裏面で Ralph Towner がこの album を褒めておったのでついつい購入。いや title も Aria だしさ。別に小娘の水先案内人を期待したわけではないよ。
 Bebo Ferra も Paolino Dalla Porta も italy の jazz player として有名な方らしいです。で、この二重奏は ECM 的な端正さを湛えつつ、歌心を感じさせる melody を聴かせる、耳に優しい音楽になっております。大半は original の楽曲で、前半は classical な構成美の光る演奏、G. Gershwin 作曲の tr.6 "My Man's Gone Now" を挟んで、後半は南国情緒溢れる軽妙かつ rhythmical な演奏が展開されます。とはいえ仲良しこよしの惰性な play ではなく、激しい interplay も随所で聴かせるので、全編に筋の通った緊張感がある完成度の高い album に仕上っております。Paolino Dalla Porta の重厚かつ鋭い絡みは特に聞き物でありましょう。Bebo Ferra の whispering しながらの adlib も場に違和感無く溶けこんでいて良好。
 穏やかな光に包まれた、二人の音楽家の対話集。natural な演奏に泣ける一枚であります。

diary

 朝の通勤途中で鳩に糞を引っかけられる。ちっ。次に会ったら鳩麦茶にしてくれるわ。

log modified: 2006/11/16 02:05:53 JST

2006.11.16 (Thu)

Ayako Otsuka / Zegapain O.S.T.2

 TV animation "Zegapain" の Original Soundtracks、二枚め。音楽担当は大塚彩子。
 曲の variation は多くないと思いますが、あの手この手の arrangement で飽きずに楽しめます。同じ曲でも Zabadak 風だの室内楽風だの horror 映画風だの、といった塩梅。robot anime らしい雄壮重厚な orchestration もありますが、やはり基調は穏やかな心象風景描画で、豊かな弦の響きに心洗われるのであります。
 歌ものも、op と ed は long version、挿入歌もほぼ収録ということでありがたやありがたやと。どうせなら "and you" も入れとくれよというのはねだりすぎか。
 ちなみに tr.23 "滅びるもの,よみがえるもの" は Mahler の交響曲から詩を借りておるらしい。某ハルヒでも Mahler 使われておったし、観念 anime で Mahler を引くのは eva 以来の伝統なのかのぅ。

log modified: 2006/11/17 02:26:27 JST

2006.11.17 (Fri)

小森 健太朗 『グルジェフの残影』
「現代のロシアでは、トルストイやドストエフスキーをはじめとした、偉大な文学芸術が開花しています。その文学をどのように評価なさいますか?」
 その問いに、G は答えた。
「そういった <文学> と称する作品は、暇つぶしの気晴らしとして以上の価値はない。現代の芸術は、すべて主観的だ。すべてが機械的な所産で、既存のものの模倣か再生産、主観の感情や幻影を紡いだものにすぎない」(page 130)

 文春文庫版で先日読了。
 二十世紀初頭の Petersburg。彼女に振られて自殺しようとしていた青年オスロフは、通りがかった神秘思想家ウスペンスキーに声を掛けられて自殺を諦め、ウスペンスキーの思想に傾倒する。一方のウスペンスキーは知人の紹介で出会った怪しげな思想家 G に影響され、G の活動に協力するようになる。ウスペンスキーの影響で G の思想にも触れたオスロフだが、オスロフは G が胡散臭い山師に思えてならない。オスロフは G の過去を探ってウスペンスキーの目を醒まさせようと調査を始めるが、その頃 Russia には革命の嵐が吹き荒れようとしていた……。

 いちおう mystery という体裁を取っていて、物語終盤では殺人事件も起こりますが、主にウスペンスキーがグルジェフとつるんでいた頃の評伝になってます。二人の思想の一端を知るには良い小説、mystery としては物足りない、というのが第一印象。
 いやしかしね、この小説の mystery ぽい部分てのは終盤の殺人事件だけではなくて、「ウスペンスキーが何故グルジェフの元を離れたのか」という謎の解明にあったんじゃないですかね。それを語るために、帝政 russia と Bolsheviks の内乱、グルジェフの spy 容疑、さらにはグルジェフとスターリンの関係にまで言及していく。そして、ウスペンスキーはグルジェフの思想を理解したが故にグルジェフを許せなかった……と進めていく。展開に強引なところもありますが、volume の割には上手くまとめたように思います。力作。

log modified: 2006/11/18 15:34:49 JST

2006.11.18 (Sat)

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  • Yoshihiro Hanno / Unknown Millennium Mambo & All Tomorrow's Parties
  • Heiko Laux / Waves
diary

 vf5、初段から一級に降格。しばらく前から赤棒だったのでむしろ落ちた方がいいや、と負け惜しみ。まだまだ渋さが足りない自分であります。

 row さんらと合流して飲み。一人で blue note にゃ入りにくいとな。その気持ちは解らんではないよ。

[movie] Cellular

 David R. Ellis 監督作品、2004 年。
 学校の生物教師をしている Jessica Martin (Kim Basinger) は、息子の Ricky (Adam Taylor Gordon) を学校に送り出した後で自宅に戻ったが、そこで謎の男たちの襲撃を受け誘拐されてしまう。見知らぬ納屋に閉じ込められた Jessica の目の前で、leader 格の男 Ethan (Jason Statham) は納屋付きの電話を叩き壊して扉に鍵を掛ける。彼らの目的が解らない Jessica だが、このままではいずれ殺されると思い、電話の配線を何とか繋ぎ直して何処とも知れぬ誰かに助けを求めようとする。その電話は遊び人の若者 Ryan (Chris Evans) の携帯電話に繋がったが、Ryan は最初それを悪戯と思い本気にしなかったが、Jessica が Ethan に脅迫されているのを耳にして Jessica の境遇を信じる。だが警察は本気で取り合おうとせず、犯人たちは Jessica の息子 Ricky も誘拐しようとしていると知った Ryan は、自ら Jessica 親子の命を救おうと行動する……。

 期待せずに見たらば意外と楽しめた B 級 thriller でありました。Cellular を title に冠するだけあって、携帯電話の機能や特性を生かした story となっております。電話回線の混線だけは何だか眉唾ですが、それが元で弁護士のおっさんから高級車巻き上げることになるので、お話としてはありかのぅ。
 軽い乗りながら主役級の方々の演技はなかなか。おとぼけ熱血警官 Mooney (William H. Macy) も終盤大活躍で満足であります。快作。

log modified: 2006/12/27 21:49:35 JST

2006.11.19 (Sun)

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  • Glenn Gould / Glenn Gould plays Mozart (4CD)
  • Hakon Austbo / Janacek: Complete Piano Works (2CD)
  • Thomas Rajna / Granados: Complete Piano Works (6CD)
  • Date Course Pentagon Royal Garden / Musical from Chaos (2CD)
  • 森 博嗣 『四季 春』
  • 森 博嗣 『四季 夏』
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 vf5、初段に復帰。相変わらずへぼへぼです。

[movie] Honkytonk Man

 Clint Eastwood 監督作品、1982 年。邦題「センチメンタル・アドベンチャー」。
 大恐慌時代の USA。Oklahoma の農場で暮らしていた Whit (Kyle Eastwood) とその家族の元に、叔父の Red Stovall (Clint Eastwood) が転がりこんでくる。Red は地元で有名な country-western singer で、Nashville の the Grand Ole Opry での audition に招かれていた。酷い砂嵐のために Whit の一家は土地を捨て一路 California へ向かうが、Red は Whit と祖父 (John McIntire) を連れて Nashville に向かう。途中で鶏泥棒や借金取り立ての手伝いをやらされながら、Whit は Red の生き様に共感していく。だが、Red は肺病にかかっており、余命いくばくもなかった……。

 ろくでなしな叔父と少年の road movie。肺病持ちで酒呑みのろくでなしだが歌には一途な男の美学を貫く Red の姿は如何にもこの頃の Clint Eastwood な hero 像なんですが、今回は子供連れということで若干 comedy touch。つか、Eastwood は柴田錬三郎好きに違いないと思ったり。なわきゃねーか。それにしてもこの邦題は何とかならんかったのか。
 この手の映画では子役の生かし方が腕の見せ所と思いますが、Whit は今一つ個性に欠けていて、Red の引立役としての位置付け以上のものは感じられません。最後に Red の guitar で一曲演りますが Red の衣鉢を継ぐって感じではないしなぁ。まぁ、闘牛の真似事したりお姉ちゃんと仲良くなったりと色々人生経験はしたようですので、これからも強く生きていってもらいたいものです。あ、今は jazz 屋さんですか。元気そうで何より。

log modified: 2006/11/20 02:41:20 JST

2006.11.20 (Mon)

Squarepusher / Hello Everything

 花の子どりるんこと Squarepusher の 2006 年作。
 言っちゃ何ですがまたまた集大成です。即ち bass 弾き倒してどりるんでぽよぽよ synth です。この人はどりるんから始まって、どりるん飽きたら人力どらんべかまして、諸国遍歴して己の身の丈を知ってからは自分の引出し引っかき回しては album を捻くり出すという pattern に嵌まってしまってますので、career 10 年にして既に集大成な album しか出しようがないという点で Jeff Mills と同じ道を歩んで居ると言っても過言ではないのです。今回も既視感ぶりばりのどっかで聴いた phrase とどりるん、まとまり度外視の自家製 drums に bass にほえほえ音響、でもって何処をちょん切っても Squarepusher な音に仕上っております。
 まぁ今回は melody 重視らしくて、初期の特色だった sentimental な赤裸々青春どらんべと歌いまくりの bass が堪能できるわけですが、drums の線は昔に比べれば随分すっきりしてしまって、初期の予測不能かつ歌心ある drums を愛聴していた小生はちと寂しいのです。album の tone もどらんべ一辺倒ではなくてやっぱり集大成なので通して聴いた印象も散漫な感じ。うーむ、微妙。
 でもこの人はこの路線で良いんでしょう。この調子で活動すればどりるん国宝に認定されるのも時間の問題なり。頑張れ Squarepusher。

log modified: 2006/11/21 02:32:05 JST

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