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Andrew Bergman 監督作品、1992 年。
優柔不断な私立探偵 Jack Singer (Nicolas Cage) は、長年恋人関係にあった Betsy (Sarah Jessica Parker) と結婚するため、二人で Las Vegas を訪れる。Vegas では Elvis 祭が行われており街中 Elvis Presley のそっくりさんが闊歩していた。丁度 Vegas を訪れていた大物賭博師 Tommy Korman (James Caan) は、hotel に check in しようとしている Betsy を見て吃驚。Betsy は Tommy が先年亡くした妻 Donna の生き写しだった。Tommy は式を挙げる直前の Jack を poker に誘い、見事に Jack を素寒貧に晒しあげる。Betsy と暫く付き合わせてくれるなら借金は無かったことにするとの Tommy の申し出を Jack は断れず、Betsy もぷりぷりしつつ Tommy と付き合い始めるが、二人はすぐに意気投合、Hawaii の Tommy 別邸で vacance と洒落込む。このままでは Betsy を寝取られてしまうと危機感を抱いた Jack は、二人を追って Hawaii へ飛ぶが……。
特に笑い所のない comedy movie。Nicolas Cage は駄目男の役が似合うのぅ、という印象しか残りませんな。
Peter Serkin (piano)、Richard Stoltzman (clarinet)、Fred Sherry (cello)、Ida Kavafian (violin) の四人で結成された ensemble Tashi による、Messiaen 作曲 "世の終わりのための四重奏曲" の演奏であります。1975 年録音。ちなみに小生が聴いているのは BMG Japan から出た 1997 年盤の CD であります。
丁度世紀末だったからとか何とかの理由でとりあえず購入したような album だったのですが、計らずも小生が Messiaen と Peter Serkin に入れ込む要因になってしまった罪深い album なのです。現代音楽なんてぴーきゃららでばこーんでずぎゃぎゃぎゃな変態音楽じゃろうという先入観は未だにありますが (爆)、ヨハネ黙示録を題材にして神の奥儀を顕現せしめるこの楽曲は、訳解らんところも含めて全てが美しい。Peter Serkin らもこの頃は若くて、時には大胆に荒々しく、時には壊れそうなほど繊細な演奏を披露。小生にとっては一生聴ける名演奏であります。
ちなみに武満徹の "Quatrain II" も収録されてますがこちらは全然ぴんとこない曲調で、普通に駄目な現代音楽であります。
Rovo や Boredoms の guitarist、山本精一が acoustic guitar で弾き語る一枚。2003 年発表。
一聴、お笑い folk song な印象で布団相手に七転八倒してしまうわけですが、多分ものすごーく真面目に演奏しておると思います。決して上手いとは言えない声でほえほえと歌ってますが、そのほえほえな声が何時の間にやら心の奥深くまで侵蝕して我々の意識を支配していくのであります。無防備さを盾にして heart に切り込むという捨て身の一撃をずばずば見舞われている感じ。
意識せずに日本語を聴いてしまう歌というと、小生は町田康や BJC を思い出すのですが、山本精一のこの album からも同じ匂いを感じますな。普通に見えて普通じゃない。これこそ日本の rock です。笑って泣いて傾聴。
As One 名義でも知られる UK techno 界の良心 Kirk Degiorgio と、vocalist の Simon Jinadu による project、The Beauty Room の album。2006 年発表。
全く毒気の無い UK urban soul な音であります。Kirk Degiorgio と言えば detroit techno follower として有名ですが、まぁ昔から 70 年代の jazz や soul が好きとも公言してて、Offworld なんてのも一時期やってましたからねぇ。この The Beauty Room は、Kirk の urban soul 路線最終形態といったところでしょうか。
しかし個人的には全く引っかかってこない音なんですなこれが。おされ系の音として綺麗にまとまりすぎ。そういえば小生は Paul Hardcastle の track も出来すぎていて嫌いなのでありました。
Kirk は As One 名義での "Planetary Folklore 2" が来年に控えてますので、こっちに期待ということで。
techno 宇宙大使 Jeff Mills が電子音響にて inner space への旅を navigate する album であります。2006 年発表。
album 出る度にへこへこ仕入れては、あーまたこの乗りかよ相変わらずで安心だよねー等とだべだべしてしまう小生ですが、某所の interview では御本人様が「昔の曲も平気で入れちょるからね」と仰っているらしく、いやそういうのばらしちゃうと一見さんは引いてしまうんでないのと思いつつ、しかし今時 Jeff Mills の新譜に心踊らせるのはまず間違いなく信者な人なので、御大は悠然と構えて昔の track を弄くって新譜に仕立ててしまえるのだろうなぁと邪推してしまう訳なのです。
何でもこの album は孤独も隠れ theme になっているらしく、ついぞ follower に恵まれない Jeff Mills 流異世界 techno を十年一日で作り続けている我が身の孤独を体言しているような音と言えなくもありません。この人の場合はそれで正解なんですけどね。
恙無く終了した TV animation "交響詩篇エウレカセブン" の original soundtrack、第 2 弾。佐藤直紀の orchestra 主体の劇伴と OP や ED、あと guest 少々を CD1 に入れ、残りの guest artists 楽曲と electronic な劇伴は CD2 にまとめた CD 2 枚組の album であります。ちなみに guest は卓球、Kagami、Audio Active、Fumiya Tanaka、Ko Kimura、Riow Arai、Susumu Yokota、Newdeal、Taichi Master。CD1 の last track には劇中で必殺な使われ方をした電ぐるの "Niji" が収録されとります。
soundtrack 1 の頃からオケと techno が合っとらんと文句ゆーてた小生ですが、今回は CD 分けてるだけに通して聴いてもさほど違和感のない仕上りになっております。まぁ、毎日聴きたい類のまとめ方ではないのだけれど。
Riow Arai の絡んだ 3 曲は流石にこの人らしい experimental な beat を楽しめます。交じらないが故に強烈な個性が浮かびあがっておる様子ですなぁ。