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Fernando Meirelles 監督作品、2002 年。邦題「シティ・オブ・ゴッド」。
Rio de Janeiro 郊外の公営住宅地 Cidade de Deus は貧乏人が多く住まう貧民窟で、暴力沙汰が日常茶飯事だった。その地区で暮らしていた Buscape (Alexandre Rodrigues) は cameraman 志望の少年だったが、暴力と殺人の話は常に周囲から聞こえていた。街では彼と同年代の若者 Li'l Ze (Leandro Firmino) が頭角を現し、裏社会を牛耳るようになっていった。だがある日、Li'l Ze は二枚目男 Mane (Seu Jorge) の恋人を rape し、また Mane の弟と叔父を殺す。復讐を誓った Mane は Li'l Ze と敵対する Sandro Cenoura (Matheus Nachtergaele) と手を組み、街は血生臭い抗争に包まれる……。
冒頭の鶏を追う子供達の shot、何気ない導入と思わせつつ、子供達が嬉々として拳銃片手に鶏追っていることからして既に不穏な空気が漂います。
銃と薬が日常に組み込まれ、子供も大人も関係なく弱肉強食の system の中で凌ぎを削っている世界です。しかも、大量の銃弾と死と不正とに塗れた映画でありながら、狂躁的な energy と latin な音楽により陰惨な image が残らない。日本の任侠物やメリケンの mafia 物にも救いの無い映画は多いと思いますが、それらの映画に漂う哀愁はこの映画からは殆んど感じられんのです。それはむしろ、躊躇いなく生きるということが躊躇いなく引き金を引くということと同義である証なのかも知れない。だからこの映画で一人躊躇いまくっている Buscape が Cidade de Deus を去るのもまた必然ですな。
不用意に観ると命が軽くなること必至の危険な映画でありました。傑作。
UK の重低音な人達、Black Sabbath の 1st album、1970 年発表。"Black Box The Complete Original Black Sabbath 1970-1978" 盤。
何思ったか黒箱買ってしまった小生でありますだって安かったんだもの。昨年の Zeppelin 箱以来、箱物比率が高くなっておるのは仕様です。買えるときに買っておく、これぞ卑し系。
つーことでこの 1st、通して聴くのはこれが初めてなんですが tr.1 "Black Sabbath" からして既に Sabbath であります。緩い tempo、重い guitar riff、んで Ozzy の酔っ払いな声、Sabbath らしさ全開な幕開けで中盤から pitch 上げるとこなんか Cathedral みたいである、って逆か。個人的名曲扱いの tr.2 "The Wizard" の harp もおどろおどろしいくて最高、tr.3 "Wasp - Behind The Wall Of Sleep - Bassically - N.I.B." の流れに至ってどんくさくてかっちょええという Sabbath 的男気の発露を見るのであります。
この頃の band らしい blues 色の強めな heavy metal なので今の気分に程よく馴染む album でありました。
どいっちぇどいっちぇ。ということで german minimal の玄人 Johannes Heil の 2006 年作。Klang Elektronik からの release。
Kanzleramt から album release していた頃は独逸 detroit 派らしい泣き techno 路線を邁進していたように思いますが、今作はかなり click 寄りで acid 寄りの遊び放題な album になっております。とはいえ硬質な kick がかっちょええ german electro な一枚には違いない。まぁ好き嫌いは分かれるでしょうけど。
全体的には click house な緩めの beat ですが、tr.7 "The Magician" のような hard minimal もあって痺れます。んで紆余曲折を経ての tr.9 "Last" で泣き techno を垣間見せ、non beat の弦楽である tr.10 "The 1st" で叙情的に締めくくると。この人の多彩な芸風を窺い知れる一枚であります。
'Time to be men,' Pere Callahan told them, Beneath the scar on his forehead, his eyes burned like lamps. Yet his tone was not without compassion.
'Time to stand up, gentlemen. Time to stand and be true.' (page 27)
Hodder & Stoughton 版の paperback で読了。"The Dark Tower" の第 5 巻。
双子ばかり生まれる谷間の町 Calla Bryn Sturgis は、時折狼に襲われる。狼は双子の片割れを奪い、愚者にして返す。狼の力は強く、抵抗は無駄だった。町に居付いている robot の Andy が、長らく途絶えていた狼の襲来を予告する。住人達が慄く中、流れ者の神父 Callahan は町の住人に言う。Gunslinger が来る、共に戦え、今こそ立ち向かう時だと。一方の Roland は、Ka-tet の一員 Susannah の中に新たな人格 Mia が現れていることを知る。車椅子生活の Suzanna とは異なり、Mia は夜な夜な徘徊しては貪欲に餌を漁り、しかも妊娠していた……。
つーわけで久々の King 本ですが、例によって長くて疲れました。Callahan 神父も長話は大概にせえよと。とはいえ良い具合に引っ張って次巻に続くのでやはり見逃せんのじゃよ。
all 時、life 枠 6 の残 3、score は 2 億 1 千万程度。
縦羽の時の茨道に比べれば浅葱は楽でしたねぇ。くじゃくも瞬殺だし。まぁ稼ぐとなると難しいのかも知れませんが小生は clear 重視なので終始安全運転なのです。とりあえず満足。
Mel Gibson 監督作品、2004 年。邦題「パッション」。
Judas (Luca Lionello) の密告により Jesus (James Caviezel) は捕えられ、Pharisee の祭司たちの前で異端尋問される。自らを預言者と認めた Jesus に対して祭司たちは激怒し、roma 帝国総督 Pilate (Hristo Shopov) に Jesus を引き渡し、Jesus を死刑に処するよう嘆願する。Jesus が罪を為したとは思えぬ Pilate は彼を極刑から遠ざけようとするが、祭司たちや群集も引き下がらず、Jesus を処刑しなければ暴動が起こるのは必至だった。その地の治安を預る身として、Pilate は Jesus を死刑に処す決心をする……。
Jesus の受難については古来より様々な形で語られており、それが映画という形で語られたとしても今更驚くことでもあるまいと思いつつ、しかし斯様に生々しい映像で見せ付けられるとこりゃ凄いわと思ったりもするのであります。
一個の人間であるところの Jesus Christ が、異端の烙印を押されて済し崩しに処刑されるまでの一幕を描いた映画でありますが、特に Jesus を神格化することなく一個の人間として描いているところがこの映画の良心でしょうか。Jesus を取り巻く人物たちの描き方にも力が入っており、Jesus を処刑せねばならない Pilate や、見ているだけで何もできない Maria や使徒たち、Jesus を痛めつけることをむしろ喜んでいる roma 兵士たち、狂信的に Jesus の処刑を求める祭司たちや群集も、映像から各々の思惑が伝わってくるような迫力でありました。劇中の言語も古代に準じたものらしく、とかく気合入れて作ってあるのがひしひしと感じられる作品。
とはいえ観たあとで唖然となるだけで後に残るものが強烈な残虐場面のみというのでは、hollywood method に慣れた映画鑑賞者から厳しい評価を下されるのも解らなくはない。個人的には Lars von Trier 監督作品を観た時のような強烈さがありました。ということで名作扱い。
Sharp の SD-VH90 での CD 認識がよれよれになっており、CD-RW は認識されず、市販の CD さえ音飛びが頻発するようになってしまった。まぁ audio amp の代わりとしては使えるので、CD-RW は RD-X4EX で、市販の CD は PS2 で再生するという生活がここんとこ続いておりました。
でもちゃんとした player で聴きたいよね、ということで DVP-EX30 購入。DVD も観られますが小生的には CD player なのです。ちゃんと音が鳴るから初期目的は達成。DivX な動画も観られて良い感じであります。壊れないように頑張って頂きたい。
CD player としての DVP-EX30 の特色を幾つか。
おおすみ正秋監督作品、1993 年。TV 映画。
ルパンと次元の所に銭形警部がやってきて自棄酒を煽る。銭形は ICPO の通達でルパン逮捕の任から降ろされてしまったのだ。後任のキースは傭兵上がりで、ルパンの暗殺を命じられていた。銭形の次の仕事は武器密売組織ショットシェルの壊滅。落ち込んだ銭形を立ち直らせ、ショットシェルが溜め込んだ金も頂こうということで、ルパンらはショットシェルの気を引くべく russia の原潜イワノフを強奪するべく行動を開始する。そこに russia の核研究者カレンやショットシェルの社長ジョン・クローズも絡んでてんやわんやする、というお話。
これはいかんのぅ。江口寿志 の character design は色気が無い、キースやジョンといった悪役に魅力が無い、カレンと次元の過去の確執も銃向け合うだけで深みが無い、銭形も aloha shirt 以外に目立つ要素が無い、という感じの無い無い尽くしで褒める要素も無い。
出崎ルパンより大人な雰囲気で仕立てようという意図は伝わるものの、詰まらなくなってはその意気込みも空回りであります。凡作。
UK の重低音な人達、Black Sabbath の 2nd album、1970 年発表。"Black Box The Complete Original Black Sabbath 1970-1978" 盤。
metal 聴いてウン十年の小生でありますが Sabbath 史上最も有名なこの album を通して聴いたのは今回が初めてなのです。何せ中古盤で売ってなかったからなぁ (爆)。中古で流通しないということはそれだけ手放さない人が多い若しくは単に売れてないということなのですがこの album に関しては前者でありましょう。
tr.1 "War Pigs"、tr.2 "Paranoid"、tr.4 "Iron Man" と、初期 Sabbath の代表曲が並んでいてそれはそれは壮観です。1st で doomy な blues rock を展開した Black Sabbath ですが、今作では heavy metal な手法を確立、ださ格好ええ pop な metal に仕上げております。特に小生の大嫌いな tr.4 "Iron Man" は今聴いてもやはり笑ってしまいます。こういう riff 一発な曲は酔っ払わないと演れないでしょうなぁ。
個人的には tr.6 "Hand of Doom" で垣間見える Mogwai 的な緩急自在えもこあ楽曲や、tr.7 "Rat Salad" の instrumental な展開が新鮮でありました。
自分用備忘録。
とりあえず shoutcast 辺りで流れておる net radio を file に保存してしまおうということで。準備物は wget、以上 (爆)。
net radio は *.m3u とか *.pls とかの script が入口になっておることが多いのでまずはそいつを get。ちなみに www.hoge.ne.jp は仮であります。
$ wget http://www.hoge.ne.jp/hogehoge.m3u
落としてきたものを cat すると生の address が書かれてたりします。
$ cat hogehoge.m3u
http://stream.hoge.ne.jp:8000
http://stream.hoge.ne.jp:8016
んで wget。以下では mp3 ということにしてますが ogg とか wmv とかその辺は必要に応じて変更です。
$ wget -O hoge.mp3 http://stream.hoge.ne.jp:8000
これでがばがば取り始めたら成功。録音終了は ctrl + c で。
ちなみに次のような bash script で実行すると、hoge-20060619.mp3 みたいな file name で 60 分間録音して自動終了します。
#!/bin/sh
wget -O hoge-`date +\%Y\%m\%d`.mp3 http://stream.hoge.ne.jp:8000 &
pid=$!
sleep 3600
kill $pid
応用次第でいろいろ拡張できそうですし cron に仕込んで自動録音なんて道も拓けるでしょうがその辺は必要に応じてということで。
Steve Albini (g, vo)、David William Sims (b)、Rey Washam (ds) の trio による junk band、Rapeman の唯一の album。1988 年発表。
相変わらず hardcore punk に片足突っ込みつつも、Big Black の頃に比べれば幅広い曲想で荒野を突っ走る album であります。Albini の弾く鋭利な刃物的 guitar sound はここでも健在ですが、minimal な riff と変幻自在な展開との合わせ技で hardcore 版 Zeppelin な趣が漂っております。細身だが拳は重い、どらごん危機一髪な album と言えるでしょう。