Noisy Days in December, 2005

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2005.12.11 (Sun)

[movie] ex-D Nina & Rei DangerZone

 ワタナベシンイチ監督作品、2002 年。
 暴走 AI car を止めるべく出動した ex-D のニナとレイだったが、彼女らが追っていたのは超高性能の miniature car だった。電波発信源から逆探知で犯人の居場所を突き止めたレイはそこに急行するが、犯人の部屋にはニナの写真が何枚も張り巡らされていた。犯人のマークはニナを stalking していたらしい。そこでレイは、マークが誰かから miniature car を渡されていたことを知る。事件の糸を裏で操る存在があるらしい。だがその頃、ニナは暴走 AI car を追う途中でマークに捕まってしまう……。

 OVA 本編から spin off した番外編らしいです。マークの女装はなかなかの趣向ですが他に面白い要素もなく、凡庸な出来栄え。藤島康介キャラで持たせてる映画ですな。
 ロードスターと張り合う miniature car の燃料効率って物凄く良さそうな気がするぞ。その技術力で特許どかどか取っておれば逃げ出さんでも老後まで悠々自適できたであろうに。こういうのを技術馬鹿と言います。冗談です。

get
  • Imogen Heap / Speak For Yourself
  • Otomo Yoshihide's New Jazz Orchestra / Out To Lunch
  • Nirvana / Bleach
  • Helmet / Strap It On
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 ガルーダ II、4 面 boss まで。序盤でぽこぽこ被弾するのを何とかしたいのぅ。

 あんでふの soundtracks が sweeprecord から出るようです。めもめも。

log modified: 2005/12/12 01:47:47 JST

2005.12.12 (Mon)

David Grubbs / The Spectrum Between

 ex. Gastr Del Sol の singer songwriter、David Grubbs の 2000 年作。
 すかすかの音、へたれな歌声、しかし傑作です。ぽろりんぽろりんと爪弾かれる guitar の隙間から懐かしい古写真の情景が浮かびあがってくるような。どことなく mechanical な印象のある John McEntire の drums も柔らかめに聞こえます。
 tr.2 "Whirlweek"、tr.4 "Gloriette" 辺りは phrase の妙味といい ensemble の smart さといい、indies pops のお手本みたいな出来栄えです。後半には noise & minimal artist としての Grubbs の姿も垣間見えますが、全体の tone は nostalgic でほんわか風味。歌に対する真直な視線が清々しい、隠れ名盤と言えるでしょう。
 "Richets & Scurvy" も聴き直そうっと。

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 鋳薔薇が PS2 に移植されるようです。買うかどうかは微妙なとこですな……。

log modified: 2005/12/13 01:50:02 JST

2005.12.13 (Tue)

Silent Poets / Sun

 寡黙な詩人達……でしたが今は下田法晴の solo project となった Silent Poets、2005 年発表の album。全 11 曲。
 前作 "To Come ..." から 6 年の歳月が経ているわけですが枠組は前作とほぼ同じ。というか下田楽曲と Everton Nelson の感涙 strings arrange ががっぷり四つしている時点で品質の高さは保証されるわけです。down tempo の dub を基調としつつも、その言葉から想像される猥雑さや雑食性を取り除き、内省的な melody と優美かつ荘厳な strings で静謐な世界を描いていきます。
 とはいえ前作の隙の無い production に比べれば、この最新作は良い意味で遊びのある、風通しの良い album になっているようです。vocalist として feature された Shawn Lee の声は、超絶的に上手い訳では無いですが、ざらついた質感が人間味を感じさせる、なかなかに味のある声で、この album の視点が天上ではなく路上にあることをさりげなく主張している様です。って、これじゃ「ベルリン・天使の詩」じゃねーかよ。Wenders さん Silent Poets の曲使ってあげてください。
 とにもかくにも長く付き合えそうな良作であります。

log modified: 2005/12/14 02:03:12 JST

2005.12.14 (Wed)

Terry Brooks 『The Sword of Shannara』
"Fool ... you fool," rasped the giant in barely controlled fury. "You know so little ... children! What does the race of Man know of truth--where has Man been but hiding, creeping in terror under piteous shelters in the deepest regions of the Southland like frightened rabbits? You dare to tell me that I speak of fairy tales--you, who have never known strife, safe here in your precious Vale! I came to find the bloodline of kings, but I have found a little boy who hides himself in falsehoods. You are nothing but a child!" (page 37)

 Del Rey 版の paperback で読了。
 Shady Vale に住む half-elf の少年 Shea Ohmsfold の元に、ある日 Allanon という druid が現れる。Allanon は Shea に、世界が Warlock Lord の邪悪な軍勢に蹂躙されようとしており、それを阻止できるのは古の Elf 王の所有していた Shannara の剣だけだと言う。Shannara の剣は Elf 王の血族だけが扱えるのだが、Warlock Lord は既に Elf 王の血族をほぼ根絶やしにしてしまい、今や生き残っているのは Shea だけなのだ。Allanon は Shea に早く Paranor に安置されている Shannara の剣を取りに行くよう勧めるが、Shea は半信半疑で旅立つのを躊躇う。しかしある夜に Shea を追い求める Warlock Lord の手下の影を見掛けたことから、Shea は義理の兄である Flick と共に旅立つ……。

 The Sword of Shannara Trilogy の volume 1。とはいえこの巻だけでも完結しているお話です。色気がないのが特徴 (爆)。700 頁以上の大作なのに、女性陣は Shirl の姫様だけですからなぁ。それはさておき。
 Brooks 版 Lord of the Rings といった趣の epic fantasy で、Elf、Gnome、Dwarf といった種族が出てきたり、Allanon や Elfstone の魔法も出てきます。お話の方も、Shea らの一行の旅、仲間たちが離散した後のそれぞれの遍歴、んで Warlock Lord の軍勢と他種族連合の合戦など、まぁいろいろあるわけです。しかし描写が緻密な割にお話の牽引力は今一つで、だらだら進んでいく印象。そのゆったり感も LotR 譲りなのかのぅ。ついでに character を大事にしすぎる点も。GRRM が書いてたら仲間の半分は塵芥と化しておるに違いないぞ。まぁ、主要人物を大事にしているからこそ終盤の別れと再会に思わず涙ちょちょ切れるという趣向が生きてくるとも言えますが。
 Shannara の剣の秘密にはちょいと驚かされました。なるへそ、霊的存在である不死者の弱点として、ああいう解決を持ってくるてのは面白い発想ですな。
 といったところで、全体的には冗長ですがそこそこ面白い読物でありました。

log modified: 2005/12/15 02:22:49 JST

2005.12.15 (Thu)

Multiplex / Xpand

 Christian & Roland の Dormon 兄弟による electronica project、Multiplex。2005 年の album。
 この人達の track は systrum sistum でたまに流れていて、個人的には好印象だったのであります。こうして album で聴いても独特の atmospheric な雰囲気はそのままに、美しい断片を寄り合わせる快楽音響構築の手腕はより洗練されておる様子です。beat を強調した track も意外と多いんですが、全体の印象はあくまで柔らかくて感傷的。こういう微泣き electronica にゃ弱いんよ。隠れ名盤と言えるでしょう。

log modified: 2005/12/16 01:06:08 JST

2005.12.16 (Fri)

柴田 錬三郎 『われら九人の戦鬼 (下)』
 ぱっと、火花が散った。
 刃と刃は、噛みあったまま、空中に停止した。
 左近が、はっと、おのが不利をさとったのは、この瞬間であった。
 おのれは、大地に大きく大股をふみひらいて、立っている。
 夜八郎は、倒れたままで、小刀で、左近の太刀を受けとめている。
 誰の目にも、左近が、絶対の優勢をたもっているかに見える。
 そうではなかった。
 動けなくなったのは、左近の方であった。(page 296)

 集英社文庫版で読了。上巻の続き。
 奈良城義胤の嫡子義太郎が武者修行の後に久方ぶりに伊吹野の山城に戻ってみると、城の実権は家臣の庄野四郎五郎が握っていた。義太郎は四郎五郎の手から権力を奪い、山城から田丸豪太夫の居城へ撃って出ようと画策する。一方、東山中納言ら公卿の軍勢も伊吹野へ向かっていた。中納言の目的は、かつて伊吹野に五摂家が隠した財宝を引き出し、公卿の力を再興することだった。その一行には、多門夜八郎に姉の伝言を伝えることを生甲斐にしている美夜も交じっていた。残兵を掻き集め復讐の軍勢を送り出す田丸豪太夫、堰き止められている水を開放するまでは戦い続ける覚悟の天満坊と夜八郎、そして夜八郎と決着を付けようと彼を追う九十九谷左近、各々の思惑が交錯しつつ物語は進み、やがて天満坊は伊吹野の未来を九人の戦鬼に託すのだった……。

 いや九人の戦鬼が云々な話よりも左近と夜八郎の対決の方が面白かったりしますが。夜八郎とまともにやりあえるのが左近しかおらんので、他の面子が束になって夜八郎に襲いかかってもばさばさやられるだけなのじゃよ。はー、つまり鬼武者ですね。
 猪武者の田丸氏はあっさり退場、奈良城の内輪揉めもなんだかなーという感じではありますが、相変わらず先読み不能の展開で楽しませてくれます。新たに出てくる姉ちゃん方も夜八郎にめろめろであります。姉ちゃん守役こと柿丸の健気さに涙。飄々としつつ仕事はきっちりこなす自称公卿忍者の七位の大乗もええとこ見せます。うむうむ、character が元気だと面白くもなるのぅ。
 というわけでこの本はかつて野田元帥が銀英伝やグイン某と並んでスペオペ三角形の一つに挙げてた本なのですよ小生の記憶が確かならば。まぁ昔の宿題を一つ片付けたということで。他にも宿題はたくさんありますが嫌な宿題はさっさと忘れてしまうのじゃ。

diary

 会社の忘年会だが開幕前にガルーダ II。3 面越えられん! 継続は何とやらですな。

 で、暴飲暴食してばたんきゅ。

log modified: 2005/12/19 01:20:32 JST

2005.12.17 (Sat)

get
  • David Grubbs / The Coxcomb and Friends
  • Pharoah Sanders Quartet / Welcome To Love
  • Silent Poets / Firm Roots
[movie] Red Dragon

 Brett Ratner 監督作品、2002 年。
 犯罪心理学に精通している稀代の殺人鬼 Dr. Hannibal Lecter (Anthony Hopkins) は、一流の profiler である FBI 捜査官 Will Graham (Edward Norton) の活躍で逮捕され、刑務所に送られた。しかし Graham も stress が元で FBI を退職、3 年の月日が経つ。家族と共に穏やかな日々を過ごす Graham の元に、FBI 時代の上司 Jack Crawford (Harvey Keitel) が現れる。Crawford は連続して起こっている一家殺人事件の捜査に行き詰まっており、Graham の強力を得ようと彼を訪れたのだった。それを聞き入れた Graham は、自ら現場を検証し犯人の人物像に肉薄するが、犯人がどのようにして標的を定めるのかが解らない。Graham は、かつての師でもある Lecter に異見を求める。一方、映像製作会社に勤める Francis Dolarhyde (Ralph Fiennes) は、神の意志を尊重することと、親しくなった Reba McClane (Emily Watson) を大事に思う人間的な感情との間で苦しんでいた……。

 "The Silence of the Lambs"、"Hannibal" に続く Lecter 博士ものの 3 作め、ですが原作ではこれが初作にあたります。原作は訳書で昔読んで身悶えするほど詰まらなかった記憶がありますが、映像化されると……うーむ、やっぱ今一つやねぇ。
 Graham は平穏を愛する好青年で、Lecter は Graham に自分と通じるものがあるから捕まえられたのだと言ってたりもしますが作中でそれっぽい描写は無く、好青年は好青年のままなのです。んで Red Dragon を信奉し彼に供物を捧げる狂人と戦うわけなので、白黒解りやすくてその分深みに入りきれないと。Lecter も adviser 以上の存在では無いし。Dolarhyde は trauma に苦しむ現代人て感じで面白い存在ですが、絵を食べちゃうような人なので共感はできんのです。
 見終ってみるとただの thriller だったなぁという印象。あ、疲れ顔の Edward Norton はええ演技振りでした。あと音楽の使いかたがベタで拍子抜けでありました。

diary

 超二日酔い。

 ガルーダ II、5 面せせりまで。初対決でしたが、初太刀でばっさり死なされました……。

log modified: 2005/12/19 02:06:42 JST

2005.12.18 (Sun)

get
  • Homura (PS2)
  • Chaosfield New Order (PS2)
diary

 ガルーダ II、4 面 boss まで。まだ 3 面が厳しいっす。

[movie] Michel Vaillant

 Louis-Pascal Couvelaire 監督作品、2003 年。邦題「ミシェル・ヴァイヨン」。
 racing team Vaillant の ace driver である Michel Vaillant (Sagamore Stevenin) は、rally race 中に team mate の David Dougherty (Scott Thrun) を事故で失う。その事故は何者かの工作で引き起こされた可能性があった。Le Mans 24 への出場が決まった team Vaillant だが、長年の宿敵である team Leader も 5 年振りに出場が決定。新たな team owner の Ruth Wong (Lisa Barbuscia) は Vaillant への敵意を剥き出しにする。Vaillant の team へ死んだ David の妻 Julie Wood (Diane Kruger) がやってきて、自分を Le Mans で走らせてくれと言い、test に見事合格して team 入りを果たす。予想外の trouble に苦しめられつつ team Vaillant は Le Mans の決勝に進むが、Ruth は卑劣な手段を用いて Vaillant を勝たせまいとする……。

 小細工を弄しすぎて肝心の race 映像が盛り上がらない race ものの映画でありました。長年の宿敵同士の team、夫の夢を果たすべく race に望む妻、卓越した racer ではあるが死の影に付きまとわれている天才 driver ……と、素材は良さそうなんですが陰謀話に終止して character も story も印象に残らないまま終了してしまいます。Luc Besson 脚本の悪いところがそのまんま出ておる様子。stylish な映像美は楽しめますが、個々の瞬間が美しゅうても展開が悪けりゃ全体の印象も悪くなるのじゃよ。凡作。

log modified: 2005/12/20 01:04:04 JST

2005.12.19 (Mon)

Juan Atkins / The Berlin Sessions

 detroit techno の体現者 Juan Atkins の 2005 年作。Tresor の 215 番。
 Model 500 名義では techno にとらわれない幅広い format で electric music を追求していた感のある Juan Atkins ですが、ここでは beat の効いた minimal techno 調に仕上げてます。minimal とは言っても暗い恐い一本調子の暗黒路線ではなく、夜の街に瞬く neon light のような燐きがあります。何だよただの懐古趣味な detroit techno じゃねーかよと眉を顰める方もおられるでしょうが、こういう純度 100% な detroit 節を聴かせてくれると安心する小生のような輩も居るわけで。本家 detroit ものは beat の押しが今一つ弱いものもありますが、この作品は Tresor だからか低音がしっかりしていて安定感も充分。かんつら勢なにするものぞ、と言わんばかりの気合が感じられる一品であります。

Robert B. Parker 『Family Honor』
One of the good things about being a woman in my profession is that there's not many of us, so there's a lot of work available. One of the bad things is figuring out where to carry the gun. (page 9)

 Berkley 版の paperback で読了。
 Boston の私立探偵 Sunny Randall は、家出娘 Millicent Brock の捜索を依頼される。元夫で family の重役である Richie の協力もあって Millicent を早々に見つけ出した Sunny だが、Millicent は家に戻ることを嫌がる。Millicent の様子から、彼女が単に反抗期の気紛れだけで家を飛び出したわけではないと察した Sunny は、Millicent と暫く同棲生活をしながら事件の背景を洗っていく。やがて Sunny は Millicent 共々に何者かに命を狙われることになり、そこには Millicent の両親も関わっていることに気付き始める……。

 Sunny Randall ものの 1 作め。印象としては女性版『Early Autumn』てな感じかのぅ。流石に山小屋作ったりはしませんが料理の作り方や boat の操り方とか教えてます。でも素直に親元に帰らないってところが今風だったりもする、んかのぅ。
 title 通り家族のお話。Millicent と両親の関係であったり、Sunny と元警官の父と裏社会の住人である Richie の関係であったり、或いは Sunny と Millicent の関係であったりと、いろいろな場面で家族の断片を垣間見せてくれるわけです。単なる血縁関係ではなく、人と人との関わりから家族について問いかける。Parker はこういう話書かせると上手いですな。で、人情に落としこまず、Millicent の意志を尊重しつつ甘やかさない Sunny の造形も見事。まぁ、事件解決にはちと Richie の人脈使いすぎな気もしないではないですが、その辺は私立探偵とはいえ一人ではやってけないってことでしょうかね。
 Rosie うろちょろしすぎ。小生は犬嫌いなんじゃよ。

log modified: 2005/12/20 02:13:58 JST

2005.12.20 (Tue)

3 Chairs / 3 Chairs

 Malik Pittman、Theo Parrish、Rick Wilhite、Kenny Dixon jr. の 4 人による detroit house 結晶体、3 Chairs の 2004 年作。2 枚組の全 15 曲。
 面子から想像できる通りの暗黒 groove 全開な album であります。各々の solo 作では気楽さもあるのか音楽的な間口を広く取っている印象がありますが、3 Chairs 名義で結集すると、超基本の四つ打ちでしっかり台座を固定した上で各々の色を塗りたくっていくという路線に収まったようです。結果、これぞ detroit house と言わんばかりの deep で統一感のある sound に仕上ってます。
 粘っこい beat に妖艶な上物が絡み付き、音はいつ果てるともなく続いていく。黒い feeling がじわじわと皮膚に染み込んでいくような、恐くもあり甘美でもある音楽。時代に流されない、筋の通った濃ゆい album であります。

log modified: 2005/12/21 00:40:58 JST

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