Noisy Days in July, 2005

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2005.07.11 (Mon)

Led Zeppelin / II

 Led Zeppelin、1969 年発表の 2st album。The Complete Studio Recordings 版。
 1st で既に確立していた Zeppelin sounds、その実践の盤。1st に比べれば驚きは少ないものの、1st から半年足らずでこういう堂々たる音を鳴らしてるあたり、やはり大物ですなぁ。特に本作、drum ぶち抜き男 John Bonham の暴れ振りが光ってます。相変わらず blues 主体の hard rock を展開してますが、静と動の contrast はますますはっきりと区分けされ、激しい場面が一層引き立つ仕上りになってます。
 tr.1 "Whole Lotta Love" は言わずと知れた名曲。単純な循環 riff がずんだかずんだか進んでいくだけで麻薬的快感に浸れます。途中の間奏での melody のない展開、さんざん焦らせた挙げ句に飛び込んでくる Jimmy Page の solo guitar の鋭さに悶絶。tr.2 "What Is And What Should Never Be" のゆるゆるした雰囲気、tr.3 "The Lemon Song" の不良 blues 〜 up tempo な爆走を経て、tr.4 "Thank You" の感傷的な ballad への流れが美しい。その後も、"Whole Lotta Love" と並んでこの album の顔と言える tr.5 "Heart Breaker" や、John Bonham の独壇場と言っても過言ではない tr.8 "Moby Dick"、ど blues から heavy な音塊へと雪崩込む tr.9 "Bring It On Home" など、予想を裏切らぬ Zeppelin な音が楽しめますが、tr.6 "Living Loving Maid" の Zeppelin らしからぬ party rock な曲調はこの album 中ではかなり異色。続く tr.7 "Ramble On" は地味な曲ですが、サビに入る前の Jimmy Page の slide 風味の guitar に思わず胸が詰まるのであった。愛すべき佳曲。
 という感じで例によって充実しまくりの album です。Zeppelin 外れなし伝説はまだまだ続くのだ。

diary

 月曜日は眠い眠い。早く帰ろうとしたが立て続けに捕まって残業三昧。あう。

log modified: 2005/07/12 02:32:12 JST

2005.07.12 (Tue)

Henry Threadgill / Too Much Sugar For A Dime

 Henry Threadgill (as) の leader album で 1993 年発表。
 70 年代には loft jazz なる movement があったらしい……が、それがどういうものだったのかはよく解りません。ぐぐってもネタ出てこないし。本当に忘れ去られてるってことでしょうか。loft jazz で有名なのは Art Ensemble of Chicago やら Air らしい。で、本作の主人公 Henry Threadgill は Air の member だったそうな。もっとも小生は、loft jazz 即ち Chico Freeman と解釈してしまうので、loft jazz つーのは free jazz の飽和以降に現れた、free と伝統芸能 jazz との融合みたいなもんかと勝手に思ってたりします。
 んで Henry Threadgill。この人の album 聴くのはこれが初めてなんですが、こりゃ予想以上に面白い作品です。どの辺が面白いかと言われると言葉に窮しますが、敢えて言うなら free 以降の闇夜の濃厚 jazz を突き詰めつつ african な tribalism を飲み込もうとする面白さ、ってことになりますか。tr.1 "Little Pocket Size Demons" の複雑怪奇な rhythm と theme、それでいて微妙に胸に来る romanticism も湛える曲調に、思わず耳が引き込まれる。続く tr.2 "In Touch" は、percussive な単音 theme の part と、down tempo の女性 vocal による叙情的な melody part とが交互に押し寄せる、合わせ技で一本な曲。合わせ技で効果二倍増し、を狙った風ではなく、うまく混ざらないままに終わってしまうんですが、何故か強引な感じはない。その後も謎拍子で謎展開な曲がどかどか続きますが、妙に聴きやすく、それでいて緊張も持続するという不思議な感覚があります。それが Henry Threadgill の作曲能力に由来するのか、はたまた producer で一枚噛んでる Bill Laswell の手腕に依るものかは判断できませんが、いずれにせよ今までなかった type の音で、こういう音を計算づくで弾き出してるとしたら大した才能です。electric guitar を弾く Brandon Ross と Masujaa の存在も大きい。広い空間演出に electric guitar は欠かせない、ってことか。
 loft 時代に才能を使い果たしたと見える Chico Freeman は失速しっぱなしですが、Henry Threadgill はしっかり前見て歩いてる様子。別の album も聴きたいのぅ。

diary

 あれよあれよという間に仕事山積みであっぷあっぷです。そこにきて親方 down で入院説もあり。うーむ。

log modified: 2005/07/13 02:43:32 JST

2005.07.13 (Wed)

Cecil McBee / Mutima

 Cecli McBee (b) の初 leader album、1974 年録音。
 70 年代の jazz にはどことなく黄昏めいた雰囲気を感じることの多い小生ですが、この album もその手の一枚ですな。あやしく惑う melody、時代を感じさせる electric piano や flute の音色。afro beat も horn 隊も、頑張ってはいるが強烈に自己主張はせず、端正に楽曲に寄り添うような演奏に聞こえます。spiritual な昂揚は感じられますが押しの一手も必要かと。まぁ、主役は bass なので遠慮してしまった、ということかも。
 tr.6 "Tulsa Black" ののほほんとした雰囲気が微妙に良いです。

ジョージ・R・R・マーティン 『タフの方舟 1 禍つ星』
「いいかげんにしときな。わずか一カロリーをめぐって、高い安いの押し問答なんかしてられっかい。あたしゃ忙しいんだ、あんたの商売ゲームにつきあってるひまもエネルギーもない。どうせ最後にゃ売るつもりなんだろ? あたしにもわかってる。あんたにもわかってる。なら、とっととおわらせちまおうじゃないか。希望の値段をおいい」
 トリー・ミューンは、指先で軽く、タフの鼻の頭をつついた。
「希望の」つん。「値段を」つん。「おいい」つん。(page 279)

 早川文庫版で読了。酒井昭伸訳。
 巨体禿頭の宇宙商人にして自称環境エンジニアのハヴィランド・タフが主人公の連作中篇集。旧時代の巨大胚種船 <方舟> 号を手に入れるための死の game に巻き込まれる第一話「禍つ星」、船の修理のため立ち寄った星で、船を奪取しようとする政府の誘いを撥ね付けつつ、人口膨張に苦しむその星の環境改善のために腕を振るう第二話「パンと魚」、土着生命体との際限ない戦いを繰り広げる星で、その問題解決を申し出る第三話「守護者」の三篇収録。

 いやぁやっぱ上手いよ George さん。太っちょ巨人禿で無表情で慇懃無礼過ぎて隣にいたらむかつくこと必至の主人公タフでありますが、無類の猫愛好家ということもあり妙に憎めない存在。星の生態系をも操れる <方舟> 号で問題解決するという着想の unique さや、この作家らしい引きの上手さもあって、あっちゅーまに読了でありました。
 姐御肌のトリー・ミューンや軍人一徹のケフィラ・クェイが、タフの猫に次第に馴染んでいくところがほのぼのしていて良いですな。

log modified: 2005/07/14 02:05:22 JST

2005.07.14 (Thu)

Kuniaki Haishima / Monster Original Soundtrack 2

 配島邦明による TV animation "Monster" の soundtrack 第二弾、2004 年発表。
 つか "Monster" っていつまで続くんですか。いやまぁ長い話は好きなのでだらだら続いてほしいとは思ってますが。ここんとこのヨハンは何やっとるのか解らんなー。
 で、soundtrack 第二弾は前作に輪を掛けて緩やかな雰囲気が印象的な album に仕上ってます。tr.1 "Make it Home" は Fujiko Hemming の歌唱。前作での David Sylvian との collaboration も吃驚でしたが、Fujiko Hemming を vocalist として使うあたり、目の付け所が配島先生らしいですな。舞台が europe だけあって、classical な枠組に納めつつも暗がりのおどろおどろしい雰囲気を滲ませる track があるかと思えば、退廃的な organ jazz もあり、古楽的な vocalese もありで、いつになく melodious な配島音楽です。なんというか、真っ当な映画音楽ですな。
 配島音楽というと eccentric さをついつい求めてしまいますが、こういう王道路線での地に足付いた作風もまた良し。

diary

 今年も Lance は強いのぅ。この人は衰えという言葉を知らんのか。

log modified: 2005/07/15 02:32:30 JST

2005.07.15 (Fri)

[movie] Nausicaa of the Valley of the Winds

 宮崎駿監督作品、1984 年。邦題「風の谷のナウシカ」。
 産業文明が戦争で崩壊して千年後の世界。腐海と呼ばれる毒性菌類の森が人の住める環境を次第に侵蝕し、海は酸に侵され、残った大地の大半は砂塵と帰しているその世界で、人は緩やかに滅びの道を歩んでいた。腐海のほとりで、海からの風に守られて安寧な日々を送っている風の谷を久方ぶりに訪れた旅の剣士ユパは、族長ジルが腐海の毒にやられて余命幾許もないこと、そしてジルの娘ナウシカが立派な風使いに成長していることを知る。その夜、風の谷に巨大な飛行船が墜落、ナウシカはその船に乗っていたペジテ王国の姫君を看取る。程なく、強国トルメキアの軍隊が風の谷に攻め入り、風の谷は呆気なく制圧される。先頃墜落した飛行船の積み荷、即ち千年前に世界を破滅に追いやった巨神兵の生き残りを確保するのがトルメキアの目的だった。軍を率いるトルメキアの皇女クシャナは、ナウシカを人質にしてペジテへ帰還しようとするが、その帰路、ペジテの生き残りである少年アステルが飛行艇で奇襲をかけてくる……。

 改めて観るとナウシカは優等生すぎますなぁ。捻くれた映画ばかり観ておるからそういう感想にもなるのかも知れませんが、彼女はどうにも純真すぎて 10 年後が心配ですよ。自己犠牲が必ず報われるとは限らない、自分の正義を押し通すことで手が血に塗れることもある。そういう体験を経た後にも彼女は強く居られるかどうか、ってことまではこの映画では解からんのですが、彼女の心が折れてしまった後の展開つーのを考えると不安になるのじゃよ。大体、元の出来が人の恐れる腐海に平然と入り浸り独言癖があり村の子供やおっさんおばさん達には人気があるが同年代の友人が居ないように見受けられる虫愛ずる姫君でありますから、実は孤独で妄想癖のある少女なのではないか。すると腐海の浄化作用や王蟲との対話というのは彼女の妄想で、この映画は王蟲に吹っ飛ばされて死にかけてるナウシカが今際に見た幻ではないのか……って、それじゃ "Mulholland Drive" やんか。おっと、そんな話はどうでもよろしい。
 ユパ様は格好良いが格好悪い。節々で顔を出してもっともらしいことを言うものの、実は大したことしとらんなぁと。「巨神兵は復活させん」と言ってはみたものの、そのための具体的な活動はしとらんし。そういう役回りということにしときましょうか。おっと、この話もどうでもよろしい。
 クシャナ様にはもっとおぞましいものを見せていただきたいものです。ついでに、甦らせた巨神兵が完全体だったらどう躾けるおつもりだったのかも伺いたいところです。踵で踏ん付けて言うこときかせようとでも思ってたんでしょうかね。おっと、この話もどうでもよろしい。
 じゃあそういうことで。って終わるのか。

 腐海を人類の敵と見做し武力で駆逐しようとするトルメキア軍、劇中では悪役として描かれてますが、発想自体は Hollywood 受けする方向やと思いますなぁ。一方の風の谷の面々は、腐海のほとりに住まう者として、村に入り込む瘴気や蟲は徹底的に排除しようとするものの、腐海の毒に冒されて死ぬのはやむなし、と考えているふしがあり、現状を仄かな諦念と共に受け入れている様子。その割には武力で勝るトルメキア軍に徒手空拳で戦いを挑んだりと、やたら好戦的ですが……。ナウシカの活躍により危機を乗り越えた風の谷ですが、結局のところ現状は変わらず、物語的には happy end でもその後の展開を考えるとやはり救われない未来しか残らない。ということで、この映画に関してはやり残したことがあるんじゃないですかね監督。え、原作を読め? すいません漫画は苦手なんです(爆)。
 まぁ感じるところはいろいろありますが、やや詰め込みすぎなものの speed 感は充分な展開、腐海や王蟲による圧倒的な異世界描写、でもって宮崎アニメの王道を走る貧乳美少女冒険活劇、ということで楽しめる一品であります。

log modified: 2005/07/17 04:54:19 JST

2005.07.16 (Sat)

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  • Rovo / Rovo Live at Magasin 4
  • Haruomi Hosono / Nokto de la Galaksia Fervojo
  • Eric Dolphy / Eric Dolphy in Europe, vol 1
  • Eric Dolphy / Eric Dolphy in Europe, vol 2
  • Eric Dolphy / Eric Dolphy in Europe, vol 3
diary

 久々に mplayer の rpm をこさえる。いろいろ忘れていて大変だった……。

[movie] Arion

 安彦良和監督作品、1986 年。
 神と人とが分かたれる前の時代。辺境トラキアで質素な生活を送る盲目のデメテルとその息子アリオンの元を、冥界の王ハデスが訪れる。ハデスは母の目を直す薬があるとアリオンを言いくるめ、そのまま冥界に拉致してしまう。世界は地上の王ゼウス、海の王ポセイドン、冥界の王ハデスの三人によって統治されていたが、貧乏籤を引いたと思っているハデスは、デメテルの目にかけられた呪いはゼウスを殺すことでしか解かれることはないとアリオンに説き、彼にゼウスを殺させることで地上界への復帰を目論んでいた。逞しい少年に成長したアリオンは一路ゼウスの居るオリンポスへ向かう。その途中、アテナが率いるゼウス軍に捕えられたアリオンは、口の利けない少女レスフィーナと出会う……。

 安彦映画の最高傑作。ギリシャ神話を大胆に解釈し、運命に翻弄される少年の冒険と成長を描いた大作です。小学生の頃の小生を熱狂させた作品でもあり、小生の heroic fantasy 観の原型を形作った作品でもあります。こうやって主人公が否応なしに突き動かされるお話にゃ弱いんだよなぁ。
 とはいえ「ゼウスを倒すべよ」と旅に出たはずが、いつのまにか「女の子助けるため戦争するべよ」に変わっていて、それに大衆が諸手を挙げて賛成するってのは何だか無理矢理な気が……。まぁその裏には人に理解があったプロメテウスへの報恩の思いやら加持祈祷に明け暮れ内政を顧みないゼウスへの怒りもあったりするんでしょうが、アリオンの演説は下手すぎですよ。
 とはいえ改めて見直してみると、世話焼きなセネカの振る舞いには可愛らしさが滲み、レスフィーナはツインテール美少女だったことにも気付かされ、DVD 特典では髪のある久石譲先生が拝めたりと、いろいろ発見があって楽しかったです。

log modified: 2005/07/18 16:00:39 JST

2005.07.17 (Sun)

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  • 佐藤 亜紀 『天使』
  • 原 りょう 『さらば長き眠り』
  • 北方 謙三 『三国志 (一の巻 〜 十三の巻)』
ジョージ・R・R・マーティン 『タフの方舟 2 天の果実』
 数メートル先にあるワークステーションを、タフは重々しい動きで指さした。
「あの場所こそは、手前がはじめて奇跡を起こした場所にほかなりません、トリー・ミューン。そして、手前はたしかに、いくつもの惑星において神のごとき力をふるい、生と死を司ってまいりました。しかし、その神のごとき力を楽しむいっぽうで、その力にともなう責任を――その責任とおなじくらいすさまじいモラルの重みを――はたして避けて通ることができるのか? それは無理だと手前は思います」(page 329)

 早川文庫版で読了。酒井昭伸訳。前作の続き。
 巨体禿頭の宇宙商人にして自称環境エンジニアのハヴィランド・タフが主人公の連作中篇集。借金の半金を返済するため再び惑星ス=ウスラムを訪れたタフが、更なる人口増加で苦しむその惑星に再び救済措置を施す第四話。戦争の代わりに闘技場で動物を戦わせて権力の優越を決める星で、<方舟> 号の細胞 library が目を付けられる第五話。モーセと名乗る男が天変地異によって権力を掌握した星で、そのモーセに加担したと疑われたタフが濡衣を晴らそうとする第六話。借金完済のために再び惑星ス=ウスラムを訪れたタフが、歯止めの効かない人口膨張に決定的な解決策を施そうとする第七話。
 Sim City や Populous を先取りしてますなぁ。もっとも、game は気楽にやれても、それが現実になるってことになればえらいことです。その点、タフはちゃんと弁えて仕事してるんだから大したものです。あいや、第五話での誠実だがあこぎな商人然とした行いや、神に匹敵する力を行使して現地の民を屈伏させる第六話とか、トリー・ミューン言う所の <禍つ神> であるところのタフも描かれてたりもしますけどね。まぁ、この二作は series の中でも初期に書かれたものなので、作者もまだタフの姿が掴みきれていなかったのかも知れない。環境エンジニアってんだからその力を存分に振るってこそ、という点では前作は若干押しが弱かったんですが、この二篇があるなら文句も言えないっす。
 で、この中篇集の核は都合三篇に渡るス=ウスラム篇、というかミューン女史との打々発止篇なのですが、第四話で久々に戻ってきたらタフとミューンが melodrama の主人公として大人気になっていたり、第七話でまたまた戻ってきたら今度はタフが犯罪者呼ばわりされて大艦隊に狙いを付けられたりして驚かされます。第七話、人口爆発の解決策については容易に想像が付くものの、それよりも、その行いを為す者の責任についてタフとミューンが言い争う場面が印象的です。トリー・ミューンがタフを罵ったときに、普段無表情のタフが思わず感情的になる瞬間や、タフから神の力の行使権を委ねられたミューンが、普段の気丈さとは裏腹の狼狽えぶりを見せる場面とか、油断してると思わず胸が詰まりますなぁ。微妙に泣きが入るのもこの作家の良いところです。
 読み終わってみると少し寂しい。猫が側に居ないからかのぅ。

diary

 少し遠出して古本屋へ。狙いは某大河小説の続巻確保でしたが当てが外れて収穫なし。その代わり、北方三国志が 100 円棚にずらりと並んでいたので思わず購入。むぅ、今年は柴錬三国志を狙ってたのに。まぁいいか。

 PC 2 号機の linux を upgrade。あ、mouse の動きがアレな感じになっとる。そういや KVM 問題なんてのもあったのぅ。部品調達するまで凍結。

 洗剤買って食い物買って帰宅したら洗剤を持って帰るの忘れていた(爆)。

[movie] Minority Report

 Steven Spielberg 監督作品、2002 年。
 近未来の Washington DC では、precog と呼ばれる三人の予知能力者による殺人予知機構により殺人事件の未然防止が実現していた。しかし犯罪予防局の主任 John Anderton (Tom Cruise) は、ある日自分が近い将来に殺人事件を起こすことを知る。逃亡し、元同僚の追撃を躱しつつ、事の真実を求めるべく予知 system の考案者 Iris Hineman (Lois Smith) の元を訪れた John は、彼女から予知 system は必ずしも確定未来を現すものではなく、precog の意見が分かれた場合は多数決によって少数報告を排除する場合があると知らされる。厳重な警備をかいくぐり precog の一人である Agatha (Samantha Morton) を連れ出した John は、彼女の少数報告を確認しようとする。John を追い詰めるべく、予防局の局長 Lamar Burgess (Max von Sydow)、犯罪予防局に危惧を抱く司法省の調査官 Danny Witwer (Colin Farrell) らが調査を進める……。

 Spielberg の entertainment 路線作品。原作は Philip K. Dick。
 予知結果が木の玉で管通ってころんころん転がってきたり、予防局の情報端末が能率悪そうな仮想 screen だったりと、未来なのに何だか retro。その一方で町中にはりめぐらされた網膜 scan camera により何処でも個人特定され個人向け広告をぽんぽん放られてくるという、いかにもな未来社会も見せてくれます。輝かしい未来というよりは悪夢的未来観ですな。
 story は凝っていて、予知を逆手にとっての駆け引きや犯罪もあって楽しめますが、ちと解かり辛いです。まぁ許容範囲か。良作。

log modified: 2005/08/13 15:37:41 JST

2005.07.18 (Mon)

Led Zeppelin / III

 Led Zeppelin の 3rd album、1970 年発表。The Complete Studio Recordings 版。
 1st、2nd と順調に hard rock 路線を邁進していた Led Zeppelin ですが、ここにきて acoustic 路線へ大きく shift、Zep に激しさを求める人からは酷評を受けやすい album なんですが、しかし愛すべき album であります。Led Zeppelin を hard rock として聴こうとするからいかんのです、確かに blues を基調とする hard rock 的な曲は彼らの志向するところではありますが、中近東メロや traditional song を自覚的に取り入れ自らの音楽性を革新していったこの時期の Zep は、前人未到の地平を孤独にひた走っていたのであります。そういう彼らが hard rock という枠にこだわるはずもなく、acoustic な音を大きく採り入れ、また民族音楽的な guitar riff で sharp な trance 感覚を持ち込むことにより、後に彼らの持ち味となる粘っこい groove 感がここにきて開花し始めることになります。
 その新たな成果は tr.1 "Immigrant Song" から現れてます。こんな riff で曲作るかよ、という純粋な驚きを未だに禁じ得ない名曲。tr.4 "Since I've Been Loving You" の深い哀愁には涙、tr.6 "Gallows Pole" の怪しい旋律も妙に印象的。
 この album での挑戦を経て、次の "IV" に続く……ってのも何だか頷ける話です。

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  • 森 博嗣 『朽ちる散る落ちる』
  • 森岡 浩之 『星界の断章 I』
  • 笹本 祐一 『ARIEL (11 〜 13)』
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 PC 2 号機用の mouse の延長 cable を入手したので接続。うむ、快調。
 環境の upgrade して、Eterm やら fluxbox やら入れて、mplayer 入れて……っと、やっとこ普通に使えるところまで持ってきました。次は空き容量確保か。地道に進めていこうかね。

 思い立って椅子購入。背もたれがある幸せを噛みしめております。

[movie] Confidence

 James Foley 監督作品、2003 年。
 詐欺師の Jake Vig (Edward Burns) が仲間とつるんでカモの Lionel (Leland Orser) から大金をせしめたが、その金の出どころは暗黒街の大物 Winston King (Dustin Hoffman) だった。Lionel と、仲間の一人 Alphonse (Louis Lombardi) が殺されたことを知った Jake は、自ら King の元へ出向き話を付けようとする。金を返すつもりはないが、でかい仕事をやって King の損失を埋めあわせることを申し出た Jake に、King は大物の洗濯屋 Morgan Price (Robert Forster) から金を巻き上げるよう命じる。Jake は町で見掛けた掏摸の Lily (Rachel Weisz) も仲間に引き入れ、大仕事に取り掛かる……。

 冒頭 10 分で手の内を晒け出してしまい、あとは延々とネタを引きのばすという作品であります。100 分ほどで短めの映画にも関わらず、見ている時間はやたらと長い印象が……。
 こういう映画は観客まで騙せないと失敗だと思いますが、親切に説明し過ぎで大失敗ですな。Dustin Hoffman の切れ者というかキレ者な演技はなかなか良かったですが、それ以外には特に言うこともなし。まぁ、こういうこともありますな。

log modified: 2005/07/24 16:33:15 JST

2005.07.19 (Tue)

Bill Evans & Jim Hall / Undercurrent

 Bill Evans (p) と Jim Hall (g) の duet、1962 年録音。
 Bill Evans を取り上げる機会って小生にはあまり無いんですが、聴きたくなれば Complete Reverside Recordings を引っ張り出してくるので album 単体で聴くことをあまり意識してないというだけなのです。小生も piano trio の入口はこの人からでした。そして世に Evans 派と呼ばれる人は多かれど、この人ほど interplay で歌える人はいないわけで、まぁそれは精神的な不安定さや弱さや諸さの発露なのかもしれませんが、その危うさの上に成り立つ美旋律を聴いていると思わず息を詰めてしまうほどのめりこんでしまうわけです。
 で、Jim Hall と二人して都会男の美学を追求したのがこの album。tr.1 "My Funny Valentine" は言わずと知れた名演で、やや早めの tempo で巧みな interplay を聞かせます。しかしその後に続く、静かで緩やかな演奏にこそこの二人ならではの美観が凝縮してます。互いに solo を交換しながら、ともすればどちらが主体か解らなくなるような自然な流れを生み出していく。縺れ合って互いに高みを目指すでもなく、といって平行線のまま終わるでもなく、触れ合うようで触れ合わない、すれ違いの親近感。巧みに耽美に音が交錯し、二本の筆から一枚の絵が仕上っていくような雰囲気が美しい。
 何だか懐かしさで死にそうになる 1 枚であります。美しい時代だったんだのぅ。

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 藤原啓治の口から Hacienda なんて言葉が出てくるとは思わなかったぜ父ちゃん。

log modified: 2005/07/20 02:55:24 JST

2005.07.20 (Wed)

Kuricorder Pops Orchestra / Yotsuba&!

 栗原正己を中心とする室内楽集団、Kuricorder Pops Orchestra による、あずまきよひこ原作「よつばと!」の image album。2005 年発表。
 お気楽極楽で遊び呆けて気付いたら日が暮れている、という風情の一日交響曲。栗 Q な人達もぽやぽやした音で楽しんでおります。原作未読ですが、きっと似合っておることでしょう。
 inner の「使用した楽器全部描くぜ!」は圧巻でした。お疲れさまっす。

 

log modified: 2005/07/21 01:47:08 JST

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