Noisy Days in May, 2003

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2003.05.21 (Wed)

Mogwai / Rock Action

 静寂と爆音の協奏詩人、Mogwai の 3rd。2001 年発表。
 Mogwai といえば轟音 feedback guitar だろう! という巷の先入観を裏切って、folkie で acoustic でゆるゆる牧歌的な音世界を提示した作品。でも小生は、1st とこの 3rd album でしか Mogwai 聴いたことないので、大袈裟に変わったのかどうかはいまいち解ってません。
 それよかやっぱり横の繋がりの方が気になるわけで。Tortoise や Jim O'Rourke の solo 作を彷彿とさせる sound texture。茫洋として掴み所がなく、それでいて聴いている間は minimal に繰り返す riff に延々と快楽中枢を刺激され続けてるような。いわゆる泣きメロではないけれど、nostalghic に響き渡る melody に身を浸していると、思わず胸の奥が締め付けられる。tr.7 "2 Rights make 1 Wrong" なんて名曲じゃないですか。繊細な guitar の arpeggio が続く中、じわじわと混沌と noise の波が押し寄せて、高見に上り詰めて一気に弾けたかと思うと、するりと忍び込む静寂の彼方から strings の慎ましやかな旋律が沸き上がり、世界を優しく包み込む。手の届かないものへの憧れと、それを手に入れられない空しさを、音として表現するとこんな感じになるのかもしれない。
 久々に聴き直すと名作だなぁと思った次第。で、新作は……おっと、今日発売だったようで。買わねば。CCCD でないことを祈ってます。

さんたるる氏のエッセイ

 幼少の頃から電子音萌えだった様子。
 ちなみに小生の game music 開眼は ASO だったりします。あ、歳がばれる(汗)。

[news] 私を訴える?訴えるのはあなた?SCO、Linux、そしてUNIX

 非難囂々、といった感じですなぁ。

log modified: 2003/06/11 00:32:41 JST

2003.05.22 (Thu)

Steve Kuhn / Trance

 1974 年録音の ECM 盤。
 70 年代の jazz album らしく、electric piano も弾いてたり。tr.5 "Something Everywhere" とか、Chick Corea が好きそうな latin touch な曲もあったり。と思えば free ぽい曲想で自分の世界に耽溺してたりもする。まぁ、全体的にはとっちらかってる印象。
 しかし、とっちらかっているとはいえ quality は高いです。幻想的で端正な phrase が、緩急織り交ぜた展開の中でバシバシ決まっていく。静かな演奏でも激しい演奏でも、Kuhn の演奏は破綻しない。もちろん Kuhn の才能ゆえ、とも言えるのだろうけど、side を固める Steve Swallow (b)、Jack DeJohnette (dr)、Sue Evans (per) の食いつきっぷりも見事。tr.7 "The Young Blade" での一見混沌に投げ込まれたかのような演奏にも、演奏者達の間には均衡がある。それは、一人一人で異なる vector へと向かいながらも、全体では調和しているような、危うさの中にある安定感だ。
 NY で録音された album なのに、吹き渡る風は冷たく美しい。いかにも ECM らしい一枚。

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  • 船戸 与一 『虹の谷の五月 (上)』
  • 船戸 与一 『虹の谷の五月 (下)』
  • 二階堂 黎人 『人狼城の恐怖 第三部 探偵編』
diary

 体調不良ぽいな。

 今日の式神II、4-1 まで。道中でくたばってるようじゃまだまだだのぅ……。

log modified: 2003/05/22 23:41:20 JST

2003.05.23 (Fri)

Nobukazu Takemura / Milano

 最近は暑い日が続いたかと思うと急に寒くなったりしてるので、小生の体調も崩れがちです。特に仕事場で、定時過ぎてからはもう駄目駄目な感じで。眼は充血、くしゃみも出るし、鼻もずるずる。まぁ、さほど忙しくないのも原因か。気が緩んでるんだろうな。
 そんなこんなで竹村延和の 1999 年作。Issey Miyake のパリコレに合わせて作曲された全 6 曲の album です。
 発表された当時は印象薄かったのだけれど、聴き直してみるとそれなりに低血圧で minimal で柔らかい。古い記憶の襞に分け入り、暖かい毛布にくるまって微睡む一時を思い出させるような。しかし、そこには作為的で人工的な質感もあって、それが取っつきにくい印象にもなっている。
 mechanical な堅さと acoustic な柔らかさを併せ持つ、というのは Steve Reich の曲に特徴的な質感だけれど、竹村延和がこの作品で見せる姿勢も多分に Reich 的と言えるかもしれない。どちらも真面目に作りこんでて、余裕が無いんだよな……。
 とはいえ、bgm としては良い感じに聴けてますので。まぁ、週末だし。のんびりしましょう。

[movie] Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb

 Stanley Kubrick 監督作品、1964 年。邦題は「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」。
 いやはや何というか。笑うに笑えない冷戦期の悲劇、いや喜劇? 互いに核で相手国を牽制する時勢で、米軍の司令官が「フッ素は共産国の陰謀だ!」とキれてソ連への報復を決意、爆撃機によるソ連への核攻撃指令を発動する。自らは基地に完全防衛体制を敷いて連絡手段を途絶させる。大統領を始めとするお偉いさん達は大騒ぎ。ソ連が「皆殺し装置」を持っているという情報を得て、会議はさらに紛糾。平和的に事を収めたい大統領は近くの基地から軍司令官に使いを出すが、それはそのまま戦闘状態へともつれ込む。一方の爆撃機は至近距離に敵の missile を食らって墜落しかけるが、何とか持ちこたえて爆撃地点へと飛び続ける……。
 とにもかくにも Peter Sellers が素晴らしすぎる。大統領、Strangelove 博士、そして軍司令官の狂気に付き合わされる英軍大佐と、一人三役。見終わるまでこの三人が同一人物だとは気付かなかったなぁ。
 お話も終末映画らしい戯画性に富んでいて面白い。人類滅亡と Coca Cola から訴えられることとを天秤にかけて悩まんでくださいよ。それに核投下の mission で何故に stocking や condom が支給されるんだ? などと見ている間は思うのだけれど、こうして見終わってみると一見悪ふざけのような episode にも現代社会への批判を感じたりする。
 寓話を映画にすると現実的に見えるけれど、現実を映画にすると寓話的に見えてしまうという不思議。この頃の Kubrick は、映画の magic をちゃんと心得て作ったんだろうな。名作。

log modified: 2003/05/24 04:10:17 JST

2003.05.24 (Sat)

Metallica / Load

 Metallica の 6th album。1996 年発表。
 この album、発表当時はかなり否定的な意見が多かったんだよな。確かに初期の album に比べれば大きく変わったのは間違いない。でもそれで、grunge に魂売ったとまで言ってしまうのは違うんじゃねーかと思うわけです。
 grunge は、noisy な guitar sound でどろどろ情念世界を突き進んでいくもんだと思ってる小生から見れば、Metallica の在り方はどこまでも metal です。音は clear、楽曲も構造的できっちりしてるし、guitar、drums、bass、それに vocal という編成に拘ってる点からも、この人たちの vector が metal に向いているのは明白すぎる。
 ただ、いわゆる様式美 metal とは明らかに異なる方向を向いてるのは確かで、その辺が世の metal lover から激怒された原因にもなってるんだろう。とりあえずそういう人たちに次の言葉を捧げます。解ってねぇよてめーらは。
 metal は第一に heaviness を追求せねばならんのです。catchy な melody や超絶技巧 guitar なんてのは hard rock 屋にやらせときゃいいんです。ではもう一歩踏み込んで、heaviness ってのは何だろう、と問うてみる。金属的な重低音で身体を揺さぶられる感覚をもたらしてくれるモノ、と言うだけでは足りない。重低音だけで身体を揺すぶられるのなら鉄工所にでも行きな。metal を聴いて身体を揺さぶられるためには、重低音が耳に届いた瞬間にその魂をも掴まれねばならない。俗な言い方ではそれを groove と言う。ちなみに groove とは LP の溝のことである。
 LP の溝が音響と化すとき、そこに快感が生まれる。しかし、その感覚は普遍的なものではなくて、人それぞれであり時代にも左右される、移ろいやすいものなのだ。だから、Metallica は変化した。それは、Metallica として長年やってきたことに安住せず、1996 年という時代の中で自ら新たな heaviness を追求した形として "Load" を生み出した、ということなのだ。
 "Load" に入っている楽曲には slash metal 風の speedy なものは皆無。mid-tempo の重い riff を中心に組み上げた track が多い。そして意外と bluesy。Metallica に blues を求める人が多いとは思えないけれど、今の小生にはすごく面白く聞こえる。それはいわゆる様式美としての metal からは外れているのだろうが、むしろ確固たる様式から始まった Metallica の音楽が、ここで巧みに loose な世界へと shift して、それでいて Metallica らしい heaviness を披露しているという、その在り方が素晴らしい。metal の歴史から必然的に生まれ落ちた Metallica が、ここでようやく自らの歴史を描き始めるに至った、その記念碑が "Load" なのだろう。
 正直に言えば、小生も買った当初は「Metallica にしてこの楽曲のヘボさはどーよ」と思っていたクチである。しかし歳月は人を変える。はみぃは "Load" を面白がっている。やっと解ってきたって感じか。7 年越しで解ってきたってのも悠長すぎるが。

get
  • Jacob's Optical Stairway / (no title)
  • George Winston / Summer
  • Anthony More / Flying Doesn't Help
  • Yoko Kanno / Cowboy Bebop
  • Joe Hisaishi / Laputa: Castle in the Sky
[movie] The Birds

 Alfred Hitchcock 監督作品、1963 年。
 画面を埋め尽くす鳥、鳥、鳥! 一羽一羽は微力でも、大軍になって襲えば怖くない。逃げまどう子供、家に閉じこもる人々。何故鳥が人間を襲うのか、その理由は不明のまま、物語はひたすら進んでいく。
 Hitchcock にしてこのド直球さはかなり意外で驚かされました。動物パニックものにありがちな B 級臭さも溢れてるし。しかし、見えない恐怖を煽る手法は流石の職人芸。家に閉じこもってじっと鳥の襲撃に身を潜める scene とか、たまらんっす。延々と焦らしてくれるよなぁ、あの場面。それだけにいざ鳥の襲撃が始まると寧ろ安心するくらいで(笑)。こういうのを「心憎い演出」と言うのです。
 最後は主人公一家が逃げ出しておしまい。逃げるな、戦え! とか言いたくもなるが、主人公は Schwarzenegger ではないのでそうも行かない。まぁ何というか、圧倒的な鳥の驚異の前では人間は無力であーる、という映画。こういうのも映画ならではの世界です。theme も思想もなし、ひたすら horror、ただただ horror。やったぜ Hitchcock。

diary

 今日の式神II、4-1 止まり。また道中でお亡くなり。つか、3-1 でよく miss るのはいただけない。やっぱ壁はキライだ(爆)。

 hdb を換装。Quantum Fireball の 8G から、Seagate の ST380011A へ。8G から 80G への乗り換えとなる。
 Fireball って、この Endeavor に最初から付いてたものだから、4 〜 5 年は使ってたんじゃないかな。長年稼動させた割には動作が安定していて、良い品物でした。いままでお疲れさま。ゆっくり休んでくだされ。

log modified: 2003/05/25 04:20:24 JST

2003.05.25 (Sun)

Jacob's Optical Stairway / (no title)

 4hero として有名な Dego と Mark Mac の二人組による別名義作。1995 年発表の R&S 盤。
 4hero 名義ではもっと organic な音を披露する彼らだけれど、ここではもっと techno 寄りの mechanical な音作りに徹している。乾いた snare、訥々とした bass、そして音圧の弱い電子音。上物の音数が少なめなのも良い。
 D'n'B は rhythm が複雑であるだけに上物の選び方が難しくて、ごちゃごちゃした作りになっていきがちな genre だけれど、Jacob's Optical Stairway はその罠を上手く回避している。rtythm は高速で疾走し、電子音は緩やかに流れる。夜の街に流れる neon light を横目に、高速道路をすっとばしてるときの感覚を、音楽で表現するとこうなるかも知れないな。
 ちなみに小生、免許取ってから車に乗ったことが殆どありません(爆)。

[comp] iso ファイルを mount するには

 target.iso を /mnt/tmp に mount するなら、


$ mount -o loop target.iso /mnt/tmp/

 てな感じ。今まで知らなかった……。

[comp] 再び momonga 飼育への道

 Mandrake Linux 9.1 が今一つなので、momonga 環境をまた作ってみようとしているわけで。
 でもって momonga-20030517.iso は bootable になってない様子で途方に暮れたわけで。自分でもいろいろやってみたが上手く行かず。
 仕方なく momonga-20030410.iso で CD-R に焼いて install を試みたら迂闊にも mkinitrd し忘れて(爆)。しまった。
 もう夜遅いので明日にでも retry してみまふ。

diary

 見ている anime が多いせいか、週末もなかなかゆっくりできないような。つか本日の起床時間は 15 時だし。生活周期から改善していくべきかも知れんなぁ。

log modified: 2003/05/30 01:59:49 JST

2003.05.26 (Mon)

Various Artists (mixed by DJ 19) / Trance Essence

 1999 年発表の Trance Essence 第一弾。
 最近は trance ものはあまり聴かなくなった小生ですが、DJ 19 の "Trance Essence Edge#3" は一時期よく聴いてました。あれで真夏は trance とゆー固定概念が定着したというか脳みそに刷り込まれたというか。
 この第一弾、王道路線で突っ走ってます。Armin、Vincent De Moor、System F といった大御所もきっちり押さえて手堅い作り。でもって DJ 19 らしい speedy で dramatic な展開。最後は手前みそな "Trancentral Station / Be Free" で締めてるし。まぁ、"Edge#3" のような窮め尽くした一大パノラマというわけではないけれど、名刺代わりの第一作としては上出来ではないでしょうか。
 最近の trance ってどうなんですかね。CD 買ってないからさっぱり解んないや。

[comp] 再び momonga 飼育への道 (2)

 前回の続き。
 momonga-20030525.iso なるものが up されていたので早速落として CD-RW に焼いて起動。おお、今回はちゃんと boot できる。
 でもって install。作業は以前とほぼ同じ手順。今回は hdb1 (20G) を reiserfs で root にして、hdb5 (512M) を swap に使った。順調に進む。
 reboot して動作確認。うむ、上出来。とはいえ現状では X も入れてない状態なので、これからがまた大変なのですが、それはまた今度。

怒首領蜂 大往生・ケツイ〜絆地獄たち〜オリジナルサウンドトラック 発売決定

 カトゆー家断絶より。長生きすると良いこともありますなぁ。購入申し込みは 6/11 から。

地震

 仕事場で体験。震度 3 ってとこか。
 大揺れではないにせよ、物が落ちかけるくらいには揺れてた。それより恐ろしかったのは、同僚のかみりん(仮名)が揺れをモノともせずに仕事の話をし続けてた点である。その真摯な眼差しは、話を聞いている小生のほうがむしろ現実の揺れをまやかしと思わされる程に平静であったという……てゆか気付けよ、をい(笑)。

 帰宅後の自宅は突風の吹き荒れたが如し、というわけでは全然なくて、精々が CD 棚が 1 本崩れかけていたに留まっていた。まぁ、その程度には片づいているということで。

diary

 今日の式神II、4-1 まで。
 超兄貴は何とか弾スジ見切れるようになってきたのだけれど、道中でポカやる癖は相変わらず。3-1 の動く壁地域とか、4-1 の縦線状弾 & 芋蔓針弾地帯とか。ボム逃げすると 4-1 boss がきっついし。うーむ。

log modified: 2003/05/27 15:53:22 JST

2003.05.27 (Tue)

Hitmaker / Marsinal - Cyber Troopers Virtual-On Force Official Sound Data

 豪快に pop、キラキラでピカピカでつるんつるんな VO4 の soundtrack。しかし小生はこれまた遊んだことのない game なんですわ。わはは。ちゃろん属性は昔から皆無なのです。
 音は昔ながらの小林健太郎 sound。旧作の新録も収録して、VO 集大成な感じに仕上がっております。Orchestra Hit がバシバシ、brightness でメロメロ、fantasia も多用して非常に colorful。ホント変わってないですねぇ、初代 VO の頃から。
 でもまぁ嫌いじゃないんすよこういうのも。格ゲー音盤だといまいち個性的な album に巡り会えないことが多いのだけれど、VO のある意味愚直とも言える melody 志向は明らかに異彩を放ってるわけで。この曲で VO やれるかと自らに問いかける時期が小生にもあったはずなのに、今となっては違和感ないからなぁ。って、だから VO やってないから実際のところは解らんが(爆)、たぶん抵抗なく遊べるはず。
 robot と脳天気 bgm。正太郎クンの心のトキメキは火星にも繋がっているのだ。

LAST EXILE O.S.T は 6/21 発売

 密かに期待。OP の曲は Depeche Mode みたいでアレですが、劇伴としては classical で王道路線、かな。

[movie] Legend

 Ridley Scott 監督作品、1985 年。
 ええと、Ridley Scott にしてこのヘボさはどうよ。いわゆるひとつの駄作。

 おっといかん。美点凝視でいかなきゃね。映画評では大甘で知られる小生ですから。
 Jack 役の Tom Cruise はとにかく若くてニヤケ顔で何だ結局今と変わっとらんでわないか。甲冑まとって立ち回りも見せますが似合ってないぞ。相方の Lily 役は Mia Sara。可憐な王女様なのに闇の王の后にさせられそうになって、衣装も白から黒へと劇的に変わるってーのに、演じ方はあまり増幅なし。惜しい。天使と悪女で二度美味しい役回りなのにねぇ。
 しかし何がいかんといって、この story はあまりにも面白みに欠ける。王道 heroic fantasy として作るには子供向けすぎて、子供向け冒険活劇と言うには冒険も活劇も足りない。世界征服を企てる魔王、秩序の象徴である unicorn、無垢な青年に可憐な王女、そして森の妖精や小鬼たち……と、道具立ては揃っているが結局揃っているだけ。あ、Jack と Gump (David Bennent) の出会いは面白い見せ物でしたけど。無知な Jack を罠にはめて上手を取ろうとした Gump が、Jack の思わぬ返り討ちにあって、そのまま仲間になる、と。こういう話の組み方は自然で好感が持てるのだけれど、闇の王が Lily に心寄せるのは唐突過ぎるし、Lily は unicorn の角を奪った小鬼たちを「許さない!」とか言って息巻いてたのに次に出てきたときは罪悪感に打ちのめされて泣いてるし。おいおい何だよそりゃ。
 美しく幻想的な自然描写は流石に映像作家 Ridley Scott の本領発揮で良い感じだが、それも後半では洞窟内でばたばたやる展開になるので魅力半減。光が洞窟内をぺかーっと走って闇の王を直撃する scene とか、盛り上がるはずなのにあまり印象に残らないのは光が煙みたいに見えるからかな。
 そんなこんなで乗りの悪い映画でした。とほー。

diary

 どうも眠気が抜けないと思ったら、今日は雨が降ってたんですな。というわけで仕事は片づいてないけど 21 時前に切り上げて帰宅。

 momonga は mph-get で fluxbox と galeon 入れて、X 起動できる環境にはなりました。まだいろいろ足りない気がするなぁ。

log modified: 2003/05/28 15:47:45 JST

2003.05.28 (Wed)

Masaki Kurihara / Azumanga Daioh Original Soundtrack vol.2

 だ〜つ〜りょ〜〜くぅ〜〜ぅ。第二弾。2002 年発表。おきなわん楽曲も収録。
 まったりとした日常を、まったりとした音で彩る。癒しだのゆとりだのという以前に、ぬぼーっとしていて、毒にも薬にもならないような脱力 sound。それでも tension 高めの horn ぶりばりな曲やら、しんみりした piano 独奏やらも織り交ぜて、それなりに variation 豊か。でも、「あずまんが大王」だからねぇ。tr.25 "大阪授業中の空想" での free session な展開でさえ笑いを誘わずにはいられない。
 しかしある意味、これはこれで極まった世界と言えるかも。何より melody が素晴らしい。でもって脱力。これが相乗効果を及ぼして、真面目に勉強する意欲を根こそぎ奪い取るのである。ボンクラは美しい。ボンクラは最高だ。君も僕もボンクラ。ボンクラに帰りたい人は聴いてください。

diary

 PC の時計がずれまくってました(爆)。およそ半日分くらいかなぁ。
 momonga の time zone を GMT から JST に変更して、その後に時間設定しなかったからでわないかと推測。

log modified: 2005/09/26 02:21:31 JST

2003.05.29 (Thu)

Gidon Kremer / Hommage a Piazzolla

 Kremer による Piazzolla 曲集。1996 年発表。
 正直言って tango は解らんのですが、この album は一時期よく聴いてました。激情と哀愁の間で彷徨う旋律。むせび泣く Kremer の violin。小編成ながら、端正な世界を紡ぎ上げる band sound。classic の棚に置かれるべき作品ではあるけれど、技術偏向・理論先行の作り込みではない、妙な生々しさがある。それが Astor Piazzolla の作曲によるものなのか、Gidon Kremer の上手すぎる演奏によるものなのかは判断できないのだけれど、まぁ、両方なんでしょうね。
 昔聴いていた頃は Kremer が前に出過ぎていて聞き苦しい印象があったのだけれど、こうして聴き直してみると、Kremer の在り方は Piazzolla の音世界にひたすら没入しているように聞こえる。これもまた一種の trance music。こんなに感情豊かな violin の音を聴いたのは、随分久しぶりのような気がするな。上手い奏者の本気を見る思い。

diary

 今日の式神II、4-1 まで。3 面で life 失うのも相変わらず。

[news] 文章の特徴を解析し、筆者の性別を判断するプログラム

 James Tiptree Jr の作品でも噛ませてみるとか……。

log modified: 2003/05/30 02:12:39 JST

2003.05.30 (Fri)

[movie] True Crime

 Clint Eastwood 監督・主演作品。1999 年。
 死刑囚 Frank Beachum (Isaiah Washington) の死刑執行当日。新聞記者の Steve Everett (Clint Eastwood) は同僚の交通事故死により、彼女の抱えていた Beachum 事件を担当することになった。当初は Beachum への interview だけで終わる予定だったこの取材だが、Everett は Beachum 事件に冤罪の臭いを嗅ぎつける。しかし法廷で 6 年ものあいだ議論されてきた事件に対し、Everett の持ち時間はたった一日。いい歳こいて女好きなのが祟って妻に愛想を尽かされ、仕事場では Everett に女房を寝取られた上司の Bob (Denis Leary) が、Everett の首を切ろうと虎視眈々。冤罪を証明する物証も上がらないまま時間が過ぎていき、幾度も手詰まりで諦めかける Everett だが、僅かな臭いを頼りに事件の真相へと迫っていく……。
 枯れきってますよ Eastwood。それで playboy を気取るんだからこりゃ笑うしかないでしょ。相変わらず tough で突っ張った役が好きなんだろうな。しかし、だからといって単に自分を誤魔化して強がっているわけではなくて、その自分の滑稽さも弁えて軽みと余裕のある演技を見せているところが何とも上手い。1997 年の主演映画「目撃」での泥棒役にもこういう軽みが発揮されていたけれど、この新聞記者役もなかなか。serious 一辺倒になりそうな theme を扱っていながら、Everett は家族 service もするし、親友の編集長ともエロ話で盛り上がったりして、全然 hero らしくない。その「らしくない」役にひょろっとはまってしまう Clint Eastwood は、演技者としては上手いとはいえないけれど、自分の生かし方をよく心得ている。
 story もそれなりに面白かったです。Beachum が家族と最後の面会をする scene とか、第三の目撃者と思われる少年の祖母が Everett と話をする scene とか、ほろりと泣かせる場面もちらほら。Beachum の死刑執行時、予定の時間を過ぎてから刑務所長が渋々と刑の執行を促す場面も良かったなぁ。なんだかいろいろ思い出してきたがくどくど書くのは止めときましょう。細部の描き方が良かったからいろいろ思い出せるんだろうな。乞食のおっさんとかコンビニのおばちゃんとかにも人間味があって。
 ズバ抜けて名作ってわけでもないんですが、ふわっと心に染みる映画でした。

log modified: 2003/06/01 02:35:14 JST

2003.05.31 (Sat)

Masters at Work / The Album

 MAW の 1st album、1993 年の発表作。
 hip hop と house を下地に、hi quality で hi-fi な世界を構築。Jocelyn Brown や India の歌を生かした track での爽快感は流石の職人芸。直ぐに高いところへ持ってかれます。ひたすら脳天気、ただただ快楽。考えることを放棄させる trip music。
 この時点で既に完成された style を持ってるなぁ。文句の付けようがない王道で media 受けする house であるがゆえに、優等生すぎて面白みがないとも言えるのだけれど。まぁ、MAW に王道以外を期待してはいかんでしょう。90 年代の funky pop music。明るくてピカピカな house が好きな方はどうぞ。

get
  • Masters at Work / The Album
  • Joy Division / Unknown Pleasures
  • Paul Weller / Stanley Road
  • Joe Morris / Elsewhere
diary

 今日の式神II、4-1 まで。駄目だ、越えられない……。しかも play 中に NAOMI2 基盤の error 表示で中断させられるし。うへぇ。まぁ、珍しいものが見られたということで良しとしましょうか。でも 4-1。あああ。

[movie] Deep Rising

 Stephen Sommers 監督作品、1998 年。邦題「ザ・グリード」。ちなみに greed とは貪欲という意味です。はは、成る程。
 金のためなら何でも運ぶ密輸船の船長 Finnegan (Treat Williams) は、嵐の中、武装した男達と大きなミサイルをとある海域に運んでいる。その行き先は豪華客船。武装集団は客船を襲うつもりらしい。しかし大勢の客が乗り込んでいるはずの豪華客船の中はもぬけの殻。そして豪華客船の中では何か得体の知れない存在が蠢いているのであった。
 でかい化け物に追い立てられるという B 級 horror の王道な展開なんですが、それなりに楽しめました。Finnegan は密輸船の船長という立場ながらも、銃の扱いには手慣れているし、いざというときには肝っ玉の太いところを見せる好人物。Finnegan を運び屋として利用するだけのつもりだった Hanover (Wes Studi) は、化け物の驚異を目の当たりにして傍らの Finnegan に銃を渡したりする。当初の思惑からずれた展開になって、敵同士の男たちが一時的に協力する……という展開に弱いんすよ小生は。でも、化け物に追い立てられた Hanover はやっぱりワルの本性剥き出しにするんですけどね。
 おとぼけ野郎 Pantucci (Kevin J. O'Connor) が、真っ先にやられてもおかしくないダメっぷりを発揮しながらしぶとく生き残ってくってのも逆説的で面白い。豪華客船の持ち主 Canton (Anthony Heald) は実は事件の裏首謀者で、Finnegan たちを裏切って逃走、客船を離れていく密輸船に飛び乗って一人生還……のはずが、思わぬ展開で自滅するというのも皮肉が効いている。化け物の描写で怖がらせるだけじゃなくて、個々の character を上手く物語の中で生かしている点がこの映画のいいところなんですよ。単なる B 級とか偽物映画とかで片付けちゃいけませんってば。でも B 級(爆)。
 化け物の描写は、姿が見えないときの方が怖いです。便所に逃げ込んだ乗客が便器に飲み込まれて鏡に血飛沫がどぱっ!ってところとか、武装兄ちゃんが何かに思いっきり引きずり回された挙げ句、海に引き込まれて血が広がる場面とか、周囲のアルミ壁をめきめき言わせながら迫ってくるところとか。いやまぁお約束といえばお約束ですが、しっかり作ってるなぁと。で、巨大ミミズが出てきてからの展開はひたすら圧倒的で CG 使いまくりでゲロゲロで気持ちわるぅございますが最後は大ボスまで登場で腹一杯てゆかこれ意識してたんですかね。とりあえず笑う場面だと思われます。弱いよ大ボス(笑)。
 落ちも happy end とは行かなくて、不幸は続く様子。ご愁傷様。

log modified: 2003/06/01 03:45:22 JST

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