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今年の半野喜弘は electronica 一直線です。「永遠の仔」での acoustic な世界観からは遠い遠い世界へ旅立ってしまった様子。
いつからか、半野の音からは感情や情緒のようなものが感じられなくなってきた。例えば半野が A&R してる current では、高西知泰や一ノ瀬響のように、electronica を base にしながらも情緒的な melody を聴かせる音響 pops な音が多くて、それは multiphonic ensemble "Cirque" の頃の半野と通底するものがあるのだけれど、今の半野はそれを遙か遠くに置き去りにして、Kid606 のように刹那的な noise と戯れているように思える。
これが何かの前兆なのか、それとも真に半野の望んだ方向なのかは全く解らない。ただ、長らく自分自身と向き合い誠実な音を紡ぎだしていた音響詩人が、音の彼方へ視線を彷徨わせ、何かの風景を捕らえようとしているのは確かなようだ。どれほど無機質な音の連続であっても、その音は人を痛みへと誘わない。どれほど感情を滅却しても、その音には半野の意志が、美意識が自ずと投影されている。tr.10 の noise echo に晒されながら、それは自然と波の音に聞こえてくる。電子時代の環境音。noise の海に生きているということを、改めて意識させられる。我々の時代においては、PC の fan noise でさえも art と一体化できるということを、album 終了後の沈黙が教えてくれる。
自閉モードも終わったので、ovinfo 再生に取り組むことにしたですよ。えと、make が通らないとゆー件ですな。
まずは configure.in を見る。なになに、"AM_PATH_AO" を呼んでますな。こことか見ると、"CHECK_PATH_AO" に変えた方が良いらしい。"AM_PATH_OGG" や "AM_PATH_VORBIS" も同様。変更後、make してみる。
っと、"./depcomp" が見つからないと出た。何ですかそれは。良く解らないがとりあえずおまじないを。
$ automake --add-missing
……これで何故か depcomp が出来る。よく解らないなりに目出度い。んじゃ、また通してみる。
$ make
cd . && aclocal
cd . && automake --gnu Makefile
cd . && autoconf
/bin/sh ./config.status --recheck
-- snip --
./configure: line 2787: syntax error near unexpected token CHECK_PATH_OGG('
./configure: line 2787: CHECK_PATH_OGG()'
make: *** [config.status] エラー 2
基本に立ち返って、"/usr/share/aclocal" を覗いて "CHECK_PATH_OGG" を探してみる。案の定、そんなもんはなかった。むぅ。
んで、こんなものが用意されていた。
dnl XIPH_PATH_OGG([ACTION-IF-FOUND [, ACTION-IF-NOT-FOUND]])
また名前変わってるよぉ(泣)。気を取り直して、"CHECK_PATH_OGG" を "XIPH_PATH_OGG" に変更。もちろん "XIPH_PATH_AO"、"XIPH_PATH_VORBIS" も。
再挑戦。
$ make
cd . && aclocal
cd . && \
automake --gnu Makefile
cd . && autoconf
/bin/sh ./config.status --recheck
running /bin/sh ./configure --no-create --no-recursion
-- snip --
checking for ao... yes
checking for Ogg... yes
checking for Vorbis... no
*** Could not run Vorbis test program, checking why...
*** The test program compiled, but did not run. This usually means
*** that the run-time linker is not finding Vorbis or finding the wrong
*** version of Vorbis. If it is not finding Vorbis, you'll need to set your
*** LD_LIBRARY_PATH environment variable, or edit /etc/ld.so.conf to point
*** to the installed location Also, make sure you have run ldconfig if that
*** is required on your system
***
*** If you have an old version installed, it is best to remove it, although
*** you may also be able to get things to work by modifying LD_LIBRARY_PATH
configure: error: Vorbis needed!
make: *** [config.status] エラー 1
衝撃の事実。libvorbis に辿り着けてない。"rpm -qa | grep vorbis" で、ちゃんと libvorbis-devel が入ってるのは確認済み。あれー? 何時の間にそんなコトになっておったのであろうか。てゆかこれも今頃……って感じのネタですな。
momonga のパケジでは libvorbis の上書きができないので、ここから libvorbis-1.0-1.src.rpm を落としてきて、自前で rpm 作って入れる。これで状況が改善されれば良いのだが……。
しかし、しかしである。同じように configure.in で "XIPH_PATH_VORBIS" を呼び出している vorbis-tools はちゃんと make できてるのだ。似たような条件の ovinfo が通らないはずがない。何かが、何かが違うはずだ。探せ探せ探せ。
とりあえず今までの configure.in はすっぱり捨てて、autoscan から始める。適当に弄くって、make。通らない。やっぱり "XIPH_PATH_VORBIS" でこける。また vorbis-tools の configure.in を見てみる。試す。こける。また見る。試す。こける。
……とまぁ、いろいろやって何とか通るようになったです。原因はよく解らん(爆)。vorbis-tools から acinclude.m4 と aclocal.m4 を持ってきて aclocal してから調子よくなったみたい。やれやれ。まぁ、通るようになってよかったよかった。
実はまだ問題あるけど。
James "Drexciya" Stinson が亡くなったそうだ。安らかに眠り賜え。
この新譜、どこからどう聴いても Drexciya そのものです。深海に木霊する硬質な beat。冷たい水の底で synthesizer が鳴動する。音の間口は広くないけれど、一聴しただけでそれと解る originality は相当のものです。最近は精力的に album を生み出していただけに、突然の訃報が本当に惜しまれる。モコモコ sound よ、永遠に響け。
beatdownsound.com で聴けます。太っ腹。お早めにどうぞ。
「techno に国境はない」とか言ってる techno 評論家がいたように思うけれど、ふむん、どうなんでしょ。確かに techno って、一度聴いただけだと地域性なんてないように思えるなぁ。rock だと USA だ UK だ日本だ German だ……って感じで、自分の出自を意識したような sound color が作りやすいような気もするし、むしろそれを武器にして promotion したりもするですね。techno や house は、rock や pops に比べればその手の地元意識みたいなものは少ないかも。でも、全く無いかといえばそうでもないわけで。
Jori Hulkkonen は北欧の house producer。"Different" の jacket は雪原とオブジェ。この jacket から想像できる音といえば、冷たさ、でしょう。で、まさにその image を裏切らない音世界がここで繰り広げられる。冷たい感覚と透徹した美意識。しかし、そこは通好みな house 野郎、決して明るくはないけれど、暗い雰囲気には持っていかずに青白い炎のような躍動感を beat に宿らせている。
どの track も、聴けば聴くほど奥深い味わいが楽しめる。小生は tr.2 "You're My Excuse for Being Me" の strings を店頭で耳にしたときに購入確定しました。
うーむ、tr.7 "Man from Solaris" の minimal な synthe もじわじわ効いてくるなー。長いこと愛聴しそうな予感。
これまた minimal で耳に優しい detroit techno。Vince Watson とゆー人については詳しく知らないけれど、Aril Brikha を連想させる、どこかほのぼのとした音。
こういう音に抗えない自分を意識しつつ、何でオイラはこの手に弱いんやろと毎度毎度思い悩む今日この頃。tr.12 "Mystical Rhythm" の上物でキラキラピュンピュン言ってる synthe の音が、ぱっと聴いた感じで jazz っぽく聞こえて、でもそれ以外はかっちりした四つ打ち beat で何処をどう切り取っても techno なので、合わせ技で jazzy な techno 好きなのであろーと結論づけようとしてもやっぱり無理があるのは自分でも解っているのであるよ。うーむ、謎だ。
DC の某 game の架空 artist、とゆー位置づけらしい、Serani Poji の 1st album。最近 remix album も出てます。11 月には 2nd まで出るそうな。詳細は本家にて。
かわいくてお洒落な音が次から次へと繰り出される pop album で、小生の嗜好とはまーたく繋がりそうにないが、佐々木朋子さんの曲にはフツーの pop 感とは微妙にズれた感覚が組み込まれているので、新鮮な気分で聴ける。
そこに稀代の house 職人、福富幸宏の production が加わって、音質はものすごーく hi-fi に。この hi-fi 感、きっと狙ってやってますね。ここまで hi-fi だとかえって嘘臭いもん。浜崎あゆみ的 virtual 感みたいなものを、真 virtual な存在である Serani Poji が真裏から表現した、みたいな。まーつまり、在りそうで無い音楽なわけです。
tr.4 "Manamoon" は、朋子さん ver. よりも house 色が強い arrange で、ちょっと印象変わってしまったなぁ。原曲はもっと浮遊系の音だったと思うのだけれど。
へええ。こんなのがあったとは。winamp 用の streaming server soft らしい。xmms でsmooth jazz を聴いてみたり。音質もまずまず。手軽な internet radio みたいな感覚で聴けます。License 的に clear ならいいんだけど。
ちなみに ogg vorbis 用の icecast つーのもあるようです。attentionspanradio とかの net radio が聴ける様子。
先日、何気なく Good Looking の "Earth 4" を手に取ったら、John Beltran も 1 曲提供していて吃驚。そんでもってこの "Sun Gypsy" の thanks 覧にも LTJ の文字が見える。へええ、繋がってたんだ。
とゆーわけで、John Beltran の 2002 年作、Ubiquity からの登場です。今年は既に Exceptional から "Americano" を出しているので、それに続く新譜となるわけで。かなり精力的です。んで昔の "Ten Day's of Blue" も再発されたし。去年あたりから CD 探してた小生には有り難い話です。善哉善哉。
とはいえこの "Sun Gypsy"、John Beltran の持ち味と言うべき淡い叙情性は殆ど漂白されてしまっていて、brazilian flavour 満載の元気いっぱい album となっているので、techno な John Beltran を愛する detroit techno fun な人にはオススメできないかも。むしろ compost 一派に近い crossover な雰囲気。
tr.6 "Dashiki" て、minimal だけど芸が細かくて、体が自然と動いてしまうな。畳みかけるような beat を作らせても上手いものです。
あ、tr.7 "Fragile" は、あの "Fragile" です。NIN ですか Yes ですか? いーえ違います Sting です(笑)。
この jacket はかなりイタイんですけど(爆)。".hack" サントラシリーズの落ち穂拾い的な album。のわりには佳曲ばかり……って、元が remix work だからか。いやいや、re-arrange によって聞き慣れた曲でさえも別の顔を見せるのが良いのです。特に ".hack" の世界観からしてみれば、純粋な fantasy とも言えず、かといって電子の海を漂い続ける訳でもなく、世界へのズレや違和感を絶えず意識させられながらも自分達の居場所を模索し続けるという theme を、上手く音として表現している。この album でも、冒頭の tr.1 "obsession str. ver." で title 通りの strings arrange を見せつけたかと思えば、tr.11 "digital monsters" ではピコピコでヘッポコな狂騒的 techno も聴かせたりして、次に何が飛び出してくるか解らないワクワクな感じが良い。
静かな曲も良いけれど、tr.15 "the world extra ver." みたいな dancable な number にも梶浦由記らしさが滲み出ている。melody への愛着と dance beat への執着が共存する、とゆー点では Tamayo さん(*1)と共通してるかも。梶浦さんの方が tribal で開放的なんですが。
ありゃ、楚良の theme で締めですか(笑)。
ああっ、Hooters だっ!!
小生、日頃から techno やら jazz やらばかり聴いてますが、別に rock を毛嫌いしているわけじゃーないのですよ。ただ、精神論とか歌詞とか artist の生き様とかでは音楽を楽しめないだけで。いやまぁ歌がキライてゆーのはあるけれど。jazz は聴くけど jazz vocal は避けて通る、みたいな。
そんな中で、The Hooters は未だに小生のココロを乱さずには居られない rock band なのれす。まだ metal 野郎だった高校生の頃に radio から流れてきた tr.1 "Twenty-Five Hours a Day"、そして tr.2 "Boys Will Be Boys" を耳にしたときに感じた、あの胸を締め付けられる瑞々しい感覚。今でも覚えているがあれは NHK-FM の "Crossover Eleven" でしたよ。津賀山正種さんの deep でオトナな声に小生もドキドキしたものです(爆)。って、話がそれてるやんてゆか何言わせるんじゃオラオラ。
とにかく高校時代の heavy rotation album だったのです。恐らく Metallica の black album と同じくらい良く聴きました。大学受験で四国から本州に渡ったときも聴いてました。ちなみに受けたところは落ちました(爆死)。って、どんどん話が脱線していくなぁ。まぁ小生には、個人的な記憶と、その当時聴いていた音とが link していることって珍しいので、多少の脱線は多めに見てあげてください。
それにしても、久々に聴いたのに全然色褪せた感じがしない。どの曲も小生の記憶の隙間にピタリと吸い付いている感じで、聞き覚えのある曲に安心して身を委ねて居られる。で、これだけ体に染みついていながらも飽きることがない。大した魔法をかけられたものです。やっぱり、凄い band だよなーと再認識。前述の冒頭 2 曲で pop な掴みは OK、しっとりと聴かせる tr.5 "Private Emotion"、speedy で爽快な典型的 american rock な tr.7 "Dancing on the Edge"、humorous な歌い口ながら、horn や hooter や guitar で分厚い音を作って堂々と突き進む tr.10 "Nodoby But You" などなど、開放的で逞しい曲が並んでいる。そしてこの melody sense、この arrangement の素晴らしさよ。基本は american rock だけれど、実際のところ、america とゆー国は人種の坩堝なわけで、音楽の成り立ちにしてもいろんなものが混淆しているというのが実状である。それを自覚して、一見無国籍的な楽器編成でありながら、その実、america という国の音楽を体現するかのような曲を作っていった Hooters はエライ! と思うわけです。だって hooter ですよ貴方。わたしゃ知らないよそんな楽器。
というわけで、久々に聴いても盛り上がりまくりの album でした。活動停止して長いけれど、是非とも再活動してほしいです。
「風よ。龍に届いているか」を購入。
寒いです。trainer を着て仕事に行く。冬型武装。そういえば背中が痒いのも空気が乾燥しているからか。そういう季節になってきたんですねぇ。仕事場の上司も体調悪そうでした。
仕事場の片隅に、外界から遮蔽された partition を発見。外界から遮蔽、とゆー situation から小生は映画「The Fly」を連想。近くの O 氏と話していて、「The Fly の最後はどんな顛末だったか」を思い出そうと四苦八苦。
「恋人がメシ届けに男の部屋に向かうんだよなぁ」
「機械にもう一度入ってどうにかなるんじゃなかったっけ」
「おおそういえば、融合機械にもう一度入ったら今度はトカゲと融合して」
「じゃなくて彼女と融合して完全体になるんですよ」
「一人で卵産めるぜっ! って喜んでいいのかそれ」
「もっとアレな感じで終わったような。繭になってハエな感じででも失敗してグログロでゲロゲロで」
「えーっ???」
91 年の話題作、だったらしい(推測)。91 年と言えば、Guns 'n' Roses "Use your Illusion (I/II)"、Metallica "Metallica" と同じか。小生はまだ Metal years の頃ですな。その頃の More Music の会誌で、The KLF とゆー奴らがおるということを教えられました。それからはや幾星霜……。当時の小生には未知の存在だった The KLF も、今や忘れ去られた存在となり果てましたとさ。ちゃんちゃん。
と、終わってしまうのも何なので例によって雑文でも。
なんつーか、一昔前の Velfarre ノリです。retro で古臭くてバタバタしてる。当時バカ受けした tr.1 "What Time is Love?" や、tr.3 "3 A.M.Eternal [live at the S.S.L]" とか、思考を放棄した感のある真っ正直な rave sound で、今の耳で聴くとこっぱずかしいなぁ。Namco イカレ系の "F/A" みたいに極北に突き進んだわけでもなく、chill out な track も交えていたりするから、album のまとまりも良くないような気が。期間をおいて何回か聴き直しているのだけれど、引っかかりが無くて、掛ける言葉も見つからない。
speaker を T 字型に積んだ写真の jacket は良い感じなんですが、音的には駄作。じゃあな、ジェイ、またな。
tr.4 "Dah Blessing" なんて、まんまの jazz である。終盤の cadenza で朗々と sax を吹き鳴らす Courtney Pine。なんだ、straight な jazz もやってるんじゃないの。などと今更ながらに再認識したりして。如何に今まで先入観持っていたかが窺い知れますね。
そう、小生は Courtney Pine のこの album をろくに聴いちゃあいなかったのである。理由の一つは、中古屋でやたらと安く購入した覚えがあって、聴いても有り難みを感じなかったから(爆)。そして、「jazz 屋の hip hop album」とゆー先入観から、直視するのを無意識的に避けていたためである。しかし、こうして聴いてみるとこれは jazz だ。tr.6 "Creating Stepper" を聴け。John Coltrane の霊が乗り移ったかのような sheets of sounds である。これを聴くだけでも、Courtney Pine が小手先の器用さだけで jazz してる男でないことは一目瞭然ではないか。tr.8 "Absolution" にも Coltrane の陰が見え隠れ。実はアツい男だ。jacket から「お洒落系の club jazz album」と思いこんでる君は、考えを改める必要がある。speaker から流れ出る real な jazz の響きを聴き、自分の耳で判断せよ。
こうしてじっくり聴いてみると、むしろ何故 hip hop 的な意匠を必要としたのかが疑問に思われてくる程だ。Courtney Pine の耳には hip hop も jazz も同じ地平で聞こえているんだろうなぁ。音響に対する感覚が似ている、とでも言うのか。50 年代の jazz と、この Courtney Pine の album との間に、断絶はあるようでもあり、ないようでもある。それが contemporary jazz の在り方だ、と Pine は主張しているようにも思える。それは、過去への nostalgic な憧憬ではなく、今という時代を刻印した jazz なのである。
無料 ISP 最大手の livedoor が陥落。無料 service で利益を得ていくのは難しいようだ。