|
Ireland の blues rock guitarist、Rory Gallagher の 1973 年作。
Rory Gallagher の studio 録音盤の中でも傑作と謳われる album です。tr.1 "Tattoo'd Lady" は緩やかな開幕ながらしっかり blues rock な展開で聴かせます。tr.2 "Cradle Rock" は勢いのある riff が organ 等と絡みつつ hard rock に突き進む number。と思えば tr.3 "20:20 Vision" は acoustic guitar でゆるゆると。とまぁ、いつも通りの guitar 小僧 Rory Gallagher の好き勝手にやらかしてますな風情なわけですが、今回は blues rock 主体と言いつつ irish trad や tr.4 "They Don't Make Them like You Anymore" のように jazz ぽい展開も盛り込んだりで、楽曲の幅を広げようとの意気込みが窺えます。とはいえこういう傾向は彼に限らず 70's rock が潜在的に抱えていた blues rock 帝国版図拡大戦略の風潮に乗っかったものと思えなくもないですが。Rory の場合はその進みかたも真っ直ぐで如何にもこの人らしいです。一聴、あまり印象に残らん感じもしますが、噛めば噛むほど味が出る、するめいかな album と思います。
めりけんの guitar rock band、The Goo Goo Dolls の 1995 年作。
疾走青春 punk rock から alternative rock な重低音路線に若干 shift してきたのがこの頃の The Goo Goo Dolls、major 感溢れる edge の立った録音も相まって scale 大きくなったなぁと。でもってこの album には彼らの名を知らしめた名曲 tr.6 "Name" が収録されておる、というわけで Goo 初心者にもお勧め出来る一枚であります。あ、tr.3 "Naked" も名曲ですな。
しかしこの band の場合、album 聴いてるときの安心感が半端ないんですよね。どの楽曲でも突っかからずに聴けるってのは凄いことです。これも青春丸出し power の成せる技か。
Morphine Records の頭領、Rabih Beaini の Morphosis 名義作、2011 年発表。Delsin からの release。
dub techno 大好きな delsin らしい、doop な世界観の album で、不穏な雰囲気がそこかしこに横溢しております。ただの dub なら煙草でも吸いつつほえほえーと聴いていれば良いのですが、この人の場合は synth の手弾きや不穏な vocal や奇天烈 SE の上乗せやらで不測の accent が多くて気が休まらん、しまいには定期的な minimal beat さえたまに裏打ったりして不安定さを助長する。延々緊張を強いられつつ暗黒盆踊りをひたすら踊らされ続ける、みたいな。minimal ぽいのに minimal の枠に収まるのを逃れようとする、これ即ち脱 minimal、そんな言葉はありゃしませんが。とかく一筋縄ではいかない変な album でありました。