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Bon Jovi の frontman、Jon Bon Jovi の solo album、1997 年発表。
本家の活動が停滞していた時期の solo album ですが、arena rock としての王道路線を突き進む本家とは一味違う地味渋なめりけん rock を展開しております。とはいえ 90 年代後期〜2000 年代初期の Bon Jovi を覆う暗い雰囲気はやはりこの album にも漂っておるわけですが、しかし solo album だけあって肩の力は適度に抜けている模様。track によっては drums が rhythm box だったりもして、安い音の loop に乗せて若干恨み節の vocal を聴かせたりもしてます。声の tone も低めで、いかにも private な音楽集な趣。こういう身軽な音楽集をほいっと投げられるのも Bon Jovi の懐の深さ、長生きできる所以か。
tr.1 "Queen Of New Orleans" でまずは路線確定、tr.2 "Janie, Don't Take Your Love To Town" で pop 路線全開なサビを聴かせ、tr.3 "Midnight In Chelsea"、tr.4 "Ugly" で囁き節の Jon Bon Jovi を聴かせるという展開。以上 4 曲が single cut 曲ということで、冒頭に album の顔を持ってくるという Bon Jovi 流儀はこの album でも通用しているのでありました。まぁ外にも title track でもある tr.8 "Destination Anywhere" や Bon Jovi 的な hard rockin な ttr.12 "August 7, 4:15" もあったりで全体の展開は締まりのある rock album 調。solo album とはいえ気合充分な仕上がりで、伊達に株式会社 Bon Jovi の頭取やっとるわけではないのじゃよと言わんばかりの重厚な album になっております。
外部参加もそれなりに豪華で Dave Stewart や Desmond Child の名も加わっておりますが、個人的には The Hooters の Rob Hyman と Eric Bazilian が project member に入っているのが吃驚というかさもありなんというか。めりけんの musician 人脈てのも侮れませんね。