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UK の blues rock guitarist、Eric Clapton の 1992 年作。MTV Unplugged の録音。
もう 20 年以上前の album になるわけで、そりゃ小生も歳取りますなぁと。MTV Unplugged の名を一躍知らしめた album でありますが、80's ele-pop を主導した MTV がこういう原点回帰な番組を物するという趣向に加え、AOR 路線で自身の方向性を業界に左右されがちだった Eric Clapton が改めて blues 回帰に目覚めた端緒となった album ということで、今聴いてもかなり興味深い album となっております。MTV といえば産業 rock の巣窟にして scene の趨勢を商業理論で操った資本主義の化け物みたいな論調を昔はよく見かけたものですが、こういう形で musician に新たな可能性を示唆したという点では評価されてもいいように思うのですけどね。まぁ、Unplugged と Harakami 師匠に言われてもどないせえちゅーねん、みたいなところはありますが。farr さんなら飛びつくかも知れませんが。
Eric Clapton も結構ビビリ気味だったのか、tr.1 "Signe" は inst で軽く馴らして、tr.2 "Before You Accuse Me" からド blues 路線で本流へ。お客さんも空気読んで、boogie 調なら手拍子も嵌めるし ballads なら静聴するしでかなり訓練された Clapton 教のようです。途中で tr.4 "Tears In Heaven" や tr.7 "Layla" といった自身の hit 作も盛り込んでの全 14 曲。"Wonderful Tonight" も "Crossroads" も入ってない、彼の選曲として best とは言い難い流れながらも、Robert Johnson や Muddy Waters の cover も織り交ぜたこの album は見事に unplugged な blues rock なのでありました。そしてその後の Eric Clapton の blues 道ひた走りな姿に、自分の道を見つけた漢の喜びを感じるものであります。