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Paul Gilbert (g, vo) と Jimi Kidd (g, vo) を中心にした blues rock band 編成での album。2002 年発表。
のっけから tension 高い Paul Gilbert さんであります。Mr. Big からハブられた時期の Paul の album ですが、商業性の呪いに掛けられた Mr. Big での演奏よりもこっちの方が彼の性に合っているんじゃないですかね。叔父にあたる Jimi Kidd との競演ということもあり、全編 blues rock な仕立てで relax した雰囲気ながらも guitar の演奏は奔放、大いに音楽を楽しんでおる様が窺えます。めりけんの長距離運ちゃん御用達、な雰囲気の album になっており、Mountain や Allmans に連なる地味渋 blues rock の系譜に乗っかっても遜色ない仕上がりであります。尤も、移り気な Paul がこういう路線で止まるわけでもなく、この project も現状ではこの 1 枚で打ち止めな状況ではありますが。多彩な芸人の本気な性分を垣間見る、そういう album でした。
"Les Yeux Fermes" は 1972 年の映画の soundtrack。"Lifespan" は 1974 年の映画の soundtrack。どっちの映画も知らん。
本来映画劇伴であれば舞台に配してどーよという側面で仕掛けるのが筋でありますが手元にあるのが音源だけとなれば致し方ない。tr.1 と tr.2 の "Les Yeux Fermes" 音源は、moog ぽい音の minimal phrase を base に、白玉 pet とか piano とかが上辺に乗っかってくる style で、この時期の Terry Riley らしい仕立て。間延び系でそれぞれの track で 18 分程あります。tr.3 以降は "Lifespan" 用の楽曲で、こちらは 2 分とか 3 分の曲が多いですが、last track の "Lifespan 6 Delay" だけは 12 分あります。仕立ては "Les Yeux Fermes" 同様の synth な仕立てですが、baroque 傾倒な側面もちらほら窺えます。minimal つーても classical との繋がりはあるよなぁと。album としてはそれほどまとまってるわけでもないので中級者向け。とはいえ、Terry Riley が tape の overbdub や漸次的変化による minimal を志向していたのではなく、したしみ易い phrase を土台に据えつつ、その上に乗っかる音像が揺らいでいく様を愛でる type の音楽家であることはこの album 聴いても窺い知ることができるでしょう。