Noisy Days in January, 2013

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2013.01.13 (Sun)

[movie] 羅生門

 黒澤明監督作品、1950 年。
 平安時代の京都。豪雨の中、荒れ果てた羅生門の元で座り込む杣売り (志村喬) と旅法師 (千秋実)、そこに下人 (上田吉二郎) も駆け込んでくる。杣売りは検非違使に呼ばれたときの話を始める。杣売りは先日死体を発見した。その死体は金沢武弘 (森雅之) という名の武士で、妻の真砂 (京マチ子) と金沢は旅をしていたらしいが、そこに多襄丸 (三船敏郎) という盗賊が現れて金沢を殺して逃げたらしい。だが検非違使に取り立てられた多襄丸や真砂、巫女 (本間文子) に魂寄せされた金沢の証言はそれぞれ食い違い、新装が解らなくなる……。

 全体的に回りくどく、over action な映画。元が芥川の「藪の中」なので回りくどいのはまぁ仕方ない。多襄丸と金沢の殺陣は何だか戯れあってる風で緊張感がなく、巫女さんが金沢に憑依されてるときにびゅーびゅー風に煽られているのに後ろで座ってる杣売りと旅法師の服はちっとも靡かないところに露骨な作為を感じます。狙い所が映画というより歌舞伎なんでしょうね。そういうところが好きな人には受けるんでしょうが小生にはどうにも踏み込めん、相変わらず黒澤映画は苦手やわーと思わされる一品でした。

log modified: 2013/01/14 02:44:19 JST

2013.01.15 (Tue)

Fleetwood Mac / Rumours

 英国の rock band、Fleetwood Mac の 1977 年作。
 彼らの代表作と目される作品で、今までに累計 4000 万枚売れてるそうな。tr.2 "Dreams" は全米 No.1 を記録、album も全米全英で No.1 を記録。小生は Fleetwood Mac といえば Peter Green 期と思っている人なのでこの album は当然のように無視していたのですがとある外圧によりこの CD は持ってたりします。いやー大人になるといろいろあるねぇ。ちなみに小生保有は reissue 盤で、tr.6 に "Silver Springs" が入ってます。
 70 年代というと小生は小麦色とか黄昏とかいう表現が記事に踊るのが小生の常でありますが、この album もその例に漏れず、70's soft rock の manner に則った、もやもやした音像と気怠い melody に彩られた sepia 色の AOR が展開されております。全く何なんでしょうねこの倦怠感。小生にとって 70's rock の金字塔といえば Neil Young の "Harvest" が真っ先に頭に浮かぶわけで、あれはまさに全編金色の小麦色 sound な album なのですが、この Fleetwood Mac の album も都会的な洗練はあれどやっぱり小麦色の album な印象があります。都会に出てきた田舎者が Steely Dan ぽい意匠で soft rock やらかした、な風情。その有り様の良し悪しはともかく、当時の city pop の流儀に添った作りであることに疑いの余地はありますまい。とはいえ、やっぱバカ売れする album な印象もあまり無かったりするわけで、やっぱ 70's は小生の理解を越えた磁力があるなぁと、改めて聴き直しても思ってしまうわけです。この album 制作時には band 内の人間関係は最悪だったらしく、各 member は離婚騒動とか人間不和で結構ずたぼろだったようですが、そういった外部の不協和音が必ずしも quality の良し悪しには繋がらないという点がまた興味深い。Lindsey Buckingham、Stevie Nicks、Christine McVie という三人の vocalists を擁し、誰が前に出るにせよ抜群の chorus work と sotisficated な arrange work で非の打ち所ない歌に仕上げてしまうあたり、職人気質な band の個性が充分に発揮されております。つーてもやっぱりこの album では Stevie Nicks が main を張る tr.2 "Dreams" や tr.12 "Songbird" が目立ってしまうわけですが。
 ともあれ、黄金色な世代での名盤であることは疑いの余地なしな album ですので、70's rock に興味ある方は聴いてみていただければと思います。

log modified: 2013/01/16 02:45:38 JST

2013.01.16 (Wed)

Down / IV Pt.1

 めりけんの stoner rock band、Down の 2012 年作。
 この人たちも結成は 1991 年とのことで、既に 20 年以上やっておるんですな。でもって軸足は全くぶれない。正に metal ばか一代な趣で、音像は pantera meets black sabbath な例のアレな風情。潔いというか脳筋というか。
 今回は 4 枚目の studio album になりますが、EP 盤で何枚か順を追って release される模様。昔から jam band 系との風評が立っていた彼らですが、この band に限って言えば jam band と言うよりは doom 系の slow tempo で低音を響かせ系の音像が繰り広げられております。新味はないにせよ安心できる album ではありました。

log modified: 2013/01/17 23:32:16 JST

2013.01.17 (Thu)

Pat Metheny / Rejoicing

 Pat Metheny (g)、Charlie Haden (b)、Billy Higgins (ds) の trio による jazz 演奏、1984 年発表の album。ECM1271。
 Pat Metheny Group では清涼系 fusion を展開していた Pat Metheny ですが、trio 編成のこの album では真っ当な jazz をやらかしております。いくら清涼系とはいえ Pat Metheny が Ornette Coleman にぞっこんなのは今も昔も変わらず、なので Ornette ゆかりの Charlie Haden と Billy Higgins を迎えての trio 演奏なわけです。
 とはいえ、Pat Metheny の演奏は free ぽい意匠の中でもやはり清涼系、本作も Ornette 曲を何曲か演奏してますが本家の毒や free inpro な雰囲気は置き去りにして、如何にも fusion な落ち着きに満ちております。やっぱ野生の free 戦士にはなりきれん人ですなぁ Pat Metheny は。その半端さが寧ろ魅力だったりもしますが。Pat Metheny にとっては過渡期の一枚でしょうが、jazz 発言度合いから見れば大いに評価できる album ではあります。

log modified: 2013/01/18 02:44:58 JST

2013.01.19 (Sat)

[movie] あしたのジョー

 曽利文彦監督作品、2011 年。
 高度成長期の日本。ドヤ街に流れてきた喧嘩屋の矢吹丈 (山下智久) は、その腕っ節を元 boxer の丹下段平 (香川照之) に見込まれるも、騒動が元で警察に捕まって少年院に送られる。そこでも揉め事を起こして独房に入れられた丈、その元に段平から boxing 指南の手紙が届く。初めは真面目に取り合わなかった丈だが、同じ少年院に入っていた boxer の力石徹 (伊勢谷友介) にボコボコにされたことから、真面目に boxing に取り組み始める……。

 力石役の人は相当頑張ってましたね。筋骨隆々な肉体に減量 secene での切迫感などで迫真の演技を見せてました。今時こんなに役に身を入れられる人も珍しいものです。矢吹役の人も idol な人ながら頑張っていたようですが、やっぱ boxer の身体というにはふにゃい見栄えに思えますね。あ、丹下段平役の香川照之は良い配役だったと思いますよ。
 お話は高度成長期の再開発事業でドヤ街が潰されかけてる時に矢吹丈が現れたことで彼がドヤ街出身の英雄として祭り上げられる視点、白木財閥の令嬢である白木葉子 (香里奈) がドヤ街出身であることを憎んでドヤ街潰しにやっきになる視点、力石が矢吹との決着を付けないと先に進めないと確信し彼との再戦を望む視点、そして段平やマンモス西 (勝矢) と共に矢吹が成長していく視点、等が取り入れられて進んでいきます。まぁ正直 drama 部分での引きは弱い。boxing する場面では slow motion の cut も取り入れてのめりはりを見せますがこれも今一つ。矢吹の cross counter で持ってく場面での見せ方があっさりしすぎ、なのかも知れません。見せ方で言えばウルフ金串 (虎牙光揮) の double counter が一番びびっときましたねぇ。
 お話は力石戦の後、失意の矢吹が再びドヤ街に戻ってくるところで幕。次もあるんですかね。

log modified: 2013/01/21 02:34:24 JST

2013.01.20 (Sun)

[movie] Immortals

 Tarsem Singh 監督作品、2011 年。邦題「インモータルズ 神々の戦い」。
 紀元前 1228 年。神が妻と子の命を救わなかったことを恨んでいる暴君 Hyperion (Mickey Rourke) は、神具である Epirus の弓で封印された不死の軍団を解き放ち神々に戦いを挑もうとしていた。Epirus の弓の在処を知るとおぼしき神殿の処女巫女を手中に収めるべく Hyperion は軍を進める。谷間の村に住む農夫の青年 Theseus (Henry Cavill) は、村の老人 (John Hurt) の指導を受けて立派な槍使いになっていた。その村に Hyperion の軍が押し寄せ、Theseus は捕らえられ、Theseus の母は彼の目の前で殺される。奴隷としてコキ使われることになった Theseus だが、同じく Hyperion に捉えられた処女巫女の Phaedra (Freida Pinto) は、Theseus が神の寵愛を受けた者だと看破する。その頃、地上で Theseus の面倒を見ていた老人は天上界に戻り、その本来の姿である Zeus (Luke Evans) として下界の動向を気にしていた。神々は人間の自主性を重んじ、人間界の騒動に関わらないとの姿勢を崩さない Zeus に対し、その娘の Athena (Isabel Lucas) や息子の Ares (Daniel Sharman) は Hyperion の横暴に焦燥を隠せないでいた……。

 ぎりしゃ神話を元にした冒険活劇映画であります。第一印象は絵が暗い。horror な絵柄を出そうとしたのかも知れませんが greece 彫刻的な健康まっちょの世界観なのでもっと明快な絵柄でもよかったんじゃまいか。
 お話に深みはなく、天上の神々も何しに出てきとるのか解らん状態でしたが、終盤で全て精算する系の作りになっておりました。そういうのも悪かないですが、できれば脚本からきちっと作って頂きたいところ。映像美の映画はもう見飽きておるのじゃよ。お姉さん要素も申し訳程度、あとはまっちょな男たちがフゥーとかホァアーとか言いながら剣戟に精を出す、とまぁそういう映画でした。

log modified: 2013/01/22 01:03:47 JST

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