Noisy Days in September, 2012

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2012.09.11 (Tue)

Mahavishnu Orchestra / Between Nothingness & Eternity

 超絶技巧 jazz rock な人たちであるところの Mahavishnu Orchestra の 3rd album、1973 年発表。live 録音。全 3 曲で 42 分。
 John Mclaughlin (g)、Jerry Goodman (violin)、Jan Hammer (p, moog) の三人は前衛で King Crimson ばりの ensemble と即興を繰り広げ、Rick Laird (b) と Billy Cobham (ds) の rhythm 隊も beat は keep しつつ隙あらば暴れ放題という、実は全員前衛で前のめりな展開は、まぁ Mahavishnu Orchestra らしいっちゃらしい有り様なわけです。でもって潰しの利かない live 音源でこの情景はすさまじいの一言。破綻の様が一切窺えませんからねぇ。tr.3 "Dream" では In-A-Gadda-Da-Vida な riff も飛び出して遊び心も充分。ある意味、荒ぶる jazz rock の完成形を示してしまったと言っても過言ではないでしょう。こういう trance じみた高揚は RTF でも Soft Machine でも成しえない領域でしょうし。
 この高揚を John Mclaughlin は限界と見たか、第一期 Mahavishnu Orchestra はここで終了となり再編成が掛かるのですがそれはまた別の機会に。

log modified: 2012/09/12 02:55:46 JST

2012.09.15 (Sat)

三浦 勇雄 『聖剣の刀鍛冶 2』

 MJ 文庫 J の電子書籍版で先日読了。
 セシリーとアリアが帝国から来たロリ少女とその取り巻きに襲われる、ルークが過去に自分が救えなかった少女のことを語る、の巻。

 詳細はアニメ観ればええよ、ということで。
 巨乳は遺伝性、セシリー嬢は自分が馬鹿である旨を自覚している、というのが今回の発見と言えるでしょうか。中二病な帝国のお兄さんも出てきて役者が徐々に揃い始めてるところであります。

log modified: 2012/09/25 01:25:25 JST

2012.09.17 (Mon)

The Black Dog / Spanners

 黒犬の 1995 年作。邦盤 SRCS-7619。Sony が techno 売りで頑張ってた頃の 1 枚。いやほんと、この頃の Sony の頑張りは敬礼ものであります。今は往年ほど熱意が感じられないんですけどね。
 黒犬初期の album らしく、色々な方面に手を出して試行錯誤している節が窺える album ではあります。時代的にも breakbeat や d'n'b が台東してきた頃にあたり、黒犬派もいろいろ試行錯誤していたんでしょうなぁ。とはいえ出自が Artificial intelligence な彼らですので、やはり端正な listening techno に収めているのは一種の限界でもあり style でもあるのでしょう。まぁ個人的には Plaid な彼らの方が IDM していてはっちゃけているようにも思いますし、Ken Downie の黒犬はその慎ましやさが黒犬流儀とその限界を示しているように思ったりもしますが、その境界線を示す album としてこの Spanners は意味があると思います。個人的には良作ですが、impact は薄めなので万人受けはしないでしょうね。

log modified: 2012/09/18 03:07:02 JST

2012.09.19 (Wed)

White Lion / Return Of The Pride

 めりけんの hard rock band、White Lion の 2008 年作。
 めたる界の思わず濡れる系の vocalist といえば Don Dokken と Mike Tramp が筆頭である (次点で Dave Mustaine と Jon Bon Jovi か) というのが腐女子ならざる小生の持論でありますが、再結成後の White Lion としては初作となるこの album での Mike Tramp の歌唱は何時にも増して濡れ濡れ路線全開で全編身悶え必至の album となっております。個人的には alternative 傾倒していた Freak of Nature の Mike Tramp も悪い印象はないんですが、White Lion 名義に戻って保守本流な hard rock 回帰を果たした White Lion での Mike Tramp は、若干枯れ気味で安定しないそのあざとい声質 skill に一層の磨きを掛けて臨んでおるように思われます。album track の大半が middle tempo だったり ballads だったりする作りではありますが、それでも album 一枚聴かせて捨て曲も顔曲もないというのは見事なものであります。とはいえ catchy な楽曲が揃っていた "Pride" に比べればやはり impact は薄め。個人的にはこんくらい「普通」な hard rock の方が耳に馴染み易いとは思うわけです。それなりに良作。

log modified: 2012/09/20 03:52:59 JST

2012.09.20 (Thu)

桜庭 一樹 『伏 贋作・里見八犬伝』

 文春ウェブ文庫版で先日読了。
 田舎のじいさんと暮らしていた猟師の少女浜路だったが、じいさんが死んでからは兄者の道節に呼ばれて江戸に出向く。江戸では人の姿をした獣、人呼んで伏と言われる存在が折りにふれ騒動を起こしており、伏には高額の懸賞金が掛けられていた。浜路は猟師の嗅覚で花街にいた伏を発見し、道節と共にこれを狩ったことで、一躍有名になる。伏の事件の瓦版を書いている滝沢冥土と知り合った浜路は、冥土が手がけているもう一つの里見八犬伝の話を聞かされるが、それは伏の正体が里見の伏姫の末裔というものだった……。

 里見八犬伝は真面目に読んだことがないので贋作から入るのはどーよと思わなくもないですが、その分普通の小説として読めたということで。
 桜庭一樹というと小生は少女の心情描画系の作家という認識くらいしかないのですが、今作は man hunt 系の歴史あくしょん巨編、劇中劇な趣向もありますが心情描写は抑え目で、hard boiled な書き方を目指したっぽい仕立て。それで面白いかと言われるとちと物足りない。伏の出自は解ったにしても浜路の狩人性分が変わるでもなく、浜路と縁のある伏の信乃もまた人ならざる身の上をどうこうしようとは思っておらず、狩人は狩り獲物は逃げるの構図は始めから終わりまで揺るがない。となると途中に挟まる裏里見物語や伏たちの里帰り話も man hunt な主題を危うくさせる類のものではなくなり、独立したお話としての立ち位置しか示さないように見える。なので、長編小説なのに短編集を読んだような読後感になるわけです。素材はいろいろ揃っているのに出来上がると素材同士のはーもにーが合ってないと、つまりはそんな感じ。終わり方も「俺たちの戦いはこれからだぜ」系のネタ切れ打ち切り風味。こういう書き方はこの作家さんには向いてないような気がしますね。

log modified: 2012/09/21 02:56:42 JST

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