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徳間書店モバイル版で読了。
鋼馬と呼ばれる機械の馬ぽいものがかっちょええと思われている世界でのお話。田舎から飛び出して馬屋の下働きをしている若者スークは、市で骨董品ながら立派な鋼馬を目にして心奪われるが、金が無いので諦める。馬屋の同僚ガンポは実直なスークを盗賊の仲間に引き入れるが、スークはガンポから大金を無理やり渡されて動転し、それ持ってとんずら。別の市で先に見かけた鋼馬と再会したスークは思わず大枚はたいてそれを購入。スークは鋼馬をヴァロと名付けて旅に出る……。
立ち寄った村で村長の娘と結婚しかけるも盗賊の一味を見かけて逃げ出したり、義賊団に捕まって剣術仕込まれてたら音を上げたりと、いろいろヘタレなところもあるスーク君ですが、安彦作品らしく根は真っ直ぐで悩み多き若者ですのでのほほんと見守りましょう。でもってレスフィーナ的な何かとアテナ的な何かがスークにまとわりつくというのもまた安彦作品ですなぁ。
スークが都で騎士として名声を上げてるところで、捕まった女義賊エルロラを救出して再び流浪の身の上になる、といったところで次に続く。
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エルロラを助けたことでお尋ね者になってしまったスークは逃亡先の小さな漁村で海賊たちに怯えて暮らす漁師たちを救うべく、ザオ王国に領民を守る為の騎士団を設立しようとする。商人ベーメの協力でゴロツキを厚め、王女ラータに取り入り騎士団を設立したスークだったが、ラータの許婚で隣国ザオスラの王子であるホルダートに無理難題を押し付けられ辟易する……。
相変わらずの女難の相なスーク君であります。権力者に反抗する若者という thema は安彦良和らしくて大いに結構。しかし悪辣王女ラータが九死一生を経ていきなり改心してしまうのはちょっと無理ありすぎではないかと。でもってラータとスークがくっついてスークは公主様ですよおいおい元許婚のフィオはどーすんのよ、といろいろ突っ込み所は多いもののそれなりに楽しめました。
徳間書店モバイル版で読了。
ザオの公主になったスークは民を安んじようと頑張る。そこに皇帝の実弟シムシャーラから辺境警備のため兵を出せと言われる。申し出の裏にあるシムシャーラの昏い欲望を感じたスークはのらりくらりと申し出を買わそうとする。その頃、西からは異族ドラグワントの軍が攻め入っており、スークはドラグワント軍との戦いに直面する。戦いの最中、スークは妻ラータの戦士を目の当たりにする……。
公主様から敗残の兵となりまた流浪の身へ。人生変転しまくりですなスーク君。スークの兄貴分だったアムルが貴種と知った途端に後はよろしくで自分は突っ走っちゃう、なんてやらかすようではとても公主の器ではありませんが、そういう若さ故のなんとかが表に出易いのがまたスークらしいので、これはこれでありなのか。