Noisy Days in July, 2011

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2011.07.21 (Thu)

Ricardo Villalobos & Max Loderbauer / Re: ECM

 Ricardo Villalobos と Max Loderbauer による、ECM Records のネタ再編集盤。ECM 2211/12 (CD 2枚組)。2009 年秋の録音だそうな。
 気がつけば ECM も 40 年以上の歴史を持つ label になってしまい、catalogue も 2000 枚を越え、euro jazz だけでなく classical も扱うようになり、存在自体が大聖堂みたいになってしまってるわけですが、その ECM の歴史的遺産を再構築しようという試みは大胆というか無謀というか、どういう作りになるにせよ作り手は強烈な pressure で疲労困憊白髪茫々、享楽乞食な新旧 ECM 信者からは非難轟轟雨霰となるのは目に見えておるような気もしたのですが、蓋をあけてみればまぁ ECM だしこんなもんじゃね?的な意見ばかりで、流石に ECM 聴くような人は低血圧というか大人というか、ambient 耐性を高めすぎて無関心と紙一重な反応が多いように見受けられます。つか remix と言いつつ元ネタ知らんし (笑)。かく言う小生もこの album で元ネタにされたものは何一つ聴いておりません。Re: ECM と銘打ちつつ Keith も Chick も Pat も Jan も Bobo も Ralph も Egberto も Terje も Paul も Gary も入ってませんが、人気盤とか名盤とか入ってなくても ECM は ECM なんだよ ECM てのはニオイなんだよ、というのが今回の project の主張なのかも知れません。確かに美しい静寂を聴かせる label らしい音にはなっています。とはいえここから original に手を伸ばそうって気にはなりませんねぇ。採取して再構築して組み上げたは良いがそこに開けたのは新しい世界ではなく円環の理に嵌められたかの如き無限地獄であった、といった趣。この金太郎飴な景観もまた ECM 的ではあるのだけれど。
 恐らく誰も想像出来なかった、しかし ECM を知る者はついつい納得してしまう、そういう album でありました。

log modified: 2011/07/22 00:45:11 JST

2011.07.28 (Thu)

diary

 同僚ときゃんぷ場で BBQ。肉は久しぶりやー。でも小生が酒樽扱いなのは勘弁。そんなに飲めへんよ昔も今も。

log modified: 2011/07/31 02:21:49 JST

2011.07.30 (Sat)

[movie] 火天の城

 田中光敏監督作品、2009 年。
 1576年(天正4年)、尾張熱田の宮大工である岡部又右衛門 (西田敏行) の元に、織田信長 (椎名桔平) がふらりと現れ、安土に五層からなる天下一の城を立てたいからお前よろしくやれやと命じる。へいこらと設計図を書く又右衛門、しかしその最中に信長はやっぱコンペで決めるわと言い募り、名門宮大工にも声を掛けての指図争いを仕掛ける。信長の注文は天守閣まで吹き抜けの構造、しかし又右衛門はそれを受け入れず、おのが主張を通してコンペで勝利、安土城建設の総棟梁の座を射止める。しかし天守を支える柱は武田勢の領地に生える飛騨檜でなければならぬ、納期は三年しか与えられぬ、何か掘ってたらでっけぇ蛇石が出てきた、云々の困難が又右衛門を襲う。又右衛門は妻の田鶴 (大竹しのぶ) や娘の凛 (福田沙紀) や大工仲間に支えられながらそれらの困難に立ち向かう……。

 という感じのお城建設映画であります。しかし映画の信長役はやっぱ微妙やね。椎名桔平は流石に線が細すぎるか。そういや大河どらまで信長役だった緒形直人も木曽の杣人役で出てましたね。まぁどっちも雰囲気は似てますけど、わたしゃまっちょでうひょひょーな信長像の方が好きですね。って誰やねんそれ。
 お城作り映画の割には技術的なことにはあまり触れられておらず、人間どらまな視点での盛り上げに終始しているような作り。城作りのためならば敵地に乗り込んだり主君の命に背いたりもする又右衛門の生き様は、技術バカ一代を地で行く男気ぶりばりなものでありますが、それだけじゃ間が持たんと思ってのことか、合間に挟まる凛と市蔵 (石田卓也) のろまんすとか、蛇石移動に紛れての信長暗殺の殺陣とか、田鶴が病でぶっ倒れるとかの events がむしろ邪魔。そういう水っぽい演出はこの手の技術バカ一代な映画には不要ですよ。"戦場にかける橋" を見習って頂きたい。
 勿論我々は安土城が建築後程なくして焼失したことを知っているわけで、それを踏まえた上で木曽の神木を倒してまで又右衛門の夢に賭けて死んだ木曽の杣人が結局無駄死にであることや、又右衛門を始めとする尾張熱田の宮大工らの命懸けの労苦が灰燼に帰すことを感じつつこの映画を観てしまうので、そういった思い出補正のかかった感動はあるものの、映画単体で見るとやはり足りない部分が多いのもまた然り。いやはや映画は難しいね。

log modified: 2011/07/31 02:22:06 JST

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