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Francesco Tristano、Rami Khalife、Aymeric Westrich の三人組による、piano 2 台と drums が主軸の minimal music unit、Aufgang の 2009 年作。XECD-1125。
"Reich Remixed" が出た辺りで小生は piano な minimal もちったあ盛り上がるんでねえのと思ったものですが全然そんなことはなく、hard minimal の潮流も去りゆき小生には正直どうでもいいような disco tech が持て囃される世になり、Reich も Glass も大作志向になって所謂 classical 然とした音に成り下がり、Harold Budd もエレピばかり弾くようになり、minimal 対位法 feti な小生をアヘアヘさせてくれるような piano 音楽は久しく出てこなかったわけですが、そこにきてこの Aufgang の 1st はなかなか気持ち良い音を聴かせてくれるのでありました。tr.3 "Barock" の解決しない phrase が延々と繰り延べられる展開を radio で初めて耳にしたときには鳥肌ものでしたよ。tr.6 "Good Generation" や tr.7 "3 Vitesses" 辺りも piano minimal としては好感触。
とはいえ若気の至りか変に展開を意識しすぎたり electro な装飾を施したりでむしろ厨二と化しておる曲もあったりで全体的な balance はよろしくない印象。まぁ、小生の piano minimal の基準は "Music for 3 Pianos" ですので、あそこまでの侘び寂びを若い人に求めるのは筋違いなのかも知れん。むしろこれからどう枯れていくのかを楽しみにして余生を送るのも良いかも知れん。
UK の rock 番長、Paul Weller の 2010 年作。ええと、全 17 曲で total 44 分程の album であります。4 分以上の曲は 2 曲のみ、大半が 2 〜 3 分の曲で占められているという、何これ punk なの？ といわんばかりの stoic な rock album なのでありました。
いや相変わらず装飾過多のばたばたした Paul Weller な曲が多いのは確かなのですが、前作 "22 Dreams" 程には psyche 度は強くなく、尺の短い曲が多いことからも解るように bluesy な間延び adult 風味もほぼ皆無で、ばたばたした Paul Weller 節がそのばたばた振りを如何なく発揮した rock album ということはできるでしょう。つーてもこの人の場合は scene の動向とか殆ど気にとめず唯我独尊な rock 道を邁進するのが常でありますので、今回も軸足のぶれない音になっております。即ち昔からの Paul Weller 好きは抵抗なく熱狂し、昔から Paul Weller に興味ない人はやっぱり今回も振り向くことはありますまい。
かく言う小生はというと、strings やら synth やらで絶え間ない音の厚化粧を施し、rhythm 隊がやたら前に出て姦しく騒ぎ立てるという、この人の sound production には大いに霹靂させられるわけですが、ぶっきらぼうなこの人の歌唱やざらついた声質にはやはり惹きつけられてしまうわけで。こういうのを pheromone 声と言うのでしょう。言わないか。
御年 52 歳となってもこんだけ元気な album 作れるってのはすげえなぁと思いつつ、しかし灰汁が強いので聴き続けるには体力気力が必要、ということで小生はちょっと距離置いて聴いていくことになるでしょう。また気が向いたら地味渋に戻ってきてください。