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めりけんの hard rock band、Mr. Big の 4th album。1996 年発表。AMCY-920。
速い曲が無くて地味、band が内紛状態でまとまっとらん、云々と世間で言われている album であります。確かに今までの作品に比べれば一聴しての印象は弱い。しかしその実、Mr. Big 史においては最もスルメ度の高い album ではないかと思ったりもするのです。Mr. Big は hard rock band と認知されておるわけですが、別に hard でなくてもいいじゃない、という普通の rock スキーな人にはこれくらい地味渋な方が気持ち良く聴けたりするのですな。つか、小生は tr.6 "Where Do I Fit In?" を聴いてようやく、何だ Mr. Big も blues rock やれんじゃん、と思った次第。tr.7 "If That's What It Takes" も、hammond べた乗りの解りやすいめりけんろっく調で、超人集団の Mr. Big もようやく庶民の感性に近づいたかと一安心。等と言っていたら tr.8 "Out Of The Underground" の変拍子ぶりばりな heavy rock に泣かされますが。
世間的には tr.2 "Take Cover" の微妙な hook が好評な album ですが、小生としてはあの曲はむしろ変化球の一つで、本質的には今までより blues 度を強めたことで彼らの当初の目論見に近付いた album になっておるのではないかと思います。つまりは今までが super players による fan service で、これからが長期計画達成のための地に足付けた活動になる……と思いきや、彼らは内紛で休養で自由活動に突入という倦怠期の夫婦症候群に囚われてしまうのでありました。band 内の政治はともあれ出てくる音には罪なし。良作と思います。
めりけんの hard rock band、Mr. Big の 5th album。1999 年発表。WPCR-75205。
凄腕 guitarist の Paul Gilbert が脱退、代わりに Richie Kotzen を迎えての 5 枚目であります。いや Paul Gilbert も blues 魂を持った人ではあるのですが、てくがありすぎていろいろできちゃう病の人でもあり、Mr. Big の commercialism を推進した張本人だったりもするので、band での活動が段々窮屈になってきたんでしょうねぇ。
ということで心機一転な album になるわけですが、これがまた地味渋 blues 路線で吃驚であります。今までの Mr. Big が何だかんだで pop で sotisficate された楽曲で特色出してたことを考えれば、この期に及んで何でまた地味渋やねん、と思われた人も多かろうと思われますが、元が Free みたいな band を目論んで結成された band であることを思い起こすならば、むしろ今作が本当の意味での debut album、初っ端から外れていた原点にようやく帰ってきた、と言えるんではないでしょうか。Richie Kotzen の guitar は Paul ほど前に出てくる感じではありませんが、bluesy な solo では Paul より伝統立脚な style で聴かせてくれます。やっぱ上手い guitarist ですなぁ。
という感じで小生的には好感度大な album なのですが、世間的にはどうだったのかねぇ。