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(この娘は人質ーーピート・ビート、僕はおまえを試す)
ビートが、この娘の重要性に気づいておらず、見捨ててもろともに攻撃してくるようならば、奴にたいした状況判断力はない。その程度の存在として、放置してしまっても害にはなるまいーーしかし、
(もし、何がなんでもこの娘を生かしたまま僕から奪還しようとするならば、それはおまえの鋭さと "我が身を省みない" 性格を証明するということだ。多少の無理があってもーー今! 全力をもって仕留めなければならない!) (page 254)
ジョジョしてますねぇ。電撃文庫版で読了。
統和機構に所属する少年ピート・ビートは、振動を操る能力を持った合成人間。彼は先輩にして最強の能力者フォルテッシモから、カーメンと呼ばれる存在を調査する仕事を譲られる。しぶしぶそれを引き受けたビートだったが、ビートの行動に気づいた何者かがビートの命を狙って動き始める。また、他人の心象を直感的に察知する能力を持つ少女の浅倉朝子は、ビートに関わったことで彼らの戦いに巻き込まれる、の巻。
この人の本読むのは初めてですが、面白い話を書きますなぁ。振動遣い同士の戦いてのは、絵的には何が起こっとるのか解らんような気もしますが、text だと手の内が解りやすくてよろしいです。ビートと言えば King Crimson、ラウンダバウトと言えば Yes なわけで、この二人が相対するのもまた道理。幕間 talk が気取りすぎで浮いておるような気もしますが、とりあえず次も期待ということで。
どっこい生きてた Mountain の 2007 年作。全 12 曲、全て Bob Dylan の cover で、tr.3 "Blowin' In The Wind"、tr.10 "Mr. Tambourine Man"、tr.11 "Like A Rolling Stone" なんてのも。tr.1 "Masters Of War" には Ozzy Osbourne が vocal で参加、tr.2 "Serve Somebody" と tr.8 "The Times They Are A-changin'" には Warren Haynes が guitar で参加しとります。
Leslie West (g, vo) は 70 年代の諸作から既に heavy な guitar と野太い声を聴かせておりましたが、老いてなお一層その重さに磨きが掛かっておる様子。Dylan の cover とはいえ音は完全に Mountain 色に染めてますので、一聴しただけだと cover album とは気付かないかも。Leslie West、まだまだ健在ですなぁ。