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David Fincher 監督作品、2007 年。
1969 年、drive 中の男女が何者かに襲われ、女は死亡、男は重傷を負う。一ヵ月後、新聞社にその犯人らしい者から脅迫状が送られてくる。手紙に同封された暗号文を紙面に載せないと大量殺人を行うと。暗号文は各紙に掲載され、犯人はその暗号文から Zodiac と名付けられた。San Francisco Chronicle の記者 Paul Avery (Robert Downey Jr.) は事件の担当記者を命じられ、事件を捜査している刑事 David Toschi (Mark Ruffalo) や William Armstrong (Anthony Edwards) に付きまとうようになる。その Avery の同僚で風刺漫画書きの Robert Graysmith (Jake Gyllenhaal) は、暗号解読を趣味としていたため Avery に知恵を貸し、二人は友人になる。そうこうするうちに次の殺人事件が起こり、Zodiac による media への approach も繰り返され、また Zodiac の偽者も各地に氾濫し、捜査は難航する……。
実在の事件を元にした映画ということで、documentary touch で事件関係者を追っていく仕立てであります。何だか Fincher 映画というより Spielberg 映画みたいなんですが。ああ、"Munich" とかの realism な Spielberg の方ね。見終わった後の空虚さも似てるか。
観客を煙に巻くという Fincher 映画の特徴は、元々がケムマキな存在であるところの Zodiac を対象にしているだけに、むしろ明確に一線が引かれてしまって煙に巻かれない方向に作用してしまったようで。その意味では Fincher ぽくないのですが、真人間ぽい Graysmith が職を放棄し嫁さんに逃げられるまでに事件に取り付かれてしまう様は結構怖い。冗長ですが良くまとまった映画でありました。