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河崎実監督作品、2006 年。
日本以外全部沈没し、日本には外人難民が雪崩込む。おれ (小橋賢児) は外人妻と不仲になる。田所博士 (寺田農) はぱつきん姉ちゃんに肩を揉ませる。安泉首相 (村野武範) は元大統領や元国家元首らにへこへこされる。石山防衛庁長官 (藤岡弘、) は外国人犯罪者の取り締まりにやっきになる。Dave Spector (Dave Spector) は日本語学校の校長になり成功する。しかしそういう狂騒も長くは続かなかった……。
ううむ笑えない。実写だからか、妙に reality があるのが邪魔ですな。日本しか残ってないという状況から日本人がどんどん選民主義化していく様がむしろ怖い映画でありました。
Ireland の soul singer、Van Morrison の 1974 年作。POCP-2131。
90 年代より前の Van についてはあまり聴いてない小生ですが、ここんとこ remaster 音源が出てきておる様子なので気になってるのですよ。でも国内盤は紙じゃけなのか。紙じゃけ苦手なんだよなぁ。
さてこの album ですが、soul singer と言いつつ irish music への憧憬が常に木霊している Van らしく、acoustic で folky な音に仕上がっております。horn 隊が出てこない分、派手さはないのですが、strings や piano 等による牧歌的な arrange が心に染み入ります。若くして老成な Van Morrison の魅力が味わえる一品でありました。
めりけんの rock band、The Hooters の 2007 年作。H00-07。
Roger Nichols の 40 年振りに比べれば、The Hooters の 13 年振り full album なんて待ったうちに入らんわっ……等と強がってみてもやはり復活は待望であった The Hooters であります。つーても小生は "Out of Body" 以来の追っかけなので新参者ではありますが。13 年か、長いな……。
流石に昔のような pop さは失われてますが、如何にも大人の rock といった滋味のある album になっております。元々地力のある band ですので、久方ぶりとはいえ相変わらずの Hooters 節でじわりと涙腺を緩ませます。こういうのを聴くと American rock やなぁと感慨しきり。良い album であります。この調子で活動続けてほしいなぁ。
市川崑監督作品、1977 年。
終戦まもない頃。獄門島と呼ばれる瀬戸内の小島に金田一耕助 (石坂浩二) がやってくる。島の網元である鬼頭家の跡取りだった鬼頭千万太が戦争で死に、その遺書を届けるための来島だった。だがその遺書には、千万太が死ぬとその三人の娘が殺されるという不気味な予言が書かれており、金田一はその真相を調査するという仕事も請け負っていた。やがて千万太の予言通りに殺人が起こっていくが……。
市川崑監督が先日亡くなったそうで。ご冥福をお祈り致します。昔の日本を描ける監督さんがまた一人いなくなってしまいましたよ。
さて本作。本鬼頭と分鬼頭の対立や、芭蕉の句の見立て等、金田一ものらしい伝奇趣味が散りばめられていて良い感じに進んでいきますが、解決篇に入ってからが長い長い。真面目に回想場面も撮ってたりするので長くなるのも解りますが、もう少し手際よくまとめられんのかと。音楽が軽めなのも残念。
池田秀一が見習い坊主役で出演してますので興味ある方はどうぞ。
James McTeigue 監督作品、2005 年。
近未来の英国。議長の Adam Sutler (John Hurt) による fascist 政府が権力を握り、人々は自由を奪われていた。TV 局に勤める Evey Hammond (Natalie Portman) は、外出禁止令を破って夜中に出歩いているところを警察に見付かり逮捕されそうになるが、突然現れた仮面の男 V (Hugo Weaving) に窮地を救われる。V は政府の建物を爆破し、TV 局の studio を占拠して人々に決起を促す。怒り狂った Sutler は Finch 警部 (Stephen Rea) に V の逮捕を命じるが……。
原作は comics で、Andy Wachowski & Larry Wachowski が脚本を担当。お話は復讐と革命。ということで "Matrix" ぽいのも宜なるかなと。
人々に抑圧されてるような描写がないので、終盤の決起も唐突な印象が残る。V も饒舌で気障ったらしい。まぁ、一風変わった anti hero ものと思えばそれなりに面白い映画であります。
SQUARE の PS 用 STG "Einhander" の Original Soundtrack。作曲は福井健一郎が担当。小生保有の CD は reissue 盤の SQEX 10099、2007 年発売。
小生は SS 派だったので PS は持ってなかったのです。なのでこの STG も未だに遊んだことがないのですが、音の方は評判良いようなので CD だけは確保しているのであります。
さて音の方は dark 系の electro というか techno というか。とかく game で techno と言うと、funk 色皆無で Rotterdam to Gabba な傾向に走ることが多いように思うのですが、そういうのはやっぱ Ridge 組と Bare Knuckle の影響だったり巷に溢れた血みどろ洋げの影響だったりするのでしょうか。メロ主体だと game の展開と合わせにくいという点から、流れに合わせやすい techno への需要が増えたという製作者観点もありか。まぁ、そういうことで昔ながらの遊び人は techno な game と聞いただけでその芸のなさを減点対象としていた向きもあります。
"Einhander" の音も個々の部分で Bare Knuckle 系の無機質 phrase やハッタリ度充分なオケヒが横行してますが、かといって暗黒街道一直線というわけでもなく、時折現れる凄烈な melody や、beatless で ambient な電子音による冷え冷えした音像で、近未来 man machine 哀愁を演出しております。狙い所をよく心得た曲集になっておるのではないでしょうかね。いや game はやったことないんですが。やっとくべきなんでしょうか。うーむ。
そういや久しく聴いてないのぅと思って物置から発掘。BUZZ STG "Psyvariar2" の Original Soundtrack。2004 年発売。
思えばこの game もろくに遊んでないのでありました。PS2 移植版も保有している筈ですが遊んだ記憶がない……いや待て待て、家の monitor (当時は 17inch CRT) では画面ちっこいし画質暗めで弾見えんしで game にならんかったような気が。PS2 は RAP 使っても反応悪いという印象があるので、それで Psyvariar2 なんてやれるわきゃねーよという落ちだったかと。まぁ、どうせへたれなので game の話は置いときませう。
で、音の方は前作の路線を踏襲した単音 piano めろ & techno 楽曲が主なのでありますが、にしても前作より印象薄なのはどうしたものか。piano めろの比重が上がった分、rhythm の作り込みが甘くなっているのが要因か。音質も前作 CD より向上した分、piano の立ち上がりが逆に貧相になっている印象もあり。とはいえ、清涼 trance で STG という快楽直結路線を切り開いた功績は大きい。神棚に飾っておきましょう。
Wolf Team による X68k 用 game "Maneuver Cepter Granada" の soundtracks。小生保有の CD は reissue 盤の ENCG-0001、2004 年発売。
この game もやったこと無いですなぁ。X68k も持っとらんかったし Wolf Team だしで食指が伸びんのも納得。とはいえ楽曲の殆どを桜庭統が手掛けてますので音の方は高品質であります。怒涛の変拍子と音数の多さにこの人の個性が垣間見えますな。とはいえ album だけで聴くと "FZ Series AXIS" との違いが解らんかったり。まぁ、当時の Wolf Team は作品連発していた頃なのでネタが被るのも仕方なかったのか。
最近の桜庭作品にはとんと接しておりませんが、どうなんでしょうね相変わらずなんでしょうかね。