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Heiko Laux の 2003 年作。自身の label である Kanzleramt から。
そういえばこの人、Johannes Heil と組んでの Item One 名義で album 出したのも今年だったな。活動意欲旺盛な人らしい。つか Kanzleramt 自体が活性化してるのか。実際、出てくる album はどれも高品質で楽しめるし。勢いのある label です。
そんな状況下で出てきた首領 Heiko Laux の新譜です。ズ太い kick で tribal に攻め立てる、ってのが本作の狙いっぽい。でも Oliver Ho のように開幕 3 秒で trance 起動させるような tension ではなくて、じわじわっと groove を増していくって点が如何にも Heiko Laux。Offshore Funk は Heiko と jazz musician の Teo Schulte の Unit らしくて、ある意味 techno の album らしくない楽曲構成の確かさ、展開の豊かさにこの Unit の特徴を見ることができるような気がする。Kanzleramt らしい、寒気走った detroit taste も充分盛り込まれてるし。そして締めの tr.10 "Diminuendo" では ambient な音響処理で offshore へと漕ぎ出す……と。こういう締め方は好きだな。これもまた職人芸の 1 枚。
Ridley Scott 監督作品、2000 年。
古代の Roma 帝国時代が舞台。Roma 帝国の将軍 Maximus (Russell Crowe) は、北方の蛮族 Germania との戦いに勝利を収め、皇帝 Marcus Aurelius (Richard Harris) から次期皇帝になるよう勧められる。しかしそれを知った皇帝の嫡男 Commodus (Joaquin Phoenix) は逆上し、皇帝を暗殺してしまう。Commodus は皇帝の死を老衰によるものと偽り、Maximus に自分の臣下となるよう命令するが、皇帝の死を Commodus の暗殺によるものと喝破した Maximus は Commodus に背を向ける。Commodus は Maximus を反逆罪の咎で殺そうとするが、Maximus は下手人の隙を突いて脱走、急ぎ故郷へと帰るが、そこで見た者は妻と息子の無惨な死に様だった。絶望の淵に沈んだ Maximus は、眠っている内に奴隷として辺境の行商人 Proximo (Oliver Reed) に買われる身となっていた。Proximo は Maximus たち奴隷を剣闘士として戦わせることを生業としていた。無類の闘士としての頭角を露わにした Maximus は次第に観客の心を掴んでいく。そこに、Roma で全権を握った Commodus が主催する闘技大会の話が舞い込んでくる。Proximo に連れられて Roma にやって来た Maximus。その胸中には、Commodus への復讐の念が沸々と滾っていた……。
いやもぉ、ひたすら Russell Crowe です。ひたすらひたすら Russell Crowe です。何だかどの場面でも困った顔やら弱った顔やら貧乏籤引いたって顔の Russell Crowe です。で、将軍将軍と煽てられても迷惑顔で、皇帝から賛辞を賜っても参ったなぁてな顔で、皇帝の姉ちゃんで昔の女でもある Lucilla (Connie Nielsen) に言い寄られても眉間の縦皺が深まるばかりという……で、この顔だからこその Gladiator。最強剣士なんて嘘でしょなんて思いつつ、出てくる敵をばっさばっさと薙ぎ倒す。痛快。でも一番痛快なのは、持ってる剣をぽいっと投げるあの仕草。あの仕草に滲み出るヤダヤダ感、そこに味が出るのも Russell の疲れた顔があるが故であります。いやはや、こういう役者さんだったとわ。小生、"L.A. Confidential" や "Virtuosity" で彼の顔は拝んでるはずなんですが、全然印象に残ってないんですわ。まぁ何だ、ハマリ役って奴かも知れん。
Ridley Scott らしい映像美も見事。麦に手を触れながら歩く冒頭の場面が、見事に最後の場面と重なるところなんて涙ものです。移動の場面で差し挟まる自然描写、CG も駆使して表現される colosseum の壮大さ。音楽も重厚一本槍ではなくて、民族音楽ぽい旋律も織り交ぜて、古代 Roma ものっぽく仕立ててます。劇伴は Hans Zimmer と Lisa Gerrard が担当。
お話も、まぁ良く纏まってる方ではないでしょうかね。大作ものというと中盤が間延びしまくることが多くて、"Ben-Hur" も小生は途中で寝てしまったという過去があったりするわけですが、この映画は面白がって最後まで見ることができました。一介の奴隷剣士に身をやつした Maximus が、剣闘を重ねるとやがて「将軍」と呼ばれることになったり、Maximus の皇帝暗殺計画が露見して窮地に追い詰められたり、金にしか興味のない Proximo が Maximus の男気に動かされたりと、個人的にツボにはまる展開もあったり。シスコン丸出しの Commodus もガキんちょ振りを発揮して悪役に徹してるし。単調で大作で解りやすくて傑作。ある意味、忠臣蔵的な面白さであります。年末時代劇が物足りなかったらこっちを見ましょう。
Wim Wenders 監督作品、1999 年。
Ry Cooder が発起人となり、Cuba の伝説的な老演奏家達が一同に会して作り上げられた album、"Buena Vista Social Club"。その album が世に出た後の老人達の音楽生活や生い立ちを追いつつ、NY の Carnegie Hall での演奏で締めくくる documentary。出てくる音楽家は Compay Segundo (vo, g)、Eliades Ochoa (vo, g)、Ibrahim Ferrer (vo)、Ruben Gonzalez (p)、Omara Portuondo (vo)、Ry Cooder (g) 等。
Cuba の音楽には詳しくない小生ですが、なんか既視感あるんだよなぁこの年寄り達。少なくとも Omara は "東京 Jazz" を NHK で放送してたときに見た覚えがあるし。見るからに元気そうな人ですから印象にも残ってるんだろうな。Ibrahim Ferrer の枯れた歌声にもしみじみ。へぇーこれが Cuba 音楽かぁ、と感心してみるには良い映画。
映像的には、Wenders 映画らしい素朴な編集がそこかしこに見受けられます。Wenders の映像はその意味の無さが良くも悪くも特徴的で、それが如何にもありのままの映像として提示されているように見える。Cuba の下町を歌いながら歩く Omara Portuondo、子供達の dance 教室で piano を演奏する Ruben Gonzalez、工場で働く労働者の姿、貧しかった頃の話を遠い目で語る Ibrahim Ferrer。そうした cut が、live の映像と混ざり合いながら映画が進行していく。主張しない Wim Wenders は、ここでも受け身な存在としてひたすら背景に潜むばかりだ。そういう stance が Wenders の映画を難しく捕らえさせる原因にもなってるんでしょうが、この documentary ではその姿勢が Cuba の音楽家達の声を生々しく届けるのに一役買っているようです。NY に出てきてからの Buena Vista Social Club の面々の浮かれた表情も面白かったな。
音楽があって日々の生活があって。苦しい中でも楽しく生きるということを、老人達が教えてくれているような、そういう映画でした。
今日のケツイ、4 面 boss まで。何とか以前の調子を取り戻せたか。相変わらず変なところで死んでますが。
momonga 更新して、on board の Ethernet を見つけてくれるようになったものの、そっちが eth0 と認識されてしまうのは困る。小生は Ethernet Card の方と router を繋いでるから、on board の口は使ってないのじゃよ。図らずも NIC 二枚差しの構図。故に boot すると network 認識できないという有様。あうあう。
こそこそ弄って、何とか手動では eth1 から internet に繋げられるようになったから、まぁいいんだけど。次は自動でやらす方法を考えるか、それとも on board の口を使うようにすべきか。後者は後者で、今の小生の環境では不都合が生じるんだよな……。
「ドレミノテレビ」に大友良英が出演したそうです。つか、「ドレミノテレビ」の存在自体今まで知らなかったんですが。何か面白そう。栗コーダーカルテットも「おいかける」の回で出演してます。動いてるとこ初めて観た(爆)。
さてさて、大友良英と栗コーダーカルテット、とくればこの soundtrack です。魚喃キリコ原作の comic の映画に大友良英が音を付けたもの。2003 年発表。例によって映画は未見……。
noise 職人として有名な大友良英にして、この瑞々しさ、初々しさ。人懐こい melody に、生楽器を大幅に feature した楽曲構成と、Ground Zero や ONJQ でしか大友良英を知らなかった小生はかなり面食らいました。しかし、音の立ち上がってくる瞬間の恐れや震えや驚きといった微細な感情まで伝わってくるような sound design には、やっぱり大友良英らしい音への拘りが垣間見えるようです。この木訥さには、Jim O'rourke の solo 作にも通じるような真っ直ぐな視線が感じられて、noise をぶちまける一方で繊細な音色も胸の内で醸造しているんだろうなと推測。栗原正己の recorder がまた青くてたまらん。
んで、同じ melody を色々な arrange で聴かせてる訳ですが、そこにも山場があったり ambient だったりと、個々の曲が緩やかに繋がりながら大きく波打っているような感じです。まんま波の音も入ってますし。軽くて pop でずれている。思春期の不安定な心境描写、ってことなのかも。和める一枚です。
album 出しまくってるんじゃないですかね、この人。Arian Leviste との共作名義での "Fairfax Sake" と "The Dot and The Line"、Palette Recordings から release した "More Backstock"、で、Immigrant からはこの album。2003 年発表。
John Tejada と言えば tech house の大御所、でもって detroit 風味の synth をばしばし決める、超快楽志向な音職人であります。この album では特にその志向性がはっきり現れていて、聴きやすさや乗りの良さは近年の作品の中では一番かも。high quality で踊れます。一度聞き流すと地味な印象なんですが、何度か聴き直しているとじわじわ効いてきます。やっぱ上手いわこの人。ええ album やなぁ。
うちの video デッキの調子が悪くて、いきなり電源落ち & 設定初期化という謎現象が月に 1 度くらいの確立で起こりやがります。危なっかしくて録画予約しても安心できぬ。でもって巷では HDD & DVD recorder がそこそこ安くなってるし、年末は帰省するけど録りたい番組は多いし、で、買っちゃいましたです。
250GB の HDD と、PC からも録画予約とか出来るって点が point でした。まぁ、PSX も選択肢のうちでしたが、DVD-RAM に書けないので減点、と。
とりあえず初期設定して、LP (低画質) mode で録画してみる。おお、そこそこ綺麗に見える。小生は画質にはあまり拘らない方なので、この程度の低画質でも視聴に支障はないのです。当分はいろいろ設定変えて遊んでみるか……。