Noisy Days in April, 2003

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2003.04.21 (Mon)

John Coltrane / Selflessness featuring My Favorite Things

 tr.1 と 2 が 1963 年、tr.3 が 1965 年録音の Impulse 盤。
 tr.1 "My Favorite Things" は Atlantic 盤も有名ですが、この album での激しい演奏も聞き物です。Impulse 盤の Coltrane はどれも格好良いな。豪放に吹きまくる様はまさに神懸かり。tr.2 "I want to Talk about You" は ballad で、Coltrane らしい緻密な adlib を聴かせてくれます。last の cadenza も熱い! そして tr.3 "Selflessness"。Coltrane の original であるこの曲で、title 通りの我を忘れた演奏への熱中振りが素晴らしい。魂削って演奏しているのがひしひしと伝わってくるような、濃厚な一枚です。

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 昨日からの肩こりと首筋の痛みは相変わらず。折を見て揉みほぐしてはいるんだけど、なかなか効果は上がらない。早く寝るのが一番の薬かな。
 ついでに口内炎も 3 個くらいあるよ。下唇の奥に出来てる 2 連星がなかなか手厳しい。唇に力が入るだけで痛みを意識せねばならんとは。ひたすら我慢して嵐の過ぎるのを待つしかないのか。

log modified: 2003/04/22 02:36:40 JST

2003.04.22 (Tue)

Nine Inch Nails / The Fragile

 1999 年発表の 3rd album。2nd の "The Downward Spiral" から 5 年の年月を経て発表された労作だが、音楽性は従来通りの noisy & industrial で、如何にも NIN らしい仕上がり。しっかし、より一層自分の世界に埋没してしまった様子。つまりは私小説風。私小説は嫌いではないです。感性が合えば、という条件付きですが。
 闇の中で自ら身体を傷つけのたうち回る。絶えず心を蝕む恐怖。喉から絞り出される絶叫が救いを導くことはない。病み衰えた身体を癒すのは冷えた月光のみ。激しい noise の嵐と、静かに鳴り響く piano の contrast が美しい。毎度毎度、轟音に晒されているはずなのに、妙に静謐な印象が残る。相反する二つの極を、あまりに自然な形で pop music に昇華させてしまうのが Trent Reznor の才能である。
 rock の format で音を鳴らしているのに、肉体性を殆ど感じさせない。そこが私的な album と思わせる要因なのだろう。それは欠点ではない。Trent は自分の表現方法を信じて、これからも同じ様な album を作っていくのだろう。そして自分の闇を見つめ続けることだろう。この脆く儚い存在。そして我々は、彼と世界との果てしない戦いを見つめ続けるだろう。Icon とは存在自体が悪であり善であり、その一挙一動が人を引きつけ様々な解釈を誘き寄せる。
 歩き続けろ、この掃き溜めの世界を。歌い続けろ、自分の影にしか届かない歌を。

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 「釣りキチ三平」の「キチ」ってのは、やっぱり「キチ○イ」の意味なんでしょうかねぇ……などと思った次第。

log modified: 2003/04/23 02:46:00 JST

2003.04.23 (Wed)

Blaze / Blaze Productions

 house のツボを心得た職人 Blaze の編集盤。
 同じ四つ打ちでも techno と house では温度感が違う。techno が mechanical で speedy なのに対し、house は暖かくて急がない。Blackness の求道者たる Blaze ともなると、もういつでも抱擁どこでも love song なわけです。ひたすら気持ちいい basic track に乗せて、jazzy な上モノが控えめに自己主張する。数日来の肩凝りも何処へやら。健康に良い音楽とはこういうものを言うのですよ。Trent Reznor (NIN) も、たまにはこういう album 聴いて肩の力を抜いてみればよろしいかと。それで影響受けたりすると、それはそれで嫌かも(笑)。
 反復の中に魂がある。beat の中に良心がある。心地よさに埋没して、頭の中が真っ白になっていく。良い album。

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 まだ水曜日なんだな。成果物の提出が 1 日早まっているので、何だか木曜日みたいな気分だった。でも、まだ水曜日。先は長い。でも来週火曜日からは GW に入りますので、少しは体力回復できるかと思われまする。

 久々に「式神の城」やってみたら、2 面で Game Over。継続してやってないとこんなもんさね。

log modified: 2003/04/24 01:22:11 JST

2003.04.24 (Thu)

Therapy? / Infernal Love

 泣きメロで hardcore な Therapy? の 3rd album です。1995 年発表。あ、new album は 5/5 に発売だとか。出るのか日本盤は?
 前作 "Trublegum" では punk 魂炸裂で痛快だったけれど、この album では medium tempo の曲が多くて、発売当時も賛否両論だったな。しかし今聴いてみると Therapy? らしい melody sense の良さが光る。tr.2 "Stories" みたいに horn 隊を取り込んだり、tr.8 "Me Vs You" や tr.9 "Diane" では cello と競演したりと新機軸も織り交ぜつつ、Andy Cairns のどことなく脆さを感じさせる vocal が響き、爆音 guitar と clear な drums が punkish に畳みかけてくると、やっぱりこれは Therapy? の album だと思うわけで。ただの hardcore band ではなくて、それなりに pop な側面も techno な rhythm も感じさせるところが長続きする秘訣か。
 おお、tr.9 "Loose" ってかなり pop だな。こういう突進 tune も良いね。そして ballad の "Diane" を挟んで、last track (Bonus tracks 除く)の "30 seconds" での必殺泣きメロ punk で締めくくるところなど、美味しい album の作り方を心得てます。若さを失い強かな知恵を得た Therapy? の逞しさが感じられる 1 枚。策士だな。

ジョン・ヴァーリィ 『へびつかい座ホットライン』
「どんな取引か知らないけど」と、クローンがしゃべっていた。「わたしだっておなじように――」
「その仕事、ひきうけるわ」リロはできるだけ大声でいった。トイードがふりかえった。
「ほんとうか?」
 クローンがぼんやりとふたりの顔を見比べている。
「ええ」リロはごくんと唾をのみこんだ。「ええ。彼女を殺してよ。わたしを生かして」(page 24)

 まるで使い捨てのように clone が作られ殺される。幾度めかの再生を果たしたリロは、自分が脱走に何度も失敗していることを知る。先代のリロが人殺しまでして脱走を試みたという話を聞かされ、直ぐには納得しかねるという場面も。clone は、original の自分が記憶を保存したときまでの記憶しか持てないので、先代や先々代のリロが命を落とす羽目になったことが伝聞でしか知り得ないのである。自分の話でありながら他人の口からしかそれを知り得ないというのは、かなり気持ち悪い状況と言わねばなるまい。
 話は謎だらけです。インベーダーに戦いを挑もうとする元大統領のトイードが、生物学者のリロを利用しようとする。リロは逃げだそうとして殺されたり施設送りにされたりする。しかし何人めかのリロは脱走に失敗/成功する。失敗した方のリロは木星に落下するも、何故か地球に降り立つこととなる。脱走に成功した方(というか clone 再生されて先代リロの仲間を救出する羽目になった方)は、仲間と共に外宇宙へと逃亡する。トイードは手駒のリロをまた再生させるが、そのリロは「へびつかい座ホットライン」と呼ばれる超文明の通信の謎に肉薄する。と、あらすじ書いても説明は難しいです。各自読んでください(笑)。
 あちこちに散りばめられた SF な imagination が素晴らしい。そして、SF な日常が普通のことのように描かれている点にも注目すべし。地球のリロは日に当たって日焼けすることに驚き怯えるし、宇宙船で逃げるリロは生存のために畑を耕すことに違和感を抱く。SF が描く未来は現在よりも暮らしやすい環境を提示することが多いけれど、そこから現代の level まで落とし込むことで、逆に SF 世界の住人にとっての SF 的な現代生活を照射するという構造。ここには明らかに、SF を経過した現代小説の視点がある。物語終盤の、へびつかい座な人々とリロ達が取り引きしようとする場面にも、その cynical な視点は向けられていると考えるべきだろう。今まで人類に様々な技術を提供してきたへびつかい座の人々は、人類の「文化」が欲しいという。この構造は、冷戦下での大国と途上国との関係を否応なしに連想させる。へびつかい座の人々が見せる作り物の笑顔は、その裏に潜む作為を露呈している。
 物語の結末は曖昧だ。地球にいたリロは、インベーダー達のやり口に反抗した挙げ句、へびつかい座の人々と交渉していたリロの目の前に現れる。その時、二人のリロの間に synchronisity が起こり、現在 - 過去 - 未来を一瞬で見渡すこととなる。この synchronisity は、外宇宙へ向かうリロにも発生する。そして 3 人のリロは安心する。これは新たな人類の目覚めなのだろうか。それとも単なる楽屋落ちか。ただ、個人的には納得できる終わり方です。始まりの物語は、安易な解決で終わりはしないということ。面白い作品でした。

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 川の畔で飯食ってると、群を為したカモメが頭上を飛び去っていった。
 一瞬、その鳥影が爆撃機のそれに見えて、思わず身体が強ばった。
 これも戦争の影響ですかね。

 選挙が近いので、街頭演説してる候補者の姿をよく見かけるようになった。
 言っている内容に笑う。「皆さん選挙に来てください」「○○区出身の私だからこそ、○○区の為になる区政を提案できます」「皆さんの力を私にください」。
 あなた方が選挙に当選したいというのは良く解るのだけれど、区をどう変えたいのか、ちゃんとした方針を示した方が良いと思いますよ。少なくとも、何のために政治家やろうとしているのかってことは明確にしてほしい。でないと、選ぶ側の身としても何を基準に選べばいいのか困るので。というか、既にこの時点で選ぶ基準には達しないか。
 とりあえず騒音対策してくれそうな人を選びたいと思います。じゃあ、街頭演説してる方々には票を入れられないな。

 口内炎は徐々に治りつつある様子。ありがたや。肩凝りも大分収まったし。

log modified: 2003/04/26 18:11:58 JST

2003.04.26 (Sat)

BT / ESCM

 4 月も終わりに近づいているが……暑い熱いアツイ! 電気食らいの P4 マシンを稼動させてるせいもあるけれど、天気悪くてこの暑さはちとたまらんですよ。
 暑いときは trance で cool に行きましょう。というわけで取り出したこの album。1997 年発表。
 実はあまり聴いてない。しかし BT と言えば trance の世界では有名人です。この album には名曲 tr.3 "Flaming June" も入ってます。jacket には monolith が屹立してます。背景には雲と山と湖。良く解りませんが清涼感いっぱいです。
 単なる四つ打ち trance な album ではなくて、breakbeats、downtempo、d'n'b に house と、多様な方向性に挑戦している。しかし BT の美意識は album の隅々に行き渡っている。tr.6 "Solar Plexus" の body music 然とした hard rock でさえ、度を超えた痛みを感じさせないところが NIN とは決定的に違うところだな。上手く style を使い分けて、自分の表現したいことをやりたいようにやった結果なのだろう。
 だから、結果としてとっちらかった印象になるのもやむを得ない、と。まぁ何というか、遊び心満載の entertainment な album です。一時的な気休め程度にはなります。

get
  • Sega / Marsinal - Cyber Troopers Viarual-On Force Official Sound Data
  • 斑鳩 Appreciate DVD
[movie] Shane

 George Stevens 監督作品、1953 年。
 西部劇のお手本みたいな作品。少年 Joey の前で、Shane は英雄然とした男として立派に振る舞い、悪を倒して去る。last scene は有名らしい。
 どことなく謎めいた雰囲気の持ち主である Shane より、入植者代表で自分の土地を守るために戦う Joe Starrett の方が目立っていたように見えるのは気のせいか?

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 「式神の城」、久々に光太郎でやってみたら、ふみこさんの best score を軽々と乗り越えてしまいました。何だかなぁ。

log modified: 2003/04/27 02:41:48 JST

2003.04.27 (Sun)

Akufen / My Way

 Akufen? 知らんな。
 嘘です冗談です肉切り包丁片手に煙草吹かしてる jacket には見覚えあります何せ怖かったもので techno / house の棚にあるよか hardcore / noise の棚に入れるべきじゃないのかと思った次第です勿論そのときには怖くて買えませんでしたが今回中古盤で見かけて安かったからつい。嗚呼っ頼むから近寄るんじゃない!
 気を取り直して行きましょう。Akufen の 1st album、2002 年発表。
 巷では click house という genre で括られる音らしい。何ですかね、click house って。house らしい四つ打ちに乗せて、ブツ切りな sampling と、間の広い synth-strings で空間演出。ブツ切り。それで肉切り包丁か。original のネタを解体し、飛び散る血飛沫で funky さを演出。びしっばしっぶしゅう。
 んむ、tr.4 "Deck The House" って Hidenobu Ito ぽくない? Ito の "First Love" は breakbeats で funky だったけど、Akufen はあくまで house にこだわる。でもこういう予測不能な sampling ネタ、好きです。同時多発的にこういう音が各地で出てくるってことは、時代の要請なんでしょうね。音を吸収する際の全方向性と、解体 - 再構築して funky で melodious な音楽に仕立て上げてしまう手際の良さ。何つぅか、こうやって出来上がってるはずの曲を聴いていても、完成しているという実感に欠けてて、でもその未完成ぽい隙間が面白かったりもする。微妙です。お、tr.5 "Wet Floors" も面白い展開。アコギが良い味出してます。tr.6 "Heaven Can Wait" もブツ切り sampling で funky。こういうのが click house なのかな。ちなみに "Heaven Can Wait" で Gamma Ray を思い出してしまう小生は結局めたらーかも(今更……)。
 力みを感じさせない自然な展開だけれど、やってることはやたらと緻密で groovy。様式を遠く離れて、でも最終的には四つ打ちに回帰するという thrilling さ。楽しい album。

get
  • Otomo Yoshihide's New Jazz Quintet / ONJQ Live
  • The Smashing Pumpkins / Adore
  • Jeff Mills / Medium
  • Akufen / My Way
[movie] The Right Stuff

 Philip Kaufman 監督作品、1983 年。
 第二次大戦後の米国。音速の壁に挑んだ飛行機乗り達。始めて音速の壁を破ったイェーガー (Sam Shepard) は伝説的な pilot として名を馳せる。しかし時は流れ、人々の関心は米ソによる宇宙の有人飛行合戦へと移っていった。全国各地から有能な宇宙飛行士候補が集まる。その中には飛行機乗りだったゴードン・クーパー (Dennis Quaid) やガス・グリソム (Fred Ward) らもいた。しかしイェーガーは学歴が無いため宇宙飛行士になる資格を得られず、また飛行機乗りの矜持が、軍のモルモットになるような真似をさせなかった。かくして宇宙飛行士達は様々な困難にもめげず宇宙を目指し、それを横目で見つつイェーガーは飛行機に乗り限界を目指す……というお話。
 飛行機で限界に挑むのも、rocket で未踏の宇宙へ旅立つのも、死と隣り合わせの危険な行為には違いない。一つの成功の影には悪魔に魅入られて命を散らした先達の影もある。しかし、この映画はそんな暗い影を極力抑えた形で視聴者に提示する。寧ろ、全編を覆うのは humorous な雰囲気。ソ連で rocket が飛び、NASA の官僚が廊下を走るたびに笑ってしまう。実験素材を抽出するのにトイレに籠もって歌いまくるのにも笑ってしまう。度重なる打ち上げ実験の失敗にも笑ってしまう(失礼)。競争相手がサルだという事にも笑ってしまう。宇宙服の中でお漏らしして、各種 sensor が鳴り出すのにも笑ってしまう。落ちた勲章を授けられる scene にも笑ってしまう。宇宙船の外で蛍のような発光体が舞っているとき、地上では Aborigine 達が篝火を囲んで踊りを捧げているのにも笑ってしまう。ゴードンが記者に「一番の宇宙飛行士は誰か?」と訊かれて、気の利いた話をぶち上げようとして、結局果たせずに決め台詞で締めくくってしまうところにも笑ってしまう。だが勿論笑ってばかりも居られない。何せ隣り合わせの死と青春である。危険に挑む男の妻は常に不安に苛まれる。保険のことなんて考えたくない、と思うのも道理。しかしそれでも彼女らは夫に付いていく。限界に挑む男こそ、彼女らの愛した男なのだから。
 美味しい見所が一杯ある映画なので、ちと語りきれんな。宇宙飛行士達が互いに野心をむき出しにしつつ、次第に友情を深めて連帯感を持つところとか、マスコミに付きまとわれてウンザリする一方で、rocket の engeneer に要求を突き付ける際には逆にマスコミを利用したりする機知も面白い。そして最後の飛行実験で、例のやりとりをしてから飛行機に乗り込み記録に挑むイェーガーの格好良さも格別です。Bill Conti の音楽も見事。この作品ではアカデミー作曲賞も受賞したそうな。小生はツール・ド・フランスの放送で使われてたことしか知りませんでしたが、この映画の曲だったんですねぇ……って、脱線しました。
 強引にまとめにかかります(笑)。最速の男として持てはやされたイェーガーは、rocket 時代の到来と共に世間の注目を失う。一方で、当初は comedy のダシにされていた宇宙飛行が現実のものとなり、一躍時代の寵児として持てはやされるようになった宇宙飛行士達。マスコミの動向は、この時代の流れを如実に表している。だが、イェーガーも宇宙飛行士達も、結局見ている地点は同じなのである。限界に挑み続けた男達に拍手を。

 余談。
 Sam Shepard の格好良さや Dennis Quaid の若々しく野心的な人物造形に比べると、ジョン・グレン役の Ed Harris は堅物に描かれてるせいか地味に見えます。が、良い役者ですよこの人は。だって堅物らしく見えるもの(笑)。妻の窮地とあらば大統領の奥方を敵に回すのも辞さないという姿勢には男を感じますな。堅物の鏡です。こうでなくっちゃ。
 宇宙と Ed Harris って何だか妙にハマるよなぁ……と思っていたら、思い出しましたよ、「アポロ 13」だ。あの映画での Ed Harris も格好良かったですね〜〜と言いつつ細部は忘れてるんですが。ええと、「後ろに立ってられると安心する上官」みたいな役回りでしたっけ。「ライトスタッフ」でも leader 役だし。成る程、小生から助演男優賞を差し上げます。え、実は主演? いやぁ、ピリリと辛い助演は主演よりも格上なのです。だから助演。異議は認めませんのであしからず。

diary

 選挙に行ってきました。候補は選挙会場で適当に選びました(爆)。立候補者の情報って、どうやって集めればいいんだろう。やっぱ新聞かな。古典的だけど。

 近場のゲーセンに「式神の城 2」が入っていたので、初 play。ふみこさんでほいほい進んで 3-1 で壁に当たりまくって死亡。壁は Gradius の頃から嫌いなんじゃ! もはや trauma と化しておるわい。
 なんだか demo で音声まで付いてて、好きな人には応えられないんでしょうが周囲の視線が気になるのでちと恥ずかしい。隣でコラムスやってた人、ごめんなさい。って、小生が謝る必要は全くないんですが。つか、volume 高くしてませんか……? これも player への配慮なのか。
 ついでに「Batsugun」も見つけたので久々に遊んでみる。4 boss 辺りで爆死。大味な game だったんだなぁ。

log modified: 2003/04/28 03:15:33 JST

2003.04.28 (Mon)

Otomo Yoshihide's New Jazz Quintet / ONJQ Live

 音を聴いて、真っ先に連想したのは、Chico Freemam の "The Outside Within" だったりする。あのどす黒くて不気味で呪術的な free jazz が、21 世紀になって甦るとは。しかもそれが、jazz 本流から遠く離れていたはずの大友良英の quintet で展開されている。懐古主義と笑うなかれ。少なくとも小生は、この album のおかげで現代の jazz が淀んだ水の中で黄金期のパロディにうつつを抜かしているだけではないことを信じることができそうである。ちなみに 2002 年録音。
 大友の guitar の格好良さにまずは痺れまくりましょう。solo で弾きまくるときの集中力や、sax や trumpet が theme を流している間に back で noise 響かせてる姿には、free jazz が本来持っていた「何かを前進させる力」がひしひしと感じられるではないか。菊池成孔 (ts)、津上研太 (ss,as)、水谷浩章 (b)、芳垣安洋 (ds,tp) といった強力な面子による sound も、静寂と混沌を行き来して燃焼しまくりである。取り上げる曲は、Wayne Shorter の "Swee-Pea"、Eric Dolphy の "Hat & Beard"、それに大友の original、そして最後には何と Jim O'rourke "Eureka" だ。Dolphy の曲がハマるのは解るとしても、O'rourke のあの名曲が混沌に投げ込まれて嵐のような improvisation の渦中でぐるぐる変容して、それでなお牧歌的な theme がしっかりと耳を捕らえて放さないというのはどうかしてる。非常に奇妙で感動的な瞬間。それが延々と引き延ばされる快楽。こりゃあ凄いです。小生は live を見に行かない人なのだけれど、こういう演奏は間近で見てみたいなぁ。

[movie] The Gift

 Sam Raimi 監督作品、2000 年。
 ぬるい。某第六感とか某 7 つの大罪とかに比べるとぬるぬるである。虚仮威しな horror 演出、mystery touch なのに切迫感のない story、出てくるのはオバサンオジサンや情緒不安定な輩ばかり。地味で華が無いし話の展開も平凡。二度見る必要なし。以上。

 と、ここで終わらせるのはちと惜しい。まずは Keanu Reeves がやくざなダメ亭主役で出てくる点を笑いましょう。あの髭! うひゃひゃ。でもって奥方には乱暴働くわ、主人公の子供を恐喝するわ、裁判所で主人公を魔女呼ばわりするわで大変である。Hollywood の大物俳優をここまで貶めますか、Sam Raimi 監督。しかもまずいことに、Keanu はこういう役回りが妙に似合うのである。「Matrix」や「Speed」を参照するよりは、「Chain Reaction」を参照すべきでしょう。あれも面白みのない作品だったが、「Speed」や「Matrix」での Keanu の演技が機械的で好きになれない小生なので、この「The Gift」での役者振りは評価したい。
 で、主役の Cate Blanchett。生活に疲れた未亡人という役回りを見事に演じてます。そりゃあ、夜中に首締められたり見上げたら死体が浮いてたり風呂場で死体に襲われたりしたら疲れもするでしょうよ。で、傷心の先生の家を見舞って、おずおずと抱きしめ合う scene で見せる密やかな艶めかしさがあって。検事を脅して真実を明るみに出そうとやっきになる所も、芯の強い女性を上手く表現していた。そういった積み重ねがあるから、最後に夫の墓前で子供達と抱き合う scene が映える、と。america の田舎を sepia 色の映像で表現している点も良い。
 でも凡作(爆)。

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 仕事行って疲れた。
 「式神の城」を性懲りもなくやってます。本日は 4-2 が限界。上手くならないね小生も。

log modified: 2003/04/29 02:39:40 JST

2003.04.29 (Tue)

Riow Arai / Beat Bracelet

 beat、beat、beat!
 hip hop の手法を駆使しつつ、どこか浮世離れした機械的な耳障りが残る。汗をかかない funkness というか。無駄を殺ぎ落とした beat の彼方には諦念も潜んでいるような。道を突き詰めて突き抜けた人の境地ですかね。
 Riow Arai、2001 年の傑作 album。どの track も純度の高い hip hop track で、この quality の高さゆえに近寄りがたい印象も残る。しかし、こういう寡黙な世界をこつこつと作り上げるのも職人芸ということで。打ちのめされるために聴きましょう。

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 水無月真氏の宅へ邪魔しに行った。相変わらず散らかってたのぅ……。AV 機器が山盛りで凄いことになってました。録画予約が三十本以上できるってのは羨ましいかも。
 それから一緒に飲んで、23 時過ぎに帰宅。

log modified: 2003/05/02 18:31:35 JST

2003.04.30 (Wed)

Paul Bley Trio / Modern Chant - inspiration from Gregorian Chant

 1994 年録音の Venus 盤。
 Bley の album の中では聴きやすい方ではなかろうか。元々は Gregorian Chant の album にする予定だったそうだが、Bley の inspiration が冴えまくっていたので、結局 Bley の original でまとめてしまったそうな。
 90 年代の Bley にしては珍しいくらしに melodious な phrase を弾いてます。それこそ一瞬 Chick Corea を連想させるほど。Bley ってこんなに饒舌だったっけ、と思わず首を傾げてしまう。この辺が Gregorian Chant の影響なんですかね。小生は嫌いではないですよ、こういう Bley も。
 ただ、聴きやすい分だけ Bley 本来の鋭い touch は影を潜めている。あの鋭利な刃物を思わせるような、美的で意表を突く音は、ここではそれほど意識されない。David Eyges (b) と Bruce Ditmas (dr) の仕事も可もなく不可もなくといった風情で、安定しているけれど面白みには欠ける。なので、Bley の作品としては聴きやすくて凡庸、という感じです。

高見 広春 『バトル・ロワイアル (上)』
 秋也は立てた膝の間にぶらんと手から掲げたリボルバーに目を落とし、それから、ふと頭をよぎった問いに、また顔を上げた。
「なあ、もし知ってるなら教えてくれないか」
「何を?」
「このゲームの意味だ。こんなものに意味があるのか?」
 川田はちょっと目を見開いたが――、すぐに顔を下げると、低く笑い出した。随分おかしそうだった。それから、ようやく言った。
「あるわけないじゃないか、そんなもの」(page 336)

 読了。
 城岩中学三年 B 組の生徒達が修学旅行の途中で瀬戸内海の無人島に送られ、そこで最後の一人になるまで殺し合うことを強要される。生徒達には強制的に首輪が付けられていて、24 時間以内に死人が出なければ全員の首輪が爆発する。また、一定時間が過ぎると島の特定地域が禁止エリアとなり、そこに足を踏み入れる者も首輪が爆発して死ぬ。禁止エリアは時間が経過すると増える一方なので、生き延びるためには禁止エリアを避けつつ同級生を殺していかなくてはならない。なので、生き延びるためには否応なしに殺し合いをするしかない、と。
 いきなりこんな状況に叩き込まれた生徒達、その反応は様々だ。殺し合いをやめようと呼びかける者、ゲームに乗って殺しまくる者、一時的に協力して共同戦線を張る者、首謀者の裏をかいてゲームを無効化させようと画策する者、愛する者と一緒に崖から身を投げる者……。まぁとにかく人が死ぬ死ぬ。鎌で首切られたり、銃弾で脳みそ吹っ飛ばされたり。
 とりあえず光子さん怖いっす。違う。総評は下巻読み終えてから。

[movie] Psycho

 Alfred Hitchcock 監督作品、1960 年。
 金に困ってる恋人と一緒になるため会社の金を横領してトンズラする姉ちゃん。逃げる途中で社長に見つかったり警官に目を付けられたり。この辺の展開は thriller ぽいのだけれど、motel に立ち寄ってからはにわかに mysterious な展開へ。姉ちゃんは行方不明、後を追った私立探偵も失踪。遂には姉ちゃんの恋人と姉ちゃんの妹が motel に乗り込み、事件の鍵を握ると思われる「motel 管理人の母ちゃん」に会おうとする……。
 psycho horror の代名詞みたいに言われるこの作品ですが、小生は初めて見ました。映画の見せ方が上手いです。motel 管理人の母ちゃんが犯人のように思わせておきながら、その母ちゃんが実は十年前に死んでいることになっていたり。しかし映画の中ではその母ちゃんらしき人物が管理人と会話したり動いたりしている。じゃああれは誰なのか? 下手人は別にいるのか? などと邪推して、終盤は息詰めて見入ってしまいましたよ。
 謎になる部分を隠すのではなく、見えすぎない程度に観客へ提示することによって、寧ろ観客の恐怖を煽る。一人称の mystery を読んでいるような感覚を、映画の世界でやってのけている。流石 Hitchcock、映画の騙し方をよく心得ていらっしゃる。良作。

log modified: 2003/09/30 02:15:45 JST

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