Noisy Days in December, 2002

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2002.12.11 (Wed)

4 Hero / Two Pages

 Drum'n'Bass が dance culture の中で根を張り、黎明から成熟へと向かっていた 1998 年に発表された、4 Hero の 3 枚目の full album。CD 2 枚組という volume だけれど、小生は disc 1 を聴くことが多いな。
 とにかく strings が美しい。dance music であることを忘れてしまうほどの滑らかさに息を飲みまくりなのですよ。Metalheadz 勢の stoic な姿勢とも、Reprazent の熱い attack とも異なる地点で、4 Hero の Drum'n'Bass は鳴り響いている。ナマ音と vocal を feature している点は Jazzanova らの approach とも共通しているように思えるけれど、やはり微妙に異なる。何というか、album の中で通層低音のように鳴り響く宇宙志向の強度が、凡百の D'n'B album とは異なる印象をもたらしているように思えるわけで。ここまで透徹した世界観を目の前に示されると、掛ける言葉も失ってしまう。
 この album が発表された当時は「洗練され過ぎている」とか「刺激が少ない」とか評する人が多かったように思うけれど、むしろここまで徹底的に自分の世界を貫き通した album も珍しい。そして、そうした album こそが evergreen な感覚を帯びることができるのだろう。久々に聴き直してみても、背筋に震えが走ります。

diary

 うーむ、またまた残業な日々。今月は早く帰ろうと努力してるんですが。

log modified: 2002/12/12 02:53:08 JST

2002.12.12 (Thu)

James Ruskin / Point 2

 んむ。やはり寒い日が続くと、暖かい音を求めたくなるものよのぅ。Jazzanova もいいな Joe Claussell もいいな、いややっぱ jazz に向かいますか。
 ありゃ。James Ruskin 入れちゃった。
 あああああ。ずんどこずんどこずんどこずんどこ。んっきゃきゃんっきゃきゃんっきゃきゃんっきゃきゃ。うああああ。
 よけい寒くなってしまいました(爆)。

 こういう metalic な音も嫌いじゃないから小生救われないんだよなぁ。だいたい風呂上がりに部屋で一人で聴くような album じゃないでしょうコレ。暗いよ怖いよ助けてママン。
 でも誰も君を救ってあげられないのだ。外界から謝絶された部屋でじっと音に耳を傾けたまえ。minimal に loop する beat の波に揉まれながら、自分の五感を解放し知覚し続けるがいい。いずれ、脳髄に直接電気を通したような感覚が君を襲うだろう。その力に逆らうな。無駄に抵抗しても、自分の無力さを思い知るだけだろうから。さあ、何かが見えてくるはずだ。その瞳は今、何を写しているのだ? さあ、言ってごらん。
 それはね。
 ずんどこずんどこずんどこずんどこ。ばしゅばしゅばしゅばしゅばしゅばしゅばしゅばしゅ。
 すいません言葉になりません(爆死)。

竹本 健治 『匣の中の失楽』
 しばらく躇って、真沼の呟いた声は、老人のもののように嗄れていた。
「……さっきの子供の会話、聞いてたか」
「ああ、それがどうした」
「よく判らなかったんだが、ひょっとしてこうじゃなかったのか。……『君はどこにいるの』『どこにもいないわ』『じゃ、行こうか』……と」
「そう、その通りだ」
 真沼はゆっくり顔をあげた。ようやく頬に紅味が戻ってきていたが、幽愁の翳は依然重く被された睫毛の上に落ちている。もしかすると、それは笑いだったのだろうか。(page 16)

 昔からその名を耳にしていたものの、実際に読んだのはこれが初めて。『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』と並び評される大作だが、いちばん影響を感じさせるのは『虚無』ですかね。解決されない謎、章を跨ぐたびに現実が小説化される入れ子の構造、そして目眩く pedantry の横溢。しかし、推理小説的な要素をふんだんに盛り込みながらも、この小説全体には言い知れぬ無力感が漂っている。
 無力感。
 殺人が起こり、それを解明すべく mystery 仲間達が様々な解法を提示する。だがそれを嘲笑うように次の事件が起こり、また次の章ではそれまでの章が小説化され、ややこしいことに小説化された物語の一部は現実に起こった事件として扱われる。そして、登場人物達も、自分達の一挙一動が小説に取り込まれているのではないかと思い、それに応じた役割を意識するようになっていく。
 それは、謎の解明が常に先送りされるだろうという予測を常に孕んでしまう。次の章に入って、それまでの現実が小説化されてしまうということは、それを読んでいる読者には「謎が続いている」としか思えなくなるからだ。そして、『匣の中の失楽』が秀逸なのは、そのことを登場人物達も自覚している節がある点である。登場人物達が言葉を費やせば費やすほど、そこに無力感が生まれてしまうのには、そういった背景があるように思える。
 こうした展開で、推理小説的な catharsis、即ち「魅惑的な謎が鮮やかな論理で解明される」といった、目の前の霧が晴れるような清々しい読書体験を得ることはできない。その代わりに、『匣の中の失楽』は霧の中で始まり、霧の中で終わる。そして不可解さは霧の中に取り残される。だが、これは逆に mystery らしい mystery と言えるのではないか。読者は 1 冊の推理小説を読み、それに一応満足するも、また別の瞬間には別の推理小説を読んでいるだろう。一つの謎が解明されて、なお謎を求めるならば、謎という匣の中で解を求めて流離い続ける方が幸せではないのか。そうした mystery への根元的な問いを、改めて読者の前に突き付ける、これはそういう物語なのだ。

diary

 もう疲れたよパトラッシュ。早めに仕事を切り上げても、疲れたココロは癒されないのさ。

[news] Riow Arai の stock mp3

 年末までの期間限定らしい。太っ腹ですなー。

 うわ、かっこいい。Hip hop を基盤として、巧みに beat を操る手腕が見事! これで stock だなんて信じられないな。album は stoic スギな感じがしたけれど、この mp3 は凄く多才。まだまだ才能秘めてますね、この人。

log modified: 2002/12/13 02:21:51 JST

2002.12.13 (Fri)

diary

 仕事行って飲み行って帰宅。相変わらず tension 高い修羅場でした。面子が面子だからなぁ。

 「あしたのジョー2」最終話見た。矢吹丈、ホセと凄絶なドツキアイを繰り広げて判定負け。しかしホセは精神疲労で白髪と化し、矢吹丈はコーナーで燃え尽きる。燃え尽き scene の裏で荒木一郎の歌が流れるのは合わなかったなぁ。

log modified: 2002/12/14 00:54:42 JST

2002.12.14 (Sat)

get
diary

 case は重かった。肩も腕も痛い。

log modified: 2002/12/15 22:27:54 JST

2002.12.15 (Sun)

get
  • DJ T-1000 / A Pure Sonik Evening
  • Slam / Alien Radio
  • Underground Resistance / Interstellar Fugitives
  • Tsuneo Imahori / Trigun the first donuts
  • Panasonic / JU256 (FDD)
  • Sanwa Supply / SW-CPU2N (CPU changer)
[comp] 自作 PC への道

 とりあえず昨日(今日の朝?)のうちに BIOS 画面までは拝めました。初めての自作だったので訳わかめだったのは言うまでもない。失策もいくつかやらかしました。cpu クーラーに付いていた熱伝導シールを剥がしてしまったこととか……(冷汗)。だって手引き書に「熱伝導シールが貼ってあるからフィルタ剥がして使ってね」などと書かれてあったものだから、フィルタやと思って剥がしたら熱伝導シールだったんだもん。けっ。そのうちグリスでも塗ってやるから今は我慢しな!
 あとは電源の connector が上手く刺さってなかったので、power on すると fan だけ回って monitor は付かないとゆー怪現象に悩まされました。紛らわしい付き方するんじゃねえっ! 俺は No brand の memory 認識しないからだと思って小便ちびったぞコラ!!

 あー、寝不足で気分が荒れてますがご容赦を。Endeavour から部品流用してます。G550 と DVD-ROM drive は新型に移譲。んで Endeavour には ATI Rage IIc と CD-R/RW drive が乗りました。Endevour に乗ってる SB live は悩んだ末そのままに。だから新型は on board chip で鳴らす予定。

 んで、早くもとらぶってます(爆)。まず Endeavour の CD-R/RW drive の調子がヘン。drive に付属していた CD-ROM を読み込んでいると、途中で drive が止まる様子。読み込んでは止まり、読み込んでは止まりの繰り返し。machine の要求 spec は満たしているが、もしかして電力足りてない?
 まぁ、ぼちぼち原因探ります。それにしても Endeavour、Rage IIc は流石にきついか……。ちなみに windows の Rage IIc 用 driver はここで手に入れました。感謝。

 新型(名前はまだ無い)も trouble に見舞われている。まず FDD を認識しないとゆー問題。これは電源を入れてなかった(爆)。気を取り直して……ありゃ、こんどは HDD を認識してないぞ。master にした筈だが。また箱開けて調べてみます。

 解決しました。原因は接触不良でした。まーたーこの pattern かよ……。ま、これで何とか start line には立てたわけだ。ふう。あとは momonga 入れるだけーと言いたいところですが、CD-R/RW drive があの調子ではねぇ……。

 赤帽入れました。G550 はあっさり認識。音も出る。ogg vorbis の encoding も早いし、良い感じ。日記書く環境も新型に移そうかな。

log modified: 2002/12/16 01:55:17 JST

2002.12.16 (Mon)

Slam / Alien Radio

 Soma Record の首領、Slam の 2001 年作。これがね、良いのです。音は Detroit 風なのだけれど、Europa 産らしい端正な作り。tr.2 "Lifetimes" は思わず Depeche Mode ですが、小生、たぶん Depeche Mode は嫌いではないので許容。風呂敷のでかい strings、早すぎない bpm、そして家で聴いても暑苦しくない風通しの良さ。ぐーです。ぐー。寝るなコラ。
 Jazz の世界でも、亜米利加のショービズに疲れて Europa に移住した artist が、その移住先で才能を開花させるとゆー case があるけれど、現代でもそうゆうのってあるんですねーなどとしみじみ思ったり。んじゃあ Techno 界の ECM は Delsin ですか? なんか話が脱線しましたが頑張って頂きたい(日本語おかしいな)。

[comp] linux 間で file 転送

 2 台目の linux 機ができたので、とりあえず ssh 使って remote login してみる。ええと。相手先の PC を指定して ssh 打てばいいのか。


$ ssh 192.168.0.3

 password 訊かれるので、入りたい user の password を入力したら OK す。connection 張れなかったら、相手先の PC が ssh login 許してるかどうか確認してみるべし。
 でも ssh で入るだけだと、異なる PC 間での file 転送はできなさそう。

 異なる linux 間での file 転送には、scp とか sftp とか使うと良いみたい。今回は sftp で試してみる。


$ sftp hoge@192.168.0.3

 で、password 訊かれるので入力。ちゃんと通ったら、ftp な感覚で file を転送することができる。めでたい。抜けるときは exit 打てばよろし。

diary

 肩こりが未だに続いてます。体の回復も時間が掛かるようになったなぁ。

log modified: 2002/12/17 02:12:24 JST

2002.12.17 (Tue)

夢枕 獏 『陰陽師 鳳凰ノ巻』

 久々の獏さん本。相変わらず tempo の良い文体で、すらりすらーりと読める。今回は道満との対決が 2 度も盛り込まれていて刺激も充分。面白かったです。

log modified: 2002/12/18 02:32:15 JST

2002.12.18 (Wed)

C.J. Bolland / The 4th Sign

 最近なにしてるんでしょうね、この人。一応 official site はまだ生きてるっぽいが。でも中に入れないのさっ。
 R&S の看板オトコだった CJ、これが first album。今聴くとべたべたに典型的な europa 風 hard techno。早い曲でガンガン盛り上げます。捻りや深みはあまり無いけれど、CJ らしい哀愁シンセ音が連発される album なので、印象は悪くない。jacket はそれなりに気味悪いが、この程度でビビっていてはいけないのである。
 とはいえ、どうにも中身が軽いように感じるのは、当時の CJ の若さ故か。若い人向けの album とゆーことで。

 あ、なんか今年の 10 月に日本で DJ したらしいです。なんだまだ現役ですかい。

[comp] linux 間で file 転送 (2)

 先日は sftp 使ったが、sftp だと directory をそのまま get できないことが判明。それはちと使いにくいなぁ。
 で、他のやり方を探っていたら、なんと gftp で ssh login できることに気が付いた。やり方は、gftp 起動して、host 入力して、port は 22 にして、menu -> options の、ssh タブを開いて "Use SSH2 SFTP subsys" にチェック入れて OK 押す。あとは接続して password 入れるだけ。
 お手軽で良い感じではないですか。ありがとう gftp。ちなみに version は 2.0.13 でした。

[comp] CD-R で焼き焼き (for Windows 98)

 Endeavour の CD-R/RW drive 不調、どうも特定の disc 読み込みで起こるようだ。てゆか drive に bundle されてた CD-ROM のみの現象かも(爆)。それってどゆことですか?
 なすすべなく立ち竦むのも何なので、新型で CD-ROM の内容を全て吸い出して(これは上手く行けたんだよ)、吸い出した data を Endeavour に移して、Endeavour で win 立ち上げて、吸い出した data 内の setup.exe を起動……とゆー姑息な手段を用いて焼き焼き tool は install 完了。次は、実際に焼いてみる。焼く data は momonga の iso file。
 …。
 ……。
 …………焼けた。
 焼けました焼けましたよ奥さん。40 倍速で complete しましたよ。ちゃんと中身も確認できましたよ。全く問題ないですよ。
 えー、いろいろ maker に言いたいことはありますが結果おーらいで了承です。遂にここまで来ました。次は momonga の install です。週末にやってみる予定。続報待て。

log modified: 2003/05/23 22:40:34 JST

2002.12.19 (Thu)

Hardfloor / Respect

 Techno 聴き始めの頃に買った一品。聴いた当初は良さが解らなかった。melody 無くて地味渋だし。取っつきにくくてすぐ埃を被らせてしまった。もちろん当初は acid house なんてものも知らなかったわけよ。いや今も解んないんですけどね、acid house。ついでに chicago house も解らん。
 んで聴き直し中。とりあえず jacket に注目しませう。昔は解らなかった名前の羅列が、今なら少しだけ解るようになっていて、人間長生きすれば少しは進歩するんだなぁと思ったり。Derrick May、Jeff Mills、Robert Hood、K Hand、Mad Mike、Kenny Larkin らの Detroit 勢の名もあり。へええ。その割には Detroit の影響ってあまり感じない。まぁ、Hardfloor は house らしいからいいのか。
 肝心の音のほうは、かーなーりー stoic。早い tempo の曲もあるのだけれど、基本が house とゆーのは何となく解ってきたかな。暗い雰囲気の中で奇声や効果音がぴゅんぴゅん飛び跳ねるって感じが acid house 風ですか? tr.8 "Mustard Cornflakes" の尋常でない speed 感が素晴らしい。いやー何だか格好良いでわないですか。地味で渋くても枯れちゃーいないというわけか。てゆか、こういう音って最近あまり耳にしないので妙に新鮮だったり。時代のせいにしちゃいけないんだろうけど、新鮮なのは良いことです。

森 博嗣 『人形式モナリザ』
「結局さ、考えどころっていうか、問題点は……」保呂草が煙を吐き出しながら静かに言う。「麻里亜さんを毒殺しようとしたのに、雅代さんには銀のナイフを使った、という点だ。どうして、二人とも毒殺ではいけなかったのか」
「あ、わかった!」紫子が声を弾ませて片手を上に伸ばす。
「香具山紫子さん、どうぞ」練無が言う。
「魔女だからです」紫子が答える。
「ええ、そうね」紅子がにっこりと微笑む。「今の意見が、今までで一番素敵」(page 251)

 人気 series の第二弾。長野のペンションに遊びに来た 4 人組が、人形博物館で殺人事件に遭遇。紅子の元夫の林さんや、その林の愛人である七夏さんも何故か居合わせるとゆー happening もあり。機千瑛さんは最後のほうでちょこっと登場するだけでし。
 相変わらず練無は元気だな。ペンションにはバイトで来ている筈なのに、ちゃっかり外出用の衣装も用意しているとゆー周到さ。しかも七夏お姉さまとのデートでそれ着ていくとはねぇ……。
 今回の dark horse は保呂草さんかな。前作の偽・保呂草も凄い人でしたが、今回の真・保呂草もまた一癖ありそうな人物みたい。頭も切れるし本業・裏業どちらもアヤシイ感じ。これに紫子さんの hi-tension な饒舌やら、紅子さんの超然とした佇まいやらが入り交じると、何だか漫画ちっくなお話になるのは当然かも。犀川 series よりも軽ノリで軽快に飛ばしてる感じ。
 でも、物語の背後に森博嗣らしい dry な感性が満ちているのはいつも通り。人形を keyword に、宗教や神/悪魔論へと展開していく衒学は thrilling で面白い。紅子さんが夜空を見上げて、星々から伸びる糸に人が操られていると夢想する scene は詩的で感動的ですらある。こういう感覚を言葉にできるってのは凄いことだよなぁ。
 もう既に、mystery としては読んでないですこれ。mystery を素材にした紅子さん観察日記ですね。次も期待してます。

log modified: 2003/01/05 12:36:30 JST

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