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急に聴きたくなったので、堆く積もった CD 棚から引っぱり出してきて聴いているところ。暖かい音に飢えてるんだろうな。trombone の音って、ぬぼーっとしていて疲れた心に染みやすいので。
これも超有名盤なので解説する必要はないです。冒頭の tr.1 "Five Spot After Dark" からしてえらく pop な味わい。誰の曲かと思えば Benny Golson です。なるほどねー。"I Remember Clifford" や "Whisper Not" の、あの人。もちろんこの album でも、tenor saxophone 片手にのほほんと吹いてます。Fuller と二管で前衛。Fuller ものほほんな感じで、この二人の unizon はなんつーか、ホントに力が抜けます。んで、軽妙さが売りの Tommy Flanagan が percussive な piano で煽るもんだから、爺様婆様受けしそうなゆるゆる dance ノリになってしまうのであった。Al Harewood (ds) とゆー人については詳しく知らないけれど、この人と Jimmy Garrison (b) は、なんだか苦笑しながらのほほん組に付き合ってる感じ。和んでる雰囲気が伝わってくるなー。tr.3 "Blues-Ette" とか、黒くて緊張感なくて最高。
まぁ小生、火花散らし合いながらドカドカ鳴らしまくる jazz も好きですが、疲れたときにはこういう album も聴きたくなるですよ。健康のため、一家に一枚は置いておきましょう。
"1998"、"1999" と続いて、"Zero" で一応完結した、Susumu Yokota の House 三部作。その掉尾を飾った "Zero"、今頃聴きました。いやまた "1999" みたいにドス黒いとやだなぁと思ってたので、なかなか手が伸びなかったのですよ。そういやこの album 買った disk union 渋谷店ですが、なんか店が様変わりしてました。2F と 3F が loud 系だったのに、いつの間にか club music 館になってたし。広くなって良い感じです。
いきなり脱線してしまった。"Zero" は、"1999" ほど黒くはないです。まぁ Sublime から出してる Yokota の album はどれも音質が良いのだけれど、今作は特に hi-fi 感が漲ってるなぁ。腰にぐぐっと来る Bass Drum の音がたまらんたまらん。ねーちゃんの声もエロい。"1998" のような magic はあまり感じられないけれど、"1999" の entertainment 精神が、より熟成された形で結晶化されたような印象だ。
ただですね、こういう album は体力のあるときに聴くべきなのですよ。アクが強いので、死にかけな状態で聴いても upper な気分にはさせてくれない。なので、死にかけな時には気合いで聴きましょう。
地味。ひたすら地味。ズンドコでアゲアゲな mix が売りなハズの Claude Young さんですが、この album は寡黙です。minimal で minimal で minimal。何故にここまで minimal なんでしょうか。
まぁ techno の極北は beat なわけで。情緒的なシンセの音もまた beat に従属する程度のものでしかないという認識なのでしょう。tr.7 "Things Look Better Now" みたいな detroit manner な曲もありますが、それにしても stoic な出来。ここまでくると個性なのかどうかも怪しいところ。
でもまぁ、酒の回った頭でじっくり聴いてると、何だか目の前が逆時計回りに回転しているような雰囲気になります。これはこれで良いのでしょう。
Kterm も rxvt も Eterm もダメだったので、遂に最終兵器を投入です。即ち mlterm。multi lingal 対応が謳い文句のスグレモノ。
幸いにも Momonga に登録されてたので、早速 rpm をこさえる。mlterm-2.6.2-1m。
早速起動。
$ mlterm &
んが、流石にこれだと sjis が化ける。今度は sjis で起動。
$ mlterm -km sjis &
"cat hoge.txt" してみると、ちゃんと sjis も解釈する。んでは、RaidenFTPD 内の file 名が sjis な輩を、lftp で覗いてみる。ちゃんと file 名も表示できてる。で、atokx で日本語入力……できた! とゆーことは、cd も get も効くということだ。わーい。窓ズ起動の誘惑に耐えた甲斐がありました。今、幸せですか? はみぃは幸せです。でも流石に tab 補完は効きません(笑)。
いやぁ、えらく苦労したがとりあえずこれで行きましょ。
いかん、headphone で聴いてると、どんどん volume 上げてしまう。キレイめの上物が minimal に波を作り、四つ打ちが基底をがっちり組み上げて、聴いていてすごく気持ちいい。これもまた pure techno の結晶。
実は、店頭で見かけてから暫く買うのを躊躇っていたんですわ。tr.1 "crosswalk (funk d'void remix)" を聴いた時点で既に買いモードだったんだけど、tr.3 "force (technasia reprise mix)"、tr.6 "force (technasia arpeggio mix)"、tr.10 "force (a claude young reconstruction)"、tr.11 "force (technasia final mix)" と、全 11 曲中 4 曲が "force" だったので気が引けたのだよ。しかししかし、こうして album 通して聴いても "force" ばっかりな印象はない。この album には、technasia のみならず、Funk D'Void、Claude Young、John Tejada、Renato Cohen といった artist との collaborate による track も収められている。その為かどうかは解らないが、stoic な minimal techno album である筈なのに、色々な point から光が照射され乱反射しているような豊かな variation を感じるのだ。もちろん album title の "Recreation" には、休養・娯楽といった意味だけでなく、既に世に出た track を様々な artist と再び作り直すという意味も込められているのだろう。
おおっ、tr.10 "force (a claude young reconstruction)" が始まった。piano の音を聴いて techno を感じる楽しさよ。そして美しさだけではない、水の底へ沈み込むような暗い音響と tough で fat な bass drum がまとわりつく。わお。好 track。
元気一杯な Hard Bop album。面子は Hank Mobley (ts)、Freddie Hubbard (tp)、Wynton Kelly (p)、Paul Chambers (b)、そして Art Blakey (ds) と、まぁこんだけ集まれば hard にもなりますわな。
Mobley の play って、まともに聴いたの初めてかも。tr.1 "Roll Call" や、tr.3 "Take Your Pick" の疾走感にヤラレます。Blakey の煽り方がまた上手い。
Mobley、hard な blow だけじゃなくて、mellow な tr.2 "My Groove Your Move"、humorous な曲の中でも tension を上げていく tr.4 "A Baptist Beat" などで個性を発揮。楽しんで演奏してる様子が目に浮かぶよう。
如何にも BlueNote な「黒さ」に溢れた album。小生は ECM 派だけれど、BlueNote も悪くはないです。この手の本流もまた必要、ということで。
なるものに挑戦してみる。これは shoutcast や icecast のような internet streaming server なのだけれど、P2P 使っているところが特徴らしい。ここに詳しい解説があります。
download page から linux 版の圧縮 file を落として、解凍。後は実行するだけ。
$ peercast &
念のため "ps ax" して、daemon 君の存在を確かめる。よしよし、ちゃんと居る。
接続状態の確認や設定変更、それに channel の一覧は web browser から行うことができる。
$ http://localhost.localdomain:7144/
ちなみに上記の host 名は、自分のやつ使わないとダメすよ。"hostname" で確認できます。
次はいよいよ再生。oddcast の xmms plugin を落としてきて、make して install。んで、web browser から適当な channel で play を押すと oddcast の dialog が出てくるので、適当に設定して connect。あ、xmms が落ちた。
ここから先には進めませんでした(爆)。どーやっても oddcast 経由で再生できぬ。
へたれだが oddcast 使わずに再生する方法もある。
play の link を押すと "hogehoge.pls" という file を落としてくるので、これを text editor とかで見てみる。すると mp3 か ogg vorbis の file への URL が書いてある。あとは streaming 再生が出来る player にそれを渡してやればいい。
お手軽なやり方としては、聴きたい channel のところで relay を選択して、出てきた relayed channels のところで stream の link を copy。ここの link が曲への直リンになってる。後は xmms なり gqmpeg なりに渡すのみ。小生は素直に ogg123 に渡してます。この方が安定してるし曲の data も見えるし。
でも何故か日本語の表示はできなかったりする。sjis の mlterm でも見えない。もしかすると、ogg vorbis が 1.0 になったときの multilingal 処理が尾を引いているのかもしれない。小生の環境でも、昔の ogg vorbis で日本語書いてたのが見えなくなっていたし。
あと、channel で play 押したときに失敗したネタは "/tmp/plugtmp" に残りますので、そこから
$ ogg123 `cat hogehoge.pls`
予備知識無しで店頭で聴いて、そのままレジに持っていった 1 枚。umek。知りません。でもですね、一聴して凄く面白かったんですわこれが。何だか昔の game music て感じ。"Bare Knuckle III" みたいな耳障り、と言って解ってくれる人はどれくらいいらっしゃいますか(笑)。minimal でゴリゴリな音だけど押しまくりでもなくて、ちゃんと展開があって小技も効かせて entertainment にまとめてる。んで piano のメロが際だってる track もあったり。
きっと death techno な感触が忘れられない時代遅れの邦人 GSM 野郎だろうと思ってたら違ってました。Slovenia の minimalist でした。うわ、ごめん。でも death techno 好きでしょ、でしょ?
でも多才な人です。tr.8 "Parkins" の壮大な synthe strings のベタベタ振りを聴いてください。今時こんなにベタで良いんでしょうか。そこから続く tr.9 "Neurotrotter" は detroit techno 調の爽やか loop。なーんだやれば出来るんじゃないですか umek さん。で、tr.10 "Somnifera" は ambient で organic な track。なんか序盤の奇天烈 breakbeats とはえらい違いだ。中盤から聴き始めたら別の人の album と思うかもしれませぬ。でもベタベタです。どれくらいベタベタかというと Vangelis くらいベタベタ。きっと Vangelis も好きなんでしょ、ね、そうでしょ?
でも終盤は再び怒濤の breakbeats なのであった。tr.11 "Hektikos" はかつての squarepusher を思わず連想させる瞬間も。
final track "Neuropa Humbug" 聴きながら、この album について思うことは……、やっぱ game music ぽいなぁと。どの辺が? と問われると答えにくいのだけれど、もともと game music とは loop music であり minimal music であり cheap music だったわけで、音の安さに complex を抱えつつ melody への執着も忘れなかった人達の音楽だったんですな。んで、umek の音はピコピコと実験精神と minimalism を blend した結果出てきてるわけで、そこが妙に昔の game music を連想させてしまうのでわなかろうか。
"Neuropa Humbug" の後半て、まるで KMFDM だな。death 声の vocal だし。久々にこんな音聴くと笑っちゃうよ。わはははは。この調子で頑張ってください。
今頃聴きました。いやぁ、何だかのほほんとしてて良いです。
まぁいつもの Underworld なので、相変わらず beat は弱め、Carl Hyde の vocal は何処向いてるのか解らぬ感じ、です。でもそれが逆に Underworld らしいっちゃらしいので、そこを愛せるか否かが好き嫌いの分かれ目でしょう。
この人達の曲には減音の美学みたいなのが感じられる。単調に思われる四つ打ちがふと途絶えたとき、柔らかに永続する synthe の音が一気に空気を冷やし、そこから漸次的に pulse が波を為していくとき、そこには Steve Reich の影が垣間見えるだろう。その瞬間が美味。おいしいツボを心得てる職人さんです。
読了。読むの時間掛かったなぁ。
コインロッカーで捨てられていた孤児のキクとハシ、この二人の遍歴が村上龍特有の speedy な文体で語られる。二人とも孤児であることに complex を抱き、それを乗り越えようと足掻き苦しむ。キクは外向的な性格で自らの心を覆い、化学兵器「ダチュラ」を用いてツルツルでピカピカの街・東京を破壊しようとする。一方ハシは内向的な性格となり、子供の頃に聴いた、自分を癒し満たしてくれる音を探し求めて彷徨った挙げ句、プロの musician として大成する。しかし音が見つからないことへの苛立ちは募るばかりで、仲間には離れられ妻には刃を向けることになる。
破壊することで生きる実感を得ようとするという構造は、どことなく六田登『ICHIGO』を連想させます。もっとも、印象は散漫なのだけれど。
「Bird を聴かなければ jazz の何たるかを本当の意味で知ることはできない」とゆー趣旨の文章を何かの雑誌で見たなぁ。にもかかわらずひたすら避けてました(笑)。いや、どの辺から入っていいものか解らなかったもので。jazz 推薦盤とかの本だといきなり complete box から紹介されてたりするし。いくらなんでもそれはきっついなぁ。と思っていたら中古屋に流れていたこの 2 枚組を発見。出会いを大切にしよう。
disc 1 だと swing 風のものから始まるので流石に時代を感じます。って、もう 50 年以上も昔だし。でも何か凄みが伝わってきます。disc 2 tr.7 "Klaunstance" の目の覚めるような hard rush が熱い。続く tr.8 "Bird gets the Worm" も気迫の演奏で、Max Roach (dr)、Miles Davis (tp) も巻き込んでの激しい演奏が痛快だ。tr.12 "Parker's Mood" の、緩やかでありながら強靱な alto を聴かせる Bird、いやはや素晴らしい。
1940 年代の録音というだけで小生は敬遠してしまうクチだけど、時代の変わり目を写し取ったような存在を目の当たりにすると、こういう時代もいいよねと思ってしまう。食わず嫌いはいけません。悔い改めまする。