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実は "Achtung Baby" は大好きでした。あはは言っちゃったよ。高校の頃に CD レンタルして metal tape に落としたのを、それこそ tepe が擦り切れるくらい聴いたです。それこそ Mettalica の black album と同じくらい。いやぁ青春でしたねぇ。未だに "Achtung Baby"、CD 買ってないけど(爆)。それどころか今まで U2 の album って CD で持ってなかったりして。今回買ったのも 350 円の中古盤だし(爆死)。
U2 の「テクノ 3 部作」掉尾を飾る、1997 年の作品。"Achtung Baby" を聴いた頃にはあまり感じなかったが、この作品で聴かれる U2 の音には、やはり technology の影響が多分に含まれている。tr.1 "Discotheque" での digital な質感は、彼らが生半可な気分でこの方向へと向かったのではないことをその音でもって実証している。しかし、U2 といえば哀愁を帯びた美メロと Bono の真摯な声と The Edge のツンドラの嵐的な guitar なのであり、それは pop を志向する以上、定型的な pops の format を要求する。故に club music とは相容れない形でこの album も変容している。端的に言えば、New Order や Depeche Mode のような new wave 風味で U2 してみました風になっている。それが付け焼き刃のように見えないのは、小生が "Achtung Baby" から U2 に入ったからかな。
後半はあまり digital な感じのしない、泣き泣き ballad が多かったりするのもご愛敬ということで。
さぁ、The Vision の世界である。Jeff Mills と共に "Waveform Transimssion" を構築した AXIS の片割れ、Robert Hood の変名。こりゃ凄いです。Mills の "vol.1" が変幻自在な Mills 宇宙観の first contact だったとすれば、ここで The Vision が奏でる世界は宇宙を光速で飛翔する starcruiser な感覚ですっ飛ばす。妥協は一切無し。引き締まった beat がざくざくと世界を切り刻み、高らかに舞い上がるシンセの音が気分を否応なく盛り上げる。この迷いのなさこそが鋭い知性の切れを体現しているような、逞しくも危険な track の数々だ。ううむ、やっぱりすげーや Robert Hood さん。
Funky に朗々と吹きまくる David Sanborn の album。Jazz として聴くと物足りないのだけれど、流石にここまで堂々と吹かれるとホレボレしてしまいますな。なにより pop だ blow だ元気だ勢いで押し押しってのがベリグー。冒頭の "Snakes" から絶好調なノリで、Marcus Miller の bass も rhythmical にうねるうねる。ダイエーホークスの秋山が引退時に「心技体のバランスが保てなくなったので……」と言っていたけれど、Sanborn は気力体力ともに充実してます。powerful で high quality な fusion が好きな方にオススメです。
こんなに吹く人だったっけか、Kenny Dorham。Carlos Valdes の conga に煽られるように、hard bop な展開で突き進む。パッと聴いたときにぁあ、tr.1 "Afrodisia" のバタバタした感覚に、「これは本当にあの "Quiet Kenny" なヒトですか??」と思ってしまった次第(*1)。
とにかく熱い演奏の目白押し。tr.2 "Lotus Flower" こそ ballad だけど、それでも全体の印象はイケイケのノリノリ(死語)で、楽しく踊れる jazz の見本みたいな album に仕上がっている。後半三曲は正統な jazz form での演奏で、ここでも hard bop な勢いは衰えず。Art Blakey (dr)、Horace Silver (p)、Hank Mobley (ts) といった、後の Jazz Messangers 人脈も期待通りの快演。
Blue Note 盤って昔から苦手意識があるのだけど、この手の熱い演奏を聴くには避けて通れないよなぁ。またいろいろ聴いてみるべ。