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listening techno の第一人者と言って良いであろう、John Beltran の 2002 年作。
まずは tr.2 "Caboclo" を聴いてくれい。techno な beat の上でなめらかに流れる guitar がたまらなく熱帯風味。tr.4 "Siesta Key" は 6/8 拍子で jazzy taste な一品。んを、tr.6 "Respectall" なんて、samba とちゃうのん。
というわけで、John Beltran による brazil taste 満載の album になっている。album 後半はもっと detroit 色の強い track もあったり。tr.16 なんて good loocking 系の d'n'b だし。ともあれ聴いて極楽、聴かずばソンソン。暑い夏を前にしての、粋な present です。
宇宙と言ってツァラトゥストラがどどーんと鳴り響く時代はサルと共に終わったのだよ。かといって Kraftwerk のように下半身丸出しで machine beat 刻み続けて music non stop してる時代も過ぎ去って幾星霜。そりゃあ Juan Atkins が Kraftwerk から多大な影響を受けたことは有名だけれど、小生が "Deep Space" 聴いて思い浮かべたのは Brian Eno "Apollo" だったというのは全くもって正しい認識と思うわけです。
宇宙はピカピカでもキラキラでもなくて、無慈悲で無表情で冷酷で残酷で永遠で無限なわけよ。そんなところまでいけしゃあしゃあと繰り出して人間様は何しようってんですかね。とりあえず真空でも深呼吸して心を落ち着けなさい。てゆか死ぬって。
全体に ambient な雰囲気が溢れかえっていて、これで踊れ踊れ馬車馬の如く踊れって言ってもそりゃーフミヤさんにでも言ってくださいと。"Deep Space" は Model 500 名義での first full album なのに、既にして techno 仙人の風格がありありと窺えるというのはどうしたことよ。いやでもこれは正しい道筋なのです。いったん極みを見てから人界に降りて soulful な 2nd "Mind and Body" を作り上げたわけだし。そういえば A Guy Called Gerald の、"Black Science Technology" から "Essence" への流れにも通じているような。いやもぅ、なんて言うかこれって review からどんどん離れてないか?
妄想広げすぎるのもなんなんで、後は自習にします(爆)。たまには山に登って夜空でも眺めましょう。じゃ。
今や break beats の暗黒街道をひた走っている As One こと Kirk Degiorgio だが、この "Reflections" ではのっけから四つ打ちが。新鮮な驚きを覚えつつ聞き入ってみれば、ambient 風味がピリリと効いた Detroit techno album なのであった。
たぶん、今の多芸な Kirk であればもっと音を上乗せして厚みを付けて jazz taste もまぶせてごてごてと厚化粧な track に仕上げてしまうことだろう。しかし、その領域に踏み込まずに、あくまで身を引いたまま Detroit に肉薄した "Reflections" は、その微妙な距離の取り方がかえって良い効果を上げている。ここで鳴り響く音響感覚にはやっぱり敬服します。いやまぁ俺節全開の "Planetary folklore" も良いんだけどさ。
これが 350 円とゆーのは何かの間違いと思いたい(爆)。お陰で良い買い物になりました。
変拍子を多用しつつも自然な流れが心地よい album で、忘れた頃に聞き直したくなってしまう。この review も何度目かねぇ。
Detroit techno を自らの style として取り込んだ artist としては、極めて独自性が高い。個々の曲が pop で豪華だし、jazz fusion と techno との絡み具合も良好。よく比較される Kirk Degiorgio が、Detroit の影響受けつつもぐぐっと jazz 寄りに shift してしまったのとはまた違う、one & only な音世界を作り上げた Ian はやっぱり偉大であることよ。3rd album "A History of Things to Come" では tribal な方向へと向かったけれど、"Gigantic Days" は techno 比重が高いので、O'brien らしい deep space な音響を楽しみたい方はこちらをどうぞ。