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さてさて Therapy? の新譜である。second の "Trublegum" を日々浴びるように聴いていた頃から大分経って、もちろん邦盤は best 盤を除いて聴いてきたわけだが、techno 的な approach やら cello を feature したりとそれなりに幅を広げつつしかし焦点の絞り切れてない album が多かったのも然り。だがだがしかし、"Shameless" は原点回帰の guitar ばりばりな punkish な仕上がり。持ち味と言っていい pop で泣き泣きな melody も健在だ。久々の会心作。"Trublegum" の鋼色の疾走感には残念ながら及ぶべくもないけれど、10 年選手でありながらもまだこんな album を作るだけの地力があったとは。当分聴き倒そっと。
album を録音したとき、Chick は 26 歳。うーむ……。
この album で Chick と出会い、それからいろいろと album も聴いたが、やはりこれが最高傑作だろうか。hard bop の泥沼と free jazz の混沌が席巻していた時代に、本質的には romantist な Chick が jazz の躍動感と自由とを体現した一枚。ひねくれた theme の中にも叙情的な Chick 節が美しい "Steps-what was" からして小生の heart はぐぐっと掴み取られてしまう。Chick 自身が自分の殻に封じ込められてしまった感のある今となっては、この album で聴けるような自由さはもう生まれてこないかもしれないなぁと思ったりする。